双子 リック […彼らは、他人の力を以てしかこの世に存る事すらできない、とても弱い存在だった。 例え、それが彼らを呼び出した人の…マスターの、望んだ事でも。命を削るなんて、馬鹿馬鹿しすぎる。 そう思う。 人から物を奪ったり、人から物を盗んだり。 あるいは、人を騙して、上前をはねたり。そんな生活をしていた。 でも、だからこそ、平和が好きだったし、平穏無事でなければ心の余裕も懐の余裕もなくなってしまう。 だから、争い事のある場所では皆がギスギスしていて…そんなところでは、ちょっとしたいたずらだって酷く罰した。 自分は、そんなところではそこそこにして、さっさと次の場所へ向かったけれど。 そんなのは、やりにくかった。生きにくかった。 楽しくなりにくかったし、優しくなりにくかったし。 幸福にも、なりにくかった。] | |
(199)2006/03/22 22:46:07 |
学生 ラッセル 【流石にそう楽にはいかないが……押せるな。】 [元々、細かい戦略などを立てて戦うのは苦手な性質だ。 押せるときは一気に叩き潰す、それが彼の戦い方。] 【一気にいくか……!】 [流石に宝具を使うのは気が引けた。 使えば真名は確実にばれるだろう。 それで葬れるならば良いが、現時点では相手の真名や宝具どころか、クラスすらわかっていない。 もし防御系の宝具ならば、防がれてしまう可能性も十分にある。 故に、"ただ単に魔力で自身を強化する" それがスキル"魔力放出"。 武器、ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させる事が出来る、彼が持つ固有スキルの一つだった。 魔力により強化された剣撃が、目の前のサーヴァントへと襲い掛かる。] | |
(253)2006/03/23 00:03:39 |
お嬢様 ヘンリエッタ ――中央地区 噴水前広場―― …かぅ。 [ 辿り着いた駅近郊は、バーサーカーにとって少々残念なものだった。確かに、夜遅くにも関わらず未だに人は多くいた。だがしかし、どうも捜し求める敵はいないような雰囲気なのだ。 ――ここは違う。 索敵などという大層な力ではない。ただの勘だ。ただの勘だが、この噴水の周囲にはそれらしい空気があまりにもない。 もしもバーサーカーに魔力の残り香が判るのなら、以前にサーヴァントやマスターが通っていたことにも気付いただろう。だが、生憎とそんな能力は持ちえていない。 バーサーカーに出来ることは、主の服をつまみ、ここは違う。きっと違うと首を横に振ることだけだった。] | |
(257)2006/03/23 00:15:03 |
雑貨屋 レベッカ ……仕方が無いわ。 私からの魔力供給は、この程度離れていても問題ないみたいね。 しかし。 確か病院へ向かえと言っていたわね、まったく留守番して居ろと言ったかと思ったら、単独で敵サーヴァントの所へ向かえと言ったり、彼の言う事は毎回びっくりよ。 私の陰陽師の腕前を認めてくれた……とは到底思えないんだけどこれ、どうなってるのかしら。 [サーヴァントに見限られたマスターの成れの果て、という発想が脳内をチラと過ぎった。右手に握ったままの、雀に変化しそこなった符呪を苦笑しながらポケットに仕舞う。] 【その気も無かったマスターに無責任に召喚されたサーヴァントとしては、確かにこんなマスター頭が痛いわよね。】 [くすっと笑いながら、それでも麗香は東ブロックへと踏み込んでいった。] | |
(258)2006/03/23 00:16:53 |
学生 ラッセル [男の影が上空へと舞う。 今の魔力で強化された体なら、後を追うことなど造作もない事だろう。 しかし、即座に動くことが出来なかった。 奴を追うという事は、後方で戦いを見守っていたマスターを置いて行くという事になるからだ。 奴を追っている間に、自分のマスターが危険になる可能性も十分ある。 令呪を使えば、空間を捻じ曲げて、ぐにマスターの元へと戻れるだろうが、それ程の危険を冒すわけにもいかない。 そんな事を数秒考えている内に、サーヴァントの気配はビルの上空を飛び移りながら遠くへと去っていった。] ちっ、まぁ仕方ねぇか。 [魔力の放出を止め、剣を虚空へと消すと、マスターの元へと歩いていった。] すまねぇな、少し派手に魔力を使っちまった。 体はだるくねぇか? | |
(272)2006/03/23 00:51:46 |
文学少女 セシリア −−樹那病院−− [バーサーカーを見る。 先日のように特に変わった様子は見られない。 だが、周囲を見回している。] 【少なくても他のサーヴァントもいる・・・のかな】 [先ほど同様に手をゆっくりと振っていると目の前の建物の屋上から何か飛び立つ影が見えた] えっ? [しかしその影は向こうの方へと飛んでいく。] やっぱりいたんだ・・・ [だが反応は変わらない事に驚いた。] 【え、まだ誰か・・・いる?】 [まことは手を屋上に向けながら考える。] 【駄目、ここでの戦闘だけは駄目。もしお父さんに見られたら・・・】 ごめん、バーサーカー。ここで暴れちゃだめ。今日はお家に帰ろ、ね。 [そういってバーサーカーを抱きしめた] | |
(299)2006/03/23 01:46:49 |
見習い看護婦 ニーナ [ランサーが食べた皿も片付けると、椅子にかけていた上着をとる。] それじゃ、少しだけ歩きましょう。 ランサーも本調子じゃないし、私もまだ他のマスターに対抗しうる手段を見つけてないもの。 かといって、漁夫の利を狙うのも嫌いなの。 外に出て意識集中しながら探せば、マスターの気配も向こうが気づく前に気づけると思うし。 後はランサーがサーヴァントとしての気配を断てるかどうかだけど…まあ見つかったときは見つかったときか。 勝てそうにないなら逃げてもいいわよ。 その場合は他に倒してくれそうな人を探すしかないわね。 マスターを狙うって言う手もあるけど、余程マスターが極悪人でもなければ、その手は最後に回したいわ。 | |
(306)2006/03/23 01:57:56 |
書生 ハーヴェイ 話、か。 [大祐を見る。 先程の交渉で神経が磨耗してしまっているようだ。 表情に焦燥感がにじんでいる] 【こちらにはセイバーの話はすべきではないかな】 つまり、こちらとしてもこの戦争を出来るだけ優位に進めたいという意思がある。 ならば他のサーヴァントを全て倒すまで共闘してくれる者を探しているという事だ。 だが、君はさっき僕らが話をしているのを見ていた筈。 残念だが先に彼らと話をしている所だ。最も、彼らと僕らが組むのが本当に有益かどうかはまだ判断しきれていないがな。 今日はお嬢様が一人でここに来たからここまで話しているんだぞ。それを忘れてもらっては困る。 | |
(316)2006/03/23 02:17:18 |
雑貨屋 レベッカ 共闘……か。 【このサーヴァントはどのクラスだろうか…判らないけれど、てっきり聖杯戦争は自分以外全部片っ端から倒す、みたいなマスターばかりの印象持ってたけど……。】 良く判らないけれど、貴方がただ野蛮なだけのサーヴァントではない、という事は判ったわ。 紳士的に接してくれて、有難う。 [先ほどは不安に状況を分析する余裕など無かったが、今思い返せば、先ほどは話半ばにアーチャーが跳躍していた様子だったのかもしれない。恐らくこれ以上目の前のサーヴァントは話を進めてはこないだろう。 相判断し、麗香は軽く頷いた。] 機が満ちた時にまた、お会いしましょう。 | |
(319)2006/03/23 02:28:23 |
双子 リック あはは!いやいやごめん、俺何も知らないよ。 セイバーじゃないと思ったのは、勘みたいなもんさ。 でもまぁ、あんたの物言いで分かっちゃったじゃん。 あんたは、やっぱりアサシンってのが妥当じゃない? セイバーあたりの情報は結構握ってるだろ? ランサー、バーサーカー、キャスターには会ってないのかな? まぁ、俺が知ってる役柄のほかを俺が忘れてるなら話は別だけど。俺ルールとかよく覚えてないし。 ま。アサシンがまだ生きてるなら、背中には気をつけるよ。 …あのさぁ。取引しようよ。 俺、今ここで戦いたくないわけさ。 だから、止めようぜ。 不戦協定。どうよ。 なんなら、俺についての情報とか、俺の知ってる情報を提供してもいい。アサシンってのはアレだろ、情報が命だろ。別に悪い取引じゃなくね? | |
(348)2006/03/23 04:08:21 |
書生 ハーヴェイ [ぎりぎりぎり。奥歯が音を立てる。 ある意味馬鹿にされているのかと感じもしたが、すぐに脱力感へと変わる。これが作戦だとしたらあまりにも高度かあまりにも稚拙だ] ・・・・・・ 分かった、降参だ。 不戦協定といこうじゃないか、ランサー。 但し、今だけだ。 これ以降の長期不戦協定については今は言及しない。 今日はどうも厄日らしい。調子を狂わされてばかりだ。 全く、君らはもう少し緊張感というものを持ったほうがいい。本来ならばここから長時間の説教が始まるところだ。 情報交換か。それはまたの機会にさせてもらおう。 こちらも色々ありすぎて、今は整理がつかん。 [剣を完全に収め] 君のマスターはいないのか? まあ、いい。病院にどんな用があったのか知らないが、あまり単独行動をさせるものではないぞ。 | |
(349)2006/03/23 04:19:26 |
学生 メイ [酷い倦怠感の中、芽生は無理矢理布団から身体を起こした。 昨日はセイバーに大丈夫と言ったけれど、かなりの魔力を持っていかれたようで、一晩寝てもまだ身体のどこかに穴が空いているような、そんな感覚に襲われる。] 【それに…夢。】 [思い出すだけで自然と重くなっていく心。] 【セイバーに話せば…もしかしたら少しは楽になれるのかな】 『俺はアンタを拒絶せずに傍に居るって誓う』 [セイバーは、はっきりとそう言ってくれた。 それでもセイバーに落胆されるかもしれないと思うとやっぱり言えなくて、己の目的も伝えないままに今日まで来てしまった。 だが、目的を伝えるというのは、即ち自分の秘密を明かすということ。] 【…そういえば、私もどうしてセイバーが聖杯を望むのか、聞いていなかったわ…】 [尋ねてみようと思ったことはあった。だがそれを尋ねると自分も尋ねられると思ったし、相手に聞いておいて自分は答えないというのも酷い話だと思うと、聞けなかったのだ。] | |
(356)2006/03/23 13:19:27 |
学生 メイ [のそのそと布団から這い出ると、芽生は体力回復の真言を唱えた。完全回復とまではいかなくても、これをしておくだけで随分と身体が楽になる。 ただ、真言で回復できるのは体力のみ。魔力というのはどちらかといえば生命力だと聞いた。こればかりは真言でそう安々と回復できはしない。今日は昼間のマスター探しはやめて、夜までゆっくりと休むべきだろう。] 【とりあえず、こういう時だからこそ、休息と食事は大事よね…】 [昨日の戦闘でセイバーも大分消耗しているだろうし、先に起きてご飯でも作っておこう、と、芽生は身支度を整えると部屋を出て、セイバーの部屋を覗いた。 案の定セイバーはまだ眠っていて、昨日のことを考えるとさすがに今日はこのまま目覚めるまで放っておくべきだろうと思うと、芽生は音を立てないようにセイバーの部屋の扉を閉め、台所へと向かった。] | |
(357)2006/03/23 13:39:48 |
学生 ラッセル [夢と言うのは常にその者の望む物を見せてくれるとは限らない。 時に、その者が最も見たくない過去を残酷に、そして鮮明に悪夢として再現する。 そして今、セイバーが見ているものは紛れも無く、悪夢に分類されるものだった。 血に染まった背中、泣いている女の顔。 その悪夢から逃げ出すかのように、セイバーは目を覚ました。] 【ちっ……またあの夢かよ。】 [今見たものを振り払うかのように顔を掌で覆い、軽く顔を振る。 それで少しは気が晴れたのか、深く息を吐くと立ち上がった。] ふぅ……魔力は大方回復したか。 メイは大丈夫かな、少し無理させちまったからなぁ…… [昨日の戦闘を思い出し、部屋から出て台所を見る。 そこには、なにやら食事の支度をしているマスターの姿があった。] よお、おはよう。 | |
(359)2006/03/23 15:00:27 |
学生 メイ [セイバーの様子に、芽生は躊躇いがちに首を縦に振った。] 私は魔力の流れっていうのは良く解らないけど、なんだか身体の中に何かが足りないような感じ。 これってようは魔力が回復してないってことよね? 体力自体は真言である程度回復させておいたんだけど…。 ごめんね、私が魔術師ならこういう時どうすればいいのか少しはわかりそうなものなのに。 魔術師だったおばあちゃんもお母さんももういないから…どうすればいいのかよく解らなくて。 [自分がちゃんとした魔術師なら、もっとセイバーをしっかりサポート出来るのかもしれないのに。 そんなことを思い、芽生は僅かに唇を噛んだ。] | |
(362)2006/03/23 15:21:36 |
学生 ラッセル [マスターの言葉を聞き、セイバーは満足そうに笑った。] 礼なんかいらねぇよ。 ま、その覚悟がありゃ十分だ。 ……そういや、聞いてなかったな。 メイは何で聖杯を手に入れたいんだ? そこまでの覚悟をするからには、よっぽどの理由があるんだろ? [今まで口にしなかった疑問を口にする。 無論、それがメイの根底にある物につながっている事を承知の上だ。 だが、どうしても放って置けなかった。 いや、最初はある程度は放っておこうと思った、だが、共に過ごす時間が増えて行くほどに、どうしてもその背負っているものを知りたくなった―― ――そして出来るならば、少しでもいいから、その背負っているものを軽くしてやりたかった。] | |
(365)2006/03/23 15:50:31 |
学生 ラッセル [自分が言葉を発した後、暫くその場は静寂に包まれた。 その後、その話題を断ち切るようにマスターが言った言葉により、セイバーも食卓へと座る。] 【やっぱ、まだ言ってくれねぇか。】 [十分予想していた反応。 しかし、心の中では溜息をついていた。 もしかしたら打ち明けてくれるかもしれないという期待感も合ったからだ。 自分の中で諦めた時、再びマスターから言葉が発せられた。] ……。 [この事も十分に予想していた。 "…私とアンタが同じ時代に生まれてたらさ、私は英雄のアンタに狩られるものだったの。" 以前聞いた言葉が頭の中で思い出される。 つまりはそういう事なのだろう。 今ではほとんど見かけることは無いが、幻想種というものは過去に大量に存在した。 無論、このセイバーもまた、幻想種最強の種族、竜種を倒した事で有名なサーヴァントでもある。] ……ま、そりゃ少しは驚くけどな。 言ってみればそれだけだ。 言ったろ、俺は何があってもお前を拒絶しねぇってよ? | |
(368)2006/03/23 16:12:12 |
学生 メイ [珈琲のカップに視線を落としたまま、セイバーの言葉を待っていた芽生は、彼の口から出てきた言葉に弾かれたように顔を上げた。] …気付いていたの?もしかして。 そう…なら話は早いのかな。 私のおばあちゃんは…魔術師であり、教会の代行者であり、そして…”異端”だったの。 もっと解りやすい言葉で言うなら、人狼と呼ばれていた生き物。 人の血肉を喰らって生きるものよ。 おばあちゃんは教会に守られて人を喰らいながら、同じ異端を殺すものだったって聞いた。 けれどおばあちゃんはおじいちゃんと出会って、教会を抜けて人として生きる道を選んだの。 そうして人間と人狼の間に生まれたのが、私のお母さん。 私はハーフであるお母さんと、人間のお父さんとの間に生まれたクォーターってことね。 [芽生はそこまで一気に告げると、一度言葉を切り。 そして緊張のせいか渇いた喉を潤すべく、また珈琲を口に含んだ。] | |
(369)2006/03/23 16:19:43 |
学生 メイ [いつもと変わらないセイバーの言葉に、芽生は呆気に取られた。 拒まれるかもしれないとずっと思っていたのに、あっさりと”何の問題もない”と言ったセイバーに、何だか馬鹿馬鹿しいものすら覚え、思わずくすりと笑い声を漏らす。] …問題はあるわよ。 アンタの言う通り、私は人なんて殺したくないのに、けど本能が人を殺したくて仕方がないんだもの。 こんな矛盾を抱えて生きていきたくないわ。 それに、教会が私を狙っているの。 おばあちゃんのように…私を捕まえて、代行者にしようとしている。 異端と同じ力を持つ異端が代行者になれば、人間が狩るより明らかに効率的よ。 だからお母さんは私に刻印を渡さなかったの。 おばあちゃんとお母さんは教会に狙われ続けてたから。 私は刻印を受け継がなかったせいで教会の追っ手はお母さんのときよりは随分マシだけど、それでもまだしつこい何人かの人間が、私を代行者にしようとしてる。 同族を狩らせようとしてる。 …そんなものに、巻き込まれたくもないの。 | |
(373)2006/03/23 16:39:11 |
学生 ラッセル [マスターの言葉を静かに聞く。 そして途中、"人を殺したくない"という言葉を聞いた時、満足そうに笑った] それだけ聞けりゃ十分だ。 メイは人を殺したくねぇし、あの甘い考えも心からの願いなら、アンタは十分"人間"だ。 良いじゃねぇか、甘ったるい方が人間らしい。 生ぬるい感情を捨てちまったら……そいつは化け物と同じだ。 [でもな……お前がその考えを持ちつづける限り、お前自身が否定したとしても、お前は人間だ。 男はそう言って笑った。] ま、少し気合が入ったよ。 そんな厄介なモン、さっさと体の中からおいださねぇとな。 じゃねぇと、メイが……これから笑って暮らせねぇだろ? | |
(374)2006/03/23 16:51:57 |
学生 ラッセル ありゃ、この不死の体になって旅に出た後の話だ。 茨の結界の中に閉じ込められてたブリュンヒルドって女がいてな、イイ女だったよ。 必ず迎えに行くという約束もした。 ……その後だ、ある所で薬を盛られちまってな。 ブリュンヒルドの事をすっかり忘れちまったのさ。 んで、その国の王女と結婚しちまった。 更に、その王女に兄貴がブリュンヒルドの事が隙だったらしくてな。 あろう事か、その兄貴に化けて試練を乗り越え、ブリュンヒルドを迎えに行っちまったのさ。 そんな事をすりゃぁいつかばれる。 案の定、大喧嘩よ。 そして、ブリュンヒルドの怒りは、裏切っちまった俺に……ってわけだ。 死の直前、記憶が完全に戻った俺が目にしたものは……泣いているブリュンヒルドの顔だったよ。 [そこまで話すと、セイバーは溜息をついた] | |
(377)2006/03/23 17:18:12 |
学生 メイ [告げられた言葉に安堵のような嬉しさのような曖昧な感情が浮かび上がる。 芽生はもう一度、そんな自分を馬鹿みたいだと心の中で笑った。 今は不要だと決めたその想いを打ち消すかのように芽生は突如立ち上がる。 そして二杯目のコーヒーを注ぎながら言った。] 願いの価値を決めるのは自分自身だわ。 私の願いだって、他の人からしてみたら下らないものなのかもしれない。 けど私にとっては大切なことなの。 アンタの願いだって、そうでしょ? アンタにとってそれが大事なことなら、それでいいのよ。 誰かの願いがアンタに勝るだとか。 アンタの願いが誰かより劣るだとか。 そんなの、誰にも決められないわ。 [そうでしょ、と、微笑めば、セイバーの前に*新たなコーヒーを差し出した*] | |
(381)2006/03/23 17:46:02 |
文学少女 セシリア [「…ちゃん、お嬢ちゃん。」 聞いたこと無い声で呼びかけられ身体を揺すられる。] 【…ん、私お嬢ちゃんじゃないもん。。】 [「終点だよ」 その言葉を聞いて一瞬で目が覚めた。] え! ご、ごめんなさいっ! 【いつものように病院からバスに乗って…少し席が空いていたから座って…】 [「お嬢ちゃん、寝過ごしてしまったのかい?」 その問いかけに恥ずかしくも「はい…」と答えると、目の前の男性は笑いながら「そうかい、どうせ折り返し運転だ。こっそり乗せてってやるよ。」そう言った。] 【あぁ…穴があったら入りたいよ…】 [まことは「ありがとうございます」と答え、同じ席に*座り直した*] | |
(384)2006/03/23 20:47:30 |
お嬢様 ヘンリエッタ ――五十嵐まこと宅―― くぅ………。 [ バーサーカーは昨夜のことを思い出していた。 敵を発見するも、結局追いかけることなく帰ってきてしまったことだ。 勿論、それ自体を気にしてはいない。きっと主の帰ろうという判断は正解だったのだろう。理由は判らないが、バーサーカーはなんとなくそう思っていた。 だが…。] ううう…。 [ 一度、敵を逃し。そして昨夜も見逃した。まだ、ほとんど血を見てはいない。躯がうずく。戦わせろと、全身の細胞が叫んでいる。] ………。 [ 敵を、捜そう。 そう結論づけたバーサーカーは主の帰りを待つことなく、窓を開け外の世界へと飛び出していった。] | |
(385)2006/03/23 20:57:59 |
学生 メイ [とっぷりと日が暮れるまで、セイバーと二人で随分と色んな話をしていた。 二人とも一番大事なことは告げてしまったせいもあってかどれも他愛のない話ばかりだったけれど、そのことに芽生はとても満足していた。] 【…ほんと、そんな場合じゃないのにね】 [気持ちを認めてしまうのは簡単だ。目の前の彼に惹かれているということ。けれどそれを受け入れてしまった時点で、聖杯を手に入れて適えたい願いというものが根底から覆されてしまいそうで。だから、認めることはできても受け入れることは出来なかった。 やがて夕飯も済ませ、夜の帳が降りれば、芽生は自身の中に流れる魔力というものらしきそれを確認して、セイバーを見やった。] ねえ、今日はどうする?セイバー。 私はそろそろ回復してきたみたい。 アンタは出れそう? とりあえず敵を探しに行く? | |
(399)2006/03/23 22:21:54 |
雑貨屋 レベッカ ……それでお願いします。 [キャスターの返答を確認し、麗香は寂しそうにメニューを畳んでウエイターにそう告げた。] えっと。 何て言うか、不要ってどんなニュアンスなのかしら。無駄?有害?無意味? 強要するのは好きじゃないけど……。 [言葉に詰まって改めてキャスターの佇まいを見つめた。 やはり美しい。自分の想像を絶する美貌の君は、レストランに溢れ返る女性の突き刺さる視線を麗香に感じさせるには十分な程だった。 素っ気無いとも言える簡素な受け答えばかりのキャスターに対し、しかし優美で優しげな彼の目にどうしても怒ることすら出来ない。 何となく胸中にもやもやしたものを感じながら、テーブルに置かれた水を飲んだ。] | |
(402)2006/03/23 22:29:03 |