人狼審問

――うっすらと目をあけ――
ああ、朝か。

……レベッカお嬢さん……？

――聖剣の柄に手を添え、開いた扉に入っていくクインジーの後ろ姿を無言で見送った後、皆は眠りにつき、長い夜が明けた――

――少年が、少女と共に山を駆け回っていた。
　　　笑い声が、野に響く。
　　　次第にそれは、空に吸い込まれて消えていった。
　　　それと共に、少年は青年へ、大人へと姿を変え、一瞬消え。

　　　憎しみ、悲しみ、寂しさが訪れた。

　　　その瞬間に見えたのは、獣の姿――

――「見た」内容を、皆に伝える。有り得ない、とでも言うように――

…クーの坊やは、「夢を喰らう狼」だった。

ああ、そんな目をするんじゃないよ。
婆だって、信じられないさ…。
信じられなくったって、仕方がない。

…なんだって、そんな。

――朦朧とした意識の中、ヒューバートの言葉に反応し――

…レベッカ……おい！
くそ、クイン……ッ…

――静に聞いている――

フー、やれやれ。

――青ざめた顔で広間に現れ――

レベッカさんの夢が、ゆ、「夢喰らい」に……！
み、みんな食べられた、たべられた！

――震えながら必死で言葉を紡ぐ――

ううぅぅ、何で、何で僕は何もできなかったの！
僕の目の前で、目の前でレベッカさんが……

う。

――口を押さえながら、外へ出て行った――

――はっと気づく――

…レベ？
レベも…、捕らわれてしまったのかい？

･･････ん、おはよう御座います。

どうしました？

――バルコニーに一番近いソファに横になったまま、レベッカがうなされている。気になったヒューバートが肩を揺すっても彼女は目を覚まさず、不安は次第に確信へ近付いていく――

ふぁあ、おはようございますなの。

………………レベッカおばちゃん？？

･･････レベッカさん......なんてことだ......
アーヴァインさんに続いて彼女もか......

誰なんだ...一体誰なんだ...!!っ

……お嬢さん？
おい、レベッカお嬢さん！

――乱暴ともいえる強さで、レベッカの肩を揺さぶり――

なんで、どうして。
どうして起きない……？

――芽生えた不吉な予感を振り払うように、頭を振る――

レベッカさんも、眠ってしまったのね・・・

――肩が小刻みに震えている――

――デボラは、レベッカの手を握った。

　　　暖かい。生きている手。
　　　けれど、決して起きることはない。

　　　いくら名前を呼んでも――

――レベッカの肩を放し――

……夢喰らいなりのジョークかい、これは？
二人仲良く、送ってやろうと……

…ヒューバートさん、流石に其のジョークは、笑えねぇよ。
胸クソ悪ぃ……。

一緒ならまだいいけど・・・
クインジーさんは・・・

･･････昨日の夜のことが遠い昔のように思えますよ......

――ケネスに顔を向け――

ああ、そうだね……すまない。

――僅かに口篭り――
……しかし。
ヘンリエッタお嬢様と、ニーナお嬢さんが心配だ。
随分と、酷いものを見たようだ……

――半分泣きそうな顔でレベッカの腕にしがみついている――
レベッカおばちゃん、起きて欲しいの。
ずっと寝てると風邪引くの。
ねぇ、レベッカおばちゃん………

…ぐす……うわーん
――ウェンディはその場に座り込んで泣き出した――

…レベッカさん…いや…おねぇちゃん…

レベッカさんの夢は…とても大きくやさしい気持ちであたしを包んでくれました…でも…やっぱり共感はできなかったのです…

レベッカさんは人間でした…今となっては誰の目からも明らかでしょうけど…

…まだあたしの頭は冷静な状態ではないようです…ちょっと二階で休んできます…今度は寝過ごさないように…気をつけます…

――寂しそうに――

ニーナは、いつも居なくなっちゃうのね・・・

･･････私も今回ばかりは冷静には......

私も2階のどこかの部屋に休ましていただく......

婆も、そろそろ休ませて貰うよ…、すまないね。

…いずれにせよ。
婆の視点ではニーが偽であり、まだ一匹の夢喰らいが隠れているのには変わりない。
少々、前提が変わっただけ。

――自分に言い聞かせるようにして――

…それでは、ね。

――涙を拭いながら――
レベッカおばちゃんを早く起こしてあげるためにも、頑張って考えないとならないの。
ウェンディに出来る事は考える事だけなの。

（甘ったれた考えは、棄てろって事か……）

…少し、外すぜ。

……デボラお婆様のおっしゃったことが、気になるね。

真実であるなら、どうして夢喰らいはそんなことを？
そうでないのなら、なぜそんな嘘を？

――顔を歪め――
人が一人、覚めない眠りに落ちたのにね。
……どうしてこんなことが、気になるのだろう。

――ウェンディに頷きながら――

そうだね、早く起こしてあげないとね。
今できる事は考えることね

――ヒューバートの方をみながら――

私が罪の意識から逃げるために立てた仮定が今のおばぁさまの判断になりますね・・・。
仮定が合っていたのか、それともそう設定しようとしているのか。どちらなのかは分かりませんけどね。

真実であるなら、ニーナお嬢さんは偽者だ。
ハーヴェイ君とクインジー君も、偽者で夢喰らい。
染まったニーナお嬢さんが、見る者の名を騙っている。

……ただ、連携のとれる夢喰らい同士なら、
最初からハーヴェイ君が名を騙りはしないかとも思うね。
何かしら考えがあったのかもしれないが……

もしこれであるなら、夢喰らいはさぞかし落ち着かない気分だったろうね……

おばぁさまが嘘をついて得られるメリットは、今を見る者は、染まる者が名乗りを上げたと思わせることですね。ほかにも考えがあるのかも知れませんけど、ぱっと思いつくのはそれくらいです

――シャーロットに頷き――

……そうだね。
何というか……ううむ。
考えてはいるのだが、どれも些か釈然としないよ。

ヒューバートさん！
あなたが染まるものだと思われたって事ではないですか？染まる者には、狼って思われて・・・

そうだね、シャーロットお嬢様。
染まる者が名乗りをあげた、と思わせる事で……
延命を狙っている、などはあるかな？
護ろうとしている命は、その場合自身のものではないだろうがね。

おばぁさまを信じても、辻褄は合いますね。
でも、それを装っているかもしれません。
今を見る者に狼が居ないって状況を作ってるだけかも

……ああ、それは思った。
ただ、狼が私が染まる者と思うのは、流石にないだろうが。

染まる者が私を夢喰らいと思ってのフォローなら、
ありえるかもしれないけれどね。

――夜が明けたことに気が付き走って入ってくる――

ウェンディ！！ウェンディ大丈夫？起きてる？！

――レベッカにすがって居るウェンディを見つけて――

良かった……ごめんよ……

――悲しそうに――

人間って不思議ですね。自分で立てた仮定が証明されてるのに、裏を考えてしまう・・・

おかえり……ラッセル、リック。

――二人に手を振る――

今を見る者は２名の名乗りがありました。染まる者は、真実と狼が名乗ったとおもい。狼は真実と染まる者が名乗ったと思った。どちらを真実と思ったかは分かりませんけど。でも、ヒューバートさんが人であると言った。今を見るものが決まりそうだった。って状況だったと思います。

仮定の話はよく考えないとだめですね・・・
私の考えでは穴だらけですし

そうでなければ、既にその時点で三人の名乗りが出ていたのでないかな。

……さて、そこで出たニーナお嬢さんは何者か、
というのが、一番の問題なのだがね。

ヘンリエッタが本物であれば、染まる者でしょうね。
あの状況で名乗りを上げても、信用は難しいですよね。狼が名乗りを上げるでしょうか？
まだ、考えがまとまってないんです・・・
少し考えますね

何れにせよ、二人名乗った時点では夢喰らいと染まり、
お互いの誤解もしくは了解があったのだろう……ね。

何れにせよ、今日の部屋送りはそのまま考えるならばデボラお婆様なのだろうが。

デボラお婆様を挙げるのならば他に一人挙げる、というのはどうだろうか。

性質の悪い冗談だ。

―――レベッカから目をそらし、ピアノの前に座った―――

私は今日部屋にはおばぁさまに行っていただきたいと考えてます。確実な事はありません・・・
でも、おばぁさまに行っていただくことで赤い星２個封印出来た事が確実なことになります。おばぁさまが真実を述べてるなら狼が２匹ですね

ううむ……
このような言い方は何だがね。
もし空いた駒があるなら、夢喰らいであれ絶対に名乗りを挙げないとは思わない。

性格に寄るところはあるだろうが、私なら挙げるよう薦めるだろう。
真の力を持つ者を定められてしまえば、完全に確実に、
じわじわと押しつぶされるだけだ。
ならば、まだ名を騙り惑わせるほうがまだいいとね……

そうだね、ヒュー。
今日決めるべきことは、大きくは二つ。
まだ二人いてくれる「見る者」に誰を見せるか。

今日の「部屋」いきは婆様になるが、明日、有意な情報が得られなかった場合に誰を送るか。
この補足として明日からすぐ「今を見る者」を「部屋」に叩き込むかどうか。更に補足で、ニーナとエッタのいずれが本物か、かな。

他に何かあれば随時、楽しく話し合い、だね。

ヒューバートさんが名乗りを取り消した時、名乗れるのはニーナだけでしたね・・・
あぁ私も思い込みで話してますね。
考えてから、意見を述べないと混乱を呼ぶだけですね。

――ラッセルに頷き――

まだ見る者が二人いるのは、いいことだ。
しかし……夢喰らいは、彼らの夢を喰わないのだろうか。
それとも、喰えないのだろうか……？

ええと、レベッカお嬢さんも名乗れたらしいが……
……彼女がただの人であろうことはまず確実だろうから、かわりはないか。

それについて言うかどうかは悩んでいたんだけどね、ヒュー。
「退ける者」が昨日、「僕でも双子でもない」人を守っていたならそのままの方針で結構だ。
更に言うなら、さっきの条件に当てはまらない場合でも、僕を守る優先順位は低くしといて欲しいね。

やりにくくなったかもしれないが、それは狼もご同様だろう。文句があったら、こっそりピアノ椅子の上に画鋲でもおいといてくれないかな。

僕の個人的な考えは、みなの話を一通り聞いてから言うよ。
ちょっと家に戻って風呂にでも入ってこようかな。

――ラッセルに――
……ああ、そちらの意味も勿論あるけれどね。

どちらかというならもうひとつ、
部屋に送らせるつもりで、夢を喰わないのか。
他の要素との絡みで喰わずにいるのか。

それとも……何か理由があって食えないのか……と、
そちらの考えのほうかな。

私もよく考えてきますね

おやすみなさい

いってらっしゃい、ラッセル君。
――ラッセルに手を振り――

さて……私は、少し店で休んでこよう。
皆、お疲れさま。おやすみ……

んー、気が弱いくせにハッタリ好き、というのはどうにも締まらないよね。

ヒュー、「今を見る者」が襲われないのは、日数を稼ぐためだと思うよ。
どちらかが本物で、どちらかが狼だろう、という見解は今のところ変わっていない。残念ながら婆様を信用していない、ということでもある。
ただ、僕達が正しい「的」を選べば、狼が「射手」に手をつけることも考えるかもしれないね。それも怪しいと思うけど。

ん！

――毛糸の玉をいくつも抱えて降りてくる――
ウェンディ、デボラお婆ちゃんに編物を教えてもらうの。
靴下じゃなくても良いの。少しだけでも教わりたいの。

――編み棒に毛糸を絡ませて編物の真似事をしながら――
デボラお婆ちゃんは、まだ見てもらっていない人の中で誰が信頼できると思ってるか知りたいの。
ヒューおじちゃんとロッテお姉ちゃんは除いて、残りの４人の中からだったらどうなのか聞いてみたいの。

や、ウェンディ。その二人をホントに除いちゃっていいのか頭を悩ませてるとこなんだが、どんなもんだろね。

ついでに良心の呵責をあまり感じなくなってるとこも悩ましいところだよ。かつて退治された筈の「狼」がまたこうして現れる理由がわかる気がするね。
かの梅毒持ちの言葉を借りるなら「狼と戦う者は、自ら狼とならぬよう心せよ。深淵を覗くとき、深淵もまた見返しているのだ」ってとこだ。

――寝たふりをしているラッセルの方を見て――
デボラお婆ちゃんの立場に立って考えないとダメなの。
エッタちゃんが本物だから、ロッテお姉ちゃんは間違いなく信じられるの。ヒューおじちゃんが夢喰いだとしたら、ニーナお姉ちゃんも夢喰いじゃないとマズイの。本物の今を見る人を確定させただけで終わるの。
でも、そうするとハーヴお兄ちゃんもクインジーおじちゃんも夢喰いだったという話と矛盾するの。

ウェンディ、梅毒ってよくわからないの。
でも、その言葉は本で読んだ気がするの。
スーパーマンが出てきてルサンチマンと戦うの。
なんだか男の子向けの本なの。

――ひょっこりと顔をだし――

ウェンディちゃん。
ルサンチマンのお話は、読んではいけないよ。
そのお話を読むとね……毎晩、一日寿命が縮む夢をみてしまうようになるのだ。危ないよ。

……ラッセル君、私は画鋲を置いていないぞ。

いや、おそらくそうだとは思うんだがね。うむ。

――ソファからゆっくりと体を起こし、大きく伸びをする――

……ん……

――伸びをしている最中に、ポケットからアヒル隊長が落ちる――

……あ

――アヒル隊長を拾おうと身を屈めたら、アヒル隊長の無機質な瞳が、セシリアをまっすぐ見つめている事に気が付いた――

……

――ゆっくりとアヒル隊長を拾い、しばらく呆然とした後、慌ててレベッカの元へ向かう――

(まさか、まさか……！)

――レベッカの部屋に入り、彼女の肩を揺らす――

レベッカさん…レベッカさん……

レベ………

レベッカお姉ちゃん！
お姉ちゃん！お姉ちゃん！お姉ちゃん！！！

もう子どもじゃないんだから、早く起きないと！！
お店行かないと皆困るんだよ！？


お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん……！！！

――レベッカの左手を両手で握り締め、うわ言のように「お姉ちゃん」と、繰り返す――

―――セシリアの肩にやや乱暴に手をかけ、立たせる―――

おちついて。取り合えず、深呼吸して。

――座ってからようやく移動したことに気が付く――

あ…ラッセルさん…

――静に広間に入ってきた――

おはようございます・・・
やっぱりレベッカさん、目覚めていないんですね。

――手にもったカップを見つめ、飲んで落ちついて。ということに気が付き、お礼を言う――

ぁ、ありがとうございます…

――ゆっくりと紅茶を口に含み、聞かなければいけない事を思い出した――

ラッセルさん、先輩……

昨日、私がいない間に、何があったんですか…？

いや、礼を言われるようなことは何も。
むしろ、自分がとっても平静なのが嫌になるね。シャーロット、セシリアに何か出してあげてくれないかな。

――セシリアの前にスープとサンドイッチを並べながら――
簡単なものしかなくてごめんね

――ラッセルを見つめ――
ラッセル・・・残されたものは、混乱しててはいけないのよ。一日も早くすべて封印しないといけないの。
それが残された者のつとめ・・・
辛くても、投げ出せないの。
あなたが冷静で居てくれるから、私はがんばれるのよ・・・

――ラッセルの咳を不安に思いながら――

ぁ、ありがとうございます…

――サンドウィッチをゆっくりと食べ始める――

目覚めさせるには、すべての狼を封印しなければいけない・・・
おばぁさまを信じたいけど、信じられない。
わずかな可能性も残しておけないから、今日はおばぁさまにお願いしたい・・・でも、明日は？
今を見るものが揃っているなら、別の人を部屋に送るのがいいと思うけど・・・
誰をって考えるのは辛いわね。まだ決められないのよ
もう少し考えさせて・・・

おばあちゃんは、クインジーさんも夢喰らいだっていったの…？


それと、ノーマンさんの意見…
私はヒューバートさんが夢喰らいではあり得ないと考えてたけど、確かにそういう考え方もできる…

>>3:351

――絡んだ毛糸の束を抱えて階段を降りてくる――
独学じゃ上手くいかないの。難しいの。

皆さん、おはようございますなの。

僕はヒューバートが狼である可能性は低いと思っているし、それには理由もあるけれど、弁明は当人に任せたほうがいいかな。

や、ウェンディ、おはよ。

ウェンディ、お腹空いたの。
何か作るの。セシリアお姉ちゃん、助けてくれると嬉しいの。

――ラッセルの方を向いて――
今朝の話は、デボラお婆ちゃんから見た場合の話なの。
勘違いされると困るの。

うん、それは了解してるよ。

――少しぼんやりしているセシリアの袖をひっぱってキッチンへと歩きながら――
ウェンディ、フレンチトーストが食べたいの。
それからシーザーズサラダも食べたいの。
それからクラムチャウダーも食べたいの。
なんだか朝からウェンディ我が侭なの。

――ウェンディに苦笑しながら――

（ありがとう、ウェンディちゃん…）

うん、全部作ろうね＾＾

健啖家だね、ウェンディ。
いいことだ。

僕は、ちょっと散歩に出かけてくるよ。
途中で可愛い迷子を連れてこられればいいな、と言うのは……身勝手な夢想だね。忙しいんだろうな。

――牛乳に溶き卵と砂糖を加えて混ぜながら――
セシリアお姉ちゃん、ウェンディ、よく分からないの。
デボラお婆ちゃん以外の過去が見えると言ってた人達が二人とも狼というのはしっくりこないの。
でもそれが嘘だとしたら。その続きで混乱してるの。

――ウェンディの上達振りに感嘆しながら――

そうね…
本物だったら、なぜハーヴェイさんは出てきた？
になるんだよね…

一番考えやすいのは実は偽者で、混乱させる為に…なんだけど…
わざわざ疑われるような真似をするのはなぜ？
になっちゃう…

――薄切りのフランスパンを浸しながら一息ついて――
多分、ニーナお姉ちゃんの話とも関わる複雑な問題なの。
ウェンディには難しすぎるの。

――クラムチャウダーを広間に運んでいるセシリアに声をかける――
ウェンディの方も出来たの。今から運ぶの。


――料理をテーブルに並べてから手を合わせ――
いただきます

――少な目にとった自分の分は食べ終え――
ごちそうさまなの。
セシリアお姉ちゃんももっと食べた方が良いの。
きっと今日からは体力勝負になるの。

見てもらう人について、ちゃんと考えないとならないの。
ウェンディ、やっぱりユージーンおじちゃんが気になるの。でも、もう一度、見る人達の意見を思い出して考えてみようと思うの。

――半分以上残し、ラップをかける――

ふぅ、ご馳走様…
ウェンディちゃん、手伝ってくれてありがとう。

私も昨日から言っているようにユージーンさんを見てほしい…

――レベッカをふいに思い出し――

ぅ……


――落ち着くために、散歩に出ることにした――

――シーザースサラダのクルトンだけつまみながら――

僕は…僻みっぽくなって来てるね
みんなとうち解ける事も、ウェン程うまくないし

ニーナも…そうなのかな？
自分の主張ばかりで、うち解けてお話をしない

ねぇ、淋しくない？

僕は……ちょっと淋しい…

――もつれた毛糸の束と格闘しながら――
リックお兄ちゃんもニーナお姉ちゃんも編み物を始めると良いと思うの。

手始めに、この毛糸を玉に戻すところからなの。
すでにウェンディ、つまづいてるの。

狼さんが、心に爪を立てると、おしゃべりが少なくなるって聞いたことが有るんだぁ

僕の心にも、狼さんが爪を立てようとしてるのかな…
ここに来る前は、もっとおしゃべりだった気がするんだ…

――困った顔でウェンディを見て――

ウェン、端っこがどこか解らなくなっちゃったの？
端っこを探すと、早くほどきやすい……

今の僕たちって、この毛糸みたいだね
気持ちがこんがらがっちゃってる…

――毛糸を見ていて――

そうだ…ペペロンチーノ作ろう
なんか、無性に食べたく成っちゃった

――キッチンでニンニクの皮をむき始めた――

――サラダボウル程の器に山盛りパスタをのせて――

ぼーっとしてたら作りすぎた……
いいや、食べたかったんだ、食べるよ

――鬼のように食べ始めた――

――山盛りのパスタを食べているリックを見て――

…おや、リク。
随分とたくさんだね。

ほほ、結構、結構。
食べられるときには、思いっきり食べないとね。
しかし、無理をしちゃいけないよ。

ああ、婆は…今は、おなかがいっぱいなんだ。

――食欲がないのを誤魔化すように言った――

――デボラに気が付き――

おばあちゃん、あのね
食べないと駄目だよ
お部屋の向こうは知らない所なんだから
いっぱい食べて、元気に過ごしててくれないと
僕もウェンも探しに行く気満々なんだからねっ

じいちゃんも、神経痛押してでも一緒に行くって言ってた

僕さ…僕が作った部屋が不完全で、みんなをどこかしらない所に飛ばしちゃうから…

絶対絶対、探し出して思い出して貰うんだっ
こんがらがった毛糸だって

――いつの間にかほどいた毛糸の束を見せて――

ね？ちゃんとほどけるんだよっ

ほ、ほ、あのじぃもかい。
ぎっくり腰でも起こさなきゃいいんだけどね。
あんまり無茶をするんじゃないよ、と伝えておいておくれ。
お互い年なんだから。ほほ。

…そうだね、向こうに行ったら、リクや、みんなが作ってくれたものも食べられないんだ。
今のうちに、たーんと食っておかなければいけないね。

――ちょっとまじめな顔に成って――

ねぇ、おばあちゃんから見て、まだ見て貰ってない人…
んと、ロッテお姉ちゃんとヒューおじちゃんと含めて
誰が狼さんにむしばまれてると思う？
一人でも二人でも

僕さぁ、憑依した狼だけを取り除いたら、元の優しいみんなに戻るって信じてるから
一日も早く、憑依から解き放ってあげたいんだよ

ウェンも、同じ質問をしていたそうだね。
逆に、「信じられる人」と聞いていたようだけれど。

そうだねえ…。

――編み物をする手を進めながら、考え込んでいる――

んと、じゃぁ
信じられる人と、蝕まれてる人とどっちもっ
早く又みんなで一緒に御飯食べたいもん、ねっ

おばあちゃん…みんなを信じてるから、誰か？なんて質問は難しかったかなぁ……

…ロッテとヒューを、除いた場合でいいかい？
除かないのならば、ヒューになるね。
ニーが染まる者であるなら、あの行動は、尚更 危険なのだから。
ロッテはヘンリの「判定」で人間と出ているから、疑いようもない。

そして、それ以外の場合だね。
ニーが夢を喰らう狼、という前提が崩れたから、その点を含めると、また 見方が変わってくるかもしれないけれど。

今、一番人間らしいと思えるのは、ケンなんだ。
これは、昨日も言ったね。　>>3:276

誰も積極的にヘンリを疑う発言をしなかった中、ケンはその口火を切っていた。
しかも、婆が偽者でもヘンリが本物の可能性はあるのに、視点がちょっと狭すぎる。
夢喰らいならば、どんな場合でも対応出来るようにするんじゃないだろうか、と思った。

ノームは、皆から意見を聞こうと、積極的なように見える。
自分が「判定」されても良いという意見も、そう見せるためかもしれないが、夢喰らいならば度胸がいるだろう。
少々 誘導気味か、と思えるところもあるけれど。
ちょっと釘を指してみたり、とかね。　>>3:223
ラスにもそんなところはあったから、皆の反応を見て、誰が夢喰らいを探ろうとしているのか、と感じた。

ジーンも、「ニーナが偽者だ」と断定している辺りでは視点が狭いと言えるのだろうけれど。
偽者の今を見る者を、思いきり切り捨てることで、信用を上げようとしたんじゃないか？
という、穿った見方をしてしまった。

夢喰らいが好むのは、理論で他人を納得させることだと思う。
理論的であるのならば、「ああ、そうか」と納得させやすいからね。
そういう視点で見ると、次に気になるのは、セシルだね。

ただね、夢喰らいは、こっそりと潜みたがるんじゃないか、とも婆は思っている。
これもまた、目立ち過ぎているのさ。
けれど、目立っているどちらかが夢喰らいの可能性はあるのでは？と思った。

――びくり、と目を覚まし頭をふり――
……
……い、今まで寝ていた訳ではないんだよ。
ちょっと毛布と仲良くなっていたのだ。

まとめると、信用出来るのはケン。
夢喰らいは、セシルかジーンのどちらかだろうか、と思っているよ。

――リックの困り顔に気づき――

…ああ、考えを纏めていたものだからね。
ちょっと長い話になってしまったねえ。

年を取ると、話が長くなっていけないよ。ほ、ほ。

あ……すまないデボラお婆様、お邪魔だったかな。

おや、ヒュー。

ほほ。
毛布とは、仲良くなれたかい？

おばあちゃん、ありがとう

ニーナも、もっといっぱいお話してくれたら良いのにねっ

（毛布よりも、冷たいシーツと「しろいはだ」の方が良いって前にヒューおじさん言ってたけど……毛布の方が暖かい気がするんだけどなぁ……）

本当に、そうだねえ。

…やはり、夢喰らいの魂に、共感しているせいなのだろうか。

…夢喰らいが、過去を見る者に二匹名乗り出たことについて、考えていたよ。

利点は何か。
今を見る者が、「本物と夢を喰らう狼の組み合わせ」だと思わせることだろう。
そして 染まる者であるニーの夢を喰らってしまえば、残されたヘンリを夢喰らいだと思わせられる。
そうすれば、「審問の部屋」に送ることが出来る…。
そんなところだろうか。

けれど、実際にはどちらの夢も喰らわれておらず、夢喰らい二匹が先送りになった、という状態になっている。
…どうにも、意味が無い気がするねえ。

――独り言のように、ぶつぶつと言う――

……ええ、お婆様。
とてもよくやってきましたよ。

――毛布を畳みながら――

――ほどけた毛糸を束ねながら――
デボラお婆ちゃん、いっぱい考えてくれてありがとなの。
ウェンディ、編み物を覚えたいの。
簡単なところだけで良いの。教えて欲しいの。

ああ、そうだ。希望を挙げていなかったね。

今日は婆の番だというのは理解しているし、ニーを挙げても受け入れられないだろう。
だから、婆の希望は先程言った、「夢喰らいだと思う二人」からになるね。

見る先には、セシル。
送り先には、ジーンを。

…気づいたのだけれど、二人ともクーの坊やが挙げていたね。
その希望のままになってしまうのだけれど。

クーの坊やは、セシルを始めからずっと希望していた。
皆 均等に並んでいるところに、仲間を挙げては危険かと思った。
同様に、送り先に仲間を挙げるのだろうか、とも思ったのけれど…、あの時点では、過去を見る者から送られる可能性が高かった。
それに、名乗り出ている者の意見がそのまま採用されることは少ない。

おや、ウェン。
ああ、もちろんだよ。約束だったからねえ。

…まずは、作り目からだね。
ほら、見ていてごらん。

――ウェンディの目の前でゆっくりとやって見せ、それから口で教え始める――

ここを、こうやって…。

組み合わせによっては私が夢喰らいとありえはすると。微妙に消極的な疑い方だな……
ラッセル君は、自分で弁明しろ、とね。
まあ、別にそれは構わないのだが。

どうやら、私は……私の糸を、力ある者達のそれと絡め過ぎてしまったようでね。
――ウェンディの毛糸をみつめて――

どの糸を疑われているかが掴めないと、どうにも返事がし辛い。
勿論、糸達を絡めずに考える事はできるが……

まあ、何をいいたいのかな。
はっきり口にだしてもらえるのはありがたいね。

や。みんな。ご機嫌いかがかな？
……単なる慣用句だからね、お答えは耳に痛いので遠慮しとくよ。

――ゆっくりと扉を開ける――

こんばんは･･･

おや、セシルも一緒かい。
ほ、ほ。

――少しだけ、意味ありげに笑う――

――朝の残りをレンジで温め、食事をする――

・・・

――セシリアはデボラの笑いに首を傾げる――

？

いやいや。
仲が良いのは、良いことさね。

――どうやら、何か勘違いしているようだ――

フー、寝すぎたみたいだったな・・・。

レベッカか。
これから何所でエサ買えばいいんだろな・・・。
――小さい声でつぶやく――

――ラッセルのすぐ後に入ってきたのを知らないセシリアは、？マークを頭に浮かべながら食事を再開する――

おや、婆様、鋭いね。
今日は二人で村の外れの池まで散歩してね、諸々のうちに失われた愛と、この先にあるべき夢の物語を紡いでいたのさ。

ん、ババァか。なんか、久しぶりに会う感じだぜ。

それ以上にニーナには会ってないような気もするが・・・

――皆に手を振り――

……ラッセル君、ほどほどにしないと、
嫉妬した夢喰らいに喰らわれてしまいますよ？

おやおや、それはそれは。
若いというのは、良いことだねえ。ほほ。

――ラッセルに笑いかけてから、ノーマンに――

どうにも、時間が合わないみたいだからねえ。

――セシリアは、ラッセルの言葉に主語がなかった為まだキョトンとしている――

でね、婆様。昨日は断定的に信用できないと言ったことは謝っておくよ。容れてくれるかな。

ただ、僕がおとつい「順調すぎて信じられない」と言ったのと同じく、婆様の判定を信じ難い。夢喰らいがそんなに容易く自分の身を晒しに来るとは思えないんだ。
ハーヴェイとクインジーが「狼」なら、クインジーの方は黙ったままもっと上手く立ち回る方法はあったんじゃないかな。
信じられないような事こそ真実、というのはままあるんだけどね。

ああ、さっきのはもちろんウソだよ。セシリアに聞いてみるといい。

――ラッセルに言われ、ようやく自分が話の中心ということに気付き･･･赤くなる――

ラ、ラッセルさん！
何を言うんですか！！

――すぐに温まった料理を持ってきたセシリアを見て――
セリシアお姉ちゃんは冒険家なの。
ラッセルお兄ちゃんの発明はすぐ爆発するの。ウェンディ、怖くて、あの機械は使えないの。
絶対、ウェンディが使ったら爆発するの。

――ラッセルの言葉に、首を振って――

いいや、気にしちゃいないよ。
婆自身だって、信じられないのだからね。
混乱を招く為の戯言だ、と取られても仕方がないだろう。

何度も言うように、婆よりも、ヘンリを信じてくれればそれでいい。
婆の力が果たす役目は、もう終わったも同然なのだから。

ああ、さっきのがウソなのは、残念だけれどね。
ほほ。

――デボラが笑ってるのを見て、ポカポカと叩く――

おばあちゃん！何が楽しいの！！

ヒューの嫌疑は、「疑われやすい、しかし人間らしい」行動が原因だよね。僕は、結果的に不完全だったけれど、完璧な失敗でもなかったと思ってる。
あのペテンが、ニーナ、エッタそれぞれ本物の場合にどう言う風に作用したか、それは「狼であるヒューバート」に有利な事だったか。こんな感じで自己分析してみるとか、どう？

ほ、ほ。
いやいや、セシルもそんな年になったんだねえ。
婆はうれしいよ。

――大時計を見やって――

…おや、もうこんな時間かい。
今日は…いや、今日もだね。早めに戻らせてもらうよ。
すまないね。

ニーナお嬢さんが夢喰らいである、という前提らしいね。
となると、デボラお婆様も夢喰らいか染まりの何れか、と言うことになる。

まず、真っ先に名乗り出たヘンリエッタお嬢様の姿は、
夢喰らい……この場合は私達にはわからなかった。
お嬢様の判定で正体を推定もできないね。

ただ、これはニーナお嬢様が名を騙るつもりなら問題ではないかもしれない。

しかし、どのみちニーナお嬢様に名を騙らせるつもりなら。
どうしてニーナお嬢さんの名乗り出の前に、わざわざ私が名乗りを撤回したのかもちょっと気になるな……

いえ、私が言うのもなかなか可笑しいものだが。

何を言うのかって、セシリア。ウソと冗談と法螺。いつも通りのラッセル君、というわけさ。
君がシャーロット一筋だって事くらい、皆知ってるよ。

デボラお婆様が夢喰らいだった場合、
ニーナお嬢様はわざわざ仲間を名指したことになるねぇ。

まあ、打ち合わせはしたろうし、デボラ婆様の比較的早かった対応は不自然とは思わないかね、この場合。

染まりであるなら……いや、驚いたろうね。
どうにもなかなか悩むものじゃないかな。
フォローとして躍り出たのか、もっと消極的なそれなのかは掴めないが。

私は、デボラお婆様が染まった者である可能性は、少々低いのではと思っているよ。

――デボラに手を振り――
ああ、お帰りお婆様。

……そして、何を話したかったのか、
だんだんとわからなくなってきた私がいるのだよ。

それじゃあ、ウェン。
続きは…、また、明日にしようか。

――言って、編み途中のものを片付ける――

…おやすみ。

――ラッセルの言葉に、真っ赤になる――

・・・ぇ、な、な、何いってるんですか！？

おやすみ、婆様。

何を言うって、さっき答えたじゃないか。冗談、さ。

――あまりにもあっさりと言われ、感情のやり場をなくして困っている――

ぁ・・・ぅ・・・

ごめん、困らせるつもりはなかったんだけどね。

ああ、これはどうだろうか？
私とデボラお婆様とニーナお嬢さんでぐるで、
ニーナお嬢さんを染まる者もしくは真の見る者と思わせようとしている。

私が早くに名乗りを撤回し、
その後ニーナお嬢さんが名乗る。
私が名乗っている時点で重ねて名乗りをあげたとするなら、
真の者か夢喰らい、いずれかと考えられるのではないかと思う。

染まりであるなら大人しく過去見を名乗るだろう、という話になってね。

加えてお婆様が過去見の他の二人を夢くらいだと言う。
信じられれば、どちらが真のものかはわからないが、
今を見る者たちはどちらも人であると思われると……

言いながら思ったが、
些か回りくどく効果が危うすぎる気はするね……
真実ならば、もうすこし素直に生きるべきだと突っ込んでおこう。私に。

――セシリアとラッセルを眩しそうに眺め――

初々しいですねえ……
私も、昔はあのように可愛らしかったものですが。

主に可愛いのはセシリアじゃないかな、ヒュー。
僕は単なる意地悪さ。実に困らせる気満々だったよ。ごめんね？

――リックとラッセルに微笑み――
……どうしたのかな、リック君？

困らせるつもり満々、か。
いや、それが可愛らしいのだよ……ねえ。

八つ当たりはこの辺にしとこうかな。今度から朝ごはん貰えなくなる気がするし。

それとね、リック、女の子をひきつける時は、拗ねてみせるのはあまり効かないよ。
「こっちの水は甘いよ」ってやるもんだ。
……ってケネスが言ってた。効果のほどは知らない。どんなもんだろうね。

――流石にパスタを食べるのにも限界を感じて――

僕、もーねよーっと
そう言えば、ノーマンおにーちゃんのわんちゃん
今日バニラと一緒に散歩させて置いたからねっ

ノーマンおにーちゃんとか、セシルのお話も聞きたかったけど、眠たくなっちゃったよ

――ラッセルに向かってまじめな顔で――

女の子は「すこしかげがあるほう」が好きなんだって
僕にはよく解らないんだけどねっ

なんか、僕が話を纏めるとかいいつつ、無駄話を垂れ流してる気がするね。

無駄話も、真面目な意見も歓迎だ。ちょっと記憶を振り返って整理してるんで、言いたいことがあったら今のうちにお願いしたいかな。

私としては・・・

う〜ん、昨日いった・・・あの意見・・・を・・・

（本当にいいの？　おばあちゃんを送って、その後ヘンリ、ニーナさんを送って・・・）

少し影があるほう、か。今度から日傘さして歩こうかね。

俺の意見か、昨日とあんまり変わらんな・・・多分。

また、見てもらう候補に名を挙げたら、目を覚まさないんじゃねぇかと思ってな・・・

そうか、それって「帽子」とか「日傘」で良いんだ
やっと解った、ラッセルお兄ちゃんありがとうっ

（ノーマンおにーちゃんは、前髪が無いから影が少ないとかって言うと怒られるかなぁ？）

――ぴくりとこめかみに血管が浮き出た――

――目を閉じ、自己暗示をかけ、自分の感情を消す――

（レベッカさんに言われたっけ、計算で考えるって私らしいって。
　自分ではそう思わなかったけど、レベ・・・お姉ちゃんがいうなら、きっとそうだったんだね）


――感情が戻ってきたのを感じて、慌ててレベッカを思い出さないようにする――

……とりあえず、そうだよ。
希望を挙げにきたのだよ。

明日から直ぐ今を見る者を送り込みたいか、については。
私は一日部屋送りを遅らせても、とは少し考えている。
恐らく、一日は皆喰われずにいられる余裕があったよう記憶しているからね……判定次第だが。

ただ、後に残った者が偽で、
撹乱を狙ってきた場合がこわいのかな……
もし偽でなくても、夢喰らいと出ればやはり惑うことにはなるだろう。

私の考えだが、村としての指向性が、
比較的高いように感じるところがあるのでね。

……有り体にいうなら、皆意見もどっこいに見えるのだよ。
だからね、見る者は生かせるだけは生かしたいのだが……

んと……僕寝るね……

おやすみなさーい

――ばたばたと走って行った――

――出来る限り感情を切り捨てて、話始める――

昨日も言ったけど、私は今日デボラさんを送った後に、ヘンリエッタさんを送りたいと思っています。

ヘンリエッタさんを先にする理由は、ニーナさんにシャーロットさんを見てもらいたいから。


デボラさんを送った後、送る人をまだ見てない人にして、もう一人判定してもらうのも考えてみたけど・・・
退ける者を失ってしまう可能性と、今から言うことをふまえると、あまり良い手とは思えないの。

二人とも、夢喰らい判定を出さないと前提するね。

明日の時点で、
今を見る者が、ヘンリエッタとニーナ。
村人と確信できる人が４人。
まだわからない人が６人。

ええと……私は、ニーナお嬢さんには、
シャーロットさんの正体をはっきりさせて欲しいと思う。

ヘンリエッタお嬢様にはケネス君を希望するよ。
もしくは、二人で彼を見て欲しいかな。

部屋送りはもし見る者から送らないのなら、ノーマン君を。
ただ、部屋送りについてはかなり悩んでいるよ……

明後日、ヘンリエッタさんを送る場合。

今を見る者がニーナ。
村人と確信できる人が４人。
まだわからない人が５人。

ヘンリエッタさんを送らない場合。

今を見る者がヘンリエッタ、ニーナ。
村人と確信できる人が４人。
まだわからない人が４人。

忘れてた・・・

村人と確信できる方にヒューバートさんを入れています。
彼が夢喰らいだとしたら撤回するメリットがあまりにも薄い感じがしますので。

こういう言い方をして良いのかどうか分からないの。
ウェンディは、ニーナお姉ちゃんよりエッタちゃんの方を信じてるの。
人を信じるのは難しいの。

信用と信頼はまた別のものだしね。ウェンディ。
僕が「見る者」を頼るのは、彼女らが善良な信用できる人たちだから、ではないんだ。僕にはない「目」があるからだよ。

･･････あぁ、こんばんわ......今夜も雨がきそうな気配です......

どなたか状況説明お願いできますか？

ラッセルお兄ちゃんの言ってる事はわかるの。
でも、力に頼る者は力に滅ぶの。さじ加減が難しいの。

ウェンディ、いろんな人のお話を聞きたいの。
思いつきで構わないの。いろんなお話を聞きたいの。

――顔を赤くして、俯く――

ほんと、私馬鹿・・・計算間違えてた・・・
もう一度考えて見ます・・・

ごめんね、みんな・・・


（お姉ちゃん、私やっぱり計算苦手みたい・・・）

･･････ふむ......特に進展はないようですが、私も少々疑われているようで......

――あたふたしながら――

本当にごめんなさい！！
ちゃんとまとまってから言うから・・・！！

――何度も頭を下げ、自宅へ逃げるように帰って行った――

ユージーンおじちゃんは、口数が少ないから、みんな気にしてるんだと思うの。もう少し色々お話を聞かせてくれるとウェンディ嬉しいの。

･･････あぁ、私の意見ですか......少々悩むことがありましてね......

婆さんのことなんですが......

･･････婆さんはクインジーとハーヴェイを夢喰いだと言いましたよね？それってありえるんでしょうか？

もし、仮にデボラ婆さんが本物だとして、クインジーとハーヴェイが夢喰いだったとすると、ニーナは染まりし者となりますね......まぁ、ニーナ君はいいとして、クインジーとハーヴェイが順番としては最後に名乗りを上げました......

結果名乗りを上げる者が5人、赤い星の者が3人含まれている状況が作られます......

名乗りを上げてない者が10人でその中に1名赤い星の者。まさか、染まりし者が残ってるとは思えませんから、ほぼ100%で夢喰いでしょう...

――棚からトランプを取ってテーブルに広げながら――
ウェンディが見た赤い星は全部で４つなの。
だから…

――ジョーカーとダイヤのジャック、ハートのジャックの３枚を並べて――
大きな赤い星が２つ混じってる組合せがない訳じゃないの。組合せとしてはありえるの。

･･････10人の中の1匹と5人の中の2匹＋染まりし者。どちらを先に部屋送りにするかは明らかです。それだったら、最後に過去を見る者に２匹名乗りをあげるよりかは、1匹は隠れて、11人の中に2匹、4人の中に2匹の方が狼としては非常に安全であると私は思いますが......

いえ、私としては今を見る者に1名、過去を見る者に1名ならありえるのですが、過去を見る者に、しかも最後に名乗りを上げた2名が夢喰いである可能性が非常にありえないと見ているのです...

――ユージーンに頷きながら、ダイヤのジャックを裏返して他の５枚の裏返したカードと混ぜながら――
そうなの。裏返しの中に混じってる方が見つけにくいの。
それはウェンディも同感なの。

夢喰い達がもし、最後に名乗りをあげた2名を送ったのだとしたら、その利点は一体何でしょう？誰か教えていただきたい...

――代わりにハートの２を並べ――
過去を見る人、大きな赤い星、小さな赤い星…
この方が自然だとウェンディも思うの。

最後に名乗りを挙げた人が本物だと思われる、と考えたとしたら、少しだけ目はあるの。
３人目に贋者が名乗りを挙げるメリットが薄いと思っているところを逆手に取るの。でも、ちょっと命がけの気がするの。

･･････私の意見を言っておきましょう。
今回はデボラ婆さんを部屋に送るべきだ。デボラ婆さんが本物だとしても、彼女の仕事は既に終わっている。なぜなら2名既に夢喰いを発見したからだ...

誰を見るかについては誰かまだ見てないものを1名両者で見るか、ヘンリエッタ君からしか見られてないものをニーナ君にも見せるか...まぁ、そこはおまかせしようと思う......

――裏返した６枚を切り混ぜながら――
んと、ユージーンおじちゃんは、誰を見てもらうのが良いと思ってるの？

や、ユージーン。話の腰を折ってすまないね。予定の時間を割り込んでいるので、中間決定だ。

今回の「部屋」行きはデボラ婆様だ。この決定をもって、村から大小問わず二つの赤い星が駆逐されることとなる。

「今を見る者」二人に判定されるのは、セシリアと言うことにしておきたい。初日にシャーロットを推した中の最後の一人だ。多分。
ただ、彼女が無辜の人間の場合、襲われる可能性は非常に高い。理論的な裏づけを優先する脳みそを寝かしてしまうのは惜しい気もするね。これについては変更はありうる。