人狼審問

や、ユージーン。かくかくしかじか、というところさ。

間がいいね、軽食が出てくるようだよ？

･･････ん？あぁ、私にもお茶かコーヒーをお願いできるかね...？いや、別に強制しているわけではないが......

どうしたの、セシリア？
あなたって本当に大人しいわよね・・・

･･････ふむ。特に進展は無いようだが、少々私も疑われているようなのかな......？

ぇ、ぁ、ぅ・・・

――落ち着くために、シャーロットから距離をとる――

ど、どうもしないです。大丈夫です！
考えすぎて疲れちゃっただけなので・・・！

――スティックサラダとディップ、クラッカー、珈琲ポットとカップをワゴンに乗せてみんなのところに運んでいった――

･･････あぁ、ありがとう。頂くことにするよ......

珈琲いかがですか？
ちょっとつまめるものも用意しました。

ラッセル、だれか居るの？

いて欲しい人なら、いるかな。

――コーヒーを飲んで落ち着いたのか、ノートに最期のまとめを書く――

・・・はぁ・・・

居て欲しい人・・・
そうねぇ、居て欲しいわね

やっぱり、おいしいわねぇ。
セシリアいい腕してるわ。

ニーナが顔出さないのがきになるわねぇ

――ノートをじっと見て、ため息をつく――

あのね、私、こんなこと考えちゃったの・・・

――ずっと寝ているウェンディの頭を撫でながら――

僕はウェンが居ればいいや……

――と、小さく呟いた――

――両手を組んで、搾り出すように声を出す――

私としては、今すぐニーナさんを部屋に送って・・・
そして、早くヘンリの力を借りて、残りの夢喰らいも見つけてもらいたいの。
たぶん、それが一番早くて・・・記憶なくす人も時間も、少ない方法。

・・・怖いって先入観で、話したこともなかった人が、みんな良い人だっていうこともわかったしね・・・

･･････ニーナ君ですか......私はもう彼女がしっかりとした反証をしない限り、偽者と断定していますよ......

――でも・・・と、本を一冊掲げる――

この本、裁判が舞台なんだけど・・・この本の主人公だったら、きっとこういうと思うの。

「いくら本当っぽくても、嘘をつくものは必ずいる。鵜呑みにするな。疑ってかかれ」

じゃあ誰も信じずに、情報を集めていく方法がないか。を考えると・・・

――再び目を閉じる――

確かにニーナさんは怪しい・・・。
このままヘンリを信じて突き進みたいって思ってる程・・・。

でも、ヘンリが本物だという確証はないの。
ヘンリ自身がいってたけど、ニーナさんを「疑って」ヘンリを信じてる形になっている。

もしヘンリが夢喰らいだとしたら、私たちは二度と目覚めることはない・・・。

――そこまで一息で言い切ると、軽く息を吐いて、続きを言う――

昨日、私たちが取った行動を思い出してほしいの。
ハーヴェイさんを部屋に送った・・・。
欠けた能力者は、不完全な情報しかもたらさない。
また、ハーヴェイさんが夢喰らいという確証がもてない以上・・・
残った過去を見る者を部屋に送るべきだと思う。

そして、過去を見る者を部屋に送った後はどうする？
現状、高い確率でヘンリかニーナさんが夢喰らい。
少なくとも、赤い星の人は必ずいる。
二人とも、部屋に送り込むのが、確実に夢喰らいを送り込むことに繋がる・・・

この場合、どちらを先に送り込むか、なんだけど・・・

――ふぅ、と息を吐き、辛そうな表情で続きを言う――

ヘンリにしたいと思ってるの。

･･････まぁ、それもありますねぇ......では、どうやってどちらかの本物である確証を得ます？

――一粒の涙が流れているのを気づかないまま、続ける――

自分でも信じてる方を先に送りたいなんて、どうかしてると思う・・・
でもね・・・今まで見てもらった人たちを思い出してほしいの。

先輩、おばあちゃん、そしてラッセルさん。

この中で、先輩とおばあちゃんは「片方にしか見られてない不完全な状態」なの。
そして、おばあちゃんは送り先候補・・・

確定情報を得るためには、ヘンリよりもニーナさんに一回多くみてもらう必要があるの。

仮にヘンリを残した場合、ニーナさんが見れなかった人が２人出てくることになる。
さっきもいったけど、「確実にヘンリが今を見る者」とわかっていない以上、ヘンリだけの判定結果は「参考」にしかならない。
それなら、確定情報が作れるニーナさんをヘンリの次に送り込む方が、情報量としては多いと思う。

ちなみに、ニーナさんを送った時点で、退ける者の加護がなかった場合６人残っていることになるの。
二人とも「村人」判定が前提になるけど、その状態だとヒューバートさんを含めて３人「確定村人」が残っている計算。

途中で二人が「夢喰らい」判定出してくれれば、その場で夢喰らいは全員表舞台にでた事になる。

ちなみにこの方法を取ると、ヘンリは残り２回、ニーナさんは３回しか見れないの。
まぁ、ニーナさんはシャロ先輩見て確定情報がほしいから、実質２回に。

――ユージーンに向かって、辛そうに返答する――

最初に言ったとおり、二人とも信じない方法よ・・・
確証は、いらない。ほしいのは、確定情報のみ・・・

――肩を震わせながら俯いて――

信用よりも信じられる情報を取ったらこうなりました。
この本の主人公、弁護士なんですけど・・・依頼人も含めて信用しないんですよね。
今まで面白可笑しく読んでたけど、実際自分がそれを基準に動くとこんなに・・・辛いなんて・・・

――今までの自分とは違う考え方をして、嗚咽を漏らす――

ちょっと思ったんだが、ニーナ夢喰いと、仮定しての話な。
現状これだけニーナが疑われている状況で、仲間はわざわざ庇うだろうか？
切り捨てて別の人、特に名の多いクインジーなどを挙げていたほうが、ニーナ部屋送り一時反対派のラッセルやシャーロットの印象もよくなるだろうし、いかにも情報ないんですー、みたいな主張に見える。
俺自身にも当てはまることになるが。

だがまあ、いきなりデボラとかヘンリエッタとかあげられても、それはそれで怪しいっちゃ、怪しいがな。

･･････それは分かりました。確かにその方法は安全策であるようですね。

ただ、まぁ、安全策にはかわりないのですが、１つ質問よろしいですか？

――目元をぬぐいながら、頷く――

はい

セシリアの言いたい意味がよくわからない。

本物は本当のことしか言わないが、ニセモノは本当のことも知っていて言うかもしれないし、嘘も平気でつく。
それでも、信じるヘンリエッタから部屋に送ろう、と思うのか？

･･････そもそもニーナ君が我々の意思決定と異なる人を見た場合どうします？いや、まぁ、全体的な方針は変わらないと思いますが......彼女はその傾向があるような気がしますので......

ノーマンさん、それは情報量の違いからそう考えたんです。

今、ヘンリの方が多く判定をしている状況になってる。
見る人の数を合わせるために・・とのことです。
逆の立場だったら、もちろんエッタは後です。

それは、もうどうしようもないです・・・

あくまでもニーナさんが「今を見る者」としての役割をきちんとこなすことが前提ですから・・・

次、ニーナさんが見る先を違えたら・・・作戦が成り立たないので、ヘンリを本物と見て行動します。

セシリア、確かに、ニセモノであると思われるニーナのほうが、情報量は多いだろう。
だが、現状ニーナが多くを語るとは思えず、またユージーンも言ってるように全体の決定をも恐れない行動をとることが予想される。
平たく言うと、生かしておいても無駄だろう。と、俺は思うね。

だが、今日はまだ部屋へは送らない方が良いだろうと思っているが。

伝わりにくかったようなので、言っておきます。

今回の作戦は「誰も信じない状態で行動したらどうなるか？」なので、信用度はあまりウェイト置いてません・・・

信用よりも確定情報、ですね・・・
情報を得るためにヘンリを先に部屋に送るのもありなのでは？　という話です。

情報が多かろうが、それを提示しなきゃ夢食い側的には問題ないんだよ。

ヘンリエッタを先に部屋に送ったら、残りの一匹はどうやって見つけるんだ？ニーナを生かしても情報はそんなに増えないだろうし、信用もまったくできない。勘で、名乗らなかったヤツらから部屋に送るのか？

･･････まぁ、名乗り出た者以外を二人が見た状況を作りだすことで、数人確定させるのはありでしょう。

残り１匹はその方法で追い込むことは可能ですね......

此処も随分とまぁ、殺伐とした空間になっちまったなぁ…
……で、どういう流れになってんだよ…？

先のことまで考えることも大切ね。
ただ、狼側の思惑、行動もあるから、現時点でどうするかを考えたいわね。眠らされる者は私たちには分からないわ。だれが眠らされても、代わりの策が取れるように考えて行きたいわ。

･･････どちらにしろ、情報を得る面では、ニーナ君とヘンリエッタ君どちらか先に部屋送りにするかは別として、今回は見送って過去を見る者の方から片付けていくのは賛成しておきます......

だからこそ、ニーナさんを送ったあとは「残っているのは６人で、そのうち３人が確定村人」という言葉だったんですけど・・・

そうですね、ここまでくると勘になります。

どちらの「今を見る者」を信じないことが行動前提になっていますから・・・

･･････名乗り出た者以外はほとんど狼ではありませんから、今回のラッセル君と同じように確実に安全な方を増やしていくことは可能ですね......まぁ、狼側がどのような手でくるかは分かりませんが、確定村人を減らさないことは大切です......

私自身、ヘンリ信じて進みたいって気持ちは大きいですから・・・
でも、あまりにも「ヘンリ本物で進もう」って感じが強かったので、このような考え方をしてみました。

・・・記憶がかかってるから・・・


色々な方法を考えて、模索して・・・その上で選んで行動を決定していきたい。
盲目的に1つの事柄に囚われるのは嫌・・・

私はそう思っています・・・

確定村人が、増えるにしても・・・
増えるのか？

･･････今を見る方々が同一の答えを出していただければ、増えるでしょう......
逆にもし同一の答えを出し続けなければ、今度はその答えに矛盾が生じ始めます......

もし、その確定した方々が、狼に夢を喰われつづけたとしても、厚みで狼を追い込むことは可能だと思っていますが......

――真っ青な顔色のまま、ソファに向かう――

どこか、計算とか間違っているかも知れないから、気づいた人は直してもらえると・・助かります・・

すいません、今日はこれで失礼します・・・
おやすみなさい・・・

――そのまま、静かに寝息を立てた――

ユージー、お前優しいな……

――一呼吸ついて――

取り敢えず、おれの希望だな…
視て貰う奴はユージー、部屋に送る奴は…悪いが、レベッカだ。
力を持ってる奴なら、婆さん、かな…。

あれから色々と考えたが、やっぱりおれには婆さんが信用出来ない。
結構、みんなと考えが違うみたいだがな…。

セシリア、おやすみなさいね。

　　強い能力を持つ人の中に二匹……
　　残りは一匹……

　　狼だって告発した次点で、今を見る者の役目は終わる…

見ている途中で両者部屋送りにするんだろ？
増えるのと同じ速さか、それ以上で減るのでは？と思うが。一応、シャーロットもヒューバートも確定ではないしな。

･･････とりあえず現在の希望ですが、

見て貰う人は同一で名乗りを上げてない者、ノーマンですかね...私としては。もしくは穴を埋めていく形で両方見た状態を作り出すところですか。

部屋に送るのは力を持っている者ならば、クインジー、そうでないならレベッカと考えます。

現段階では疑惑しかありませんので、ほとんど勘ですね......

ウン？俺も突飛な発言で頭おかしくなってんのかもしれんが。

まー、セシリアの意見で俺はお前さんを見る目が変わったよ、とだけ言っておく。

　　エッタが先に見つけたら、エッタから
　　ニーナが先に見つけたら、ニーナから

　　で、良いんじゃないかな？先の話だけど…

――ユージーンに向かって――

何で俺？理由を聞きたいねぇ。

･･････単なる勘です。あなたでなかったら。セシリア君、ケネス君、どちらにしろ名乗りを上げてない者のうち、まだ全く見ていない誰でもOKです。

ただ、ちんぴらだから？ですかね......？私はキンピラは好きでもちんぴらは嫌いです......

（のんだくれよりチンピラのが嫌いなんだな…。そういや、最近酒すら呑んでねぇ…）

そういやケネス酒飲んでるとこみてないわね。
顔に失礼よ。ちょっといいから飲みなさい。
――レベッカは懐からジンの大瓶をおもむろに取り出した――

――レベッカはじろりとケネスを睨んだ――
それとも私の酒をのめないとでも？

あ？…ッたく、手前ぇはいつだって気楽なツラしてんな……。
…良いぜ、寄こしな。

――コップを取って突き出し――

気楽な面ぁ、これでも色々かんがえてんのよ。
しつれいねぇ。
――ケネスのコップになみなみとジンを注いだ――

お酒かぁ・・・・
飲んですべて忘れられると、楽なんでしょうね

職種(?)で差別はいかんなぁ、墓土くさいユージーン。
クヘヘヘ。

ま、俺占われてもどうせな。夢喰い疑惑をかけられてニセモノがはっきりわかるんなら、それでもいいねぇ。

ただ、もうニーナは夢喰い判定を出さないんじゃねぇの？って思うがね。

ンなこたぁ理解（わか）ってんだよ。
平静装ってんだか知らんぷりなんだか…。

…今は辞めとくか、こういう話は……。

――注がれたジンを一気に喉に流し込んだ――

。o0(考えてるだけじゃー伝わらねぇよ。口に出さないとな)

ノーマン、物足らなそうな顔してるわね。
――レベッカ、グラスをくいっと煽る。――

いい機会じゃない腹を割って話そうかしら。

――夢喰い判定を出さないなら、それはそれでいいのでは？ヘンリエッタ君も夢喰い判定を出さなければその人は狼ではないと確証になっていきます。
　そうすれば、名乗り出た者が全員送られた後に、数人に絞れると思いますが......

私にとってヘンリエッタは本物よ。
挙動、言動全てをみても本物らしいわ。
それに引き換えニーナの行動はとても信用するに足らない。私こういうとき、ヘンリエッタがもし狼だったらとか考えないの。賭けと呼んでもらってもかまわないわ、これが私の流儀(スタイル)よ。

シャーロット、そりゃ違ぇよ。
酒は忘れる為に呑むモンじゃねぇ…
…自分が今まで巡り会った証を忘れるなんてなぁ、言語同断だ。
そんな考えを持つ奴に、おれは酒なんか呑ませたか無いね。
…なんてのは、押し付けがましいがな。

――ノーマンに眼を向け――

…？何でだ？ニーナは能力者からしか夢喰いを見付けてねぇよな。
其れとも、ギリギリまで「夢喰い」を見付けないフリをする…って事か？
ノーマンは、ニーナが偽物だって思ってたんだっけか。

――そう言って、空になったコップを再びレベッカの目の前に突き出した――

ケネス分かってるわね。
酒は感覚を麻痺させる為に飲むんじゃ美味しくないわ。そうね、酒を肴に一度しかない今を味わうっていうのかしらね。わかんないわぁ言葉は遊びは苦手なの勘弁してね。
――ケネスのコップにさらにジンを注ぐ――

――レベッカの方を向いて――
俺だって、ヘンリエッタがホンモノだと思ってるぜ。
だが、お前さんの考えは、ニーナがあまりに真足りぬから、ヘンリが本物だろう、と思っている、だろ？
本物らしい、というのは、演技でも出来るこった。

んで、セシリアの言ってた案、どう思うよ？
(今からするつもりだったら悪いが)反対とかしねーの？

俺はそういうみんなの一個一個の意見についても、それぞれに意見をききてーなと、思うんだが。

私は両方なの。ヘンリエッタが初めに自分の身を証を立てた時に直感したわ。これは本物だって。
それに続いてニーナの不味い対応がつづいてさらに確信が膨らんでいった感じ。
セシリアの案はそうね。彼女のいる前で言いたくなかったんだけど今ならいうわ。

･･････んーそうですねーセシリア君の案ですか......
当初私はニーナ君を今回部屋送りにしても良いかと思っていたのですが、セシリア君の話や、ほかの方の意見も聞き入れると、過去の者を全員送ってからの方が良いかなと思っています。
ただ、セシリア君のヘンリエッタ君とニーナ君のどちらを先に部屋送りにするかについては私はまだニーナ君を先に送り出すべきかなと。過去を見る者達を送る回数分で十分情報は取れると思っています。

――続いてケネスの方を見て――

俺がニーナの立場だったら、ここでうかつに偽者に夢喰い判定は出せねぇんじゃないか、
立場悪いからこそ、ホンモノと同じ判定を出し続けることによって、一応、ホンモノかもしれないと思わせることが出来るんじゃねぇの？と思ってな。

ただし、ヘンリエッタが夢喰いを見つけたときは、どうしようも無いがな。

――ジンを一口呷り――

コイツは、刻み込む為のモンさ…今を生きてるって事をな。

正直な話、セシリアの案を聞いたときは、お前が隠れている夢喰いなんじゃ？って思ったが。

そこまで、バレバレな行動をな、するかね？
だったら、ニーナを切り捨ててヘンリエッタに尻尾振って、隠れていた方が部屋に送られる可能性も、見られる可能性も低いんじゃないか、と思うね。

ひと言で言うなら確実な方法ではあると思うの。
でもスマートではないわね。
数字で考える事に徹しているのは彼女らしいけど、二人の雰囲気というかそういうものを考慮するのが欠けていると思うの。
セシリアはこういったわ。ヘンリエッタは本物っぽいって思うけど、って。その直感を切り捨てるのはよくないわ。それならば見極める力を持つ者から部屋送りにするのではなく延ばして様子をみるべきよ。

･･････私もそれは考えました。それに彼女の案では到底まだ、狼側が主導権を握るには手数が足りないかと。
　ということは、今回はセシリア君を見て貰うというのも１つの手ですね......

クインジーもよ、居るんなら喋って欲しいな。
喋って喋って、クインジーこそが本物だと、俺に思わせるくらいにな。そのために生きているんだろ？
デボラやニーナもな。

っと、失礼な言い方だな、こりゃ。

ベラベラ喋ってる俺があほみてぇじゃん。

･･････レベッカさん。それは過去を見る者に関しても延ばしてということですか......

――デボラはメモを書き残し、ウェンディに頼んで広間に届けさせた――

『すまないね、少々 疲れていたようだ。身体が重い。
　とりあえず、皆の話は、ウェンから聞いたよ。
　最低限のこと…、婆の希望だけは示しておくよ。

　今日は、ケンが婆が偽者であることを推しているのが印象に残った。
　昨日の時点でハーヴを送り先に希望する者が多いのは、奇妙に感じた。
　客観的に考えれば、三人目に出てきたハーヴが本物だと考える者が多くてもおかしくないからね。
　その疑問を最初に口にしたケンは、人間であるように思えた。
　なので、今日は送り先には希望しない』

『見る先は昨日に引き続いて、ジーンに。
　…送る先かでも迷ったのだけれど、真っ先にニーを今日の送り先に、と希望していたのでね。
　仲間を売る狼としても、危険過ぎやしないかと思ったんだ。

　送る先については、今日はニーを外すのだね。
　皆から見れば、確定ではないのだから、仕方ないね。了解したよ。

　過去を見る者から送るならば、婆の視点ではクーしかいない。
　…それ以外ならば、レベ、になるかね。
　直感という理由や、少々曖昧な態度が見られたように感じたんだ。
　ここに来る時間のせいもあるのだけれど、どうにも流れに乗ろうとしている印象も感じてしまった。
　
　順番を付けるとすれば、クー、レベの順番だね。
　名乗り出ていない者の中から夢喰らいを見つけることが出来れば、婆の役目は、ほぼ終えられるのだけれど、クーが赤い星の者であることは確実だからね』

――ユージーンに――
いや逆に、ニーナ吊りを示唆している方にこそ、潜んでるんじゃねーの？って思ったんだ。
ま、セシリア占いでも俺は反対しないが。

『何か質問があれば、誰かに言っておいておくれ。
　もう婆は休むけれど、夜明けの前には必ず答えるようにするよ』

――メモはそこで終わっていた――

――ノーマンに仄かに微笑むと――

居るさ。悪いな。
どうにも俺の言葉は騒音になりそうな気がしてよ。

これは、あくまで慎重にいくならって話しよ。
私の希望は変わらないわ。ヘンリエッタとデボラおばぁちゃんは本物。みてもらうのはセシリアで部屋送りはクインジーよ。

――にやりと笑って――

よっぽどケネスとレベッカが一緒に現れたことを引きずってるんか？
冗談は置いて、騒音だろうが情報は情報だ。喋らないということは、洩らしてはならないことを抱えている、様に見えちまうよ、ってな。

･･････私はヘンリエッタ君が本物だとは思っているが、それがデボラ婆さんが本物だという裏づけにはなっていないと思っているのだが......そこの所はみなさんどうお考えでいらっしゃいますか？

ばばぁについては、ニーナとは繋がっていないから、ヘンリエッタ寄りだろう、位の認識だな。

だが、夢喰いだと思って部屋送りにしたハーヴェイに、夢喰い判定を出したから、本物っぽいかな？と。

だが、はいらねーよ、俺。

んで、ラッセルがまだこねぇっぽいが、用事があるから出かける。

――疲れたように手をひらひらと振り――

もうそんなこたどうでもいいさ。
どっち見たって俺を消そうって奴ばっかりだ。
俺にも一応心って奴が備わってるんでな。
…おかしいかね？

情報な。俺が本物であることを主張する気はもうねえ。過去を見る者に手をつけたんだ。全部送るのが当然だろう？俺が後だろうと先だろうと、退ける者は送りから逃すことが出来る。だから昨日のハーヴェイを送る事にしぶしぶだが頷いたんだ。

デボラ婆は狼だ。だがこれを主張する時、俺から見た状況証拠や事実でしか説明が出来ねえ。俺の真実は俺しか知らねえのさ。

ニーナと俺を繋げて見てるやつばっかりだが、それは確定事項か？デボラとニーナが互いに仲間を売ってないと断言出来るか？

ニーナが疑われれば疑われる程、デボラ婆は本物に見えてくるだろうよ。不思議な話だな？

…俺はそれが有り得ると思えて仕方がねえんだよ。ほら、こいつは騒音だろ？

――むにゃむにゃと寝ぼけながら――

過去を見る者は、誰も身の証を立てられないの・・
全部揃ってないんだから・・・
ん〜やっぱりぃだめぇ・・・ねむぅ・・・
――ソファに崩れ落ちるように眠りに付いた――

……まぁ、過去を見る者を部屋送りにするのは依存は無いのだが、少々レベッカさんの発言が気になってね...彼女はデボラ婆さんが本物と断定した所が少々気になっただけだ......

私にはまだ染まりし者の可能性も、狼の可能性も少なからず残ってはいると思っているんだ......

色々と言葉が足らねえようだな。過去を見る者を全員送らなければ意味がない。どれだけ本物だと思っても一人も残すな。後顧の憂いは断つべきだ。お前らから見ればそれで狼がひとつ仕留められた事になる。

それが容れられないなら俺はそもそも送る事には反対してたさ。誰かを残す時、それは狼の可能性を0％にすることだ。そんな方法があるなら是非ともお教え戴きたいとこだがな。

意見があれば、返事をすることもできる。

キッパリ言えば、ハーヴェイに夢喰い判定を出したから、デボラが本物、クインジーは偽者、だと思った。
ニーナが疑われるのは自身のせいであって、能力のせいでもなんでもない。そこは本人がどうするか、だ。

自虐的になりすぎるのも、どうかと思うぜ。
常に自信満々でいろ、とも言わないが。

ニーナ以外から……だったよね
さっきも言ったけど、ニーナとエッタは「後一人大きな力を持った人以外」から狼さんを見つけたら、その仕事を終える事になるから…お部屋に行って貰うのは、その時で良いの…かなぁ……。

記憶を辿って貰う人からお部屋に入って貰うなら
この先の混乱を恐れたら、狼だと言われたばあちゃん？……かなぁ……

ウェンとじいちゃんと三人で、どこの出口から出たとしても、必ず探してしてあげるから……

気休めだね…きっと

･･････えぇ、その通りです。名乗り出た者は全員送りだすべきかと。それで残りは確実に1匹です。

ああ、ごめん、ノーマン。だいぶ前に戻って議論は横で聞いてたよ。
僕がここで何かを言うと話が止まる気がしたんでね。

･･････あぁ、君を待っていたんだよ。ラッセル君。

――ユージーンの言葉に頷き――

その通りだ。なぜ過去を見る者から送るかと言えば、その間に今を見るものに十分に力を発揮して貰う点も大きいだろ。

隠れてる狼を見つけるのが一番難儀なこったろうさ。

･･････ラッセル君、ラッセル君。少々たずねたいことがあるのだが......

そうだね、クインジー。
僕の中では今日明日の「過去を見る者」の「部屋送り」はほぼ決定事項だ。

すでに正体の不分明なハーヴェイを部屋に入れた以上、「偽者かもしれない」者をそのまま信頼し続けることはできない。

なにかな、ユージーン？

･･････私も「名乗りを上げた者」を次々に送り出すのは決定事項です。まぁ、その順番に関してはいくつか考える余地はあるかもしれませんが......
あとは誰が狼か推理を立てるのと今を見る者のお二方を使えるだけフルに使い続けるということですか......

･･････エエト...ラッセル君...

将来は何になろうとか考えているかね？

今回の件で、政治家はやめだね。向いてない。
音楽は、まぁ趣味だね。個人的な希望としては、どっかの大学のギリシア哲学専攻の講師。

･･････ふむ......講師になるよりか墓守はいかがかな？前から思っていたのだが、君には向いてそうな気がしてねぇ......

実際的な話をするなら、村の公証人とか、代書屋とか、かな。

･･････あぁ、そんな家に閉じこもった仕事なんてのはダメだ。仕事は体を動かさないとね......

……墓守の適性ってどんな？

･･････君の目かな......なんとなく近しいモノを感じるんだよ......何かと明言できないのが心苦しいが......

･･････まぁ、困惑するのは仕方ないさ......今度バイトでもしてみないかい...丁度数日前の大雨での被害整理が一人では大変でねぇ......人手がほしいんだよ......

いいよ、ユージーン。この話にけりがついて、そのときに僕が起きてりゃね。
寝過ごすのは得意なんだけど。

･･････是非とも待っているよ......なかなか収拾がつかなくてねぇ......

あぁ、そうだ。話は変わるが、この話、現在どう思ってる？

どの話、ってこの魔女裁判の話かい、ユージーン？

実のところ、僕が朝にシャーロットに言ったのは、ちょっと早めの自己弁護なのさ。

クインジー、今日の「部屋」の扉は君のために開くだろう。明後日は婆様のために。
それ以降のことは何も約束できないけれど、君が本物の場合おそらく本物であるニーナ、彼女にはもうしばらく頑張ってもらうつもりでいる。
これは、贔屓なのか公正なのか、自分でも良くわからないよ。クインジーにとっては何の慰めにもならないだろうけどね。

夢見を判定してもらう人間は、正直なところ悩むんだけれど、レベッカを推しておく。
決め手があるわけではないんだ。これに関しては、みなの意見を待って最終的に代えるかも知れない。

あと、仮の決定を出す時間を明日以降少し繰り上げるよ。
僕の意見を叩いて、最終案にする形にしよう。この時間以降、明日の夜明けまでにちゃんと議論できない人もいそうだからね。
ちょっと迂闊だったな。

･･････まぁ、明日議論できるかどうか分からないから、今日聞いておきたかったんだが、ありがとう。

とりあえず、今の所異議は無いが、夢見判定は狼が憑いていなさそうなシャーロット君、ヒューバートさん、そしてラッセル君で煮詰めてほしいかな...
もし狼の横槍が入ると混乱しそうな気がするし......

まぁ、誰を見た所で今は誰が狼か分からないしねぇ...
とりあえず、今を見る者両者が同一の者を見るという方向は私は変えなくていいと思っているよ...

ちなみに、クインジーと婆様の順番は、ごく些細な理由で決まっている。
クインジーから見て、婆様はほぼ間違いなく「狼」
逆に、婆様は「ハーヴェイもクインジーも狼だった」という可能性がわずかに……本気でこんなこと言ってるのかな、僕は。

正直に言おう、順番は事実上意味がない。理由は「わからないから」だよ。
すまないな、二人とも。皆も。

それでは私はそろそろ家に帰らせてもらう......

意思決定までには戻るつもりだが......まぁ、戻れるよう努力するよ......では......

なあラッセル。謝ることも慰める事もねえよ。

――憑きものが落ちたかのように――

おかげで未練もなくなりそうだ。

それとね。
ヒューバートも、シャーロットも、今日の判定希望や「部屋」送りからは当然漏れているけど、彼らが真に何者かはまだわからない。心に留めおいて欲しいな。

はは、そう俯きなさんな。
なあ、たまには飴玉を貰っていいか？

もう何年も食ってねえや。

決断向きの人間じゃないんだろう、と思うよ。
ヒューが狼だなんて、薄氷を踏むどころか紐なしのバンジージャンプみたいなもんだろうにね。その可能性を捨てられない。

泣き言はこれで最後にするよ。

――キャンディポットから飴玉を一つ取り、懐かしげに口に含む――

泣き言は言える時に言っておけ。明日になりゃ俺は夢の中さ。
一緒に持って行ってやるよ。

それとな、俺はニーナを本物だと信じちゃいないぜ。ラッセル。
結局のところ今を見る者のどっちが狼かはわからねえまんまだ。
さっき言った俺の発する「騒音」だ。

何故その一点に拘るかも説明しておこうか。
あくまで俺から見たこと、それにニーナとデボラ婆が両方狼という仮定の話だが。

是非聞いておきたいね。

ヒューの張った策だ。

ヒューの判断は素晴らしかったと皆思っただろ？狼は面食らっただろうさ。しかし、狼達にとっては幸運なことにヒューが名乗りを取り消したとき、まだ名乗りに言及してない者がいた。だがどうだ、残りは村の総意が出た時に話を聞いていなかった。

なんにせよ、今を見る者を揺るぎない物にしてしまうのは、狼に取ってどうだ？
俺は絶対にそれは避けるだろうと考えてる。

ニーナは希望通りデボラ婆の夢を見たと言ったな。狼同士が見る者の希望を出す可能性はないとは言えないと思うが、どうだ？もうニーナはそれを発してしまっていた。更に、もうニーナしか今を見る者を偽る奴がいなかったとする。デボラ婆を見たと言って出るほかないだろう。

そこで出る疑問が一つ。ならば何故ニーナはデボラ婆を狼と告発したか？ニーナがデボラ婆を人間だと発すれば、おそらく翌日には見る者をヘンリと交換して見る事になるだろうな。そうするとデボラ婆はヘンリから狼だと言われることになる。染まる者が過去を見る者を偽っていたとしても…、デボラ婆はまず最初に送られたはずだ。

狼達は相談が出来る。デボラ婆を狼と告発し、デボラ婆が過去を見る者を名乗る。そこまで算段を立てる事は勿論可能だろうな。しかも、現状から見たって両方が狼である可能性は全員が充分に低いと見ている。やりようによっては長らえる事が可能だな。言うほど愚策でもないように思うぜ。時間の猶予って奴が出来る。すぐ送られるよりは大分マシだと俺は思った。

…俺は考えすぎかね？

ん、そっか、初日と同じ思い込みで動いてるな。
エッタとクインジーは両方本物は、ありえるね。でも、狼が狼を告発したと？

うーん。今日と同じく「顔は出していなかったけれど聞いていた」でシャーロットを判別したというほうが狼にとってはお得だと思うけど。

今を見る者を送る際、ニーナからってのは俺も特に異存がねえんだ。

だからだ、慰めなんていらねえって言ったのはよ。

しかし、この雰囲気には多少疲れたな。

ま、そりゃそうだな。
あくまでも推論さ。

何が本当かなんて誰にもわかってないね。
ああ、狼は知ってるのか。いけ好かねえな。

――飴玉をもごもごさせながら――

ああ？ケネス、いいもん飲んでるじゃねえか。
ひでえな、俺にはくんねえのか？

僕は狂ってるのかもしれないな。

エッタの信用の担保としてではなく、本物かもしれないと思ってニーナを残そうと思っているのは、僕だけかもね。

ヘンリエッタには内緒に……いや、言ってくれないか。僕はちょっと出かけてくるよ。

あ？呑むなら呑むって意思表示しろよ？
レベッカからの差し入れだ、好きなだけ呑みな。

――グラスとロックを渡して――

――ラッセルの後ろ姿に――

俺はどうにも小さい可能性に拘りすぎる。
お前さんの考えも一理あると思うぜ。

ヘンリには…俺から言えるのかね。
あいつはもう俺にどう接していいかわからないだろうよ。

――ケネスからグラスを受け取るとジンを注ぎ、飲み干す――

――面白そうに2杯目を空け――

へえ、レベッカのジンねえ。

ああ、そうだ、レベッカ。
お前の憎まれ口にはもう付き合えねえと思うな。
片目も記憶も失っても尚戻ってきたが。

もう、戻れたとしても戻る気はない。

………酔ったみてえだ。
うん、まあ、その、なんだ。

早ぇな……。
…具合悪ぃンなら寝ときな。

何、酔っぱらいの夢なんざ誰も喰いゃしねーだろ。

―――別荘の出口で、かすかに聞こえる声に耳を澄まし、呟いた―――

この数日で、一番悲しいお知らせだね。さようなら、か。

大丈夫か、あいつ……。

……。

――静かにジンを喉に通し、煙草に火を付けた――

――クインジーの去った扉を見詰め――

………何で、こんな事になっちまったンだろうな……。
今までずっと平和だったのに、よ…。
全部、夢喰らいの魅せる悪い夢なら…良いのにな…。

――煙を勢いよく吐き出し、天井を見ながら囁いた――

……。畜生…おれは死にたくねぇよ……。

――ジンを飲み干してグラスを乱暴に置き、その場から消えた――

――椅子からもぞもぞと起き上がり――

……何時の間に、寝て。
疲れているのかな、私は……

――眠っている人に手を振り――
とりあえず、私は店に戻ろう……皆、お疲れ。

――もぞもぞっと動き、毛布がかかっていることに気付く――


・・・暖かい・・・


――毛布をかけなおすと、また眠りについた――

――毛布の中で夢現に聞いていたことを思い出している――

私も、ちいさな可能性を捨てられないのよね。狼が私たちと同じように考えるとは思えないもの・・・。
私とヒューバートさん、どちらかが狼って可能性も０ではない。私がニーナに見てもらったほうが話は単純になってたのかしら？でも、見る者が見れる者の数は限りがある。無駄にはしたくない。
ニーナとヘンリエッタ、どちらも信じたい、でも信じきれない・・・。

――小さくため息をつくと――

過去を見るものについては、ラッセルの意見とほぼ同じ・・・私もおばぁさまが、「クーの坊やは狼だったよ」と言う可能性があるから先にクインジーさんを部屋に行ってもらうと考えてる。
少ない可能性だけどね・・・

今を見るものに見てもらう人は、レベッカさんかぁ・・・たしか昨日も候補に上がっていたわね。
狼側も希望を出してるから単純な多数決っていかない所があるのよね。
みんな信じたいけど信じられない・・・疑心暗鬼ってやつだわ。
私はセシリアを希望してたけど、それも理由があるわけでないし。難しいわ

――子犬を抱えて階段を降りてくる――
おはようなの。
見る人以外には狼は一人しかいないの。
みんなで一致団結できるの。

や。夢の中でも考えてたんでね、寝た気がしないよ。

ヒューが前言撤回した時点で、まだ顔を出していなかったのはレベッカとニーナ。そのあとにレベッカは「自分は凡人」と言っている。
ヘンリエッタが本物なら、レベッカが「狼」は薄いかな。眠ってる間に思いついたにしては面白いと思うんだが、どうかな。

レベッカおばちゃんとニーナお姉ちゃんの両方が狼だったら、どちらかが今を見る力を騙ると思うの。
だから、ラッセルお兄ちゃんの話は、ニーナお姉ちゃんが染まってる場合にだけ成り立つの。

その辺も含めて、最終決定はまだ動くかもしれない、とだけ言っておくよ。

それとニーナ、君の声が聞けるのを待っている。切望してるといってもいいくらいにね。

さて、もう一度横になる。夢の中でもご意見募集中さ。

エッタが本物、レベッカが狼だとして。
レベッカから見て人間のニーナが染まる者かどうかは不分明だ。ニーナが普通の村人なら、ヘンリエッタ本物が確定しないかい？
レベッカとニーナがともに狼で役割分担をした、場合以外はヘンリエッタに対抗して立つんじゃないかな。
遅れてきた二人がともに狼、の可能性はそうないんじゃないかと思っただけさ。

もちろん、最初の前提が崩れれば話はまったく変わるけどね。

んんん？
エッタ本物、レベッカ狼、を満たすためにはニーナ狼でないとおかしい、と言ってるだけかな、これ？

遅れてきた二人が狼、以外はさしておかしい状況でもない気がしてきたね。やっぱ寝てる間の事はその程度か。引っ掻き回してすまないな。

――ラッセルをみつめながら――

最終決定が変わるって、今を見る者に判断してもらう人の事よね？何度も繰り返すけど、私はハーヴェイに決めた時、退ける者を間違って部屋に行ってもらうことを避ける事を優先したの。そしてそれは、過去を見る者の真贋は捨ててるのよ・・・

そうだね、変わる可能性のあるのは、判定をレベッカ以外にするかもしれない、と言う点だけだ。

もし、僕を変心させる強力な意見が出て「部屋」行きがデボラ婆様になったとしても、これは単純に順番の変更でしかない。多分、それすらしないと思う。

今日明日、「今を見る者」が二人ともいる状態で判定を続けることができれば、それは強力な手がかりになる。

いきなり正念場かもしれないよ。思いつきでもいいから話を聞かせて欲しいな。

見る人の意見は一つ一つ吟味する必要があるの。
逆に、見る人じゃない人の意見は総意でも良いの。
なぜかと言うと、見る人を名乗ってない人の中には狼は一人だからなの。

ラッセルが薄氷を踏むようだと言ったが、俺もヒューバートが夢喰い、というのはニーナが夢食いだった場合に、可能性としてはあると思う。
何故かって？あえて名乗りを取り下げ、ニーナがでることで、ヒューバート人間だ、とまわりに印象付けられるからさ。
名乗り出たものをどんどん部屋送りにしたあとで、誰から部屋に送ろうか、と言うことになったら確実に生き残る方法は、それしかねぇからな。そうなりゃ、まとめ役にでも名乗って、人間をどんどん部屋に送れば夢喰いの勝ちだからな。

すごいイヤミくさい考え方だが。

こんばんは、皆様。

――きょろきょろと部屋の中を見渡し――

皆お疲れのようだね……
こんな状況では仕方もないか。

――バニラの頭をなでながら――

疑うより信じた方が本当は良いんだけどね
難しいよね……

僕らなんて、憑かれてない証明をはじめから貰っちゃってるから……
のほほんと過ごしすぎだよね…

――三人に手を振り――

……力を持つ者についての私の考えだが。

ニーナお嬢さんと、ヘンリエッタお嬢様。
どちらが真のものである可能性も、それなりだとは思ってはいる。

ただ、すまないが、今のお嬢さんは……感情面を含めて思考させてもらうとするなら、あまり信じたいと思わせられないのだよね。
彼女が真の者である可能性を切り捨てたい、までではないのだが……

過去見たちについては、どちらも同じくかな。
デボラ婆を先に送っても、クインジー君を先に送っても。
得られるものに、大きな変わりはないと思っている……

今日ぼんやりと考えたところ、すこしデボラお婆様から先に部屋送りにしてもいいのでは、と思えてもきたのだがね。

兎に角私が夢喰らいであるならばだ。
ニーナお嬢さんは、夢の中で噛み噛みの刑だよ。

ニーナお嬢さんをひっぺがして噛み痕があるなら、きっと私が夢喰らいなのだろう。

………

――リックはおませなので赤面している――

リック君、どうしたのかな。
風邪でもあるのかね？

――しゃがみ込み、リックの額に手を当て――
熱いね、うん……
明日、薬を持ってきてあげよう。

んとんと、風邪でもあるんじゃなくて
熱が有るんだ……きっと

――憎まれ口を叩くのがやっとだった、大人には勝てない――

ああ、そう。
私がデボラお婆様から送ってもいいのでは、と思いもしたのはね。

クインジー君がデボラお婆様をどう見るか、
少し気になってきたところがあるのだよ。
デボラお婆様への判定は、
ある程度は繋がりを示すものにはなるだろう。
デボラお婆様は何れにせよ、ヘンリエッタお嬢様としか繋がらない。

お婆様がクー殿をどう見ようと、身の証をたてる術がない以上はさしたる意味はないのではとも思えてきてね。

……どの道、明日はもう独りに後をおってもらうのだろうから、
変わりがないと言えば違いないだろうが。

――リックに手を振り――
ああ、いってらっしゃい。

……こうして見ると、ただの子供なのにな。
私よりもしっかりしているよ。

――ため息をつきながら――

疑うより、信じたほうがいい・・・確かにそうね。
でも、なにを信じたらいいのかも分からない
人を疑うのって簡単なんですね。信じることがこれほど難しいなんて、思ってもみなかったわ

こんばんはなの。
ヒューおじちゃん、ウェンディは、過去を見る人のどっちを先に送っても残りが何と言うか当てられるの。
だから、変わりがないには違いないの。

……うん、たしかに予測はつく。

――ウェンディの頭を撫で――
ウェンディちゃんは賢いね……
大きくなったら、きっとすてきなレディになるよ。

――そろそろと広間に現れた――

こんばんは。
誰を見る事になってる？

――散歩から帰ってきて――

ラッセルお兄ちゃん帰ってきた？

――ヘンリエッタに手を振りながら――
エッタちゃん、こんばんはなの。
レベッカおばちゃんという話のまま進展してないの。

いや…見ないが。

…今日も又、"死人"が出るのか。
もう、決まったのか？

――ヘンリエッタに会釈をし――
仮ではレベッカお嬢さんらしいね。
私の読み違いでなければ……

ああ、リック君、お帰り。
まだ彼はいないみたいだよ。

――ウェンディに手を振り返し――

ありがとう、ウェンディ。
レベッカさんだね。

――ケネスに向かって――

死人じゃ無いよ！！
確かに僕の力が足りないから、ここには戻って来れないけど
ハーヴお兄ちゃんだって、ちゃんと違う出口から新しい人生歩んでるんだ

死んじゃうような物なら……
はじめから作ったりしないよ

――べそをかいているが泣いては居ない――

おれにとっては死ぬ事と一緒だっ……
いや、良い…こんな事云ったってただの八つ当たりだ。
悪かったな…別に責める気は無かったんだ…少し疲れてる…。

――ヒューバートに向いて――

…そう、か。……。

――ケネスをじっと見つめながら――
死人・・・
確かに死んだも同じだけど、作ってくれたリックやウエンデェイの前でそんな言い方しなくても・・・

私もハーヴェィを殺す決断しましたから、リックたちの気持ち分かります・・・
ケネスさんは、もう少し人の気持ちがわかる方だと思ってました・・・

――ケネスをこわごわ見つめながら――
ケネスおじちゃん、悲観的になっちゃ、めーなの。
みんなを信じて欲しいの。
必ず狼を退治して夢も記憶も取り戻すの。
それから、必ず探しに行くの。絶対なの。

――冷たい笑みをケネスに向け――

ふん、誰も死なせはしないよ。
消えるのは「夢喰らい」達だけ。
僕の「能力」がある限り、只の人間は殺させない。

……絶対に。

――ケネスに、小さな酒瓶と煙草を手渡し――

……ちょっと表にでて、やるかい？
随分と疲れているようだよ。

ニーナお嬢さん、こんばんは。
貴方の顔を見られて、嬉しいよ。

――ニーナに微笑んだ――

――ニーナを見つけて――

あぁ、ニーナ・・・よかった。
心配してたのよ？

――飛び出すリックの背中を見て――

ちぇ……おれが悪者みてえじゃんか……。

…理解ってんよ…そんな事……理解ってんだよ…！
でもおれは怖ぇんだ！夢喰いも審問の部屋も！
お前等みたいに要領良く動けねぇ人間なんだよ…！
悪かったな、何もかも不器用でよ…っ！

悪ぃ、ヒューバートさん…リックを探してくる…

――リックを追いかけて飛び出した――

……ケネス君、いってらっしゃい。

――飛び出していくケネスの背を眺め――
リック君は追ってほしかったのかな。
……それとも、一人になりたかったのかな。

やれやれ、昨夜は迷惑をかけたね。
ほ、ほ。

――ため息をつきながら――

誰も要領よく動けてないわ・・・
自分で自分をごまかしてるだけ。
口惜しいけど、夢喰らい達だけが、答えを知ってるのよ・・・

……変に達観してしまっている私の方が可笑しいのだろうね。
私は、罪悪感すら感じないのだよ。

――ただため息が出るだけだ。

ったく…随分暗えなあ…。
そんな湿っぽくなりなさんな、っと。

――飛び出すケネスを横目で見ながら――

……全く、大人の癖に。
でもアレが一般人の正常な反応なんだろうけどね。
悔しい事に。

――シャーロットの手を借りながら、頷いて――

ほほ。
まだ、本調子とまではいかないけれどね。
大分 良くなったよ。
さて、何があったのか、聞かせてくれるかい。

――デボラに話ながら――

……わかっているよ、クインジー君。
でも、ね……君がそう言うのに、私達が沈んでいるというのも、可笑しな話だが。

――ヘンリエッタに微笑みながら――

正常な反応でも、言っていけないこともあると思うわよ？

…おはようございます…ちょっと寝過ごしてしまったみたいです…夜があける前に起きれて良かったと思ってます。

えっと、今、どんな感じにお話がすすんでるんですか？

――ヒューバートの言葉に卑下た笑みを浮かべ――

人間ってのは、思っているよりずっと脆いもんさ。
ここで俺が絶望の淵に立ってたら、お前らが浮かばれないだろ？
ま、気にすんなよ。気休めにもならなそうだが。

俺の手には何もなかったんだ、最初から。
きっとそういう事さ。

――ケネスの後ろ姿を見ながら――
ウェンディのせいなの。なんだかウェンディが責められてるみたいなの。でもしょうがないの。それもあってるの。

･･････あぁ、こんばんわ......

少々遅れたようだがどうなっています......？

――クインジーを見つめ――

……ごめん、僕は未だに君が偽物だと思っている。
この日が来るまでの君の事は大好きだった。
今まで本当に感謝している。

何かあれば、僕に何でも言って。
最後に一回位は恩返しがしたい。
……結局、僕のエゴでしかないけど。

･･････んん。万が一死んだとしても......私が墓を作ってあげますから心配いりませんよ......

うん？　ヒューや。
ちょいと気になったから、言わせて貰うよ。
クーの坊やは、ハーヴを「人間だった」と言っているんだ。
となると、クーから見ればハーヴは染まる者。
婆は夢喰らいでしか有り得ないのさ。
でなければ、力の無い人間が過去を見る者の振りをしていることになる。
「判定」を見たいから、というのなら意味はない。

ウェンの言ったように、クーが夢喰らいである可能性は低いから、婆を「審問の部屋」に送れば、皆から見ても恐らく一匹は夢喰らいを退治出来たことになるから、と言われるのなら、わかるけれどね。
そういう意味でなら、婆から送る案にも一理はあると思うよ。

>>359

……
ふふ。
ちょっと勘違いしていたなんて言いませんよ。ええ。
本当ですとも。ええ……ええっ。

こんばんわ、今日も何とかまにあったわね。
昨日は集会所で寝ちゃってごめんね。酔いつぶれちゃった。

……笑わないでください、お婆様。
自分の思考回路に疑問を投げかけているところですので。

――ヘンリエッタに視線を移し、ゆっくり微笑む――

そうだな、お前がそう思うのは仕方のないことだ。
責める気はないさ。大好き「だった」と言われるとちと堪えるがな？

ま、大丈夫だ、ヘンリ。お前はお前の信じる事をすればいい。
それで自ずと道は開ける。そう信じてるよ。

なにもしなくていい。
…ああ、最期にみるお前の顔は、笑顔がいいな。
そんくらいリクエストしてもバチは当たらねえよな？

……ところでラッセル様はいらっしゃらないのでしょうか。

……ついでに前言は完全撤回したと、考えていただきたい。
クインジー君の方は、たしかに目が見えきっているんだね。

ふむぅ…なるほど、あたしはどうやら随分信頼されていないようだね。こりゃまいったな。まぁ、自分の行動を思い返せば自業自得ってやつなのかな…

ただ、あたしの自業自得に村の全員までつきあわせるつもりはないから、あたしは、狼を見つけた時の為に自分の信頼を稼ぐ行動をとるべきだと思う。もう何度も繰り返し言ってるにも関わらず行動が伴っていないから白々しく聞こえるかも知れないけどね。

ニーナ・・・
信用されてないって分かりながら話すのは辛いと思うけど、村のためを思うなら、自分の考えを話して欲しいの。