文学少女 セシリア [それでもハンカチで口と鼻を押さえながら、 遺体を観察する。とある傷が目に留まった] これは――咬み跡、でしょうか? ? [すぐ近くに、似たような形の、だが明らかに大きさの違う傷] 嘘、でしょう? [思わず声が漏れる。 さらなる眩暈を感じてしゃがみこみそうになるのを 何とか堪えて、これからどうするかを考えた。 シャーロットはあの様子では、何処にも報せてはいまい。 自警団の詰め所に向かい―― ――そうだ、あの旅人のことも再度訊かねばならない。 そして村に残っている面々にも、報せなくては。 最初に何処へ行くべきか考えながら、 足は半ば本能的に自宅へと*向かっていた*] | |
(11)2006/07/31 09:24:59 |
墓守 ユージーン [其の報せが届いたのはつい先程の事。 団長が、殺された。恐らくは人狼に。――と。 旅人の時ならば、まだ否定することも出来た。 けれど、自警団に周りを警護され、隔離された現状では。 夜盗などそう間単に近づけるものではないだろうし、傷ついても居ない、しかもそこそこ訓練を積んでいるであろう自警団長を容易く殺せるような動物等、少なくとも...は知らなかった。 強い日差しを木陰で避けつつ、獲物を見つけてはしゃぐ猫たちを遠く見ながら。 人狼の存在という現実を目の当たりにして思うのは、恐怖でも憤りでもなく、――唯] ……余計なことを。 [呟くその顔は、髪と陰に隠れて伺えない] | |
(14)2006/07/31 16:18:12 |
雑貨屋 レベッカ [直接死体は見ていない死は実感を伴わなかった。もう、自分を叱ってくれるあの声は聞けないのだとぼんやりと考える。…シャーロットは、今泣いているだろうか。きっと、周りに心配をかけまいと、気丈に振舞っているだろう。…あの娘は、頑張りすぎてしまうから] …外に出られるようになったら、ケーキ食べに誘いましょ。隣町のカフェの苺タルトが絶品だったから、そこがいいわね。 メイとニーナとエッタちゃんも…ううん、いっそ村の女の子全員連れてっちゃおうかしら。 そうしたらギルも絶対ついてくるわね。 […人狼がいる。見知った顔の下に、牙を隠している者が確かにこの村にいる。そこから必死に目をそらした。小さく息を吐き、事務所へ降りる。また、集会場へ行かなくてはならないだろう。そう思いながらも考えることを放棄するように*書類を片付け始めた*] | |
(16)2006/07/31 16:42:23 |
吟遊詩人 コーネリアス [思えば、最悪の出会いだったと思う。 なにしろ、アーヴァインの手によって、一度殺されているのだから。 それでも、その後の彼の言葉は温かく、凍りついたようなコーネリアスの心を溶かしてきた―――好感の持てると言う次元を超えた、素晴らしい人物だったのだ。 その人物を―――永遠に失うことになるとは] ……私には……二度と会うことが許されていないのに…… [死と言うものに嫌われたコーネリアスはいつか、あちらの世界で会う、なんてことも、ない。 遠く長く生きてきたコーネリアスが出逢った、数少ない理解者を失うことは辛すぎた。 光を感じることさえ出来ない、役立たずな両目から幾重にも涙が*零れ落ちた*] | |
(22)2006/07/31 19:06:26 |
新米記者 ソフィー え、つまり…アーヴァインさん、死んじゃったの?もう、居ないの? [死んだの?死んだ?死んだって?聞きたくないこと。頭の中でリフレインする。 天国から地獄とはまさにこのことだ、と思った。 呆然とする彼女を前に、セシリアは小さく首を縦に振り、では私は他の人のところへ、と告げ去って行く。] 酷過ぎるわ… [なにも彼が、と零す。真面目で固いと言われていたが、責任感のあった彼。 集会の時から芽生えていた小さな不信を確かめられず、こんな形で幕を下ろすとは。] [いや、それだけではない。隔離された村の中でアーヴァインが襲われた。 それはすなわち、少なくとも村の中に犯人が居ることが濃厚であることを表している。 誰が、こんなことを?村人たちの顔が頭を*巡る*] | |
(26)2006/07/31 20:22:42 |
村長の娘 シャーロット [いつもとは違う天井。 締め切られた部屋、汗ばんだ身体。 それより気になったのは…鼻につく血の匂い。 それが、今朝の悪夢のような記憶を蘇らせる。 ベッドから起きだして部屋を見回していたところで、 セシリアが外から戻ってくる。 家に帰りたいと申し出れば、いつもの淡々とした口調で 先にシャワーを浴びてくるよう言われ。 すっかり身支度を整えれば、父さんの報せを聞かされる。 しばしの沈黙の後、セシリアが玄関の扉を開けて、どうぞ、と。 くしゃくしゃになった地図と血の匂いの残る衣服を抱きしめたまま、頭を下げて家を後にする。 後はただ、人目を避けるように、足早に自宅へと。 鍵もかけずに飛び出した、父さんとの思い出のつまった家へと] | |
(28)2006/07/31 20:31:06 |
美術商 ヒューバート [酒場に少しやつれた顔でやってきたセシリアからアーヴァインの死を聞き、此処、自警団詰所までやってきた。 無残な姿になっているアーヴァインに、生前の面影は殆どなかった。辛うじて顔の部分は残っているものの、四肢は割かれ、既に躰の半分は肉片と化していた。 暫く、自分の顔にすら表情が戻らないのが自覚出来た。愕然。その二文字が相応しい、表情の無い顔だっただろう。 ……人狼。それが、今この村に居る十五人の中に確実に居る。そのことをこの『モノ』は、ヒューバートの脳裏に焼き付けた。 自警団の一人に肩を貸そうと声を掛けられたが、丁重に断り、一人で歩く。 足取りこそしっかりしているものの、茫然自失と云った表情のまま、自警団詰所を後にした。] | |
(35)2006/07/31 20:59:28 |
吟遊詩人 コーネリアス [闇の中で悲嘆に明け暮れている、コーネリアスの耳にノックの音が飛び込んだ。 こんなところに来る人は、そう数は多くない。 一瞬、アーヴァインのことが頭に浮かんだが、その後に続く声で、さらに驚きを掻き立てられる] 『シャーロットです―――いらっしゃいますか?』 [……なんという運命のイタズラか。 まさか、アーヴァインを失ったその日に、彼の義理の娘と会うことになるとは。 思わず、かすれそうな声を、無理矢理に元の調子に戻して、コーネリアスが言葉を返した] ―――シャーロットさんですか? これは、珍しいお客様がいらっしゃいましたね。 [そう言って、特に鍵のかける必要も無い扉を引き開けた] | |
(36)2006/07/31 21:02:03 |
吟遊詩人 コーネリアス [―――少しだけ、安堵した。 アーヴァインのことについて言われたら、自分はなんと答えることが出来ただろうか? きっと……子供のように泣き崩れるだけだったと、思う。 しかし―――これもまた、どう答えればいいのだろうか?] 特殊な占い……。 そう。そうですね。確かに覚えています。貴方の母親のタロットを使った、あの占いを。 一度だけ、一度だけ、占いをうけたことがあります―――ああ。何故、そのような事態になったのかは聞かないで下さいね。私の恥をさらすことになりますから。 ……不思議な占いでした。 心の全てを見透かされるような、あの占い。 思い返してみれば、あれが人狼を見つける占いだったのかも知れませんね。 | |
(41)2006/07/31 21:28:44 |
修道女 ステラ Requiem aeternam dona eis, Domine, et lux perpetua luceat eis. Te decet hymnus, Deus, in Sion, et tibi reddetur votum in Jerusalem. Exaudi orationem meam, ad te omnis caro veniet. Requiem aeternam dona eis, Domine, et lux perpetua luceat eis. Kyrie eleison. Christe eleison. Kyrie eleison. [教会の中で、小さな祈りの声がする。セシリアより、アーヴァインの知らせを聞いて以来、ステラはずっと祈り続けていた。 森でアーヴァインが殺された。それも、ほぼ間違いなく人狼に。 よく、見回りの最中に立ち寄っては、色々と気を使ってくれていた彼。義理の娘のシャーロットの話になった時だけは、目を細めて照れくさそうな顔をしていた。 そんな彼が殺された…信じられない、信じたくない…] | |
(60)2006/07/31 22:33:15 |
修道女 ステラ Requiem aeternam dona eis Domine et lux perpetua luceat eis. In memoria aeterna erit justus: ab auditione mala non timebit. Agnus Dei, qui tollis peccata mundi: dona eis requiem. Agnus Dei, qui tollis peccata mundi: dona eis requiem. Agnus Dei, qui tollis peccata mundi: dona eis requiem sempiternam. [祈りの言葉が一区切りついたところで、ステラは意を決して立ち上がる] そろそろ、集会所に行かないと… [集会所に行けば、アーヴァインの死という現実に立ち向かうことになるだろう。でも、受け入れないといけない] それに…シャロちゃんの方が…もっとお辛いはずですから… [小さくつぶやくと、ステラは愛用のロザリオを片手に、カンテラを片手にもち、教会から*出て行った*] | |
(61)2006/07/31 22:37:37 |
吟遊詩人 コーネリアス ははは…… 自分を占う必要はありませんよ。 自分を知る、というころに気構えはいりません。要は自分に何が出来るか?ということです。 例えば、自分はティーポットで紅茶をいれることが出来るか? 例えば、自分は物を投げる時にどれぐらい飛ばせるか? そのようなことの積み重ねでしかありません。 それを貴方の心が知っていればいいのです。それが自分の強さ、心の強さに繋がります。 その心の強さで持って、相手を占おうと思うのならば、きっと、いえ、確実に道は開けます。 占うとは、心を強く持って、相手のことを知りたいと願う。それだけのことです。 ―――占いの形にこだわる必要はありませんよ。 貴方は貴方。母の行動を模倣しなくとも、貴方ならやれるはずです。 | |
(62)2006/07/31 22:38:42 |
美術商 ヒューバート [空を見上げながら歩く。相変わらずの曇り空だ。星一つ見えない。 虫の音が聞こえる以外、非常に静かな夜の空気。 足音が響く。右。左。右。左。右。 真っ暗な中、ただ歩く。歩調は普段よりやや早い気がする。夜目は効いている。 昨日まで点いていた曲がり角の街灯が消えているのに気付く。 人の命と同じように、点灯し、また消灯する。一と零。零と一。 人は何処までが一なのだろう。ばらばらになったら零だろうか。頭がついていれば一だろうか。判らない。何も、判らない。 夏の曇り空はそのようなことを想起させる。 咥えていた煙草が短くなっている。地面に擦り付け、火を消す。 煙草の火は、点いていれば、一。消えれば、零。シンプルだ。消えてしまった街灯と同じように。 黙々と静かに、集会所への道を歩いて行く。] | |
(74)2006/07/31 23:10:03 |
美術商 ヒューバート [入ってきたステラ、ソフィー、そしてシャーロットに軽く微笑んで手を振る。それぞれから微笑が返って来る。 ……シャーロットの笑顔に少しだけ、哀しさが見えた、気がした。 気丈に振舞っているが、内心は恐らく酷いものだろうと云うのは想像に難くない。 それでも、隠そうとしているのは理解出来る。私も同じだからだ。触れないで居ようと思った。 そのような内心を隠しながら、ソフィーの言葉に返事を返す。] こんばんは、ソフィー。 セシリアから声が掛かってね。皆も集められたようだ。 [『アーヴァインが襲われたそうだから』、との台詞は心の中に仕舞っておくことにする。シャーロットの手前、そのようなことは私はしたくない。] | |
(106)2006/07/31 23:51:57 |
美術商 ヒューバート [……なんだって? 耳を疑うような事実が、セシリアの口から言葉になり私たちに認識させられた。 ……人狼が、この村に、三匹。 一昨日のコーネリアスの話を思い出す。 ―――『二人の人狼が現れた村は一つの例外なく滅んでいるのです』 人狼の恐怖の片鱗は、私も知っていた。それが、三匹。 更に続けられた言葉には、もう一度愕然とさせられた。 ―――『この中から疑わしいものを、1日1人…処刑すると』 全ての人狼を処刑出来れば、犠牲者が出ない。そのことは十二分に理解出来る。 これから先……毎日、村の、誰かを、殺さなければならない。 先ほどアーヴァインの死体を見たときと同じかそれ以上に、衝撃を受けた。 自然と口が閉じてしまい、壁に寄り掛かったまま、押し黙ったままだ。 最も、その顔からは先ほどまでの穏やかな微笑は消えていたが。] | |
(128)2006/08/01 00:13:51 |
吟遊詩人 コーネリアス [自宅に来て、会話をしているころから、当然のようにシャーロットが占い師だと言うことは分かっていた。 しかし、その弱々しい言葉を聞いて、コーネリアスが苦笑しながら、シャーロットに言った] もっと、自分に自信をお持ちなさい、シャーロットさん。 言ったはずですよ。心の強さを持ちなさい、と。 背筋は伸ばしていますか?笑顔は絶やしていませんか? あなたの後ろから多くの人々が見守っているのです。 だから―――迷わず進みなさい。 [コーネリアスがシャーロットの背中を優しく押した。 その時、目が見えないコーネリアスだから気づいたのか、無数の暖かな手が、同時にシャーロットの背中を押したような気がした] | |
(161)2006/08/01 01:01:58 |
文学少女 セシリア [ふと此方を見つめた、シャーロットの小さな声が耳に届く。 「占い師」。 それに言葉を返そうとした途端、三度、レベッカの演説が耳に届いた。 反論を繰り返すレベッカに、 苛立ちに似た嫌な気分は最高潮に達して。 思わず、声を張り上げていた] 確かに推測ですが、何の根拠もないわけではありません! 此方が足をとめれば、その間に毎晩誰かが 襲われて死んでいくんです!! これ以上、後手に回るわけにはいかないんですよ…! …わかりました。 そこまで、狼を庇うというなら。 「占いとやら」で、まずは貴女をみてもらうことにしましょう。 [感情を無理やり押さえ込んで、宣言した] | |
(164)2006/08/01 01:04:22 |
文学少女 セシリア [宣言したところで、ケネスの突然の叫び声が耳に届いた] え? あなたが、占い師? ああ、いえ…あなた「も」、でしょうか。 [自分と同じ疑問を抱いたらしいヒューバートとかいう男性。 彼の声に、やや気が抜けてしまったような声で答える] あ、ええと…。 大抵は、同じ能力を持つものが 同時に複数現れることはありません。 そういう例は報告されたことがないはずです。 実際稀有な能力ですから、単純な確率論としてもほぼありえない。 [やや表情を引き締め続ける] しかしです。 ひとつの村に3体もの人狼が現れる例も、 ほとんど報告がないレアケース。 ですから、「絶対に2人はいない」と、言い切ることは出来ません。 | |
(175)2006/08/01 01:18:13 |