自警団長 アーヴァイン
ふむ……まだ集まっていないようだな。 今のうちに、もう一度見回りに行ってくるとしよう。
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農夫 グレン 仕事を終えて帰って来た途端に人をこき使うとは人使いの荒い村長だべ。 一応、村長の有難い言葉の看板を立てるだべ。 『皆さん、わが村にようこそ。 皆さんは金色の尻尾を持つという妖怪ソゼの伝説を求めておいでになったわけですな。 私はまだ若輩者ですので、わが村の長老たちに村の集会場に集まってもらいました。存分にお話しいただきたいと思います。 集会場は皆さんさえよろしければ宿泊もできますし、厨房、食堂、資料室、倉庫なども備えております。 今宵は村の者も一緒ゆえ存分にお楽しみいただき、大いにソゼの伝説についても語りあいたいと思います。村のものはみな話し好きですからどうぞご自由にお話ください。』 | |
(2)2006/07/16 21:50:32 |
冒険家 ナサニエル 「…ったく、人使い荒い…ぜ……教授…」 よろよろとした足取りで、青年はようやくその村へとたどり着いた。 この程度の道のりなどたいしたものではなかった…はずではあったのだが。 旅行用のボストンバッグを四つもぶら下げ、その額にはびっしょりと汗。 その前をアーヴァイン教授は、颯爽と【手ぶらで】歩いている。 国立平和学園大学人文科学部歴史文化学科民俗学研究室。 通称、アーヴァイン研究室。 漢字の羅列が25文字もあれば、お堅いところと思うであろう。 だが、やっているのは…御伽噺の調査と編纂。 経済や医学を志している学生から見れば、ただの道楽にしか見えないであろう。 実際、彼も家庭が裕福である事をいいことに、面倒な社会に出るよりは、遊んで暮らしたいと思ってこの世界に入ったのではあったのだが…。 それよりも更に軽い気持ちで研究にいそしんでいると思われるのはこの教授。 確かに、飽くなき好奇心が無ければ、こういう分野の研究は進まないのではあったが。 思うまま気の向くままに、学生を引き連れてはあちらこちらに。 特に、若くてそこそこ体格の良い彼は、使いっ走りから荷物持ちまで、完全にこき使われている状況で。 一番気楽に遊んでると思って選んだラボではあったが、その当てはすっかり外れてしまっていた。 折角だから、温泉と旨い飯と…ついでに可愛い子でもいりゃぁいいのにな…とは思いつつも、こんな田舎の山奥。 ばーちゃんばっかりじゃなぁ…とため息をつく。 | |
(9)2006/07/17 03:58:57 |
教師 イザベラ 「なるほどそれは興味深い。 その祠の場所は判るかね」 ええ、ここから100メートルも離れていないところですから 「そうか。それならば明日聞き込みを行う前に調査してみることにしようか」 悪くないですね。あれはきっと重要な手がかりになると思いますが……。 「うむ、君がそういうのなら期待しても良さそうだね」 だといいんですけどねぇ……とりあえずわたしは寝る事にしますよ。 教授も若くないんですから早めに休んで下さいね。 「いわれなくても、な。 ではイザベラ助……いやさ、イザベラ教授もゆっくりとな」 あはは、アーヴ教授も慣れませんか。 ……では、わたしは寝所へ向かいますよ。おやすみなさい。 「ああ……、おやすみ」 | |
(33)2006/07/17 05:00:07 |
村長の娘 シャーロット あの日のことを忘れたいと言ったら嘘になる。 あの金の尾を持つ妖怪が彼女に与えた暖かな思い出は、彼女という人間の一番大切なところに残されているのだから。 あの日のあの記憶があったからこそ、彼女は前を見て生きてくることができたのだから。 忘れたくないと言っても嘘になる。あの妖怪がみなに与えた惨劇もしっかりと記憶に刻まれている。 忘れたくない暖かな記憶、忘れたくなる悲痛な記憶・・・その二律背反に悩まされながら、シャーロットはこの歳まで生きてきた。 いっそそのまま時間の風化にまかしてしまえればよかったのに・・・。 それでも忘れられないから・・・・・・こうして彼女は研究者の道を歩み始めた。 | |
(37)2006/07/17 09:10:50 |
農夫 グレン 山が不気味に蠢いているようだべ。 この村のもんじゃねぇ輩は、集会場で大人しくして欲しいだべ。厄介事は増やしたくねぇと思ってるからだぁ。 おらに言いつけをして姿が見えねぇ、村長が心配だべ。 >>68 子供らも山には居なかったようだべ。 | |
(81)2006/07/17 19:42:03 |
冒険家 ナサニエル ナサニエルはうたた寝からビクッと目覚めた。 よだれだらけのノートを慌てて拭くと、既に止まっているテープレコーダーを巻き戻す。 昼間に村の老人達から聞いた話をテープから書き起こす作業の途中で眠ってしまったらしい。 …どうも、老人の語り口調は朝礼の校長くらいの威力があるらしく、ついつい居眠りをしてしまう。 それでも、聞いた記憶の有るところまでテープを巻き戻し、作業を再開。 . 曰く、【金色のソゼ】は犬神の末裔だとか、人にとりつき、眠らせるとか…。. 興味深かったのは、二人の巫女と侍、そして二人の法師の話。 太陽の巫女は、犬神付きを見つけ、 満月の巫女は、離れた犬神を見つけた。 ソゼは巫女を眠らせようとしたが、侍がそれを守り、阻止した。 そして、ソゼは二人の法師のお札で、村人の体から追い出され、小さな祠に封じられた…とか。 …ただ、この話を語った老人は訛りがきついうえに、すっかりボケていたため、信頼性は全く無かったが、三流伝奇小説のネタにはちょうど良いのかもしれない。 凝り始めた肩をぐるりと回すと*また、作業に没頭する。* | |
(84)2006/07/17 20:28:39 |
美術商 ヒューバート さて、今日の天気はどうかな。 うむ、昨日よりは幾分マシですかな? 昨晩はソフィー嬢に無事、アーヴァイン教授も紹介できてよかったです。 アーヴァイン教授のソゼの伝説のお話はやはりとても興味深い…。 ただの御伽噺だとバカにする方もいるでしょうが、御伽噺というのは現実に起こりえた事実を元にしてることも多いのです。 そして、それを想像することから生まれる感情を、人は表現せずにはいられない。 事実、この村にはソゼの伝説を発祥とした工芸品や絵画、彫刻を残している村民が多い……。それらから発せられる妖気もまた、この朝の空気と同じぐらいにゾクリとしますね……。 | |
(108)2006/07/18 07:14:27 |
村長の妻 エレノア ああ、ウェン。よかったわ無事だったのね。 [...ホっと胸をなで下ろした] モーガン様ありがとうございました。>>99 ……リックは? 一緒じゃないの? [...はいやな想像をしてしまい、 動悸と眩暈でソファに*へたりこんだ*] | |
(123)2006/07/18 08:39:17 |
ごくつぶし ミッキー (一枚目) 「わが親愛なる息子、ミッキーよ。 急に別荘に行けなどと言われて面食らっていた様子だったな。すまないが私もいろいろと忙しいので仔細は手紙を書かせてもらった。 お前が行った別荘は元々は私の出身地に程近いのは知っていよう。昔から出かけては、なんとなく神憑りふうな雰囲気があって気に入っていたので山をまるごと買い取って別荘にしたのだ。前の持ち主は金色の尻尾の妖怪が出るから止せと言っていたがね。 だが私が別荘を建てたのはそれだけが目的ではないのだ。お前も知っていようが私の大学での同期生、アーヴァイン教授がその地にえらく興味を持っていることを知ったからなのだ。前の山の持ち主はアーヴァインが立ち入るのを嫌っていて研究が進まん、とやつがこぼしていたのを見兼ねて私の別荘にするという名目で買い取ったというわけだ。 | |
(138)2006/07/18 10:26:03 |
ごくつぶし ミッキー (二枚目) アーヴァインとは同期といっても学部も学科も違う。私は電気電子工学、やつは文化人類学と畑違いも甚だしいが、だが妙にウマが合って大学以来ずっと付き合っている。そんなわけで毎度やつの道楽みたいな研究にも援助している。実際私としても理論的に存在しないものが存在するとしたらどんなものなのかに興味はあるし、それは私の学んだ学問の範疇を逸脱するからな。 おっと、お前をアーヴァイン研究室と行動を共にするように命じた訳を説明していなかったな。今回の調査に当たって、やつは珍しく申し訳ないから何か埋め合わせを、と言ってきたのだ。私は自分の出来ないことをしてくれると思うから気にしたことも無かったが、ひとつ思い当たったのだ。もちろん、お前の将来のことだ。この件でアーヴァインにごく軽い気持ちで相談したところひとつの提案があったのだ。 | |
(139)2006/07/18 10:27:30 |
ごくつぶし ミッキー (三枚目) アーヴァインのところのイザベラ助教授のことは私もまんざら知らない仲ではないし、お前も名前くらいは知っているな。 われわれの五年ばかり後輩でアーヴァインの手伝いをしている。 彼女はアーヴァインが教授である限り教授にはなれない。だが彼女もそろそろ上に上がりたかろう。 アーヴァインからの提案はこうだった。期間限定の寄附講座を作り、そこに教授のポストを用意して教授職を公募する。 助教授の地位に長く甘んじてた彼女はおそらく手を挙げるだろう、とな。手を挙げさえすればアーヴァインの力で彼女をそこに就けるくらい造作もないだろう。どんな道楽みたいな研究でも実績はたっぷり積んでいるわけだしな。 この手紙をお前が読んでいる頃にはおそらく彼女は教授という地位に嬉々としているだろう。(間違っても助教授とは呼ぶなよ。へそを曲げられると面倒だからな。レディの肩書きを間違えたら失礼というものだしな。) | |
(140)2006/07/18 10:29:21 |
ごくつぶし ミッキー (四枚目) さて、無事にイザベラ教授が誕生したわけだが、もう分かっていよう? つまりアーヴァイン研究室の助教授のポストが空席になっているのだ。 これはまだ他の者には公表していないが今回アーヴァイン一行と共に調査を終え、報告書を提出しさえすればお前はアーヴァイン研究室の助教授として迎えられることになっている。 アーヴァインはあと五年もすれば引退だ。つまり、アーヴァインの後をお前が継ぐのだ。 残念ながらいまの事業はお前が経営するには忙しすぎると思うのだ。そっちは兄さんたちに任せて気楽に過ごせる道を選んだらどうかと思う。 私はお前のことが可愛くて仕方が無い。その気さえあれば私のどの事業でも、いや全部お前に任せてもいいと思う。だが、お前の自由奔放さは会社とか事業とかには向かないのも分かっているのだ。 今回は別荘を使わず集会場に寝泊りし、研究室のみなと行動を共にするのだ。研究室の皆にお前が研究者であると認識させねばならんからだ。村の集会場に図書室があるから難しそうな本を適当に選んで眺めていればいい。そういうのも研究者には必要なことだからな。 | |
(141)2006/07/18 10:31:06 |
教師 イザベラ まった教授は一人で出歩いて……。 どうやら昨日見つけた祠の他に屋間の方にも隠された社があると言う話しを聞いたと言ってたけど、朝目が覚めたらもうふとんがもぬけの殻で書き置きだけあるんだもんねぇ。 ―― 教授の書置きをべらりとめくって斜めに読み直した 『イザベラへ、 昼の聞き取りの結果、君が見つけたのは村内に分けられた封印の祠の一つだと言う事だ。 地図と照らし合わせてみたところ、五芒星の頂点と、交点に九つ祠が設けられている。 古来より五芒星はその黄金比を理由にしてか魔除けの図形として利用さえている一方、逆に用いると魔寄せの効果を持つという。 天頂にあたる南端の山中には主殿があると言うことだ。私はその社を調べてみようと思う。夜には戻る。 なお、モーガン老が昼に訪ねてくるので、しっかりと聞き取りを行ってくれ』 | |
(165)2006/07/18 12:38:35 |
ごくつぶし ミッキー >>172 メイさん まあ、慌てることはないだろう。グレンさん、クレンさんなんかが道は直してくれるだろうから。その間に折角の調査を進めておくほうが大切なんじゃないのかな。調査が終わるころにはきっと帰りの道も元通りになっているさ。 | |
(173)2006/07/18 12:49:53 |
学生 メイ うん、よろしくね、ミッキー。 アノ肉は焼くだけだから、多分だれでも作れるよ! 先生>>177 状況が把握できてませんでした。 道がないわけではないのですね!ちょっと安心しました。 さて、わたしもう少しお部屋でレポート書いてきます。 そうそう、後片付けはあとでやるから、置いといてくださーい。 | |
(179)2006/07/18 13:01:02 |
ごくつぶし ミッキー >>176 イザベラさん 教授に就任されても相変わらずのようで安心しましたよ。もっともそうでもなきゃアーヴァイン教授とこんなに長い間一緒にやってられないですよね。 さて、それじゃ僕はもう少し文献調査をしたいのでこれで一旦失礼します。 | |
(183)2006/07/18 13:08:11 |
教師 イザベラ ああ、しっかりとね。 さっきの三流劇画っぽい話しもちゃんと起こすんだよ。どこにどんなヒントがあるかもしれないんだからさ。 なんでも頭ごなしに否定はしない事が肝要だよ。 あると仮定してそのままでは無理や食い違いが生じた場合は、それが実際にはなんであったかを紐解いていく。その結果何かが見えてくるって所が実に面白い所でねぇ。 空振りや、仮説が覆される事も多いけどさ……。 ―― ナサニエルに声を掛け、残りの皿を平らげると、洗面所へ向かい歯を磨き、鏡を見ながら思う。 (さて……と、もう一休みしたらわたしも祠を調べにいこうかね。 ロッテ嬢に話しは聞けなかったけど、祠との位置関係を考慮すればこの地図……らしきものでもなんとかなるだろ) ―― 彼女はポーチに最小限の装備を揃え白地図と磁石を片手に村中へと出ていった。 | |
(201)2006/07/18 15:26:42 |