自警団長 アーヴァイン
ふむ……まだ集まっていないようだな。 今のうちに、もう一度見回りに行ってくるとしよう。
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新米記者 ソフィー ふぅん? [退屈を滲ませたハスキーヴォイスを紡ぎ薄紅色の唇が尖る 黒い革手袋に包まれた手の中の書類に並ぶ文字を追いかけ 澄んだ空色の瞳が忙しなく左右へ動くのに合わせ長い睫が揺れ] あん子の居てはる村やないの…… [ギィと不快な音を立てる椅子に寄りかかり天井を仰ぐ 仕事は終わったがまだ相棒は事後処理に奔走していて 新しい人員の教育に忙しいボスも居らず事務所には誰の気配もない 小さく長い溜息の零れる音が妙に大きく響く 新しい依頼の書類に目を通し終え埃ぽい事務所の机に書類を放り 立ち上がり腕を挙げ華奢な肢体をめいっぱい伸ばす 安ぽい蛍光灯の光に蜂蜜色の柔らかな髪は草臥れて映った 黒字に紅い彼岸花の浮かぶゆったりとしたチャンパオを羽織り デスクの足元に置いた革鞄に荷物を纏める手つきも手馴れていて 準備が整うと目を通し終えた書類を相棒のデスクに置き 愛用の万年筆を握れば深い蒼色のインクがメモ用紙に流暢な文字を綴る] 『一足先にジェラート食べに行きますえ』 [ポケットから取り出した胡桃に優しく唇を寄せ メモの重石として書類と一緒に添えておく 右手に革鞄を持ち左手だけで器用に扇子を広げ そっと起こした風がふわりと解れた前髪を揺らす ぐるりと静まり返った室内を見回し 微かな白檀の香りを残し夜の街へ踏み出した] | |
(0)2006/07/19 00:27:49 |
学生 ラッセル 人狼かぁ……。きっと、噂だよね? [トーストをかじり、そうぼやきながら、自室から窓の外を眺める。 村の朝は、のどかな日差しに包まれていて、安穏とした静寂を醸していた。 その様子に目を細めると、学校の支度を確かめる。 しかし、ひょっとしたら――いや、きっと確実に。 今日を境に、暫くは村に引き篭もらなければならなくなるだろう。 そう思うと、自然とその準備にも念が入った。] あーあ……学校が村の中にもあればなぁ。 [そう、ぼやきながら、朝食をテーブルに並べる。自分の分と、同居者の分を。 まだ起きてこない同居人の気配に、部屋のドアをノックして、声をかける。] ハーヴ、先に食べてるよー? [起こした方がいいのかなぁと思いながら、食卓に座った。 程なくして同居人が、向かいに座ると微笑んで。いつもの朝は始まった。] | |
(2)2006/07/19 01:08:08 |
冒険家 ナサニエル [旅行鞄ひとつ手に、黒いチャンパオに身を包んだ長身の男がひとり。 胸元から腰まで流れるような青い菖蒲の刺繍を揺らして、事務所のドアに鍵を差し込んだ。 カチャリ、と金属の止め具があがる音。 誰もいない事務所。 白檀の香りが微かに漂う。 自分のデスクに戻れば相棒の労いの代わりに書類とメモが出迎えた。 さらりと目を通して鞄に仕舞い、簡単に身支度を整え、 一息] 相変わらず休む暇もなし、か。 [ぽつりと漏らして。 相棒が残したメモを読み上げ不服そうに鼻を鳴らし、 青い文字をなぞればインクが滲んだ] さて、行こう。 仕事上がりのジェラートはもう少し先になりそうだ。 先に食ってたらどうしてやろうかね… [置石代わりのクルミを手にとり、軽く口付ける。 ポケットに仕舞えば再び旅行鞄を手に事務所を後にした] | |
(4)2006/07/19 01:11:41 |
医師 ヴィンセント [7月後半の病院は忙しい。子供は夏休みに入り、村全体が揃って旅行や行楽に出かける頃になると、一気にいろいろな病気が増える。 汗疹や夏風邪から始まり、咽頭結膜熱、手足口病、ヘルパンギーナ、食中毒エトセトラエトセトラ・・・・・・。 もちろんここ、「Final病院」も例外ではなかった。 ヴィンセントは白衣の裾を翻しながら、軽く見積もっても普段の五割り増しになっているだろう処方箋の対応に追われていた。 この村に来てからというもの、がむしゃらに、けれど健やかに医師の仕事を全うしてきた。そんなヴィンセントも気づけばこの病院にもう10年。すっかり村の一員としても定着してきた。常連の患者であれば、ドアを開けて入って来ると同時に、その人のカルテに自動的に手が伸びる。 外出が辛い患者の家まで薬を運んだり、急病であればそこに駆けつけたりしているうちに、いつの間にかここら辺の地理にまで相当明るくなった。通りすがりに道を尋ねられても、よどみなく適確に教えてあげられるほどだ。 しかしそんなヴィンセントにしても、今日一日は異常に忙しいと言わざるを得ない。ようやく一息ついた頃には、出しっぱなしの薬歴簿が、計画性のない児童の絵日記のように何一つ書き込まれないまま、乱雑にファイリングされたカルテと一緒に、机の上に山と積まれていた] ふぅ・・・・・・。 [ともかく一旦休憩だ。仕事は少し休んでからするとしよう―― 首のコリを自らの手で丁寧に揉み解(ほぐ)しながら、ヴィンセントはぼんやりとと窓の外を見つめた] | |
(10)2006/07/19 01:45:50 |
吟遊詩人 コーネリアス [きゅい、と微かに木と木の擦れる音をたてながら弦を張る。 笛を銜えて音を出すと、弦の上に弓を走らせて音を確かめる。 軽やかさと哀愁の同居する音を響かせて笛と弦の奏でる音が揃えば弓を一度置いて、銜えた笛の口を布で拭きとってから楽器そのものを一度膝の上から下ろして大きく伸びをする。 水差しからグラスへと水をうつして一口。 引き上げたばかりの水は十分にまだ冷たく、体に眠る眠気をすっきりと消してくれた。 グラスを置いて窓から空を眺めるようにしながら大きく伸びをする] …はー…今日も快晴、だねぇ…。 [いいことあるといいな。 そんな子供っぽい願いを口にすれば、先程調弦したばかりの愛器を手に家を出て村の少し外れにある小さな丘の楡の木の下へ。 そこで楽器を弾くのが、ひそかな楽しみでもあり、毎朝の日課でもあるのだから] | |
(11)2006/07/19 01:49:34 |
双子 ウェンディ [陽だまりが部屋を照らす。 窓に寄りかかり、孤児院の裏手の花畑の方向へと目をやると、 ちらりと自分の部屋の扉へと交互に視線を泳がせた。 姿勢を正して耳を澄ます。恐らく廊下側には誰もいない。 …だったら。 頭の中で考えるより先に動いたのは体。 部屋にある踏み台を1つ衣装ケース上に乗せると、足を窓の冊子へと踏み出した。] …大丈夫、ここは一階だもの。 見つからないように、音を立てないように早く早く――― どくどくと鼓動が早くなるのを感じながら、盛大にジャンプした。 …とすん。 決して小さくは無い着地音は運良く鳥たちの羽ばたく音にかき消され、空に溶けて消えた。] …っつ。 ちょっと、勢いついちゃったかな…? [背中にじんわりと鈍い痛みが走る。 だけど、いかなくちゃ。今日はどうしても外へ出たいから。 一歩一歩、おそるおそる足を踏み出すと、裏手へと駈けていった。] | |
(14)2006/07/19 02:01:43 |
新米記者 ソフィー [小首を傾げ艶然と口角を釣り上げ笑みを模るも 其の瞳はさっぱり笑っておらず 食べ終わったヨーグルトジェラートのカップを脇に置き 相棒の手から空のモカのカップも奪い重ねる] 生憎と人の心配も素直に受け取られへん器の小さな男に、縁談なんぞ来ぃしまへんから安心しとくりゃす。 ウチが小舅ならあんたはんはお姫はんにでもなって、嫁の貰い手でも探した方がまだはよおますえ。 言うたトコロでこないなお姫はん貰う婿殿が気の毒で、恥ずかしくて何処にも嫁になぞ出せまへんわな。 [言うだけ言ってすいと手を伸ばし相棒の瞼をそっとおろし 割りに優しげな声音で] はいはい、ゆっくり休んどくりゃす。 [窓枠に肘をついてゆっくりと*瞼を閉じた*] | |
(20)2006/07/19 03:15:25 |
書生 ハーヴェイ [未だ眠気覚めやらぬ様子で身体を起した。 先程、ノックの音が聞えた気がする。 きっと同居人だろうな、と眉間を押えながら。 サイドテーブルへと手を伸ばして、眼鏡を手に取る。 それをかけながら、また目を瞬かせ。 そこからゆるりと支度を開始した。 支度が終わると食卓の方へと向かう。 そこには当然のように同居人が。 何時ものように向かいへと座ると、軽く笑みを浮かべ。] おはようございます、ラッセル。 [挨拶をすると用意されていた食事に手を合わせた。] 今日はラッセルの番でしたっけ、朝食。 と言う事は…掃除が俺、ですね。 [居候させてもらっている身なのに役割分担。 図々しいとは思ってしまうが、既に慣れたこの生活。 今更変えられるわけもなく。 いつもどおりの朝が始まる。] | |
(22)2006/07/19 04:21:53 |
新米記者 ソフィー [酷い低血圧で寝起きが悪いのはいくらか自覚している 汽車から馬車に乗り換えるのに何やら言われた筈だが 相棒に起こされた記憶は……ない 思い出すと腹が立つ会話な気がちらほら] ……。 [馬車に揺られる間もうとうと睡眠を楽しみ またも相棒に起こされた記憶は皆無だが 寝惚けたままに宿屋に到着して記帳する 一部屋しか空いてないとか聴こえたが 宿屋の主人の言葉も適当に聞き流し頷く 後ろで相棒が何やら喚いていたが気にしない むしろ気にしたくても頭が働かない 荷物を置き少し遅めの朝食を摂り頭が冴えてきた] ほな、行って来ますわ。 怪我してはるんやしあんたはんはデスクワークでもしとき。 [言い残してひらひらと手を振り地図を片手にfinal病院へ向かった] | |
(24)2006/07/19 05:19:50 |
新米記者 ソフィー [ヒューに書いて貰ったメモを片手に店を訪れ ヨーグルトとモカを購入し愛想良く店員と挨拶を交わし 一旦宿へと戻り自分の部屋の扉を開け 相棒がベットで眠っていて首を傾げる 今朝のやり取りなどさっぱり忘れていたが 一応は怪我人なので起こさずにそっとしておき 部屋に備え付けの小さな冷蔵庫にジェラートを仕舞う 相棒のベットに歩み寄り革手袋を片手だけ外し 手を伸ばして少し癖のある寝乱れた髪を手櫛で整え ついでにすぃと頬を撫でて踵を返し 宿の食堂へ向かいながら革手袋をはめなおす 食堂には長い赤い髪を束ねた何処となく粗野な男 不機嫌そうだが見ていたら目が合ったのでふわと会釈する] | |
(54)2006/07/19 13:43:14 |
お尋ね者 クインジー [いつもどおりの食事をかっくらっていると、珍しく来客があった。] んん…? [見覚えのない女…男? その立ち姿に、思わず凝視してしまった。 顔の造作は女のようでいて、服装など受ける印象は男のもの。 身のこなしから、何かしらの訓練を受けていたように感じる。 警戒しなければならない類の相手だが、不思議と危機感は無い。 ならば、別に問題は無い。あくまで普通に振舞うだけだ。 あのことがあった以後、彼はますます自分の感覚を信頼していた。 ふと目が合う。相手がこちらの視線に気づいて、軽く会釈してきた] あんた…何なんだ? [思わず漏らす。問いかけのようであって、実は答えを求めない言葉。 言った後で、なんて馬鹿な聞き方をしているんだと、自嘲した。] いや…まぁ、どうであれ、別にいいが。 [小さく、忘れてくれと言って、自分から目をそらした] | |
(56)2006/07/19 13:59:04 |
吟遊詩人 コーネリアス [空腹感を覚えてふと空に視線をやれば、日も高く自分が気がつかないうちに昼ご飯の時間帯になっていたことに気がつく] …ありゃ。道理でお腹すくわけだよー…。 [苦笑しながら立ち上がれば一度いえに戻って、楽器の弦と弓を少しだけ緩めてから食事に向う。 何食べようかな、なんてそんな事を考えれば自然と足取りは軽く、表情はいつもの2割増で緩くなった。 ふんふん、と小さく口ずさみながら、細っこいその手で宿屋の扉を押し開ける] こーんちわー。 ……って、あれ…えと…旅の人ー? [最近極僅かに見かけるようになった顔と、初めて見る蜂蜜色のみつあみ。 誰?とばかりに、唯一馴染みのネリーのほうに首をかしげた] | |
(68)2006/07/19 14:59:24 |
書生 ハーヴェイ [ふと時間に気付く。もうお昼を回っている。 しまった寝過ごしたと1つ息を吐いたが、まあいいか、と。 村の入り口へと足を向け、出ようとすれば自警団に止められた。 訝しげな表情を浮かべると、話を聞く。 簡単に纏めるのならば、例の噂の所為らしい。] …人狼? ああ、皆が騒いでいるアレですか。 そんなに警戒しても、取り越し苦労だと思いますけどね。 [小さく笑みを浮かべながら、 信じていないと言う風に肩を竦めた。 けれど村から出れないのなら仕方ないと息を吐いて。 これから何処に行こうか、と考えて。 そういえば、昼食をとっていない事に気付く。 少し考えた後に、食堂のある宿屋へと足を向けた。] | |
(75)2006/07/19 15:14:18 |
双子 ウェンディ [きょろきょろと辺りを見回しながら。 孤児院の周りをぐるりと囲むように、まるで塀の様な草木の植え込みが聳え立つ。 …よかった。知られてはいない。 植え込みに辛うじて自分がくぐれる程の穴を確認しながら身をそこに突っ込むと、 じたばたと身じろぎながらも向こう側へと頭を出した。 ふるふると顔を横に振って、顔に付いていた葉っぱを振り払う。] …ん、よい…しょっと。 [頭が出てしまえばこっちのもの。 と思いながら、腕、胴、膝へとするりと抜けていく。 途中枝に引っかかってしまったのかスカートの裾が少しだけ破けてしまっているのに気が付いた。] どうしよう…裾、破けちゃった…直せるかな。 流石にもう戻って繕う時間なんて無いし…。 [んん、と小首を傾げながら破けた部分を凝視した。 幸いそれほど目立つほどではなく、ぱっと見ただけでは解らないだろう。 裾を掴んでいた手を離し、孤児院の外を見据える。 先ほどまでの不安は何処へやら、一目散に駆け出した。] | |
(100)2006/07/19 15:50:43 |
医師 ヴィンセント ぶっ! [ハーヴェイの言葉にレモン水を噴き出す] あ、いや、あれはなんていうか、ほら、ハーヴもあるだろう?好奇心って言うか、そこに枕にされた本があるからっていうか…… あの時はまさにそれでね。 もう僕にはああするより仕方なかったんだ。 うん、そう。言ってみれば必然。運命。自然の摂理。 気付いたら身体が勝手に……ねぇ? そんなことより、ほら!これがBランチだ。 なんかおいしそうじゃない?あ、ハーヴもBランチ食べるの?おー、それは奇遇だ。やったねハーヴ!僕と一緒に食べようじゃないか。 な?全てを忘れて、食べよう食べよう。 [必死にごまかそうとしている] | |
(102)2006/07/19 15:50:59 |