人狼審問

――ベランダから室内に向かって――

どっちが本物だかぁ、んなこたいずれ解るだろ。
それよりも、どーすんだよ。
視る対象がバラバラになっちゃ意味が無いんじゃねーか？

なんだか知らないけど騒がしいな。

―――周囲を見回し、皆の立ち位置と表情を見た―――

嫌な予感てのは当たるように出来てるよね。やれやれ。

……こんばんは、デボラお婆様。

――ケネスに――
少なくとも、ヘンリエッタお嬢様までデボラお婆様を狼だ、とみることはないと思うよ。
その点では、意味があるかもしれないね。

…ニーが、そんなとこを言ったのかい？
ニーや…、お前は本当に、狼に憑かれてしまったか…、それとも、その魂に染まってしまったというのかね。

――溜め息をつく。やや間があって――

婆からは、ヘンリが本当の今を見る者だとわかったわけだ。

それと、もう一つ。
皆には、知らせなければいけないことがあるね。

――ラッセルの水枕を軽く押さえ――

……あまり起き上がると、枕が落ちるよ。
ああ、頭痛はおさまったのかい？

ケネスの言うのはもっともだけど。
ニーナが今日シャーロットを、ヘンリエッタが婆様を
「見る」ことにすれば一日遅れで二人とも両者に「見られた」事には出来るよね。
それをやるかどうかは別として。

えっと、ヒューバートさんの質問に答えるよ。

あたしはできれば今日の時点で、今を見る者が表に出ることが望ましいって言ったと思うんだ。もし、昨日ヘンリエッタが正体を明かしてなくても、今日あたしは表に出るつもりだった。だって、そうしないと、リックが言ったようにお互い別々の人を見ていた時に収拾がつかなくなるのは明らかだしね。

だから、今日、お互いが違う人を見ていた場合、今度は見る人を交換したいと思っていたよ。

つまり、ここであたしが見る人は、シャーロットただ一人だよ。

（嫌な予感、再び、ってとこだな）

――静かに語り始める――

…婆にはね、物にこめられた心がわかるんだ。
優しさや、憎しみや、怒りや…。
そんなにはっきりしたものじゃあ、ないけどね。

婆はその力で、「審問の部屋」に残された魂の事をも、知ることが出来るのさ。
…昔は、婆の姉…ドーラが持っていた力だったのだけれど。
ねぇが亡くなったことで、婆にその力が移ったんだ。
皮肉なことだけれどね。

…つまり婆は、過去を見る者なのさ。

これは、皆に知らせておく必要があると思った。
独断で名乗り出てしまったことを、許しておくれ。

――本屋でのアルバイト（学校不許可）を終え、急いで別荘にやってきた――

こ、こんばんは。
（どうしよう、部活っていう名目じゃ遅すぎる時間になっちゃった・・・）

――何か不穏な空気を感じ、きょろきょろと見回す――

・・・何か、あったの・・・？

おい、おい……
一体どーなっちまってんだよ。
話のペースが速すぎるぞ。

――デボラの方をにらんで――
つまり、ばばぁから見たら、自分に狼判定をだしたニーナは思いっきり偽者だ、というわけだな？

んで過去を見るものだぁ？なんだそりゃ。

……そうですか、デボラお婆様。
え、ええと、私としては、ですが。

他に過去を見る能力を、自覚している者がいるなら。
名乗り出ていただけると、嬉しいと思うよ。

――ラッセルから、緊張しながらも、きちんと驚きのアクションをして、話を聞いた――

ニーナさん・・・
そして、おばあちゃんが・・・？

繰り返すけど私はなーんの能力もないわ。
ジンクスならたっくさんあるけどね。

――ラッセルの水枕を押さえたまま、微笑し――

……説明はかまわないが、
随分と話がドラマチックになっているんだねえ。

――ノーマンに頷いて――

婆は自分が人間だと知っているのだから、当然そうなるよ。
そして、力を持っていることも本当さ。
言わないでおく方が、いけないと思った。

だから、今明かした。
それだけさ。

ラッセルは脳味噌がファンタジーだしな…

…しかし、ユージーの言うとおり…疑心暗鬼にもなっちまうわ…こりゃぁよ。

――再び煙草に一本火を付け、煙を深く呑んだ――

――「タクティ○ル・ジャッジメント〜狼の遠吠えは嘘？真？〜」の表紙を見ながら、整理している――

――デボラをじっくり見据えて――

言い当てられた夢食いが、嘘ついてるんじゃねぇだろうな？

経済生活がファンタジーな人に言われると悔しいな。

ヒュー、具合はだいぶ（今のやりとりを見てて）よくなった気がするよ。ありがと。

――みんなにコーヒーを配る――

ややこしいの・・・


――１口のみ、砂糖とミルク入れてないのに気づく――

（に、にがい・・・）

――その目を見つめ返す――

婆は、嘘などつかないさ。

うん、僕も嘘をつかないよ。

ま、口でだけならなんとでも、ね？

―――ノーマンに微笑む―――

お…気が利くな。頂くぜ。

――コーヒーを一口喉に通し、カップの乗ったソーサーを手にベランダの柵に腰掛けた――

あ、ああ。
ニーナ、返事をありがとう。

……薄々予感はしたとはいえ、ちょっとショックでね。

――根負けしたかのように目をそらして――

チッ。くえねぇババァだな。

――セシリアの配ってくれたコーヒーをあおった――

茶化すのはこの辺にしておこうかな。気分を損ねたら謝るよ。
飴、食べる？

あじぃ！


――ノーマンは猫舌だった――

――ラッセルに笑いかけ――

……そうか、よくなったならいい。

――ぶつぶつ呟きながら本をめくっている――

……運点を使い切りそう。

――顔を上げる――

デボラお婆さんが過去を見る者なの？
他に過去を見る者が出なかったらニーナは偽物確定なんだけどねー。

セシリアありがとね。生き返るわ。
――レベッカは幸せそうに珈琲を味わった――

――コーヒーを受け取りながら――

…婆は、熱いのはちょっと苦手なんだ。

――苦笑して見せ、カップを机の上に置いた。
　　　しばらく冷ますつもりらしい――

そうだね、ヘンリエッタ。

だけど、あたしの視点からすれば、デボラさんは偽物確定しているんだよ。

だから、本物が必ず名乗り出て来るんだよ。

ま、今後の方針は考えないといけないな…。

ニーナが夢喰いだと言った婆さんは過去を見る者だ。
エッタがわざわざ婆さんを視る必要はないよな…
この場合、逆にニーナはシャーロットを視た方がいいのか？
後は、婆さんの他にその過去を視る者が居るかどうか…か。

――砂糖とミルクを入れたコーヒーを口に運びながら――

ヘンリの言うとおり、おばあちゃん以外に名乗り出るものいなかったら話は早いんだけど・・・


――ドアを見つめて――
他の人がくるまで、少し休憩しましょう。
何か、軽く食べられるもの作りますね。

――セシリアからコーヒーを受け取り、角砂糖とミルクを幾らか投げ入れ――

ありがとう、セシリアお嬢さん。

――コーヒーに口をつけ――
……ち、ちょっと入れすぎたな。甘い……

迷子になってなきゃ、だよね。

（二人目の迷子は通るんだろうか？……）

――おにぎり山を見つけたセシリアは、ご飯を早炊きにセットした――

冷えたご飯もあるけど・・・これも暖めて使おうかな。

――ラッセルに目をとめて――

ごめんね、ラッセルお兄ちゃん具合悪いのにお昼引っ張り出して手伝わせて

よお皆、随分騒がしいな。

――ヘンリエッタ、ニーナ、に視線を移し、最後にデボラを見つめる――

なあ、婆さん？俺は年寄りや子供にきつい事言うのは嫌いなんだ。どういう意味かわかるか？

レベッカさんにも一応答えておこうかな。

あたしは、今まで自分の一族が虐げられ、我慢してきたことによって守られてきた役割を持って産まれてきたんだよ。

ここで、しっかりと自分の意見をいわないで、どこにあたしの産まれてきた意味が存在するの？

――やや涙目になりつつ――

ババァが本物なら、ニーナが偽者で、庇おうとして別の偽者が出てくるだろ。
逆にババァが偽者で、ニーナが本物でも、あわてた本物が(それこそニーナのように)出てくるだろ。

つまり俺はもう一人は確実にでてくるんじゃねぇかと思う。

――ケネスに向かって――

婆から見れば、ヘンリが人間と「判定」を下したロッテは、人間さ。
だから わざわざ見る必要はない、というのが婆の意見だ。

それに、ずっと見る先がずれたままというのも、婆が昨日言ったような不都合があると思うんだ。

>>1:613

。o0(迷子は、どっちかと言われたら信用できねーがな。俺は）

これ以上迷子は勘弁願いたいな。

――ケネスから紙袋を受け取り――
ん……？
……ああ、煙草。そういえば頼んでいたね。

わざわざありがとう。――幾らだったかな？

ま、それもそうだ…
だが、確信を欲しがる奴の心もちったぁ察してくれよ。

おれには婆さんやヘンリエッタが本物だと確信は出来ねぇんだ。
それはニーナにも、等しく当て嵌まる事だけどな。

――ヒューバートに向き直り――
ん、ああ、いいっすよ。渡すのが遅れちまったし…
今回はおれのオゴリって事で。貰っといて下さいよ。

――悲しげに一つ息をつくと、再び口を開く――

なあ、婆さん。あんたは知ってるか？俺がこの村を出た理由…。それが、俺にもわからねえままだ。小さな頃、この村でレベッカ達と走り回った懐かしい良い香りの記憶。それはブツ切りになり飛ぶ。次の記憶を辿ると、既に俺の片目は光を失っていた。この村にも居なかった。

それからだ。閉じた目の裏に、過去が映るようになったのは。

――デボラを少し鋭く見つめ、皆に聞こえる様に声を上げた――

わかりやすく言おうか。俺が「過去を見る者」だ。

――ケネスに――
クインジーさんもね……

――不機嫌な様子で本を閉じる――

……。

――クインジーを見つめ――

お父様はこれを知っていて、クインジーを雇ったのかな？
僕の世話役として。

――ため息をつきながら――
ごめんね、リック・・・後ろ盾にはなれないみたいよ？
私は、ニーナに見てもらわないと私の立場は決まらないみたい。

――クインジーをじっとみつめ――

……貴方も過去を見る、とね。

――台所で聞き耳を立てていたセシリアは、軽く目を閉じる――

じいちゃんの言ったとおりになったね……

――食べて安心して寝てるウェンに小声で――
ウェン、僕お前を護れないかもしれないって思ってる……大丈夫だよね？いっぱい仲間居るもんね…

……何時きいても、ラッセル君の音楽は前衛的だね。
とても激しいよ。

――ケネスの手わ水晶球を握らせ――
いや、ただで受け取るわけにはいかないよ。――これを。

――ヘンリの視線に気付き――

おいおい、そんな睨むなよ。

さあな？俺はお前の親父に込み入ったこと話した覚えはねえからな。…因果か？運命か？

――戯けてみせる――

ま…これで力を持つ者の勢力は二分化されたって事だな？
解りやすいっちゃ、解りやすいぜ。

はー、やっぱりか。


わかりやすく二分割しているようで、なによりだな。

ヘンリとニーナさんには、おばあちゃんとクインジーさんのことをどう思うか。

おばあちゃんとクインジーさんは、ヘンリとニーナさんをそれぞれどう思うか聞きたいな。

――暖めたご飯で作ったおにぎりを運びながら、尋ねる――

今居ないのって…
ユージーンさんとハーヴェイさん？

リック、大丈夫かどうかは仲間の数じゃないだろう。
一人じゃないと言うのは心強いかもしれないけどね。
そういう意味ではそう悪い状況じゃないな。

クインジーさん…あなたが…

…頭が痛い…

またちょっと散歩に行ってきます…

…今度は迷うようなことがないようにするから心配しないで…

ん？
何を勘違いしてるのか知らないけど、別に僕はクインジーを「敵」と認識した訳じゃないさ。

――忌々しげに本に目を移し――

選択を間違えただけで死ぬ理不尽極まりないゲームに腹を立てていただけ。

――クインジーに微笑み――

クインジーが本物だったら良いなって思ってるくらいだからね。

いいんですかい？これ。こういうのは好きですけどね。
まさか売り物とか？

――そう言いながら、水晶を光に透かせてみる――

ねぇねぇ、クインジーさん
あなたから見たニーナってどうなの？
本当だったら同じ線で結ばれた仲間だよね？

（14へ行け。ってか？）

そうだね、コンビになってるように見えるけど、ヘンリエッタが本物で婆様が偽者の可能性もあるわけだよね。
ニーナと婆様が共に本物、の可能性だけはないわけだけど。

自分で自分のことを話すのも変ですが、判断をしてもらう者も考えないといけませんよね・・・
おばぁさまは、過去を見る者って宣言されたので、私と交換で見てもらう必要はなくなったのよね？
今日、同じ人を判断してもらうか。ニーナに私を見てもらい、もう一人見てもらう者を決めるか。
みなさんはどう考えますか？

――ヘンリエッタに――
そうだよね、ヘンリはまだデボラさんを見てないんだもんねっ

ん？ああ、そうか…
ヘンリエッタからみりゃ、未だ解らないんだな。
しかしどちらにせよ、婆さんとニーナは相容れない存在って事か。

クインジーさんは、どっちが本物に見えるのかなぁ？
さっきの口振りだと、エッタ敵みたいな言い方だったけど…

それなら・・・交換で見てもらう？

ふう。全く。
こんな重苦しい「ギフト」の話は後に回したかったんだがな。

――セシリアとリックの言葉を受け――

一番シンプルに考えれば、ニーナが今を見る者、ヘンリが染まる者、デボラ婆が夢喰い狼…だろうな。ただ、ヘンリはデボラ婆を見てねえ。ニーナが染まる者だったとして…運悪く狼に狼と言ってしまった可能性もなきにしも非ずじゃねえか？…まあ、可能性は低いが。

――一気に言い終わると視線を落とし、少し小さな声で――

個人的には、状況を認めたくねえな。
俺はヘンリを疑う事が難しい。わかるだろ？
ま、これはただの感情論だ。

――シャーロットの言葉に――

私は、ニーナお嬢さんにはシャーロットお嬢様を見てもらいたい。
ヘンリエッタお嬢様には、ほかの人を。
互いに、見る者を交換しあってほしいな。

――呟くように――
本当に、ニーナは間が悪いよね…
「たまたま」初めて見た相手が狼で
「たまたま」日が変わる時に迷子になってて
「たまたま」決定が出たときにも迷子になってて
「たまたま」日が変わってからも長いこと来れなくて……

って、状況悪すぎて、どこをどう庇って良いか解らないよ……

。o0(そりゃおめーからの視点なだけだろ　>>271

「ただの」感情論だなんて物悲しいことを。
これこそ真の「ただの感情論」だけどね。

エッタとニーナが相容れず、ニーナと婆様が両立しない以上、エッタに婆様を見てもらう意味は少ない気はするね。
ニーナにシャーロットを見てもらうのはいいんじゃないかな？

―――ラッセルはピアノに合わせて歌いださんばかりだ―――

リック、ちょいと意地悪を言っちゃうけどね。

「たまたま」偽者にウソ判定された人が
「たまたま」過去を見る人だった。
の方は許容範囲なのかい？

ノーマン。俺から見た場合を聞かれたと思ったんだがな？違ったか？

…そうだね。

婆の視点からは、皆よりも簡単になる。
ヘンリが今を見る者。
ニーとクーが、染まる者と夢を喰らう狼だ。

どちらが染まる者かと言えば、ニーの方かと思う。
今を見る者を確定させるのは、魔の者にとっては恐ろしいことだろう。
遅れてでも今を見る者だと名乗り出て、婆に人狼との「判定」を下すことで、狼にその存在を伝えたのではないか、と思う。
…まあ、それを狙った狼、という線も、なくはないね。

単純にジーンの好きな「確率」だけで言えば、一番 最後の者が染まる者であるよりは、狼の確率の方が高いわけだから。

皆が望むのなら、ヘンリが婆を、ニーがロッテを見るのもいいだろう。
延々と別々の者を「判定」し続けるよりは、皆から見ても、すっきりするだろうからね。

ん？有るよラッセルお兄ちゃん
今、だって僕は意地悪を言ってたんだもん

ふむ、お婆様。
たしかに、すっきりとはするけれどね。

それに、あまり意味があるようには、私は思えないんだよ。

ヒューのおじちゃん、もしロッテが人間の証を貰えれば、少なくとも一人は「大丈夫」って事にはなるよね？
狼がそれを恐れて襲ってくる可能性も高くなるけどね……

判断されるものとしては、みんなの考えで決めて欲しい。
私としては、ニーナに私を見て欲しいなぁ・・・。

ん、話がかみ合ってないような気がしなくもないな。
リックは「状況が悪くて庇いようがない」とニーナに意地悪を。
僕は「デボラの状況もそう良くはないよ」と婆様とリックに意地悪を。
言ったつもりだったんだが。

僕の解釈が違ってたら/もしくはちゃんと伝わっていたらすまないけどね。

――ため息をつき――

……にしても、せっかくの今朝の幸せな気分が一気に吹っ飛んだ感じだなー。
一応状況を僕なりに整理してみよう。

僕とニーナが「今を見る者」、ニーナはデボラを「夢喰らい」であると告発。

とりあえずデボラお婆さんは本物か夢喰らいだろう。
「染まる者」だとすると、デボラにはニーナは夢喰らいだと分かっているのに仲間の首を絞めていることになる。
これはありえない可能性として消去。

次、ニーナがデボラを狼と告発。
いやー、勇気あるねー。
僕が「染まる者」ならおとなしく誰かを人間だったと言いそうな所を、彼女はそうしなかった。
これは2つの可能性が考えられる。

1：ニーナは仲間である狼を告発する事を恐れない「染まる者」。
間違えて当たる確立は、大体1/4。結構厳しい賭けだね。

2：ニーナは絶対に仲間を告発する事は無い。なぜなら彼女も「夢喰らい」だから。
適当に思いついた「仲間以外」を狼として告発するだけ、能力者に当たったら儲けって感じかな。

3：超イレギュラー。ニーナは「夢喰らい」でありながら同じ「夢喰らい」であるデボラを告発。
効果的では無いよね、「染まる者」との意思疎通が出来ないから、条件の成立自体難しい。
ただ、これが成功したら本物の「過去を見る者」を囲える。
もちろんこれだったら、既に夢喰らいが2人表舞台に上がったことになるから余裕なんだけどね。
これは無さそうだなー。

ああ、すまない、言葉足らずだった。

私は、ヘンリエッタお嬢様がお婆様を見ることに、
あまり意味を感じられない、とね。

リックに同感。4人の誰が狼憑きかわからないけど、見極めが一致すればその結果は信頼できるわ。
ゆっくり様子みましょ。
なーに相手は犬の親戚よ、そのうち尻尾だすに決まってるわ。

――少しさびしそうにリックを見つめ――
そうね、隠れ蓑にならない者は夢を食べられるんでしょうね・・・

んとね、ラッセルお兄ちゃん、僕は基本的にどっちも本物だと思ってるしどっちも偽物だと思ってるから。
ニーナに意地悪を言った後は、おばあちゃんにも意地悪を言うつもりだったってだけだよ。

僕は、今朝の不安が現実になってかえってさっぱりしたけどね。
清々しいくらいさ。飴、食べる？

――ラッセルの言葉に笑い――

……まあ、上手く行きすぎていて可笑しいくらいだったね。
私も、全員の動きを見るまで待つべきだったかな……ううむ。

―――にっと笑って―――
つまり、リックは正真正銘の意地悪だ、というわけだ。同類がいるかと思うと嬉しいね。
了解したよ。

ラッセルの予言的中ってところかしら？
飴、ひとついただくわ

――ノーマンの側に行って小声で――
そんなに食べると明日大変な事になるよ？
いらいらするのは解るけど、昼間の苦労が報われない僕も同じさ、だから
――そう言うと仔犬を出して――
こいつの頭なでて落ち着いてっ

――ヒューバートの言葉に反応して――

婆自身の意見は、他の者を２人共が見ることさ。
希望するならば、それでもいいと言っているだけ。
ただ、ニーがヘンリの見た者を、ヘンリがまた別の者を、というのには反対なのさ。

婆の視点になってしまうが、ニーがロッテを、ヘンリが婆以外の者を見る事に反対な理由はね。
婆は、ニーを染まる者ではないかと思っている。
とすると、ニーには狼が誰かわからないはずだ。
もし ニーに先に結果を言い、その後にヘンリが結果を言ったとする。
この場合、２人ともがその者を狼と「判定」する可能性があるのさ。
けれど、ばらばらに見るとすれば、必ずヘンリが先に結果を見ることになるだろう。

そして、ヘンリが狼と言った者は、婆とクーが過去を見ることになるだろう。
すると 前も言ったような「言い訳」が出来てしまうわけさ。　>>1:613
つまり、今みたいな、可能性を絞りきれない状況になるんだ。

――寝ぼけて目をこすりながら――
ウェンディ、今起きたの。
なんだか騒がしいの。何があったか教えて欲しいの。

と、言うことで後ろ盾には、なれなくなってしまったわ。
ごめんね、ウェンディ・・・

ああ、婆様の懸念はわかったよ。
じゃ、新たに別の人をニーナとエッタに同時に見てもらう、のほうがいいのかな？
シャーロットはずいぶんお尻の落ち着かない気分だろうけど。

――ちょっと困ったように――
そうね、落ち着かないわね・・・
でも、ラッセルがニーナに言った事、自分の信頼は自分の行動で得るべきだって。今の私にもいえるんじゃないかしらね？

――ラッセルとリックの話に、苦笑して――

…確かに、婆の状況は良くないね。
ニーといい勝負、いや、それ以上かもしれない。
ともかく、婆は皆の為となるよう、動くだけさ。

…さて。
そろそろ、見てもらう者を考えなければね。

お婆様、あくまで望むなら――の意見であるのはわかっていました。
誤解させたなら申し訳ない。

――デボラに頷き――

あまり、狼や染まりたちのミスは期待していない。
言い訳については……今回はある程度の関係が見えている以上、そこまで気にするものでもないのでは、とね。

少々、楽観的なのかもしれないが。

（そう言えば、昨日そんなことも言ってたっけ？　その通りに事が運んでるのも不気味だな）

確かにそうだね、シャーロット。具体的にどうすればいいかはさっぱりなんだけどさ。

ほ、ほ。
単に、婆が心配性過ぎるだけかもしれないよ。

正直自由占いも面白……っげほげほ。

――話を聞いてちょっと混乱しながら――
今日はとっかえっこで良いと思うの。
明日は一緒が良いと思うの。
でも、ちょっと地味なの。損した気分なの。

私は、ウェンディと同じ意見。
シャーロットについて見極めが一致したら儲けモノじゃないかしら。

シャーロットと婆様をおいといて、と言うことならヒューバートかな。

度胸と決断力があるのは例のペテンで証明済みだ。とはいえ「善意の村人」印象を振りまいて、こっそりのんびり長生きしようという「狼」さんの博打かもしれないね。

――あつあつのご飯に苦戦しながら、おにぎりを作り終える――

夜食食べてゆっくり考えようって思ったけど・・・

――アルバイトの疲れからか、まぶたが今にも落ちそうである――

明日、朝・・・おきたらまた考える・・・
ごめんなさい、おやすみなさい・・・

…そうだね。
婆は、今日はジーンを見てもらうことを希望するよ。

婆は今のところ、ヒューは人間だと思っている。
そしてヒューが人間だと仮定すれば、あの時点で狼達にはヘンリとヒューは、今を見る者と染まる者と映ったはず。
そこへ、ジーンは確率論を出してきて、ヒューが狼ではないかと疑った。
狼は二人ともが人間だと思われることを避け、狼の可能性を示唆したのではないか。

…今日、婆も確率の話をしているから、他人の事は言えないけどね。

今日「とりかえて」明日から統一、ってのは難しいんじゃないかな。
明後日まで二人とも狼に襲われていない、ってのはそれこそ楽観的な気がするよ。

そう考えると、今日ヒューバートってのもどうかな？　もっと意外なとこつついた方がいいのかも。うーん。

うむ、私が博打に出た狼である可能性も、勿論ある。
一応、当たれば大きい賭けだからね。
ヘンリエッタお嬢様の正体にもよるが、
仲間を二人切り捨てての作戦となりかねないのはご愛嬌……なんだろうか。

染まる者はないだろう、
それこそ何がしたいのかわからない。狼も哀れだ。

まぁ、勿論……私はただのしがない人間ですが。

――ラッセルに笑いかける――

ふふっ、ヒューおじさんが狼ならニーナは何者？
ニーナも狼ならヒューおじさんが偽者である事を明かす必要は生まれないし、
ニーナが染まる者ならさらにおかしい。
まさか僕が本物だと確定する危険を冒してまでニーナかレベッカさんが染まる者である事に賭けたとでも？

何れにせよ、私が狼であるなら。
狼達はとても愉快な連中に違いない。保障してもいい。

――ラッセルの言葉に、首を傾げ――

もし ヒューが狼、ニーが染まる者だとすれば、それは賭けにも程があるんじゃないのかい？
誰の目から見ても本物だ、と確定した今を見る者は、退ける者に護られ続けるだろう。
その場合、段々と狼達の隠れ蓑はなくなっていく。
例え ヒューが人間と見られていたって、そのうちに狼だと疑われるだろう。
自分から滅びの道を歩むようなものだ。

ただ、ヒューとニーの両方が狼ならば、有り得るかもしれないけどね。
けれど、それだとしても、客観的に見たってニーの行動は信頼を得にくいだろう？
ヒューがそのまま、今を見る者を名乗っていた方が得策なはずさ。

オーケー、わかった、僕が悪かった。というかアホだった。
確かに前後の状況を考えるとヒューバートが狼って事はないな。
一見口の達者そうな奴が、中身もしっかりしてるとは限らない、という貴重な教訓として心に刻んでおいてくれ。

ちょっと微妙な立場に自分が居る事は抜きで考えを言わせてもらうわ。
判断された者が別だった時は、やはり交換をして判断を確定させるのが手堅いと思うの。ただ、今回はおばぁさまの立場がただ判断された者とは違うから、難しいところ。
それなら、明日は一人上げて判断してもらうのがいいかなって思ってる。

――そこまで言った所ではっと気がつく――

……ちょっとうっかりしていた。
僕が偽物であるなら、断然ヒューおじさんは怪しくなる。
なんせ、僕は先にシャーロットお姉ちゃんの「結果」を言ってるからね。

もし、シャーロットお姉ちゃんが「夢喰らい」だとしたら……。
「夢喰らい」には僕が偽物であることが分かっていた事になる。
僕の信頼度を上げる為に、偽者である事を明かしてもおかしくない。

――笑いをかみ殺しながら――

なーんてね。
僕は本物だからそれはありえないんだけど、ちょっと面白い可能性でしょ？

そう言えば…ユージーンさんとハーヴェイさんが今日は見えないね……どうしたんだろう？

――ヘンリエッタを困ったように見つめながら――
それなら、私が人間でヘンリエッタが偽者だったら？
その時は、どうなると考えてるの？

――ヘンリエッタの言いように、おどけるように笑って――

ほ、ほほ。
それなら尚の事、対象を取り替えて「判定」するべきだろうねえ。

――そこまで言って、あくびをする――

…ああ、婆はそろそろ休むとするよ。
結局、今日は編み物が出来なかったのが残念だよ。
それでは、おやすみ。

――手元の袋を残念そうに見ながら、二階へと上がっていった――

――シャーロットの方を向き、大げさに肩を竦める――

その場合であれば、ヒューおじさんが「夢喰らい」の可能性はほぼ無くなるね。
僕が言いたい事は、ヒューおじさんを疑うには、僕が偽であり、シャーロットお姉ちゃんが「夢喰らい」である事を満たさないと成り立たないって事さ。
ニーナもお姉ちゃんを「夢喰らい」じゃ無かったと言うなら、自動的にヒューおじさんも怪しくなくなる。
そして僕はヒューおじさんを見る必要は全く無いってね。

どうもチェスで勝てない理由が判明してきた気がするな、エッタ。今度からはバックギャモンにしよう。ダイスは僕が用意する。
この首の上にのってる帽子のハンガーも使い道を考えないといけないね。

ふふっ、僕には皆と違って真実が見えているからね。
その分余計な事を考えないで済むだけだよ。

バックギャモン？
先に言っておくけど、僕は運が絡むゲームはとことん弱いぞ。
そもそも運が良かったらイカサマなんかしないって。

――小さくため息をつくと――
今、議論をしているのは２分された片側だけの気がしたのね。
だから、逆の事も聞いておきたかったのよ・・・
ニーナとクインジーさんの意見も聞きたいわ。
私は、話を聞いて判断したいのよ

理詰めのゲームなら絶対負けない、と言われた気がするな。……そうかも。

どうかしたかい、リック？

ん？うん……そろそろ、月が
聖剣の真上にくるなって思って…

――欠伸をする――

あふん、僕もそろそろ失礼しようかな。
僕だけ喋り続けるってのも微妙だしね。楽しいけど。
じゃあねー。

――鼻歌を歌いながら2階の自室に消えていった――

――ウェンディに――

ウェン、そろそろ時間みたいだ…
おいで、外に行こう

――リックに頷いて庭へと出た――
お月様がてっぺんなの。
そろそろ時間なの。
ウェンディがんばるの。

何か面白そうな事があるらしいけど。とは言え確かに寝る時間かな。お休み、ヘンリエッタ。

ん、あの鉄琴がどうしたって？

――ウェンディに優しくほほえんで――
僕は、ここまでしか出来ないから
後はウェンの力でどこまで押さえられるかだからね。

大丈夫、一緒に居るよ

――そう言うと、聖剣の柄にウェンディの手を乗せ、その上に手を重ねる――

――月の光と聖剣が一つの線で結ばれると聖剣がほのかに青白く光り出した、無心で手を置き目を閉じるウェンディ――

――一瞬、真っ赤な炎が聖剣を包み、やがて青白く輝き……そして、元の聖剣に戻る――

――周りに描かれた魔法陣は地面にかかれた線から、刻み焼き込まれたものへと変化し、不動の物となった――

――目を開けて、剣から手を離してその場に座り込む――
ウェンディ疲れたの。喉乾いてお腹空いたの。

これで精一杯なの。
しばらく…２週間くらい…は使えると思うの。

――ウェンディを抱きしめて――

がんばったね、僕の力が有ればちゃんとしたものが作れたのに、ごめんね…

――リックを見上げて――
すごいの。ウェンディに扱いやすい様に描かれてるの。
ウェンディには絶対描けないの。
これならしばらく大丈夫なの。

魔方陣？
何のために魔方陣なの？？

テトラグラマトンが書いてあるわけじゃなさそうだけど、そりゃいったいなんなんだい？

ルーサー呼んでなくて大正解かも。

――シャーロットの方を向いて――
昨日話したよね？「審問の部屋」
そこへの入り口を、今ひらいたんだ…

僕たちの先祖は、夢を喰う狼の出現を予言し
そして、狼達を「審問の部屋」へと送り込んだ…

狼の疑いが有る人間もその中には含まれて居たんだ
今みたいに「今を見る者」が複数出たときや、既に眠ってしまって起きなくなった時には、「疑い」で…

審問の部屋　の説明はしたよね？
そこに入った「夢を喰う狼」に憑依された人は
部屋の中で、狼の魂を抜き取られて、人としてここから又戻ってくる……

はずだったんだ、本当は…

――忌々しげに拳を握りしめ――

でも、僕には……先祖の力は降りてこなかったから
ウェン一人の力だけで、部屋の入り口を作ったんだ…

ごめんなさい、本当なら入った人は必ずここに戻ってこれたはずなんだけど……
何百種類もの魔法陣を考えたんだけど……

僕に力が無いから……

入った人は、「記憶の全てを失って」…
そして、僕たちには予想出来ない出口から表に出ることになる…

――無理に笑顔を作って――

でもね、僕たちが夢を喰う狼を退治して、全ての狼の魂をここに封印出来れば…
今、眠って居る人も、これから襲われる人も
そして、ここで記憶を失った人もみんな元に戻れるんだ

………ただ、もし僕たちが負ければ
　ウェンの作った入り口に封印の力が無くなるから…

過去の狼も含め、全てのここに封印された狼が表に出てしまう事になる…そうなると、或いは世界は……

シャーロットの言葉を借りるなら、今の説明は「２分された片側だけ」じゃないかな？

狼さん達が羊をみんな食べちゃった時は？

――しばらくの沈黙の後――

審問の部屋に入れるのは、一日一人
お月様とお日様が入れ替わるその一瞬

そして、中で失った記憶を見て、その人が憑依されていたかいなかったかを見極めるのが
「過去を見る者」の仕事

ウェンディ疲れたの。
お腹空いたの。
ノドも乾いたの。

――リックからミルクを受け取り、両手でカップを持って飲んでいる――

――ゆっくりとバルコニーから戻り――

ウェン…。
よく頑張ったな。何が食べたい？

（何なんだよ、審問って……ただの殺しと変わりねぇじゃんかよ…）

――クインジーの方を向いて――
ウェンディ、ホットケーキが食べたいの。
蜂蜜とアプリコットジャムをたっぷり塗るの。

ウェンディが眠ってしまっても大丈夫な様になってるの。
でも２週間が限度だと思うの。
その後は、きっと模様が弾けてしまうの。

――クインジーに――

ウェンに何か食べさせてやってください
僕……ちょっと……外に出てきます。

――ウェンディの首にサイモンから貰ったクロスをかけてやり――
神父様に貰ったお守りだよ、ウェンに上げる。

んー。話の腰を折ってすまないね。
お詫びといってはなんだけど、ヘンリエッタが明日のお茶のために用意してた花梨の砂糖漬けをかっさらってきたよ。
食べる？

審問の部屋・・・出口が分からない部屋なのね？
眠っているものを助けるには、ううん、世界を滅びから救うには、夢を喰らう者をすべて封印しなければならないのね

――ウェンディとリックに頷き――

リック、安心して行ってこい。
よーしウェン。わかった。
とびきりのを用意してやるよ。

――ウェンディに笑って見せるとキッチンへ引っ込んだ――

――ラッセルに微笑んで頷いて――
美味しそうなの。頂くの。

――シャーロットの方に向き直って――
出口はあるの。でも、どこに出るのかウェンディにもわからないの。この世界の、人が多いところに出ると思うの。出るところが落ち着いてないの。ごめんなさいなの。

人が少ないとこなら野垂れ死にだわ。まだましね。
ところでウェンディ。眠っちゃった人はどんな夢みてるのかしら？
さっきから気になって仕方ないの。審問の部屋に劣らず怖いわ。

ウェンディもじいちゃの話でしか知らないの。
すごく怖い夢だって聞いたの。良い夢を食べてしまうの。
怖い夢がずっと続くの。ウェンディ怖いの。お手洗いに行けなくなるの。

――シャーロットと共にキッチンから戻り、焼きたてのホットケーキとシャーロットに切ってもらったフルーツをウェンディの前に並べる――

ほら、好きなだけ食っていいぜ。
アプリコットジャムも、ハチミツもたっぷりあるぞ。
あとは暖かくて甘いミルクティだ。

あんまり慌てて食うなよ？喉に詰まらせたら大変だからな。

……クインジー？

何をして片目を潰して戻ってきたかは知らないけど。クインジー自身も良くわかんないんだっけ？

ともあれ、すごく似合ってるよ、それ。羨ましいくらいに。

ん？なんだぁ？にやにやしやがって。

――釣られて笑いながら――

なんで潰れたんだろうな？真実は闇…いや、夢の中か？

ほんと、たよんないわね。
もっと深い理由があって村飛び出たのかと思いきや、「記憶にございません」じゃ昔話にもならないわよ文字通り。
はぁ、ちょっとぐったりきたわ。

――両手でミルクティのカップを持って飲みながら――
ごちそうさまなの。美味しかったの。
ウェンディ幸せなの。

――レベッカの方を向き――

知るか。お前こそ何か知らねえのか？
一緒にお前とニーナと遊び回ってた記憶はあるんだがな…。
ニーナは俺のこと覚えてねえって言うんだよ。

一緒にいた男に覚えはあるみてえだが、そいつはもう死んだみてえな口ぶりだった。おそらく、俺のことだと思うんだがな？ほんとにお前、何も知らねえか？

死んでるって分かってたら、心配などしないわ。
小さな頃のこと全部が全部覚えてる訳じゃないけど、3人で山遊びしてる最中にクインジーがいなくなったんだっけ。私が一番先に山を下りてその次がニーナだった気がする。おかしいわね、思えば大事件なのにあやふやね。でもクインジーは死んでないわよ。それは確か。それともニーナ山で何かみたのかしらね。

俺の記憶もそこから飛ぶんだ。

そうか…レベッカも覚えてねえか。
悪かったな、昔のこと掘り返したりしてよ。
俺は生きてて、目を失った。これは事実だ。
ニーナの中では死んだって事になってんだな。

…まあ、このままにしといてくれ。
ニーナを掻き乱す必要はねえだろうしな。

――一人でトランプを広げて占いをして遊んでいる――
……片目のジャックとオールドメイドとどっちを使うかが問題なの。
……それより、ブラックレディの扱いが難しいの。

――ウェンディのトランプを覗き込み――

…難しい事やってんなあ。
俺はちょっと買い出しに行ってくるぜ。
ウェン、うまいチョコ買ってきてやるからな。

――言い残すと外へ出た――

――食器を片付けながら――
よく考えると、まだ２分されてないのよね？ニーナが真実の者だったら２分されてるけど。ヘンリエッタが真実なら、おばぁさまが人間と分かってもそれだけでは２分はされない・・・。
今を見る者の判定が割れた時、過去を見る者の判定で組み分けが分かるのよね・・・
そう考えると、今日は新たな人を同じに判断してもらうほうがいいのかしら？

――くすくす笑いながら――
ニーナが「ロッテは夢を喰らう者よ」って言ったらニーナが偽者だって私には分かるのよね。
でも、その前に私は眠りについてしまうのかも・・・

新たな一人を見てもらうなら、ハーヴェイを希望する。
今の状況を予測していたのが、偶然の予知なのか、それとも布石だったのか、私には判断できないから見て欲しいわ。

――ゆっくりとソファから身を起こす――

おはよう・・・

！！！

せ、先輩！？
ぉ、おはようございます！！

――慌てて洗面所に行き、顔を洗う――

（はぁ・・・びっくりした・・・）

ちょっと補足するわ。おばぁ様がヘンリエッタに見てもらってヘンリエッタからみて人間と判断しても、って事ね。なんだか、ややこしくて自分でもなにを言いたいのか混乱してるわ
――自分の混乱をごまかすように食器を洗っている――

――落ち着くためにインスタントお味噌汁を作り、昨日作っておいたおにぎりを食べる――

すいません、朝ごはん失礼しますね。


と、ところで先輩、昨日あれから何かありました・・？？

――魔方陣のことを聞いて、驚いきながら双子を見る――

りっくん・・・ウェンディちゃん・・・

双子の後見人って立場なら、みんなの話を聞くのが私の役割だと思ってたの。でも、状況が変わったわ。だから私は、自分の考えを述べていたのよ。
話さない者からは何も判断できないわ。議論を持ちかけ、判断することが今、必要なことよね？

おばぁさまは、夢を喰らわれる事はないわね。ニーナが真実を言ってればもちろん眠らない。嘘を言っていても眠らせられない。
このことを利用して何か考えられないかしら？

――ノートを見ながら――

まず、ヒューバートさんについて思ったこと言うの。


――ペン回しをして、言葉を紡ぎ始める――

昨日の状況は、ヘンリとヒューバートさんだけが「今を見るもの」として名乗り出ていた。

もしヒューバートさんが染まる者だったと仮定すると、状況的に、ヘンリは本物に見えるはず。
取り消したら本物が確定する。これは夢喰らいをピンチにさせるだけ。
よって、ヒューバートさんから染まる者とは考えられない。

――目を閉じて、ゆっくりと続ける――

ヒューバートさんが夢喰らいだった場合。
取り消しする状況は、「ヘンリが染まる者ってわかった場合」
つまり・・・

――シャーロットのほうをちらりと見て――

先輩が、夢喰らいだった場合のみね。

普通なら染まる者と違う「判定」を出して、過去を見るものを利用して、本物になるところなんだけど・・・
夢喰らいの視点だと、まだ本物は残っていて、名乗り出ることはわかっている。
その信用を最低レベルにするため、まず「ヘンリが本物なんだ」と村人全員に思わせる作戦を取ったなら、この行動も納得。
本物が確定した。って思った後に他の人が名乗り出ても、心理的になかなか認め辛くなるからね。

ちなみに、この場合だとヒューバートさん、先輩、おばあちゃんが夢喰らい。
全員が表に出たことになります。

――ノートに視線を落とし――

そして、ヒューバートさんが人間だった場合。

「取り消す」という行動には疑問はなし。
いきなり本物が確定するもんね。


ただ、この作戦が真価を発揮するには、「他の人が名乗り出ていないことを前提」としていなければならない。
それを考えると、ヒューバートさんの取り消し行為は早すぎた感じがするの。
うっかりか、さっき私が言ったような「意図」があったのか。

ラッセルさんの不安はこのあたりにあったんじゃないかな。


――そう小さな声で続けて、「後はヒューバートさんの行動を見て判断していくの」と、締めくくった――

――顔を赤くしながら訂正する――

「他の人が名乗り出てないことを前提」じゃなくて、「他の人が全員、今を見るものじゃないって言い終わったことが前提」の間違え。
ニュアンスが変わっちゃうね・・・

そうね、私が夢喰らいって思われるなら、ニーナに見てもらえばいいことね。それも考えたわ。
すべての人を二人の今を見るものが判断できるなら私は身の証を立てて欲しいわ。でも、夢喰らいはそうはさせてくれないでしょうね。
私が疑わしいなら審問の部屋にいずれ送られるでしょう。今と過去を見るもの達を見極めるためには、なにが最善かを考えると、同じものを判断してもらう事

もう少し考えてみるわ

誰か居ませんか〜？

――辺りを見回している――
…もう少しの間人が来るのを待ってみよう、何か進展があったかもしれないし

――身振りや手振りを交えながら、事のあらましをハーヴェイに説明しながら――
…そんなわけで、お兄ちゃんの考えも聞きたいの。
いろいろ思ってる事を教えて欲しいの。

こんにちは、誰も居ないかと思いましたよ、僕のいない間に何があったか教えてくれませんか？

ニーナが今を見れる者だと名乗って、婆さんとクインジーさんが過去を見る者だと名乗りを挙げたんだね？

どうなんだろうね、僕は美しくないけどヒューバートさんが取った行動は狼や染まる者ではないと思ってたんだ、今を見る者は狼にとって最大の敵だろ？

セシリアお姉ちゃんがさっき色々教えてくれたの。
狼の場合もありえると言えばありえるの。
でも、そうじゃない可能性の方が高いと思うの。

ニーナとヘンリ嬢だと、やはり、ヘンリ嬢に気持ちは傾いてしまうよ
ニーナは１歩ヘンリ嬢より後ろの位置に居る…ってのは本人も解ってるみたいだな

僕もねヒューバートさんが狼の場合を考えてみたんだ
一つ目ヘンリ嬢が偽だと判り撤回したパターン、つまりシャーロットが狼だったって事、ヘンリ嬢の信用を挙げるための行動だね。この場合は全ての狼、染まる者が舞台に出揃っるかな
二つ目にニーナが偽者だった場合、多分この場合はニーナも狼だと思うんだけど、ヒューバートさんが撤回しても後でニーナに名乗りを挙げさせる事で本物を確定させない、そして撤回したヒューバートさんの信用を上げる、そうすれば審問の部屋に送られる事も、見た人物を割れば彼が見られる可能性も低くなるからね、この場合はニーナの信用が低くなってしまうのがネックかな

そして僕がさっき言った一つ目のパターン、これは絶対にあり得ない

そうなの。でも、どっちの場合でも「実は嘘でした」と言わない方が良い気もするの。難しいの。

――牧場で一人ブツブツ喋っている――

今日ヘンリエッタとニーナにどう見てもらうか、と、
デボラとクインジーが見ることになるヤツをどういう判断で決めるか、が問題か・・・

何故かって？それはね僕が過去を見る者だからさ、僕の父の日記に記述があったんだ、この日記は父の親友のつまり僕のバイト先のマスターが隠してたんだけど、今回の事を相談したら渡してくれたんだ、だから僕自身この力に気付いたのはつい先日の事さ