人狼審問

[徐々に、月の光とあたりの暗闇が薄れていく]

[腕に抱きしめているトビーが、輪郭を失っていく]

[加奈子は、ＣＣＥ本社の一室、明るい光が差し込む白く清潔な部屋で、静かに目を覚ました]

―南区・海岸―
[ニーナがトビーを打ち倒し、火柱に包まれて消えてゆくのを、ただただ見つめていた]
……これで……終わりだよな……。
[握りしめたダガーをポトリと落とした事も気付かずに、そのまま倒れこんだ。]
【……泣き声が聴こえる……誰が泣いているんだろう……もう……泣かなくて済むといいのに……】

［高原はヘルスルームのベッドで目が覚めた］

ふぅ……よく寝たな。

［ベッドから出てみる。昨日までの違和感はだいぶ無くなっている］

【ふん……ほぼ回復ってとこかね。】

［周りを見回す。カーテンで仕切られた箇所、あいている箇所］

ヒューとメイ……？はまだ寝てるな。
他のヤツラも寝てるみたいだねえ。大宮……口ぱかーっと開けて寝てやがる……馬鹿面だな。

……昨日より……人数増えてる？スタッフも……カーテンの中の気配も……？
終わった……のか？全員戻ってきたのか？

［高原は近くのスタッフを呼び止めた］
そう……か……終わったのか……。
それで……意識は戻ってるのか？あたしに手伝えることないか？

［畑山の許可がないと詳しくは教えられないと告げられる］
……っ！あたしは……っ！

［ふっと目を伏せる］

そうだ……よ……な……。一応あたしはこいつらと面識ねえ……。ゲーム以外では……他人……だ……。
だが……一応短い間だが本気で生死を賭けて戦った仲間でもあるんだ……なにか……あたしができることがあったら言ってくれ。
全力で協力するから……な？

[人のざわめく声が聞こえる。しかしそれ以上に、俺の鼻を、人の匂いが刺激する。]

……。

【……目が……回る……ここは……】
[目を開けても、真っ白な天井は真っ白にしか見えなかった蛍光灯の明かりさえも俺の目を痛めつける]

【……帰って……きたのか……】

……酒が……呑みてぇ……。

[そのまま再度*眠りに落ちる*]

【……酔えなくても……いい……さ……】

―南区・海岸―
[ソフィーを執拗に狙い続ける死神：ローズの攻撃に、既に彼女は満身創痍だった。繰り出される鎌の軌跡を先読みし、受け流し、致命傷でなければ敢えて受けさえもした。だが、歴然たる能力の隔たりは、可能な限りの知識と技術を駆使してすらもはや明白だった]

【だめだ…あたしでは、勝てない。このキャラクターでは、デスと対峙して生き残れるはずも無い……もう、これじゃあ……】

[ソフィーの見つめていたローブの揺らめきが、ふと掻き消えた]

――来るっ！

[背後に現れる気配を予測し、ソフィーは上体を捻りつつサーベルで受けようとした]

―南区・海岸―
[ソフィーに振り下ろされた一撃は、彼女のサーベルに阻まれたかに見えた。だがその一瞬後、キンッという音と共に、サーベルは半ばほどから砕け散った]

【……武器、破壊……か。十合も、持たなかった……】

【終りね……ここで……。
　ごめん、みんな……ごめん、ほんとに……】

[ソフィーは鎌を再び振り上げる死神：ローズを茫然と見上げた。その時、誰かの叫び声が遠く聞こえ、激しい光が見えた後、空が暗雲に包まれた]

――雨？

【あたし、これで……最後か。みんな……】

[……しかし、その最後の一撃は訪れなかった。
　やがて、彼方から光が差し込み、閉じたままのソフィーの瞼に青空が戻ってきたことを伝えた。
　ソフィーは、最後の“JIN-ROH”が斃れたことを感じつつ、*意識を失った。*]

［中井澄佳。
俺がこのチームで働き始めてから最初に部下になった人物だった。

どうやら最初からこのＬＩＢＥＲＴＹに関わっていたらしく、デバッカーのアルバイトからの昇格だった。
熱意ある彼女には何度も助けられた。

フィードバックの話の時でも表立って俺を擁護し、ゲームの有り方についての考えはよく似ていた。
彼女とはたくさん仕事の話をした。

明子とも仲がよく、勤勉で努力家。
俺にとって最も信頼できる部下になっていた］

−金曜：１９時：吉祥寺ＣＣＥプラザ−
［ＶＲ端末を調査し、ハッキングのトレースを開始した。
とは言っても俺は見ているだけ、セキュリティ班がコンソールで接続し優希の足跡を辿って行く。

俺はただ見ているだけだが、ふとこんな考えが頭をよぎった］


警察、か。

［俺達はどれだけの人を傷つけたのだろうか。
俺達はどれだけの人を心配させたのだろうか。

けじめはつけるべきかもしれない。
ＣＣＥ社は叩かれ、ＬＩＢＥＲＴＹの開発はストップするだろう。だが・・・・・・

優希、俺も唯ではすまない。だが責任は取ろう。


そっと部屋の隅で、プラザの電話のボタンを”１１０”と押した］

―CCE社内・接続試験ルーム―
[中井澄佳は、閉じていた目をゆっくり開いた。その視界にオフになったヘッドセットが映った。近くからスタッフたちの慌しげな声が聞こえた]

【ここ、は…？　現実世界、なのかしら……？】

うぅ、ん……。

[中井が声を上げた途端、スタッフの一人に呼び掛けられた。返答するうちに、やがて接続用の端末が身体から取り外される。女性スタッフに助けられつつ、中井は身を起こした]

戻って、これたのね…。他の人たち、は？
それに、畑山さんや……あっちゃんは……？

[未だ、ヘルスルームのベッドの上で目を閉じている]
[徐々に落ち着きを取り戻している]
[身体の痛み、不快感はほとんど無い]

身体にダメージはほとんど残っていない……。

おそらくは、意識の問題ね。
わたしにとって……わたしの意識にとっては、ゲームの中での「死」は、どのような意味でも「死」ではなかった。
そういうことになる、のかしら。

[目を閉じたまま、ひたすら周りの人の流れ、気配を感じ取ろうと意識を集中させている]

やはりこんな状況だものね、脳波を測定されているわ……スタッフがモニターを一目見れば、既にわたしが覚醒していることは、すぐに気づかれてしまう。

でも今、そのことを気づかれるわけにはいかない。幸いにも、スタッフ達は、脳波の乱れの大きい人たちに集中していてわたしのことはあまり気にしていないようだわ。

……わたしには、この「現実世界」で、やるべきことがまだある。
待っていて、優希。

[心の中でそう呟き、スタッフの流れに「隙」が出来る瞬間を待っていた]

[遠くで人のざわめきが起こる]
[『中井澄佳』の覚醒を受けたスタッフが、対応に走っているようだ]
[覚醒した中井に対するいくつかの問いかけが加奈子の耳に入る]

中井、澄佳。ソフィーのＰＬね。開発チームの、一員。
……今なら、隙をついて抜け出せるかもしれない。

わたしの予想では……今回の事態は、未だ、社内でもトップシークレット扱いになっているはずだわ。そして、わたしが、事件を起こした張本人……'ＪＩＮ−ＲＯＨ'であることを知っている人間は、このヘルスルーム内にもあまり居ない筈。

我らが『ＣＣＥ社』の、愛すべき企業体質について考えれば、当然されるべき予想、ね。

つまり……この「ヘルスルーム」を出てしまえば、わたしは、悠々と抜け出し、優希のところへ向かう事が出来るはずだわ。会社には旅行だと偽り長期休暇を取っているけれど、わたしを社内で見かけてもそう気にする人も居ないでしょう。着替えは、ロッカーに準備してある。

……後は、「隙」を待つだけ。

[まもなく、中井香澄が幾人かのスタッフに付き添われて部屋の外へ向かったようだ]
[残ったスタッフも、誰かへの報告のためか、部屋の外へ出て行ったようだ]

[余りに予想通りの顛末に小さく笑う]

駄目ね。本当に、「詰めが甘い」わ。
参加者の中に「犯人」が居ることなんて、容易に予想できるというのに……こんな監視状態では、ね……。

[静かにベッドから離れ、少し開いたドアから、滑るように部屋を出て行った]

『解析結果出ました！！ 』

[その声に反応し、彼らの近くに寄って行く。

IPアドレスまでが表示されていた。グローバルだろう。
どうやら社内ネットワークを経由し、VPNルータを越えてアクセスしてきたようだ。
アクセス履歴はユーザを頻繁に変更して偽装している]

・・・・・・ このアドレス、どこかで。


[何だろう、はっきりと思い出せない。

だが、会社に関係があった気がする。

もしかしたら、開発に知っている奴がいるかもしれない]

[そう思った瞬間、西条君からＬＯＧＯＵＴのアラームが鳴った]


ログアウト・・・・・・ ？

ゲームが終了したのか！？

[中井も目が覚めたのか？
ならば電話で中井に連絡を取り無事を確認したい。

そして、このアドレスも確認できるかもしれない]

[畑山から緊急の連絡が来ているという声と共に、中井は受話器を受け取った]

はい、中井です。
ええっと……そのIP,は……。

[しばし後、記憶をたどって思い出した]

はい、旧社屋のPCではなかったかと。そちらから接続していた、ということになりますね……。
……社内の、人間が。

旧社屋というか、以前の一時期借りていたビル、ですね。どうしましょうか、私もそちらに向かった方が…？

[中井は旧社屋の所在について、畑山に説明した]

……ええ、はい。体調は大丈夫、だと思います。
行きましょう、現地に。きっと……神原さんが、いるはずです。

[スタッフに向かって、車を出して移動の手配をするよう要請した]

それでは、よろしくお願いしますね。また後ほど。

[そう言って、畑山との通話を終えた]

[中井との電話を切り、ビルへ向かう事にした。

だが、プラザの事務所には既に警察が来ていた]


電話で事情を話したとおりです。
信じがたい話だと思います。ですが、サイバーテロの一貫として事情聴取でも構いません。
犯人逮捕を、お願いします。


『まあ、詳しい話は車の中ででも聞かせてもらいましょう』


[こくん、と頷き、俺は警察の後についてプラザを出た。

外にはパトカーが止まっていた。それを見た瞬間に、俺は自分達が犯した罪を悟った]

[パトカーで麻布の旧社屋の前に到着する。

俺はプロジェクト開始当初に立ち会っていないから分からないが、彼らにとっては思い出の場所。
優希にしてみれば、夢が始まったビルなのだろう。

その直後、ＣＣＥ社の車も到着した。

多分、中井だろう。久しぶりに顔を見る事になる]

[畑山の顔を見、ほっとしたような表情になったが、後続する警察車両に警戒の色を浮かべた]

畑山さん……。
ここの、６Fです。“LIBERTY”を開発し始めた時期―4〜5年前に借りていた、ビル。

【懐かしいわね……あの頃は、あたしもまだ何もわからなくて。ただゲームが好きなアルバイトだったのに……でも、それがこんな事件にまで……警察まで動いてる、それはそうよね……】

中井・・・・・・
無事でよかった。LIBERTYの中では苦労しただろ。

優希が、ここにいるのか。
あいつには言わなければいけないことがたくさんある。

[こくりと頷いた]

そうですね……行きましょう。
警官さん、６階です。このビルの。

[ビルを見上げ、正面入り口から中へ入っていった]

[エレベーターに入り、６Fのボタンを押す。

機械音と共にゆっくりと上がっていく]


優希・・・・・・これえ終わりだな。



[エレベーターの扉が開き、目の前にフロアの入り口が出現した。

恐る恐る扉を開ける。

フロアは殺風景で、広い部屋の中にテーブルが一つ、ポツンと置いてあるだけだった。
そこには旧VR端末と、優希の姿があった。既にゲームは終了しているようで、ヘルメットを外している]


・・・・・・ 優希！！

神原さん……。帰って、きましたよ。私たちは……。

何故なんです？　何故、あれほどのことをしてしまったの……？

[優希は畑山達が入ってきた音にも反応がなく、かといって瞳を閉じているわけでもない。その瞳はただ中空に向けられているだけで、何かを捉えている風ではなかった]

[畑山は優希の顔を覗き込んで再度呼びかけた。ようやく黒い瞳が静かに動いて、畑山の姿を捉える]

……やあ、畑山。……久し振り……だね。

[優希は中井に呼びかけられて、瞳を僅かに動かした。ようやく反応した、というだけだった]

[中井の呼びかけに、優希は声を返すそぶりがない。まるで優希は人形のように、そこに佇んでいる]

[中井は唇を噛み、神原に向かって一歩詰め寄った]

どうしたんです、神原さん…。思うことがあればいつも一番に口を開くのはあなただった。何か、思うことはあるでしょうっ！？

[優希は中井の問いかけに答えない。中井がいる事に気付いていないかのように、ただ中空を眺めている]

[神原の放心した様子に表情を曇らせ、首を左右に振った]

……何も思わない、のね……。
ううん、何も、思えなくなってしまった……ということ、かしら…。

[中井は振り返り、力なくため息をついた]

[そのとき、苦しげな機械音と共に旧社屋6Fのエレベーターのドアが開く]
[加奈子がフロアに駆け込んでくる]

……優希！

[中井と畑山の姿を確認し一瞬ひるんだものの、すぐに、神原優希の元に駆け寄る]

優希……、会いたかったわ……。

[加奈子の声に優希は初めて、少しだけ顔を動かした。相変わらず虚ろな瞳は感情を感じさせなかったが、加奈子の姿をきちんと捉えている]

加奈子……か。

[加奈子の声に少し反応したものの、それでもやはり、優希が極度の放心状態にあることに気づく]

……優希？　優希！！　おねがい、しっかりして……。

加奈子・・・・・・ ！？

目が覚めたのか、いやそれよりもどうしてここへ！？


[高志は加奈子へ話し掛けたが、その言葉は加奈子の耳に届いていない]

[加奈子を見て優希の目の奥に一瞬だけ戻ったように見えた光は、直ぐに見えなくなった]

優希……。
優希、お願いよ……。わたしを、置いていかないで。

戻ってきて、優希……。

[優希の頬に手をそえ、正面からその目を覗き込む]
[涙が溢れる]

あなたにとって、'LIBERTY'が、あまりにも大きな存在……'LIBERTY'が全てと言っても過言ではないような重要性を持つことは、よく、分かってる。

あなたが、あの世界と共に、滅びてしまうを、心の底から願っていたことを。
あなたが、もう、こちらの世界で生きる気力を、失ってしまっていることを。

……「あの世界」で、わたしは……あなたの、「声にならない声」を沢山聞いたわ。

わたしには、良く分かってる。
あなたは、あの世界での「死」を、この世界の「死」として強く望み、心の全てで受け入れた……。

[震える声で、祈るように語り掛ける]

優希……お願いよ。……お願い。
わたしを、また一人にするのは、やめて……。

あの世界で死を望み、殺され、この世界に戻ってきて……わたしには、良く分かった。

わたしたちの生きるべき場所は、やはり、この世界なのよ。
どんなに良く出来ていても、どんなにリアルであっても……虚構は所詮、虚構でしか無い。

くだらない場所かもしれない。辛い場所かもしれない。こんな風に、死ぬまで傷つき、傷つけられ続けるかもしれない。

それでも、わたしたちは、ここで……この世界で、生きていくしかないの。

優希……、愛しているわ……。

恋愛感情……？　違うわね。そんなんじゃない。
わたしの気持ちは、そんな、くだらない使い古された言葉で定義されるものじゃない。

わたしは、あなたを愛している。とても強く。
不器用で、愛しい、もう一人の「わたし」。

[優希を抱きしめ、絞り出すように叫ぶ]

優希……わたしを、独りにしないで！！

[優希の唇から声は漏れなかった。その瞳も揺れ動く事がなかった]

[ただ、その頭がゆっくりと動いて、加奈子の涙混じりの顔へそっとよりかかる。それはまるで彼女を慰めるかのようだった]

[加奈子の言葉を聞きつつ、やがて二人から目をそらした]

【加奈子…さん？　以前、何かの部署でいた人だっけ…？】

……優希。

[優希の頭を優しく撫で、再びそっと抱きしめる]
[頬に頬を寄せ、優希の耳元で囁く]

優希。あなたのこと、ずっと待ってる。

ゆっくりできるようになったら……色々な話をしましょうね。聞いて欲しい事が沢山あるわ。聞きたいことが沢山あるわ。

……優希。ずっと、待ってるから。

[一連の行動を見守った後、刑事が動く]

『神原優希。

サイバーテロ規定により、不正アクセス禁止法違反の容疑で書類送検する。
悪いが同行してもらおうか』


[加奈子は刑事の手で優希から引き剥がされ、優希の手に手錠が掛かる。
高志は、それを見てこの事件の終焉を感じた]

[警察に車椅子のまま連行され、エレベーターに乗り込む勇希を見ながら、加奈子に近づいていった]


加奈子・・・・・・


君は、どうしてここへ？

[抱きしめていた優希が自分の手から引き剥がされ、連行されていく様子を、その場にへたりこんで呆然と見ている]

[涙に濡れた顔を上げ、声をかけてきた畑山を見る]

優希と二人で……全て、壊してしまおうと思ったの。

あなたに対する思い込みから来たくだらない想いも、その想いに囚われて動けないわたし自身も、あなたも、あなたの大切な'LIBERTY'も、全て、壊してしまおうと思った。

[声の震えを抑えるように目を閉じる]

あなたと別れてからずっと、色んなものに囚われて、冷静になろうとすればするほど感情が乱れて……どうすれば良いのか分からなくて、どこへ行けば良いのか分からなくて……何も信じられないまま、このまま死ぬまでやっぱりわたしはずっと孤独なんだという想いから、どうしても逃れられなくて……。

苦しかった……。

だから……だから、全て壊してしまおうと思った。全て、壊れてしまえば良いと、思った。
もしかしたら、そんな風に全て壊してしまったあと、壊れたものたちの間から、何か別のものが見えてくるんじゃないかとも、思った。

でも……優希が。

[腕には、優希の感触がまだ強く残っている]

[加奈子の台詞に戸惑い、頭が真っ白になった。

何を言っていいか頭で整理がつかず、口から思いのままが無責任に吐き出される]

・・・・・・ そんな事のために、これだけの人を傷つけたのか。

俺もお前を傷つけた。償いならいくらでもしよう。

だが、明子は関係なかった筈だ。
なぜ、明子をあんな目に・・・・・

このまま明子が目を覚まさなかったら、どうするつもりだ！？

[畑山の言葉に含まれる刃を受け止め、静かに飲み込もうとしながら]

明子……明子は、目覚め、ないの……？

[恐れながら尋ねた]

[少し冷静さを取り戻すように息を吸い、ゆっくりと言葉を紡ぐ]

・・・・・・ わからない。
まだ参加者も全員目を覚ましていない。
その中でも明子が最も容態が悪い。

だが、俺が必ず明子を目覚めさせて見せる。

[畑山の言葉が引き金となって、心の中に激しく浮かび入り混じる様々な感情を、力ずくで押さえつけながら、呟いた]

……そう。

[畑山と加奈子のやりとりに、黙って目を伏せた]

【あっちゃん…あたしは、戻ってこれたけど。やっぱり、乗っ取られた事が…。】

ごめん、畑山さん。先に出てるよ。ちょっと、外の空気、吸ってくるね…。

[中井はそのまま、エレベーターに乗って『１F』のボタンを押した]

・・・・・・ 俺は、ＣＣＥに戻る。

明子が待ってる。


[高志は加奈子を残し、エレベーターで１Ｆへと降りていく]

―旧社屋ビル・―

[中井は下降するエレベーターの天井を見上げ、ぽつりと呟いた]

戻って…きて、ないんだ…。あっちゃん。スタッフ達も、全員が戻ってこれたかどうか、言葉を濁してた…。
何で……こんなことに、なっちゃったんだろ……

[中井はそのまま、力なくうずくまった]

―旧社屋ビル・１Ｆ―

[エレベーターを降りると、中井がうずくまっていた]

中井・・・・・・

どうした、体調が優れないか？

[たまらずに畑山から視線をそらす]

[その場に座り込んだまま、動こうとせず、去っていく畑山と中井の方を、最後まで見ようとしなかった]

[エレベーターが下りていく音を耳にして、暴れる感情を押さえつけようとするるように目を閉じた]

[優希のことを思い、少しだけ泣いた]

[随分時間が経ってから再び歩き出す気力が戻るまで、そのまま長い間、そんな風に、ずっとそこに居た]

―旧社屋ビル・１Ｆ―
[畑山の声に、そのまま頷いた]

はい…やっぱり…今も起きてない人がいるんだって思うと…。ごめんなさい、しばらく休ませて貰いますね……。

[そう言うと、エントランスに止めてあった車に乗り込み、*目を閉じた。*]

ああ・・・・・・

[中井が車に入っていくのを見ながら、近くにある自動販売機でブラックのコーヒーを買った。

もう時刻は２２時を回っていた。
ビルに残っている加奈子が心配だが、もう俺には彼女にかける言葉が無かった。


既に疲れが押し寄せている。

明子を目覚めさせる。その最後の仕事を控え、再度ＣＣＥ社に戻らねば。

少し夜風に当たったあとで、高志は車に乗り込み、ドライバーに本社へ戻るよう指示した]





*明子や一部の参加者が目を覚まさない事を残し、この事件は終わりを告げようとした*

[果蒼は目を覚ました]

【あれ･･･俺いつの間にベッドで寝たんだ･･･?】

[果蒼は上半身を起こして周りを見渡した]

【･･･なんでこんな所にベッドがあるんだ？
昨日、岡崎さんが寝たのを確認してからまったく記憶が無いな･･･】

[果蒼は疑問を抱きながら急いで起きてベッドを元にあった位置と思われる所に戻す]

寝ぼけてこんな物移動させれるはず無いしなぁ･･･

[果蒼はベッドを元の位置に戻すと岡崎の所に戻った。岡崎はまだ寝息を立てて寝ている]

よく眠ってるな･･･

[果蒼は岡崎を見て微笑むとベッドの横の椅子に座った]

─CCE社　ヘルスルーム─
[彰は、果蒼が椅子を引く気配につられて目を醒ました。ベットの側に果蒼の姿を見つけて、はにかんだように頬笑む。]

…あ。
おはようございます。
昨日から、果蒼さんはずっとここに？

おっと、ごめん　起こしちゃったかな？

ああ、どうやら途中で寝てしまってたみたいだけどね

[果蒼は恥ずかしそうに苦笑した]

[彰は、果蒼の表情に胸が温かくなるのを感じて、今度は嬉しそうに笑った。]

あ、でも、私もＬＩＢＥＲＴＹにログインした時から考えたら、きっと長い間寝てたと思うし、気にしないでください。
…それより、他の人はどうしてるのかな？
皆、無事に起きてきて…？

[岡崎の言葉を聞いて果蒼は少し言葉を詰まらせた]

俺も詳しくは知らないが、まだ数人目が覚めてない人もいるらしい･･･

だが俺達のように目覚めた奴も居るんだ、きっと目覚めるさ･･･

[彰の笑顔が不意に曇る。]

起きてない人も居るんだ…。
…はやく、目が醒めるといいのに。

【……そうだ。先に死亡して強制ログアウトになった果蒼さんは、私がJIN-ROHに操られてたってことを知らない…のかも。】

………。

【もし、私がJIN-ROHとして殺された時に居た人たち、ソフィさんやグレンさん…が、起きてきて対面することになったら？
というかきっと「なる」。
ならないと困る…んだけど。
その時、私はどんな顔をしたらいいんだろう。】

[自分がJIN-ROHとして殺された瞬間の事を思い出した途端、彰は胸に刃物を突き刺されたような鋭い痛みを感じ、体を引き攣らせた。]

[果蒼は岡崎の様子が変なのに気付いた]

･･･君がそんなに気を落とす事は無いよ

俺たちは被害者だったんだ、その中で必死に生きようとしただけだろう？

……い、痛っ。
これは、なに…？

ログアウトになる時に致命傷として刺された場所が、急に痛い。

[果蒼は突然涙を流し苦しみだした岡崎を見て慌てて立ち上がった]

どうした岡崎さん！？

どこか痛むのか！？

[すぐには答えず、痛みに慣れるのを待つように、胸を抱いたままうつむいた。]

【JIN-ROHだったことは、果蒼さんに知られたくないな。…でも、私、心配して貰ってて、こんな状態で嘘なんて…つけない。】

[果蒼は岡崎の言葉を聞いて心配そうな顔をしながら椅子に座った]

大丈夫ならいいけど･･･

また痛むようだったらすぐに言ってくれよ？

ふぁ〜〜〜あ……。
[大きなあくびをして目を覚ます。]

……大分リアルに慣れたかな。ハハハッ。

[周りを見ると、似たようなベッドで何人も寝ているのが見える。]

病院？

[女性の寝ているベッドの脇に座る男性が、心配そうにその女性と会話しているのが見える。男性の目しか見えないが、慈しむ様子が伺えた]

【恋人同士なのかな？大変だな。人の事言えないけど。】

[彰は顔を上げ、胸を押さえたままの状態で、自分を心配してくれている果蒼をじっと見つめた。]

ありがとう、果蒼さん。
すごく、優しいね。

…あのね。
私、LIBERTYの中で、JIN-ROHに操られてたんだ…。
ハーヴェイくんと、ギルバートさんを、私が呪文を唱えて殺した。

それと、果蒼さんも一緒に居たLUNA君も…多分。
私が死ぬ時にJIN-ROH、その人の声がトビー君の中から聞こえて…LUNATICはJIN-ROHだって言った。

[むくりと起き上がりベッドから降りるが、ふらついて手すりに捕まる]

ととっ……。

てか、ここどこだ？

？！

[聞き覚えのある単語を耳にして、そちらに目をやる。先ほどの男女のようだ]
【……え〜と……なんだ。まてまて、どういうことだ？】

[果蒼はじっと岡崎を見つめながら話を聞いていたが、岡崎の言葉が切れたのを確認するとポンと岡崎の頭の上に手を置いた]

それが本当なら･･･今回の一番の被害者は君だろう？

戦いも無いのに戦わされて、殺したくも無いのに殺さされたんだから･･･

[果蒼は岡崎に笑いかけた]

［高原はベッドから起きあがった］
腹減ったな。食堂にでもいくかね。

［目の前にふらついている男がいる］

……おい？大丈夫か？

[脇から声をかけられて驚く]

あ、あぁ、すみません。大丈夫です。

今、胸が痛いのは…、JIN-ROHに操られてるならって…私。
中井さんの剣で殺してもらった場所で、たぶん致命傷になった場所なの。

[彰は、また緊張したまま言葉を続けようとして、果蒼の手がLIBERTYの中でそうされた時のように、自分の頭にぽんと置かれたことに気が付いて、言葉を途切れさせた。]

………果蒼さん。

あの……すみません。
聞き違いではなければ、ＪＩＮ−ＲＯＨとかトビーとか聞こえたのですが……。

ひょっとして、ＬＩＢＥＲＴＹとかの話ですか？

あんた起きたばかりなのかい？
数日は痛みを感じるけど精神的なもんみたいだからすぐに治るから安心しな。

あたしは起きて二日後にはほとんどなおっちまったよ。

［高原はにぱっと笑いかけた］

［ヒューバートとメイに近づく］
JIN-ROHの話か？

[果蒼は森野と高原の声に気がついた]

ええ、そうですが・・・

貴方達は？

[彰は、衝動的に果蒼にしがみつきそうになった瞬間に、横から男性に声をかけられ、はっとしたように振り返った。]

あー
あたしは高原ってんだ。実はヘンリエッタ動かしてた。
なかなか起きるヤツがいねえからな……。スタッフは口を閉ざしてやがるし。
あたしより後に来たヤツのが色々知ってるかなっておもってな。
すまねえな。話のじゃまして

［高原は苦笑いをしている。］

［メイの方を向く］

それよりもあんた。
女性キャラで起きてるのは元が頑丈なあたしくらいみたいでね。
身体は大丈夫か？無理すんじゃねえぞ？

えーと、グレンでした。森野といいます。

始めまして……ですね。

[ペコリとお辞儀をした]

ヘ、ヘンリエッタですか・・・

[果蒼は高原の言葉を聞いて少し冷や汗を流した]

【うわー･･･絶対魔術師じゃなくて武道家タイプだと思うんだけどな･･･】

俺は果蒼と言います、ヒューバートと言ったほうがわかりやすいですかね

[ヘンリエッタと名乗った、ガタイのいい男性を見て、一瞬の沈黙の後に笑い出す。]

……わはははははははは！！！！！！！
なんだよ、オトコなのかよ！！！！！！！
ぎゃーっはっはっはっは！！！

……そうか……あんたがグレンかい……。
あんたはいつ戻ったんだい？
全員ひとまとめにはされてるけどカーテンで仕切られててわかんねんだよな。

そこでカーテンが開いたまま馬鹿面晒して寝てるのは大宮……ケネスだ。あいつはテストサーバーにログインしてたたき起こしてきた。

おいおい！
あたしは女だぞ！一応！

まあ趣味がボディビルなんでな。筋肉はついてるが……。

[躊躇しながら２人に向かって、]
……私は、メイでした。

[高原の方を向いて、]
あの、ありがとうございます。
現実とゲームの中がごっちゃになってて、急に痛くなったりするのかな。

でも、果蒼さんが、居てくれたおかげで…私も大分大丈夫だと…。

おいグレン！それ以上笑ったら俺の土木事務所で下働きさせるぞ畜生！

［高原は苦笑しつつ森野にどなった。］

え？！あ……す、すみません！！！
[顔を真っ赤にしてヘンリエッタに謝っているが、メイの名を聞いて、ハッとする]

………。

[メイと名乗った女性を見ている]

……そっか……。
ＪＩＮ−ＲＯＨといっても、実際は女の子だったって事か。

う〜ん……。

[メイとヘンリエッタを見比べている]

【女って、怖いな……】

［果蒼の方を向く］
あんたがwistariasか。
今回はお互い大変だったな。メイと知り合いだったのか。
すごい心配そうに側にいたからな。

だけど椅子で寝るのはやめとけよ。身体がもたねえしな。
一応ベッドに放りこんでおいたけどね。

［ＣＣＥ本社、ヘルスルーム］
［藤原士郎はしばらく前から覚醒していた。周囲が動き回るのに任せて自分の思考を優先させた］
【…今回、クライアントからの情報があったからこの程度で済んだが、
もっと影響を受けた奴もいるだろうな…。
そしてオレは依頼を達成できず、今回は前払いの報酬のみ、か。
予想外のことが多すぎたが言い訳にもならんな…。
あまりにも信憑性がない話で半信半疑だったが
あれだけのリアリティならあいつを目覚めさせるのに使えそうだ。
外から呼びかけてもダメなら中から、ってな…。

問題はＣＣＥが今回の件を警察に委ねたか否か、だ。
委ねていないならやりようはあるが委ねてしまっていた場合、
あらかじめ制限がかかったものしか手を触れられない可能性が出てくる。
制限がかかっているだけなら外せばいいんだが、モード自体が無い場合手が出ない…。
何はともあれ動かないと始まらない。向こうで騒いでいる連中はいったい何なんだろうな…】
［そこまで思考するとそのままベッドに身を横たえたまま目を閉じた］

[彰は、自分がJIN-ROHに操られていた事、LUNATICもおそらく同じようにJIN-ROHに操られていたであろうことを、３人に改めて説明をした。]

……その節は本当にご迷惑をおかけしました。
あの後は、どうなったか…グレンさん、じゃなくて森野さんはご存知ですか？

［高原は空腹だったのを思い出した］
あー腹減ってたの忘れてたわ。
細かいことはどうでも良いから飯食いに行くか。
しっかり食ってしっかり運動！体力つけておかねえともたねえぞ？

食堂でもいくか。
［高原は豪快に足音を響かせて*食堂へ向かって歩いていった*］

[頭をポリポリとかきつつ*苦笑している*]

腹減ったな……。

誰か、ＺＥＮＹを貸してくれないか？
泉に投げ捨てて、残ってないんだ。わはははははっ。

[果蒼は岡崎の説明が終わってから口を開いた]

君はJIN-ROHに操られていた被害者だ･･･

気に病むことは無いよ･･･

[果蒼は岡崎に笑いかけてから少し表情を曇らせた]

【むしろ･･･責められるべきなのは俺かもしれないな･･･　俺が･･･トビーを撃っていれば彼女が傷つく事はなかったのかもしれない･･･】

いや、俺と彼女は知り合いってワケじゃないですよ

ベッドで寝ていて変だと思ったら貴方でしたか

[果蒼は苦笑した]

[メイに話しかけられて、歩き出した足を一瞬止めて答える]

どうなった……か？

こうなってるさ。

[メイに振り返りニヤリと笑って、二本の指で挨拶をすると、ヘンリエッタについていった。]

そうだな･･･とりあえず食堂でも行くか･･･

少し腹も減ったしな

[果蒼は岡崎に手を差し伸べて笑いかけた]

立てるかい？

ひょいとのぞき込む
えっと、あー、メイ、操られてたんなら仕方ねえよ。
あたしはあんたがJIN-ROHだと思えなかったしね。そのへんはあんたの素の部分だろ？

グレン、ここにいる間は飲み食いはただらしいぞ。

［高原はそれだけ言うと「先に行くぜ♪」と歩いていった］

[操られるという単語には何も言わない事にした]

無料？！
おぃおぃ、まるでＬＩＢＥＲＴＹ内みたいだな。ははははっ。

[ヘンリエッタの後ろ姿を見て、初めて女性だと納得した]
【なんでヘンリエッタを使ったんだろうな。日焼けした肌を見てると、ドリスでよかったと思うんだが】

[彰は、高原と森野のあっけらかんとした言葉に、ぽかんとして目を見開いた。ふと、さっきまで切り刻まれるように痛かった胸が、少しも痛んでいない事に気がつく。]

…じゃあ、私も食堂に。
お腹は減ってるの…かな？

[そう言って小首をかしげた途端、お腹が鳴り、彰はその事実にこわばっていた表情をほころばせた。]

……ありがとう。

[彰は、果蒼の手を取り、ベットから立ち上がった。]

[確かな体温を感じて、思わず果蒼の手をぎゅっと握りしめる。先に行った２人の後ろ姿を見つめながら、彰は果蒼に口を開いた。]

……あの。

[果蒼は岡崎の腹の音を聞いた]

はははっ、岡崎さんもお腹が空いてるようだね

じゃぁ、行こうか

[果蒼は歩き出そうとした時に岡崎に呼び止められた]

どうかした？

……退院してから。
また、もし良かったらお話してくれませんか？

[果蒼は岡崎の言葉を聞いて少し驚いてから口を開いた]

･･･俺なんかでよかったら、喜んで

……ありがとう。

[彰は、果蒼の答えに閉じていた目を開くと、*幸せそうに頬笑んだ。*]

[果蒼は岡崎の微笑みに一瞬見惚れてから手を握ったままなのに気付いた]

【もう少しこのままでも･･･いいかな】

[*果蒼は岡崎と手を握ったまま食堂へと歩いて行った*]

　　　　　　−ＦＩＮＡＬ　ＥＰＩＳＯＤＥ−

　　−金曜夜：ＣＣＥヘルスルーム：テストサーバ前−

[高志さん。

加奈子が他のゲームの広報に移動して、私がＬＩＢＥＲＴＹ広報担当になってすぐに知り合った人。

『はは、ごめん。昨日も徹夜だったもので』

寝癖は直してない、ネクタイは曲がってる、顔は眠そうだし精細を欠いている男性。
最初の印象は、「だらしがない人」でした。出会いとしては、最悪です]

[その後、高志さんと一緒に仕事をするようになりました。
私、LIBERTY一度もやった事なかったんです。

何にも知らない私を見て、高志さんいつも笑ってました。
でも、優しく色々教えてくれて。

なんか、ちょっとだけ。
いい人なのかな、って思いました]

[ある日、休日に高志さんの家に遊びに行くことになりました]


他社のでもいいんですけどＭＭＯってどんな雰囲気なんですか？
実際に一般ユーザの中に混じってやってみないと、分からないですよね？


『じゃあ、俺んちでやらせてあげるよ。
今度の日曜は休みだから、来れば？ 』


[そんな簡単な理由でした]

[高志さんの部屋は殺風景で、数少ない家具が転々と並ぶ中。
部屋の真中には数台のゲーム機とＴＶが鎮座してました。

部屋に入るとさっそく高志さんは私にコントローラを渡し、さあどうぞ、って一言言いました。


そこからはゲームとの格闘。
私下手で、横で高志さんがずうっとあれこれ言ってました。
やってる私よりも高志さんのほうが急がしそうで。
楽しそうにはしゃいでました]

『少し休憩するか？ 』

[そう言われて、私は軽く頷き、部屋の隅にあるソファーにちょっとだけ横になりました。
高志さんがお茶とお菓子を持ってきてくれて。
ＬＩＢＥＲＴＹの話とか、開発のメンバーの話とかしてくれて。

でも気が付いたら、寝ちゃってました。

こんなにゲームやったの初めてでつかれてたのかもしれないし、高志さん見てたら安心しちゃったの

かもしれないし。
起きたら私の事見て高志さんが笑ってるんです。

なんかもう、恥ずかしい]

「ＶＲシステムテストサーバ：スタンバイ」

「ログインＩＤ：ＴＡＫＡＳＨＩ」

「ＲＥＡＤＹ？：ＯＫ」

「ＮＯＷ　ＬＯＡＤＩＮＧ・・・・・・」

−村：中央区：女神像前−
[女神像前。

全て終わった。優希も、そして加奈子も。
ＬＩＢＥＲＴＹを取り囲んだ不幸は、これから少しずつ終焉に向かって動き出すだろう。

あとは、これだけ。

俺と同じくテストサーバにつながれている明子をＬＩＢＥＲＴＹから連れ戻す、ただそれだけだ]

[俺は走ってアーノルド邸に向かった。

書斎と寝室、それに居間。探したが見つからない。
デボラは寝室で消えた。

なのに、いない]


・・・・・・ 明子？


明子！！！！


[返事は無い]

[書斎で椅子にもたれ掛かる。

もう、これ以上は俺も限界だ。
明子を助けるためにここに来たのに、頭がもうろうとしている。

ここ数日間でどれだけ寝たか？

ここ数日間で仕事以外の時間がどれだけあったか？


もう、よく分からなかった]

[ふと、波の音が聞こえる。


窓が空いている。


窓の傍に、コーヒーカップが置いてある。


窓の外を覗いた。


海が、見えた。


海岸に誰かがいる。そして何故か、俺にはそれが明子だと分かった。



次の瞬間、俺はアーノルド邸を飛び出していた]

−フィールド南区：海岸地帯−

明子、探したんだぞ。

−フィールド南区：海岸地帯−

・・・・・・ 高志さん。

帰ろう。もとの世界に。

私、ここにいてもいいですよ。
ここは高志さんが作ったＬＩＢＥＲＴＹの世界なんですから。

明子・・・・・・

ここならこうやって、高志さんと一緒に海にいられるから。

ここならこうやって、高志さんと一緒に海にいられるから。

俺、ＣＣＥ社を辞める。

辞めなくていいです。あんなに大切にしてたじゃないですか。このゲーム。

人が不幸になるゲームなんて、いらない。

それって、私の事・・・・・・ ？



私、不幸じゃありません。

少なくとも、俺は不幸になった。

お前を失いかけた。
それに、たくさんの物を傷つけた。

もう、いいんだ。

高志さん・・・・・・

海に行こう。
二人きりで。

波に触ったら冷たくて、潮の匂いがして。


そして、隣に明子がいる海へ。

[明子は軽くうなずき、俺は彼女の手を取った。
肌が触れても熱は感じない。テストサーバの中はそういう設定だ。

だがすぐ近い未来に、俺は明子のぬくもりを確かめられる。そう確信していた]

　　　　　　　　　　ＬＯＧＯＵＴ

＜キャスト＞
トビー／西條鉄雄（ＬＵＮＡＴＩＣ）／神原優希：asbntby

メイ／岡崎彰（ＡＫＩＲＡ）：yummy

ローズマリー／榊美礼（ＭＩＲＥＩ）／上原加奈子：natsuki

ソフィー／中井澄佳（ＮＡＳＵＫＡ）：yuma

ニーナ／片桐仁菜（ＫＴ−Ｎ）：poxnoid

グレン／森野悟（ＲＯＡＤＳＴＥＲ）：skyline31

ラッセル／桐野信也（ＴＲＥＥ）：turugi

コーネリアス／藤原士郎（ＭＥＫＡＴＡＮ）：yukari

ギルバート／筒井八雲（ＹＡＫＵＭＯ）：utumi

ヒューバート／果蒼龍憲（ＷＩＳＴＡＲＩＡＳ）：reahannta

ケネス／大宮誠一（ＪＡＺＺ）：kame

ヘンエリッタ／高原美奈子（ＴＡＫＡ）：Emotion

ハーヴェイ／八頭大（ＤＡＩ）：yohichi

シャーロット／天野恵（ＲＩＬＬＹ）：darkside

ギャラリーの皆様（敬称略）

ａｎｄｏｒｅ
Ｅｌｌｉｅ
ｈａｔｕｍ
ｈｏｙ
ＪＲＢＤＤ
ｋｅｎ０８１５６
ｋｋｋ
ｋｕｕ
ｙｋｂ
ｒｅｎ１７５
ｒｈａｐｓｏｄｙ９７
ｓｅｉｙａ−ｋ

ＯＰテーマ
「Ｏｂｓｅｓｓｉｏｎ」（作詞／作曲：ｓｅｅ−ｓａｗ）


ＥＤテーマ
「記憶」　　　　　　　（作詞／作曲：ｓｅｅ−ｓａｗ）

監督・総指揮
　アーノルド／畑山高志（ＧＭ）
　　デボラ　　／馬場明子（ＳＵＢＧＭ）


　　　　　　　　bdheki

　　　　　ＧＡＭＥ　ＯＶＥＲ

お疲れ様でしたー！！！



そしてエピで誤投稿！！！！


▼吊り：ＧＭでお願いします！！！！！！！！！

はい、おつかれさんでしたー
いやー長かった

お疲れ様でしたー！
わかりました▼ＧＭとグレン、コミット終了してます。

毎日死にかけましたねえ。
主に昼

えー、もう残り時間少ないですが、ここからはぶっちゃけモードでお願いします。
苦労した分、いいログ出来たと思います。

ＧＭは好きなだけ吊ってください。

そしてさっきから頭痛がひどいんで寝ます。


皆さん、楽しんでいってください・・・・・・

あら、ヘキさん死亡か
おつかれさん、お大事に( ´｀)

おつかれさまですー！！！
やっと終わったー！！！　長かったー！！　ばじゃーい！！

あー疲れたー！！

ＧＭお疲れ〜。
某村をリタイアするほど疲れてるんだもんな。

かわいそうなので、みんな心を鬼にして吊ってあげよう。
▼ＧＭ

そしてGM、おつ！　ナイス誤爆すぎてびびった。あの顔で「高志さん」て相当うける。

ま、

▼グレン　→　▼GM

ですかね。吊り回避COされる前にさくさく吊りましょうｖ

とりあえずオレも眠い。
ＲＰ村、回数進めば進むほど、終わるの遅くなってないか？
オレ、バトロワ村の時、２時に終われば遅いほうで３時に終わったのって最終日だけだったんだが、今回ほぼ毎日だろ？
社会人にはあの日程キツイっての。

いやぁ・・・お疲れ様でした。

墓下で日暮さんになっていた筒井八雲ことutumiです。

おつかれさまー！！！
GMはお大事にー。

とりあえずＧＭは乙。
吊りは▼ＧＭにしとく。
しかしアレだなぁ、オレの占い理由、誰かに言ったっけ？
凄い適当な占いで狼２発見だからなぁ…。

もちろん、

▼ＧＭ
▼グレン

ＧＭついに体壊しましたか。お大事にしてください。

なんでグレン吊りなんだ〜〜！！！！

みなさまお疲れ様でした〜。
ＧＭはゆっくり休んでください。

ﾊﾟｯｼｮﾝ以外で理由を述べてみやがれってんだべらぼうめぇ！

だってスカさんだし(理由)

正直、ＲＰ村の深夜進行はリアルにもどうかともいますｗ。まあ、今回投票集計＆発表と言うプロセスのせいもあるでしょうね。

まず、ＧＭが狼選出したから、白ログ担当１〜２、赤ログ担当１、と読んだ。
ってことで多弁占いでトビー、ヒュー、グレンを選出。
で、グレン＝スカ＝掲示板の発言で守護者認定で放置。
トビー＞ヒューと占ってトビー人狼。
次にニーナは単体で変だったから占った。
その次にメイは「トビーがロングじゃないのにかまってるから狼だ！」で占って黒判定。
我ながらなんて理由だ、とか思ったらローズマリー吊って狼だろ？
いきなりオレ視点で全員狼発見とかどうよ（汗

さて、そんなことよりも。

森野「俺のおごりだ。好きなだけ喰え！呑め！！」

[腕をフルって、厨房とテーブルを往復している]

▼スカ
理由：ﾊﾟｯｼｮﾝ

で良いじゃん大げさだなあ。

コネ。

ロング好きなトビーが、メイに絡んでいたのは、あずさんも言っていたけど、中身が入れ替わったことらしいよ？
それに気付いた、コネＧＪ！

＞ローズマリー吊って狼

ソフィーの霊COは騙りよ！！
こんなに可愛くて素直なマリーちゃんがJIN-ROHな訳、ないじゃない！！

優希はロング特別好きでもなんでもないですからね（笑）。

呼び名も中身変わったらヒューバードからヒューバートにかわったしねぇ

>>187
ローズマリー吊って良いですかー。

＞可愛くて素直
ん〜〜？（微妙な表情）

ローズ。

喰われてやんの。ばーかばーか！
いい加減に、スカ吊りから卒業しやがれ！

でも、墓下のローズのログを読んで、あずさんに相談した。

優希がグレンの脳をハックしてたら。
優希の意識が残っていたら。
ローズに呪われて、グレンは起きない。

などなどｗ

なんか怖い女の人が変な事言ってる

▼スカさん

理由は……ＧＪが起きてくれたら面白いなあとか思ったけど起きなかったから。（普通無理

トビー。

いいとも〜♪

トビーのもともとの中の人はゲーム楽しめずに昏睡と言う大変気の毒な方ですね。まあ、ある意味幸せかもですが。

つーか、オレが占い師希望した理由が「占い師ＣＯを最後まで誰にもさせないため」だったんだがなぁ…
その前日にＧＭから「所属陣営の勝利重視で」って言われてたから占い師ＣＯの下地作りはじめて、名前言わないでくれー、と言われた挙句に襲撃だしなぁ。
しかもスカさんだけ、オレが占い師ＣＯしてることに気がついてなくて守護が来なかった、とかネタすぎ（汗
せっかくグレネードを正面きって使えるシーンを演出しようと思ったのになぁ（涙

裏設定ではトビーの本来の中の人は廃人になるらしいですよ( ´｀)

ケネス！！

ＲＰで守護してたから、３日目で孤立した時点でかなり辛かったんだってばさ！！

それでも「ＧＪ狙いなら」ってことで、ケネスとコネは名前を挙げてたんだってば！

そもそも、コネを守れるほど、会話してないしっ！

みんなお疲れ様。
いきなりなんの戦闘力もない僧侶が吊られて何事かと思ったわ。
▼スカで。
理由は掲示板での暴走です。もう少し年相応に落ち着きなさい（笑

ローズは可愛いからダメ。
あくまで吊りはグレンとGM

せんせー　お仕事おわりません・・・
あと深夜あれはさすがに辛かった。

正直、ローズは怖いと思う。かなり狂気。
さすがだと思った（ぇ