酒場の看板娘 ローズマリー [自警団からの連絡が来て、ソフィーとトビーが亡くなったことを聞いた。 これで全てが……終わったのだろうか? きっと終わったのだろう。人狼は全て…死んだ? ……それなのに、心に吹きすさぶ空虚なこの気持ちは何だろう? 全く心が晴れない。敵討ちができたと喜べばいいのだろうか?村に平和が戻ったと喜べばいいのだろうか?] 違う………こんなの…… [小さなため息とともに出た言葉。 もう二度と戻らない村人を思い、村のために戦ってくれた特別な能力を持った人を思い……そして、村を恐怖に陥れた人狼を思った。 次々に浮かぶ皆の顔。大半がすでにここにはいない。尊い犠牲と呼ぶにはあまりにも多くの犠牲。 半分は人狼によるもの…… そして、半分は………人の手によるもの……] | |
(30)2006/07/29 03:41:10 |
酒場の看板娘 ローズマリー [逃げたくなかった。 これはきっと、生きている人が背負わなければならない罪。 生きとし生ける者全てに平等に与えられた生という権利を剥奪した報いは受けなければならない。 たとえ、それが人狼であったとしても、その命を奪っていいなんて言うのは、人間の単なる我侭だ。 一生重い足かせをつけて生きていかなければならない] ……守れなくて……ごめんね? [誰に宛てた言葉でもなかった。村人でも能力者でも人狼でもなく亡くなった全ての人に宛てた言葉。 守りたかった。誰一人として守ることはできなかったけれども、それでも、守りたかった] 守って…くれて…ありがとう…… [村人と特別な能力を持った人々の顔を思い浮かべる。今日まで生きてこられたのはきっと、そんなローズマリーを皆が守ってくれたから…] 生かして…くれて…ありがとう…… [人狼だと聞いた3人と3人に肩入れしていた1人の人間の顔を思い浮かべる。取るに足りない存在だったから殺す価値がなかったのかもしれない。それでも、襲わないでくれたから、生きていられた] | |
(31)2006/07/29 04:01:12 |
酒場の看板娘 ローズマリー [相変わらず涙を流して、泣きじゃくるしかない弱気な自分。 本当に人狼は悪だったのだろうか? そんなことはないとローズマリーは首を振る。 絶対的な悪など存在しない。 現に、ヒューバートやトビーを見て思った。人狼の力の前では、人間はあまりにも無力であった。 簡単に引き裂かれ、殺されてしまう。 だけど、彼らは一日一人の人間しか襲わなかった。殺しが目的なら、きっと村はすでに壊滅している。でも、一人の人間しか襲わなかった。 きっと、生きていくために止むを得なかったのではないのだろうか? 皆の命を奪う発端となった人狼騒動。 現に人狼に奪われた皆の命… それでも、憎むことができなかったのは、人狼だった3人の優しかった頃を知っているから。 3人との楽しい思い出が胸にあるから……何物にも代え難い大切な思い出の前に、憎むことなど到底できなかった] | |
(32)2006/07/29 04:18:32 |
酒場の看板娘 ローズマリー [ふと、村の様子が気になった。 ただでさえ、人狼騒動中寝ていなかったヴィンセントは大丈夫だろうか?と心配になった。ローズマリーは軽傷で済んだから、治療の邪魔にならないようおとなしくしていたが、そろそろ自分にも手伝えることがあるのではないだろうか? そういえば、セシリアやケネスの様子はどうなのだろうか? 静かに息を吐くと、自分ができることを探すため、勢いをつけて立ち上がった。 何もできないかもしれない。だけど、それに逃げることはもうしたくない。 何ができるのではない。何かしたいと思って動くこと、それが重要な気がした] そんなこと…今になって気付くなんてね… [もっと早く気付いていたら、何かできたのではないか…と少しだけ後悔した。自然と首が俯きがちになってしまうが、すぐに頭を振った] ……行かなきゃね…… [人狼騒動によって壊された村の復興… 心に暗い傷を負ってしまった村人達… 本当に大変なのは、これからだろう。それでも、前を向いて歩いていこうと、ローズマリーは一歩を踏み出した。ほんの小さな一歩だったけれども……その一歩が全てに繋がる気がした] | |
(34)2006/07/29 04:40:09 |
文学少女 セシリア さて……。 まずは、ごめんなさい。ずっと隠していたけれど、この手紙を書いてから集会所で明かすけれども、僕は純粋な意味では学生ではない。 偽りの身分で村に潜んでいた結社員――結社の所有する、守護者という人間なんだ。ずっと偽り、隠し続けて来たのが心苦しかった。 僕は、これから(といっても、これを読んでいる時は既に過去の事だろうが)ヒューバートを――人狼を倒す為に、左眼を義眼に替える。 幸い、眼球はヴィン先生が厳重に保護してくれるから、いつか元に戻す事も可能だとは言ってくれた。 ただ……。戻るべき身体は、君がこの手紙を読んでいる時点では、既に無くなっているけれど……。 | |
(45)2006/07/29 05:20:32 |
のんだくれ ケネス [あれからどの位経ったであろうか、村は少しずつ・・・・だが、確かに活気を見せ始めている。 空には太陽、抜ける様な夏の青空の下、村人総出で村の修復作業をしている。 そんな村の片隅で健気に働いているローズマリーの姿を見かける。 ケネスは、そっと背後に真っ白なカサブランカを忍ばせ、ローズの前に進み出る。] ・・・・・よう・・・・その何だ・・・・・ [背後に隠していた花を差し出し。] 俺と一緒になってくれないか? [真っ赤になりながら言葉を待つケネス、ローズの顔は喜色に染まり。] 「わぁ…わぁ……すっごい綺麗ですねぇ……これどうしたんですか?え?私にいいんですか〜?どこに飾ろうかなぁ……ふふ〜♪いい匂い〜ありがとうございますね〜…で、いま、何かおっしゃいました?」 [其の後、ケネスの気持ちは届く日が来るのであろうか。 平和を取り戻し、復興しつつ有る村には日常が戻りつつ有る。] (以下カメラはゆっくりに空を仰ぎ、徐々にブラックアウト) | |
(53)2006/07/29 06:26:19 |