村長の娘 シャーロット [再度呼吸を落ち着かせれば、広場を抜けて丘を駆け上がり、 墓地へと足を踏み入れる。 ひんやりとした空気の中に父さんの名前を呼んでみるも、その返事は帰っては来ずに] ここにも居ないなんて―― [無事であることを。ただそれだけを祈った。 帰りが遅くなったことも、約束を破ったことも怒るつもりなんかなかった。 ただいつものように、ただいまの声を聞いて、 父さんと一緒に遅くなった夕食を囲んで、笑えれば。 それだけでいいのに。 不安に耐え切れずに涙が溢れてきて。 それでも、泣いたら父さんがもう帰ってこないような気がしてまた走り出す。 全てが杞憂であるようにと] | |
(409)2006/07/31 07:19:34 |