新米記者 ソフィー [既に予想はついていたとは言え絶望に染まり行く表情 黙って見守り肝心の事を問うアーヴァインに静かに頷く] そうどす、今しがた確認も終えましたわ。 手配の方は其方はんで宜しくお願いしますえ。 [続く言葉にころころと場違いな笑い声を響かせ] 厭やわ、アーヴァインはん。 明日までにお渡しした資料にもきちんと目を通してや。 [きょとんとして書類に視線を戻す様子に目を細め ゆるりと立ち上がり姿勢を正し薄紅色の唇を引き結ぶ 胸の彼岸花を覆うよう黒革の手袋をはめた右手を当てる 表情と共に一瞬にして空気が引き締まるのに アーヴァインが慌てて礼を返す] ほな、ウチ等はコレで失礼します。 | |
(400)2006/07/20 21:17:00 |
医師 ヴィンセント [次が本日最後の患者だ。最後の患者はいつも同じ。そう――] こんにちはー。エッタ、また来たよ!お薬嫌いだけど、お注射も怖いけど、先生の手品見に、また来たよっ! ねぇねぇ、先生先生っ。今日も手品、見せて見せてっ。 [これがヴィンセントがマジックをはじめたきっかけであり、 今のヘンリエッタにとっての数少ない幸せな時間だ] うん。僕も楽しみにしていたよ。 それじゃいつものように、診察から。ね? [ヘンリエッタは全身性エリテマドーデス、SLEだ。 去年の夏、食欲不振や発熱、倦怠感といった初期症状が現れ、現在は腎炎や貧血、胸膜炎などの症状に加え、錯乱や幻覚、手足の痺れといった精神神経症状もわずかに散見される。 症状が多彩で、長期に渡って良くなったり悪くなったりを繰り返す病気であるため、何よりも医師や家族のサポートが不可欠となる。 必ず治すよ、エッタ・・・ 心の中でそう呟くと、いつもの手順で診察を始めた] | |
(412)2006/07/20 22:10:00 |
医師 ヴィンセント [診察を終えると、意識して気持ちを切り替える] さて、今日はこれを使おう。 これはこの前、孤児院に診察に行ったときに貰った大事な大事なトランプだ。 [言ってから一組のデック(トランプ)を取り出す。トランプは子供達が一生懸命作った手描きのトランプだ。しかし残念な事に個性豊かに描かれたこのトランプは、裏面も表面も、マジックを演じるには適していない。 まず、何枚かのカードを裏返してヘンリエッタに見せる。見せたカードはハートのQ、クラブの3、ダイヤの9。ハートのQなどは、一見するとJかQかもわからず、ハートかダイヤかもわからない] さて、エッタ、この中から一枚だけ好きなカードをタッチだ。 [ヴィンセントがカードをファン(扇状に広げる)すると、少し迷ってから、ヘンリエッタは一枚のカードに人差し指で触れた] さて、なんのカードだろうね? | |
(433)2006/07/20 23:03:56 |
医師 ヴィンセント [指の触れたカードをデックのトップに移動させると、手馴れた手つきでカードをデックの上で裏返す。カードの絵柄はハートのJ。これもかなりわかりにくい絵が描かれている。カードをもう一度裏返し、そのカードだけをテーブルに置くと] ちょっとこれ、わかりにくいね。うーん・・・少しの間だけ、これに魔法をかけよう。それっ! [指をパチンと鳴らし、もう一度カードを裏返す] わっ!すごい!なんでなんで!? [カードの絵柄はもちろんハートのJ。ただし子供が描いた手書きのものではなく、しっかりとした製品のそれだ。カードをデックに戻しながら、もう一度裏返すと] あっ裏がまだだ。それっ!ついでに他のカードも、それっ! [指を2回鳴らした後、カードを適当に選び、パラパラと表と裏を見せる。すると今度は全てのカードが製品のそれに変わっていた] !!!!! [ヘンリエッタは声も出ないようだ] | |
(434)2006/07/20 23:06:03 |
語り部 デボラ >>523 [淡く輝く水晶玉をバスケットにしまうと、窓の外、宿のほうを見透かしてそう呟いた。] | |
(524)2006/07/21 02:31:34 |
吟遊詩人 コーネリアス ……。 何かねぇ、他の呼び方で呼ばれることが想像できない。 [憮然とした口調ながらも、それが本音だったのか素直にそう答えた] …知ってるよーだ。 いいよーいいよー、どうせ子供ですよーだ。 [べー、と舌を出して。 ハーヴからこちらへと回されたデボラの秘蔵酒に、興味は引かれたままの様子。 どんな味がするのかとちらりと舐めてみる] ……なんかちょっと薬っぽい味だね。 でも、これはこれで僕は好きかもー……。 紅茶とかに入れるよりはー、ソーダとかで割ったほうがいいんじゃないかな。 [水割りでもいいと思うけどね、とそんなことをいいならおちょこの中身をさらりとあけて] | |
(537)2006/07/21 03:31:23 |
牧童 トビー 〜♪ [少年はいつものように、孤児院を出て、まるで冒険へ出るように遊びに行く。 今日も、それは変わらない。 村に変な噂が広まっている事も知りつつ、少年にとってそんな噂は好奇心を駆り立てる材料にしかならないかのように。 村をぽてぽてと歩きながら、道行く村人と他愛のない会話をしたりして楽しむ。 そんな感じでいつもの様に、村の中をふらふらとしていると日が暮れそうな事に気づく。] あれー?もうこんな時間か。 [周囲を見回すと家の壁がすっかりオレンジ色に染まっていた。 家の中からは、家庭の匂いが少年の空腹感を刺激する。] …おなかすいたなぁ。かえろーっと。 [家。孤児院へ帰ろうとくるり身を返すも、暫し沈黙し首を傾げる。] んーっと、どっちからボク来たんだっけ…? [困ったように髪の毛をくしゃりと掴む。] ま、いっか。そのうち帰れるよねっ♪ [まるで慣れた様に、当てのない方向へ歩き始める。 時たま、道行く人に家の場所を教えられながら家路へと急いだ。 孤児院に帰った時には、すっかり空には月が昇っていた。 その月をぼんやりと眺めながら、孤児院の扉を潜ると心配そうに出迎えられる。 ごめんなさい、と謝りながらも空腹には負けて、すぐに食堂へと足を運んだ。 腹が満たされると、今度は睡魔に襲われ、自室へと戻るとそのままベッドへ倒れこんだ…。] ――――― もうすぐ 夜が明ける…。 | |
(542)2006/07/21 04:39:40 |