吟遊詩人 コーネリアス [―――気づけば、あの時から、一度も食物を口にしていない。それどころか、ほとんど水もノドを通らない。 無理矢理押し込もうとしても、すぐに胃が痙攣して、吐き出すだけだった] 受け止めたと……思っていたんですけどね。 [苦笑をしながら、髪をかきあげる。 ―――と、その動作から、何も、感覚が伝わってこないことに気づいた] ―――!? [慌てたように、竪琴を触ってみる。 ……しっかりとした、いつもの感触。触感が無くなったわけではなさそうだ。 次にベッド。杖。最後に自分の手を触って確かめる。 感覚は最後だけ途切れていた。 自分自身だけが、何の感覚も伝わらない。これは―――] 存在が……消えかかっている? | |
(0)2006/08/05 14:49:14 |
吟遊詩人 コーネリアス [原因はなんだったのだろうか。人を殺したことがソレなのか、ついに電池が切れただけなのか、全く違う理由があるのか……] ―――。 [思えば、長く生きすぎた。 どんな呪いを受けたとして、人があまりに長く生きるのは、自然の摂理に反している。そんな異物の辿り着く先は―――] ―――消滅―――。 なるほど……。 いつかは呪いも消えて、先に行ってしまった人々にもう一度会えるのかと、少しだけ期待をしていましたが……やはり、もう二度とは会えないようですね。 [それでも―――最後までこの村を見ていたかった。 生まれ故郷という以上に、大事な人達が輝くように生きてきたこの村だから。 結果、どこにも行くことのない、ただの「無」に戻るのだとしても悔いは―――無い。 みんなと最後まで話して、見続けることが出来れば、きっと、全て無くなったとしても、ずっと大切なこと思い出せるから] | |
(1)2006/08/05 14:50:23 |
修道女 ステラ [香りのいいハーブティーを用意し、机に置く。そして、チコのための、小さなお皿に入れたミルクも置いて。 そういえば、とシャロちゃんが発した、 ハーヴさんの名前に、心臓がどくんと大きな音を立てる。 顔が赤くなっていくのがわかる。 その姿を見られたくなくて、ごまかすように話を続けて] 教会の裏…ですか?あまり行ったことはないですけど。 [と、話を返そうとして] え、ハーヴさんと一緒に、ですか… [時々、彼女が漏らしていた、兄妹のこと。 それが少し変わってるのだと。いい方に変わっていってるのだと] よかったですね…本当に… [それが自分のことのようにうれしくて、笑顔で答えた] | |
(10)2006/08/05 17:32:49 |
修道女 ステラ [シャーロットがあわてて帰っていくのを見送ると、仕度をして教会を出る。 エッタちゃんが安置されている詰め所に向かい、すっかり手馴れた自警団員に安置所に通される。 エッタちゃんの顔は、優しい笑顔のままで。 この小さな身体に、苦しみが与えられなかったことを、ささやかな救いに感じる。 ロザリオを握る。 もう、神の奇跡の力はなくなってしまったのではないかと、それだけが少し心配だったが。 エッタちゃんの声がする。 ヒューバートさんと、楽しげに笑っている。 わかってはいたことだけど。 エッタちゃんは狼だった。 消え行く2人の声に。 願わくは、人だの狼だの、しがらみのない世界で。 幸せになって欲しいと。 強く祈った] | |
(14)2006/08/05 18:27:35 |
村長の娘 シャーロット これじゃあ占い師失格ですね… 本当にすみません… [そう言いながら、皆が目を逸らしたのを確認して カードを片付けようと。その時スピネルに指先が触れる。 少女に触れた先からスピネルが禍々しい黒へと――― おもわずスピネルを握り締める。誰にも見られてはならない。 そう思ったから。 それをポケットに押し入れるとがたっと音を立ててたちあがる] あの…ごめんなさい。 ちょっと気分が優れなくて…今夜はこれで失礼させてください。 [できるだけ動揺を悟られないように笑顔を作り。 集会場の扉を開けようとする。 手が震えて上手く開けず、もたついた先でクロスの中から カードがはらりと落ちたけれど、少女にそれを知る余裕はなく。 そのまま集会場を出て自宅へと駆け出した] | |
(56)2006/08/06 23:34:51 |
吟遊詩人 コーネリアス [失敗……。 それは本当なのだろうか? 確かに今のシャーロットは心が弱くなっているのかも知れない。それでも……] シャーロットさん。 ちょっと……。 [と、追いかけようとして、一歩二歩進むと、足の裏に何かの感触。 いぶかしげに触ってみると、それはタロットカードだった。 それは、偶然なまでにクロスの形で] シンプルクロススプレッド……? [それは、タロットカードの占い方の一つだ。 このタロットカードは嘘を言ったシャーロットに反して、何かを暗示していると言うのだろうか? 下のカードが現在。上のカードが未来の暗示。 恐る恐るカードを拾って、上のカードを確かめる。それは―――死神。暗示はそのものの通り、終末、死、停止、失敗 そして、下のカードは―――] | |
(58)2006/08/06 23:45:59 |
吟遊詩人 コーネリアス [やはり―――。 顔色よりも、その泣きそうな声は何よりも雄弁にそのことを語っていた。 先程出た、シンプルクロススプレッドの下のカードは……「塔」これは、先程思った暗示がそのまま、当てはまるのではない。 ハーヴェイのことをさしているのだ。 そして、上のカードは死神。 つまり、この占いは、ハーヴェイの死で持って、全て終わると表しているのだ。 本来ならば、それで終わらせるべきなのだろう。しかし―――ハーヴェイはあの人たち、そして、アーヴァインの息子なのだ。 それを―――このまま終わらせてしまってよいのだろうか? そして―――] なるほど―――私の思い違いだったようですね。 [コーネリアスが一息入れて次の言葉をつむいだ] シャーロットさん。 もう一つだけ聞きます。 もう誰も……死なせたくありませんか? | |
(82)2006/08/07 01:33:17 |
吟遊詩人 コーネリアス あぁ。みなさん。集まっていただきまして感謝いたします。 ……シャーロットさんは、さすがにまだ疲れているようなので、呼んではおりませんけど さて、実はみなさんに告白しなければいけないことがあります。 私は―――普通の人間ではありません。 証拠はあります。 テーブルの上に一つの書物が置いてありますよね?まずは、それの18ページを見ていただけますか? [そこに出ているのは、遥か昔のこの村が作られたすぐ後の遠い昔のこの村。 その中に一人。ソレはいた。 今と変わるのは、ただ髪の色だけ。それ以外は全く変わらないコーネリアスの姿。 ご丁寧に、その下にはコーネリアスとまで書かれている] | |
(94)2006/08/07 03:05:29 |
吟遊詩人 コーネリアス さて、私を殺しますか?それとも、そのまま生かしておきますか? 私はどちらでも、構いません。 ただ、明日生き残ったとして―――人狼の味方をしないとは誰も言い切れないでしょうけどね。 だって、人間であるケネスさんですら、人狼の味方をしたのですよ? それを―――もっと気味の悪いモノが人間の味方なんてすると思いますか? ……実はもう人狼などいないのかも知れませんよ。 私が、全てを殺しているのかもしれない。 ならば、私を殺して確かめてみてはどうですか? そしてもし―――次の日に、誰も死んでいないと言うのならば、それで全て終わりにすると言うのを約束しませんか? その場合は……もう、誰も人狼ではなかった、ということです。 それで全て終わりで……いいじゃないですか。 [わざと、ランプの陰になるような場所に顔を動かし、そして、本当に疲れた顔で、誰にも聞こえないように小さくため息をついた] | |
(100)2006/08/07 03:22:52 |
吟遊詩人 コーネリアス 逆ですよ。ハーヴェイさん。 私を殺して、全てを終わらせなければいけないのです。 このまま疑い会うことは、全てを滅ぼすだけでしょう。 それは本当にいいことなのですか? 今を生きるということは、大事な人を守るためにあるのです。 少なくとも、貴方の親は望んではいませんよ。子が親よりも先に死ぬなんてことは絶対に望んではいなかったはずです。 生き続けると言うことは、それだけで、死んだ人の弔いとなるのです。 貴方は死にたくないでしょう? 大事な人も死なせたくないでしょう? ならば生きて、心を強く持って、そして、幸せを取り戻すのです。 それがこの村の死んだ人たちの望みでもあるのですから。 ……死ぬ気になれば、前のようなこの村に戻ることだって可能なはずですよ。 | |
(110)2006/08/07 03:58:38 |
吟遊詩人 コーネリアス ……ならば、貴方は、認められるのですか? 大事な人が死んでしまうのを。 ここで出来ないと言うのならば、人生の中で出会った最初で最後の最愛の人を失ってしまってもいいのですか!? もう……二度と会えなくなってしまうのですよ! 確かに私が死ぬのは、貴方には関係ないでしょう。 だけど、残るのは親友、妹、そして、最愛の人しか残らないのですよ。 長い人生で出逢ったそれを全て、否定するのですか!? それは、あなた自身も否定することになり、そのまま、大事な人まで否定することになるのですよ。 ここで終わるの言うのならば……自警団なんかに、人狼が見つけられるはずなんてないでしょう。 人間も!人狼も!妖魔も!何もかもを殺そうとした能無しの自警団が見つけられるはずないでしょう! それが分からない貴方ではないはず! | |
(113)2006/08/07 04:21:09 |
村長の娘 シャーロット [暫く眠り込んだ後、そっとまどろみの中から意識を取り戻す。 すぐ隣にはナサニエルの顔があって。 名残惜しそうにその腕の中からするりと抜けると、 ベッドに座り直し、ナサニエルの方を見遣って] …寝たままでいいです。 聞いてくださいね。 …私、ナサニエルさんのことが好きです。 小さい頃からハヴェ兄さんとナサニエルさんの後ついて回って。 ナサニエルさん、いつも優しくって。 ナサニエルさんが頻繁に家を空けるようになって、 私とっても寂しかったんですよ? でもお家のお掃除させてもらえるのは嬉しくて。 いつも早く帰ってこないかなって…そう思って待ってたんです。 | |
(139)2006/08/07 11:18:43 |
村長の娘 シャーロット [仄かに明るい応接間の中。視線は明をもたらすランプへと。 それを暫く眺めていたかと思うと、カンテラに灯りをともし、外へ。 今にも飲み込まれそうな、星の見えない雨上がりの空の下を歩く] ハヴェ兄さん…… [人も狼も優しい匂いの中で生きていくこと。 ハヴェ兄さんに巣食う痛みからハヴェ兄さんを救い出すこと。 …それはどうしても叶わないこと? ふと見上げた空の色が思った空と違っても、 また違う色を見つけ出すように。 どうしようもない事なんてひとつもないんだと。 どうするかは自分次第なんだと信じることは間違ってる…? 昨日のコーネリアスの言葉が少女の背中を押すように。 その歩を確かなものにしていく] | |
(141)2006/08/07 11:44:04 |