美術商 ヒューバート [ふと机に向けていた顔を上げ、窓の外を見た。] ……もう、こんな時間になっていたのか。 [窓の外では夕日が煌いている。昨日よりも更に良い天気だ。 何時の間にこんな時間になったのか……集中しすぎるのも難だな、等と思いつつ、作業を続ける。 机の上にはバラバラに分解された銃が転がっている。 汚れを取り、グリスを差し、何時でも引き金を引けるように……丁寧に、一つ一つのパーツを整備して行く。 作業開始から既に何時間か経過しているが、まだ終わる気配はない。 机の左端には、旧友から貰い受けた銀製の弾が並べてある。 彼の話の通りならば―――これを使えば、人狼に対抗出来る。 微かな希望と共に、護るべき友を護る為に…… 黙々と作業を続ける。蝉の鳴き声しか聴こえてこないほど静かだ。] | |
(201)2006/07/30 18:19:52 |
美術商 ヒューバート [睡眠時間は六時間丁度。訓練を受けていた為、体内時計は正確だ。何時も通り、夢は見られなかった。 昨日の集会所―――あの出来事、あの話、あの皆の顔。記憶は正確だ。 セシリア、と云ったあの少女。 占い師? 霊能者? 結社員? 妖魔? そのような台詞が出てくると云うことは、閉じ込められてから即興で作られた話では先ず無いだろう。 事前にこの出来事が起こることを知っていたのなら、人狼はさっさと村から居なくなっている筈。……彼女もアーヴァインも人間だろう。 血の匂いは彼女からは香ってこなかった、と覚えている。昨晩の質問攻めにも妙な顔色一つ見せなかった。 ……信用出来るだろう。そう信じたい。 結局、昨日はどのようにして此処まで帰って来たのか、余り記憶に無い。 それ程までに出来事の持つ印象が強すぎた。恐らく、そういうことだろう。 考えに耽りながら、漸く整備を終える。器用に右手のドライバーを操り、銃を*組み立て始めた。*] | |
(202)2006/07/30 18:30:08 |
美術商 ヒューバート [組みあがった銃のマガジンを取り出し、それに端に置いてあった銀の弾を一つ一つ詰めて行く。 つめ終わるとグリップの感触を確かめ、くるくるくると回す。 ―――ヘッケラー&コック・P12。軍用拳銃。愛用のものだ。 よく手に馴染む、手の一部になったようなこの銃。 暫くじっとそれを眺めると、上着の内ポケットに仕舞った。] さて……結局丸一日掛かってしまったな。 そろそろバーに人が集まってくる時間だろうか…… [窓の外には月が良く見える。怪しい月だ。星が瞬いている。夏の夜空。 それを見て軽く、溜息を吐く。右手でポケットを探る。 銃を何時でも抜き出せることを確認すると、一階への階段を降りて行った。] | |
(214)2006/07/30 22:07:13 |
美術商 ヒューバート [店内に入った。部屋の奥から食器のがちゃがちゃとした音が聞こえてくる。 ローズマリーもフレディも既に村から離れた筈……すると、物音を立てているのはハーヴェイだろうか。 唄に気付いた。何処となく哀しいメロディが部屋に響き渡っている。見知った銀髪……コーネリアスだ。 昨日集会所で感じたような不穏な空気は感じ取れないものの、依然として鼻につく、仄かな匂い。何処からだろう。 ―――やはりこの男が? そう思いつつも何時ものカウンター席に腰掛け、やはり何時も通りの微笑みをコーネリアスに投げかける。 細い目から突き刺すような視線が出ていることには、自分では気付かない。 唄が終わると軽く手を叩き、話し掛けた。] や、コーネリアス。良い歌だね。……哀しい旋律だ。 今日もここで唄って行くのかい? | |
(216)2006/07/30 22:14:34 |
文学少女 セシリア [ふと気づけば、窓から見える空は真っ暗になっていて。 夕方のうちに点した灯が頼りなく自室を照らしていた] もうこんな時間でしたか。 [向かっていた机の上には、 びっしりと文字で埋まった便箋が数枚。 そのうち何枚かは、個人的な手紙。 その他は現在わかっていることなどを全てまとめたメモで、 書き写して結社に送ったほうが良いかと思案していた] 私も此処から出られないでしょうが、 自警団の方にお願いしてみましょうか。 …報告したところで、この事態には私が当たるのでしょうけれど。 それに――間に合わないかもしれませんが、ね。 [それは考えたくない、という風にゆるゆる首を振り。 再び窓の外を見遣る] | |
(226)2006/07/30 22:43:47 |
お嬢様 ヘンリエッタ [家の戸締りをしっかり確認して、外へ出た。涼しい風が吹き抜けていく。真っ暗な道をカンテラが照らす。辺りの家々も真っ暗で、広場の向こうに灯りのともったバーを見たときはほっとした] [キィ、と音をさせてバーの扉を開けると、そこには既に先客がいた。竪琴をかき鳴らし歌う銀髪の吟遊詩人と、無精髭の見知らぬ男(いや、昨日の集会にもいたのだろうが)カウンターにはハーヴェイがいて、エッタに気付くと「やぁいらっしゃいエッタ」と手を振ってくれた] あ、こんばんはー! ギルバートさんとステラさんと夕ご飯の約束したんだけど…まだ、なのかな。 [テーブル席のヒューバートに気付き] ヒューバートさんも夕ご飯? 一緒に座ってもいい? [にこっと笑いかけた] | |
(228)2006/07/30 22:48:16 |
美術商 ヒューバート [赤いリボンの少女に気が付くと、軽く手を挙げ微笑んだ。 ―――彼女も、容疑者なのだろうか。昨日の集会所、また今日ここに居ると云うことは恐らくそうなのだろう。 心配していることを悟られないようにと、普段通りの笑みをヘンリエッタに向けた。] や、エッタ。軽く夕食をとろうかと思っていたところだよ。 ……ん、一緒に、か? 勿論。どうぞ? [そう云ってにこりと笑いかける。 煙草の煙は毒だな。そう思い、灰皿で煙草を揉み消した。 こうしていると普段通りのバーの風景だ。普段通りの、平和な日常。 このような毎日が続くことを祈りながら。 バーの奥のハーヴェイのほうへ、声を掛ける。] ハーヴェイ? 何時ものディナーセットを二人分、頼むよ。 | |
(233)2006/07/30 23:01:20 |
修道女 ステラ [ヘンリエッタの姿を見つけ、声をかけようとして、一緒に居るヒューバートに気がついた。 うれしそうにヒューバートと話しているヘンリエッタの姿に、あまりお邪魔してはいけないかな?と余計な気を回して、声をかけるだけにしようと思った] エッタちゃん、ヒューバートさん、こんばんは。 遅くなってごめんなさいね、エッタちゃん。でも、ヒューバートさんが居てくださって、助かりましたわ。せっかくですし、お二人でご一緒にどうぞ。 [にっこり笑ったところに、ハーヴェイから声をかけられた] は、はい。ハーヴさん。私でよければ、お手伝いしますわ。 [ハーヴェイにくっついて、二人の席を離れる] | |
(250)2006/07/30 23:34:41 |
美術商 ヒューバート [エッタの天真爛漫な笑顔を見て、緊張させていた気持ちが少し緩む。 初めて会ったときもそうだった覚えがある。人の心に入り込んでくるのが得意な子だ。 悪い気はしない。それどころか、心が安らぐ。 他人に干渉されることが苦手だった私にしてみれば異例のことかもしれない。 エッタの言葉にくすくすと笑いながら、言葉を返す。] 久しぶりだね。確かに、エッタのお父様は……少し喋りすぎるかもしれないな。 そういえば、この間買っていったドールセットはどうだった? ああいうのを選ぶのは余り得意ではなくて少し不安だったのだが…… [そこまで話すと、バーに入ってきたステラに気が付き、手を振る。] こんばんは、ステラ。 いや、こちらこそ、楽しくお喋りさせて貰っていたよ。 [そう返すと、ぱたぱたとステラの厨房へと向かって行く後姿が目に入った。 ……こちらの様子に遠慮でもしたのだろうか、と少し悪い気になったものの、楽しい時間であることに変わりはない。 夕食を食べながらコーネリアスの唄を聴き、談笑を続ける。] | |
(252)2006/07/30 23:39:27 |
美術商 ヒューバート そうか。 あれは民芸品だけれども、割と丈夫な素材で作られているから多少なら弄っても大丈夫なんだけれどもね…… [『私から、お父様へ云っておこうか? そうしたら……』 そう云おうとして、ぐっと言葉を飲み込んだ。 ……今は誰も居ないのだ。お得意先のエヴァンスさんも、酒場の店員のマリーやフレディも、隣の部屋に泊まっていた旅芸人の二人連れも。 少し、憂鬱になる。 そう考えていると、後ろから声を掛けられる。振り返るとそこに居たのは、レベッカ。 変わらない、無邪気そうな笑みを見、少しだけほっとする。] や、こんばんは。レベッカも来たのか。 ……ボディーガードね。オーケイ、了解。 [そう云ってくすくすと失笑を漏らす。] | |
(272)2006/07/31 00:09:23 |
美術商 ヒューバート [食事をあらかた片付け、ナイフとフォークを皿にそっと置いた瞬間、派手な音が聞こえた。コーネリアスのほうか。 それ自体にはそれほど気を留めなかったが、続く会話に耳をそばだてる。 ―――一人でいる者を襲うのではないか。そのようなことが聞こえ、手を止める。 ……バーに居ないのは僅か三人。そのなかに人狼が居たなら…… そうすると、コーネリアスは……皆を暫くバーに集める為に、わざわざここへ? つじつまは、合う。 ―――背筋が一瞬だけ、冷たくなった。 目の前のエッタを一瞬見る。特に普段と変わったところはなく、皆と談笑している。 ……杞憂であって欲しい。そう思った。] | |
(334)2006/07/31 01:58:31 |
吟遊詩人 コーネリアス [セシリアの言葉に、一瞬なんと言おうか言葉に詰まるが、彼女が結社員だったことを思い出すと、コーネリアスは思いのままに喋った] 貴方は、結社員だからよく知っていると思いますが、人狼は通常人が少ないところを見計らって、襲いますよね? ここからは……私の勘が大部分なのですが、先程、いなかった人々、メイさん、シャーロットさん、アーヴァインさん……いずれも危ないと思いませんか? 私の竪琴は銀糸の弦で出てきており、そう、切れることはありません。 それが切れたということで、何かが起こった。いや、起ころうとしているのかも知れない。 オカルトじみたと笑うかも知れませんが、私の胸騒ぎが止まらないのです。 ……だから、どうか、私と一緒にメイさんの安否を確かめにきてくれませんか? もちろん、私が信用できないと言うのならば、他に誰かを連れてきてくださっても構いません。 | |
(343)2006/07/31 02:17:32 |
吟遊詩人 コーネリアス [セシリアの足音に従いながら、コーネリアスがその後をついていく。 一列で歩く姿は、まるで遠い昔の子供の頃に、リーダー格のガキ大将が、鼻歌を歌いながら、他の子供を先導する姿を思い出させた。 あの頃は、何も考えることなく、何も隠すことなく生きていくことが出来た] [そう。せいぜい、あまりにも遊びに夢中になって、遅くなった帰り道で、泣きながら、言い訳を考えていたとか、その程度のものだろう] [泣きながらでも、そらに見えていた月は煌々とした満月で、子供心にも美しいと感じたのを覚えている。 今も、まだ空には満月が輝いているのだろうか?] ……セシリアさん。 世間話と言うわけでもありませんが……空の月は綺麗でしょうか? | |
(365)2006/07/31 03:19:32 |
美術商 ヒューバート [エッタの少しだけ怒ったような顔を見て、失笑を軽く漏らす。 ぎこちない、自然に振る舞おうとして生じてしまったような不自然な手を優しく握り返してやり、バーを出る。 涼しげな夜風が身体に当たる。空をふと見上げると、綺麗な満月が輝いていた。 ―――不吉だな。そのように思ってしまった自分を嘲笑する。 全く、神経が過敏だ。悪いほうへ悪いほうへと思考が働いてしまっている。 そのように思ってしまったことを隠すかのように、口を開く。] ……綺麗な星空だね。 [……わざとらしいにも程がある。すっかり何時ものペースを失っているな、と心の中でもう一度、自分を嘲笑した。] | |
(366)2006/07/31 03:25:47 |
美術商 ヒューバート [宝石箱をぶちまけたような、満天の星空。 指差しながら星座を説明してくれるエッタに相槌を打ちながら歩いて行く。 ……良い夜だ。昨日の騒ぎが嘘のように。 そんな思いは、明かり一つ点いていないエッタの屋敷に着いた途端、その夜に吸い込まれた。 何時もは深夜でも明かりが点いているその屋敷は、誰も居ないことを象徴しているようだ。 メイドや執事たちが揃っていて、何時でも明るかったこの家が真っ暗というのは、この村の今を現実のものとして受け止めざるを得ないものだろう。] ……さて、もう着いた。 もう少し話していたかったんだけれどね。 [そう云ったところで、隣に居る少女が今から帰る家の中こそ、本当に寂しいものだろうと云うことに気付いた。 何時もなら必ず誰かしら居るこの家に、誰も居ない。容易にエッタの寂しげな表情が思い浮かぶ。] | |
(374)2006/07/31 04:04:19 |
美術商 ヒューバート [宝石箱をぶちまけたような、満天の星空。 指差しながら星座を説明してくれるエッタに相槌を打ちながら歩いて行く。 ……良い夜だ。昨日の騒ぎが嘘のように。 そんな思いは、明かり一つ点いていないエッタの屋敷に着いた途端、その夜に吸い込まれた。 何時もは深夜でも明かりが点いているその屋敷は、誰も居ないことを象徴しているようだ。 メイドや執事たちが揃っていて、何時でも明るかったこの家が真っ暗というのは、この村の今を現実のものとして受け止めざるを得ないものだろう。] ……さて、もう着いた。 もう少し話していたかったんだけれどね。 [そう云ったところで、隣に居る少女が今から帰る家の中こそ、本当に寂しいものだろうと云うことに気付いた。 何時もなら必ず誰かしら居るこの家に、誰も居ない。容易にエッタの寂しげな表情が思い浮かぶ。] | |
(377)2006/07/31 04:10:04 |
お嬢様 ヘンリエッタ [目の前に静かに佇む真っ暗な屋敷。この広い屋敷で、独りぼっちの夜を過ごさなければならない。 それを改めて認識し、と同時にヒューバートといたことで晴れていた気持ちが、また急速に曇っていくような気分に襲われた。が、そんなことはおくびにもださずに笑顔で] 送ってくれてありがと、それじゃまた… [続きを言う前に、ヒューバートから頬にキスを受け。 一瞬、何が起こったかわからずにぽかんとヒューバートを見つめた。 しかしそれが「何」だったかが次第に頭に染み込んでいくと、ぱっと顔が赤くなり] ……っ、…お、おやすみなさいっ。 [今が夜で、真っ暗で、ほんとに良かった。 そう思いながら、なんとか小さな声で挨拶を返した] | |
(381)2006/07/31 04:22:41 |
文学少女 セシリア おやすみなさい、コーネリアスさん。 お気をつけて。 [目的を果たせばあっさりと帰ってしまう コーネリアスに苦笑しつつも手を振り。 それも彼らしいかとなんとなく安心する。] 私は大丈夫ですよ、メイ。 [メイの呟きに顔を曇らせるが、無理やりに笑みを作って見せて] 今村にいるほとんどの方はバーに顔を出しておられましたし、 大丈夫じゃないでしょうか。 気を抜くことはできませんが、それはこれから当分続きます。 あまり思いつめないように、ね。 さて、私もそろそろ家に帰って休みますよ。 おやすみなさい。メイもちゃんと休んでくださいね。 過ぎた夜更かしは身体に毒ですし。 | |
(392)2006/07/31 04:54:00 |