集会場は不信と不安がない交ぜになった奇妙な空気に満たされていた。
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自警団長 アーヴァイン
あー、諸君、聞いてくれ。もう噂になっているようだが、まずいことになった。 この間の旅人が殺された件、やはり人狼の仕業のようだ。 当日、現場に出入り出来たのは今ここにいる者で全部だ。 とにかく十分に注意してくれ。 |
 | 学生 メイ [芽生は飛び起きた。 全身に嫌な汗をびっしょりと掻いていて、酷く気持ちが悪い。 喉が渇きを訴えている。台所に飲み物を取りに行かなければ。 そう思いながらも、彼女は動けなかった。] 『おまえやおまえの母親を苦しませることになったのは、全て私の咎だ』 [不意に頭に響く、懐かしい声。これは祖母の。] 【違う、おばあちゃんのせいじゃない。おばあちゃんだって苦しんだじゃない】 [芽生は布団の上で膝の中に顔を埋め、荒ぐ息を整えるように何度も長い呼吸を繰り返した。] 【誰も恨んだりなんかしていない。おばあちゃんも。お母さんも。恨んでなんか、いない】 [けれど、本当はその事実こそが一番辛いのだと芽生は知っていた。 いっそ当り散らせるものがあれば楽になれたのかもしれないのに。 なのに本当に、恨むものなど何一つ無く。 強いて言うのならば、この呪われた血を世界に生み出した何か。 そんな曖昧で不確定なものしか、恨みようがなかった。] |
(2)2006/03/21 10:24:04 |
| 学生 メイ [やや暫くして、芽生は溜息をつきながら動きやすい服装に着替え、少しふらつきながらもセイバーの部屋を覗く。 まだ眠っているセイバーに、起きて、と声を掛けると、彼女は台所へと足を運んだ。 まずは水を一杯、一気に飲み干す。それだけで随分と気分が落ち着いた。] 【…こういう時は、出来るだけ普段からしていることをするといいんだわ。】 [冷蔵庫を覗いて、今朝の朝食兼昼食メニューを考える。] 【そういえばグレープフルーツがあったわね…なんだかさっぱりしたものが食べたいし、これでサラダでも作ろうかな】 [他にメインのおかずとごはんと、など色々考えて手早く支度を整えると、漸く起きてきたセイバーに気付き、芽生は遅いよーと彼に向かって笑った。 恐らく普通に笑えているだろう。 芽生は自分の分とセイバーの分の珈琲を淹れると、セイバーの向かいに腰を降ろし、いただきます、と手を合わせた。] |
(4)2006/03/21 10:41:09 |
| 学生 メイ −中央・樹那駅− [少し早めの昼食を済ませた芽生とセイバーは、既に樹那駅の前に移動していた。 駅近辺は、休日ということもあって、かなりの人で賑わっている。] さて、と、今日はここでマスターとサーヴァント探しよ。 どっちにしてもこんな時間からこんな場所で仕掛けられないもの、見つけたらまずは追跡ね。 [芽生はきょろきょろと辺りを見回すと、噴水の傍を取り囲むように置かれているベンチを見つけ、セイバーの腕を引っ張ると二人で並んでそこに腰掛けた。] ね、こうして並んで座ってれば、暇を持て余しているカップルみたいでしょ？ ただ何時間もぼーっと突っ立ってたら不審すぎるもの。 ここでそれとなく目光らせておこ。 [ちょっと待ってて、と、セイバーを座らせたまま、芽生は徐に立ち上がると近くの自動販売機で缶コーヒーを2本買い。 そしてセイバーに向かって、*そのうちの一本を投げた*] |
(5)2006/03/21 10:53:52 |
 | 学生 ラッセル −中央・樹那駅− [メイに連れられ、昨日の夜中に訪れた駅へと再び向かう。 昨日の静寂な駅とは違い、今日は人で溢れ返り、賑わっていた。] はー、こりゃすげぇな。 こんだけ人の流れがありゃ、マスターかサーヴァントが居てもそう不思議じゃねぇか。 [予想以上の人の量に、思わず感嘆の声を上げる。 そのまま、周りの人ごみを注意深く見ながら、サーヴァントの気配を探す……と、突然腕を引っ張られた。] お、おい。どうしたんだよ？メイ。 [そのまま、流れに身を任せ引っ張られると、噴水の傍のベンチにまで連れて行かれ、そこに座らされた。 そして、自分の横にメイが腰掛ける。] なるほどな、まぁ確かにただぼーっと突っ立ってるよりはいくらかマシだが…… カップルねぇ、ま、身に余る光栄と言っておくとするかね。 [メイから投げられたコーヒーを受け取ると、*愉快そうに笑った*] |
(10)2006/03/21 12:18:34 |
 | 文学少女 セシリア ん･･･ [酷い倦怠感を覚えながらも身体を起こした] 【ん、大丈夫そう･･･かな。】 [時計を見ると昼を過ぎている。] 【酷いことになっちゃったなぁ･･･まさか出会うなんて･･･ それに私が呼んじゃったから･･･】 [そこまで思いだしふと横を見ると布団でぐっすり寝ているバーサーカーがいた] 【大丈夫･･･みたいだったけど･･･ でも昨日の相手、槍を持っていたということは･･･ランサーだよね。】 [昨日の戦いを頭で整理しながら着替えていく。] バーサーカーのご飯の準備しておかなきゃ。 そしてお父さんのところに行かなきゃ･･･ [そういってキッチンのある１階へ*移動した*] |
(15)2006/03/21 15:25:11 |
 | 雑貨屋 レベッカ −南ブロック 商店街− [陽が大分傾いた商店街。ふと、あるブティックの前で麗香は立ち止まった。 豪奢なブルーのドレスシャツに目が釘付けになるが、一瞬の後ゆるく首を振って苦笑を零す。] あの外見でこんな……。 似合うんでしょうけれど、似合い過ぎて目立ち過ぎ……ぷっ。 [父親が置き忘れていたジャージを見つけてキャスターに渡した時の事を思い出し、麗香は思わず頬が緩むのを隠すように右手で口元を押さえた。 似合わない、と簡単に言い捨てるには余りにもあれは可笑しかった。 美しい衣服で飾り立てたい欲求を何とか押さえ込み、華やかなブティックを後にして暫く歩くと、麗香はとあるメンズのショップに入り白い綿シャツにしなやかな素材の生成りのスラックスを購入した。 もちろん、キャスターである彼の為の買い物だ。 帰り道で食材を適当に買い込むと、自宅のあるマンションに*戻った。*] |
(16)2006/03/21 16:24:31 |
| 学生 メイ 【身に余る光栄とか言いたいのはこっちのほうよ、馬鹿】 [芽生は、先程セイバーが冗談混じりに口にしていた言葉をぼんやりと反芻しながら、頬杖を付き、行き交う人々を眺めていた。] 【違うわ。馬鹿なのは、私。 聖杯戦争は、長くても二週間くらいで終わるっていうのに。 …何を、考えているの。】 [思考を占拠する感情は、不要なものだ。自分には、果たさなければならない願いがある。まず優先すべきことは、聖杯を手にすること。 だからそれを振り払うように、芽生はいきなりすっくと立ち上がった。] 休日だっていうのが返って失敗だったかしら。 何処か行くよりも、この戦争を勝ち抜くための準備にでも追われているのかもね？ どうする、セイバー。 もう少しここで見張ってる？ それとも移動してみる？ [このままここでじっとしていると、考えなくてもいいことを考え続けてしまいそうで、嫌だった。 セイバーには問う形にしてみたものの、ここに留まるつもりは、*既に無かった*] |
(18)2006/03/21 17:10:47 |
| 雑貨屋 レベッカ [顔を上げるキャスターの、それまで視線の先だった手元に自然に手がいった。] あら。何だか見覚えのあるような……これは、地図かしら。 [そう呟き、服を見せた瞬間キャスターの口をついて出た言葉に一瞬目を丸くし、再び昨夜のジャージ姿を思い出して声を立てて楽しげに笑う。」 ちょっ……やだ、あの。 ごっ、ごめ、ごめんなさい笑っちゃって……。 くく、お、お詫びと言うか。きっと、こっちの方が普通に似合うと思うのよ。 [肩を震わせながらも何とか笑い収めると、シャツとスラックスを差し出す。] ねえ、着て見せてくれないかしら。 この街ではその衣装、とても似合うけれど出歩きにくいと思うのよ。 |
(29)2006/03/21 21:39:09 |
| 雑貨屋 レベッカ 地図……か。 私の車の中に街の地図があるわ。貴方が必要なのなら早く渡せば良かった。 えっと、何か他に必要な物とかはあるのかしら？ 私、聖杯戦争の事は本当に聞きかじりしか知らないの。貴方が何を必要としていて私はどう動くべきなのかさっぱり判らない。 [目の前のキャスターを見つめ、申し訳なさそうに肩を竦める。 続く彼の言葉に、見る見る不安そうに小声になる。] ねえ。 サーヴァントは普通にこの世界で飲み食いとか出来るの？街を案内するのは構わないけれどその前に、食事はしなくて大丈夫かしら？ あと、歩く？車で回る？車なら街の外れまで直ぐに見て回れるけど、しっかり確認をするのには不向きかもしれないわね。 ……ところで監視者て何かしら。 |
(33)2006/03/21 21:59:31 |
| 雑貨屋 レベッカ へえ、そんな存在が居るのね。 その、監視者という人に会えば私がどうすればいいのかが判るじゃない！ ちょっ、ぼやぼやしている場合じゃないわ。その、監視者とやらに会わなくちゃ。 [キャスターの言葉を聞き終えると、麗香はすっくと立ち上がり、祖父から譲り受けた書物を開く。] 安心して。私はつい先日陰陽道のアンチョコを手に入れたんだから！貴方の役に立てるかもしれないわよ。教会にも行きたいし一緒に外に出たいわ。見てて！ [書物のあるページに目を留めると、説明通りに両手で印を組む。] 森羅万象の理に基づき陰陽師安倍麗香ここに契約を命ず、出でよ我が使い鳩！ [しかし、何事も起こらなかった。] ……あれ。 |
(41)2006/03/21 22:30:07 |
| 学生 メイ アンタがそういうサーヴァントじゃなくて良かったって、心底そう思うわ。 買い食いは女の子の楽しみの一つだもの。 [嬉しそうに芽生はからりと笑ったが、その後に続いた言葉に、もうっ、と怒ったようにそっぽを向く。] 手料理が食べたい、なんて言葉は、そう気安く女の子に言うもんじゃないのよ！ そんなこと誰にでも言ってたらアンタそのうち刺されて死ぬんだから。 [言ってから、そういえばもう死んでるんだったわね、と、芽生は肩を竦めた。 こうしていると、セイバーが霊体だなんてとても思えなくて、本当に失念していたのだ。 生きている人間とどこも変わらないように見えるのに、彼は既にそういうものではないことに、芽生はセイバーから見えないように、はぁ、と小さく溜息を吐く。 そして、行くわよ、と短く声を掛ければ、商店街に向かって歩き出した。] |
(49)2006/03/21 22:55:12 |
| 学生 メイ −中央・商店街− [駅のすぐ近くの商店街は、まだまだ人で溢れていた。 さすがにサーヴァントは居ないかもしれないが、マスターが買い物に来ていることは充分有り得る。 ここらへんでまともな買い物ができるのは、コンビニを除けばここしかないからだ。 芽生は自然と令呪が宿る左腕に、右手を押し当てた。 どこか緊張しているのか、その掌は少し汗ばんでいて、それを紛らわすかのように芽生はセイバーを振り返ると楽しげに笑った。] 素直な気持ちをそのまま口にするのがいいことだとは限らないのよ。 それは昔も今も同じだと思うけど。 …けど、ありがと、セイバー。 さっきのがセイバーの素直な気持ちだって言うんなら、私も素直に嬉しいって言っておく。 |
(58)2006/03/21 23:18:42 |
 | 書生 ハーヴェイ そうだな・・・・・・ 本来なら、少しは魔力を強化してくれと言いたい所だが、君が一人前になるのを待っている事は出来ない。 君のご両親が残した遺産でもあれば話は別だが。 例えば、魔石。 既に誰かが魔力を込めていてくれたなら、いわば”手榴弾”のような効果がある。 それ以外だと、君の魔術回路を無理やり活性化させるという方法も無くはないが・・・・・・ 当然先程言ったとおりの”おとり”など頼むわけにはいかないからな。ここは一度他のサーヴァントと”休戦協定”でも結んでみるのも手かもしれないな。 君の知り合いで、魔術師の友人とか・・・・・・ 知るわけ、ないな。 ならば、敵の査察も兼ねて少しこの町を探索してみるか。幸いこちらは気配を消せるサーヴァントと魔力が低いマスターだからな、危なくなったら逃げられるだろう。 |
(64)2006/03/21 23:38:50 |
| 学生 ラッセル 色々ねぇ……ま、メイがそう言うんだったら残念だが控えることにするか。 [セイバーは笑いながら、メイの言葉を了承した。] そうそう、一人で背負えるなんて思うなよ？ 身近に暇そうな奴が居たら、半分背負わせるぐらいの気持ちでいいんだよ。 都合よく、ココに背負える奴も居ることだしな？ [セイバーは自分を親指で指して、ニッと笑った。] だから、辛くなったら遠慮なく言ってくれ。 確かに、全部を代わりに背負うことなんて出来ないかも知れねぇ。 でもな、アンタが背負ってる荷物を少しは軽く出来るつもりではいるぜ？ 少なくとも聖杯戦争中、俺はアンタを拒絶せずに傍に居るって誓うからよ。 |
(74)2006/03/22 00:02:43 |
| 学生 メイ 【…やっぱり解ってないなぁ、この正直者は】 [セイバーの言葉に、芽生は苦笑気味に口角を歪めた。] 【傍に居ることを誓うとか言わないでよ、もう…。私がこれでうっかり泣きでもしたら、アンタどうするつもりなのよ…】 [一瞬のうちに頭の中を色んなことが駆け巡る。 もしかしたらセイバーは自分のことを話しても本当に拒絶しないかもしれない。 ならいっそ打ち明けてしまおうかとも思う。 けれど、セイバーを見上げて口を開きかけるも、結局芽生はそのまままた口を噤んでしまった。 かろうじて言葉に出来たのは、有難う、という一言だけで。 そしてこのままこうしていると本当に泣きだしそうだと思い、芽生は気持ちを切り替えるように手近な店で肉まんを二つ買うと、一つをセイバーに渡した。] 今のは本当に嬉しかったから、私の奢り。 ここの肉まんは美味しいのよー。 [えへへ、と笑いながら、芽生はぱくりとそれに齧り付いた。] |
(85)2006/03/22 00:13:45 |
| 学生 メイ [こういう時、決して深くに踏み込もうとはしないセイバーの気遣いに、既に芽生は気付いていた。 話してしまえばもしかしたら楽になるのかもしれないけど、セイバーの言葉を素直に信じるには、まだ重ねてきた時間が少なすぎた。] 【…ごめんね。有難う、セイバー…】 [心の中で告げた謝罪の言葉と、感謝の言葉。それは直接セイバーには伝わらない。 だからこそ、芽生は笑う。セイバーに向かって。 せめてそうすることで、声に出来ない言葉を伝えようとするかのように。] いっそこの肉まんを餌にして、おびきよせられないかしら。 マスターでもサーヴァントでもどっちでもいいわ。 [どこまで本気ともつかない様子で、芽生はじっと手元の肉まんを見詰めた。] 皆一体どこにいるのよ…このままじゃ緊張しまくっている私が馬鹿みたいなんだわ…。 |
(95)2006/03/22 00:43:46 |
| 雑貨屋 レベッカ 【……聖杯を手にする為に戦う理由は、望みを叶える手段に過ぎないの…か。】 [監視者の言葉は麗香にはそう解釈出来た。過去の聖杯戦争についても監視者は丁寧に教えてくれた。 血で血を洗う戦い……戦いと言うには血生臭い争いの歴史がまた、繰り返されようとしていると言う。] 【お爺ちゃん……ご先祖から受け継いだ陰陽道を利用してまで、私が叶えたい願いなんて……何も無いよ。】 [心の奥がキュッと痛む。 私は彼を召喚した。召喚された以上彼は聖杯戦争で勝ち残る為の意味を持って現れた事になるのではないだろうか。 そして、彼を召喚した以上私は聖杯に選ばれたマスター……。 物事には森羅万象全てに必ず理が存在する。それが陰陽道の基本的な考えであるならば。] 【――私は、知りたい。】 [切なる願いが胸中に湧き上がる。車の向こうから現れたキャスター。彼とこうして出逢った意味を。私に課せられた使命を。 キャスターに呼びかけようとして、麗香はふと戸惑うように口ごもった。] |
(98)2006/03/22 00:51:15 |
 | 見習い看護婦 ニーナ ［束紗は手帳をしまうと、棚の片づけを始めた。今は使わない、にしてもそのうち使うことがあるかもしれない。ならば、何がどこにあるのかをわかっていたほうがいい、そう思ったからだった。 魔力がこもった道具に触れると、腕の刻印が反応する。 束紗に移された刻印の量は本来ならばもっと多いはずだった。だが、それに耐えるだけの魔力がないと判断したのか、束紗の父親は半分の量しか移さなかった。 束紗は特に問題視せずそれを受け入れたが、今はそれを少し後悔している。］ 私に、もう少し力があればよかったのに。 そうすれば、もっと有効な手助けができるんだけどな。 ［棚のガラス戸を締めた所で、ため息をつくようにつぶやいた。］ |
(110)2006/03/22 01:09:40 |
| 学生 メイ じゃあやっぱり先に感付かれて避けられているのか、それとも他の参加者が皆慎重すぎるのかの、どっちかかしらね。 先に気付かれているんだとしたら、ちょっと厄介ね…。 [言いながらも、肉まんを齧ることだけは忘れていなく。 やがて食べ終わってしまった肉まんにどこか名残惜し気にしつつも、今もう一つ食べたらアンタが肉まんの材料になりかねないのよ…！と自分自身に言い聞かせ、芽生は肉まんへの未練を断ち切ると、うーん、と大きく伸びをした。] そうね、確かに健全な女子高生にはこの時間まで毎日歩き回るっていうのはなかなか厳しいかも。 じゃ、今日は諦めて帰ろうか、セイバー。 [一日てんで収穫なしかー、と、溜息を吐きながら、芽生はセイバーと共に*帰路に着いた*] |
(111)2006/03/22 01:11:59 |
| 雑貨屋 レベッカ 式神……？ そうね、今度は呼べるかしら。 [後部座席に置いておいた祖父の書物を膝に乗せ、再び式神召喚の頁を探す。 野生の勘が適切な頁を探してくれたような心持がし、偶然開いた頁に従った方途を取る。緊張で乾いた口をペットボトルの水で潤すと、短冊を取り出し筆ペンでその短冊を真っ黒に塗りつぶし、息を吸い込んだ。] 森羅万象の理に基づき陰陽師安倍麗香ここに契約を命ず、出でよ我が漆黒の使い鴉！ [言い終えるや黒く塗り潰された符呪が麗香の手の上で異形の変化を成す。 ……成功した式神に高鳴る鼓動を沈め、車の窓を開けた。 式神-鴉はしかし車内に留まり麗香の命令を待っているようだった。] ええと。 [麗香は確認するかのように、キャスターを見つめた。] |
(126)2006/03/22 02:03:14 |
| 書生 ハーヴェイ [その言葉に一瞬眉が動く。 だが、それと同時に何かが告げる。 そう、それは気配や魔力ではない。純粋な− ”武士としての気配の察知”] ・・・・・・ このままここでお互い手の内を見せ合うのは得策ではないと思うが、どうだ？ [構えを緩める] その実力、全てではないが見せてもらった。 どうだろう、一時休戦としないか？ もし良ければ、明日改めて話をしないか？ −うちのマスターが、君達と話をしたいのだそうだ。 [後ろを見れば、少し疲れている表情を見せながらも大祐がこちらを見ている] 一応こちらの意思として、正式に僕が”アサシン”であると宣言しよう。少しは信用してもらえるか？ |
(135)2006/03/22 02:44:15 |
| 雑貨屋 レベッカ −北ブロック オフィス街− [給湯室で珈琲を淹れながら、麗香は昨夜式神によって得た情報を頭の中で整理していた。 男のサーヴァントが２人。一人は剣、一人は弓を手にしていた。その背後には男女のマスターが夫々控えていた。男性の方は体内に魔力が篭っており女性の方は魔力操作を熟知している様子が判った。 剣のサーヴァントには追跡途中で式神を符呪に戻された。] ふむ……。接触方法はこちらで選べという事かしら。 [軽く唸り、それでも女性マスターの拠点追跡に成功していた事に安堵の吐息を漏らした。] 【やっと、私もいっちょ前のマスターとして少しは役立ったようだわ。】 |
(143)2006/03/22 10:15:47 |
| 学生 ラッセル −西ブロック・霊光院− [初日と違い、昨日今日と全く魔力を消費していない。 そして、最初の召喚及び戦闘時に消費されていた魔力も完全に回復した。 故に今は睡眠を特に必要としない。いや、それよりも気になるのはこの２日間、まったくサーヴァントを発見できなかったと言うことだ。 聖杯が出現する期間は決まっている、その期間は約２週間。 既に７分の1の時が過ぎ去ってしまったのだ。 それなのに、未だに出会ったサーヴァントは一人のみ。] 【ったく、ちんたらやってんじゃねぇよ……】 [故に、セイバーは今日は睡眠をとらずに一晩中、サーヴァントの気配が近くにないか探っていたが…… 収穫はゼロだった。] 【本当なら一人で外に探しにでも行きてぇ所だが…… メイから離れるわけにはいかねぇしな。 もしアイツがアサシンだとしたら、今もどこかで俺が姪から離れるのを待っている可能性だってある。それに……】 [そこまで考え、セイバーは溜息をついた] 【どうも、放って置けねぇんだよなぁ。アイツ。】 |
(144)2006/03/22 13:42:48 |
 | お嬢様 ヘンリエッタ んぁぁ…。 [ 大きく欠伸。バーサーカーは我が身を持て余すばかりだった。 一度だけ、少しだけ暴れはしたものの勿論全然足りてなどいない。] むぅ。 [ 小さく唸る。敵は今、何処で何をしているのだろうか。] かーぅ。 [ 早く、早く闘いたい。打ち倒し、薙ぎ払い、腕をもぎ取り目をくり貫き、腹腸を引き摺り出して辺りを真っ赤に染めてしまおう。きっと主も喜んでくれる。 ﾆﾀｧ、と笑う。その眼は歪な三白眼。倒そう。主と自分の敵、全てを倒して倒して倒してそして。] せつ、は くらう。 [ それだけの言葉を搾り出すと、くつくつと笑い出す。主、早く帰ってこい。そして倒しに行こう。主と、自分の、勝利の為に。 これから起こるであろう死闘に決意と歪んだ期待を馳せて、バーサーカーは部屋の中でくつくつと*笑い続けた。*] |
(165)2006/03/22 19:07:20 |
 | 吟遊詩人 コーネリアス そうだな。 そのサーヴァントは、アーチャーらしき者にも交渉を呼びかけ、指定された場所を受け入れた。 これをどう取るか。 どちらかが罠を仕掛けようとしている場合。 これを想定しないのは愚かだ。 アーチャーは交渉に応じるつもりなどなく、有利な場所に誘き出して攻撃を仕掛ける機会を狙っただけかもしれぬ。 吾らは、その可能性を抑止するか、あわよくばアーチャーと噛み合わせるために招かれたのかもしれぬのだぞ。 罠だとせよ、いやそうでなくても、こちらから仕掛ける手もある。 例えば、他の参加者に時刻と場所を教えてやるなり、誘導するなりして、その二組と戦わせる。 尤もこの手は、今まだ他の参加者を知らぬのだから、現実には難しい。 [昨夜教会の近くで感じた気配の事は、口に出さなかった。] |
(181)2006/03/22 22:19:36 |
| 学生 ラッセル [視界に、一組の男女を捕らえる。 直感……いや、サーヴァントの共鳴というものだろうか？ それが明確に伝えている。"彼らのどちらかがサーヴァントだ"と。 足を緩め、メイと共に２人の元へとゆっくりと近づく。] よう、アンタは何のサーヴァントだ？ [静かな声で、答えが返ってくる筈のない問いを口にする。 周りには疎らながら人影、ココで戦いを始めた場合、見た可能性のある者は全て始末せねばならない。 それが聖杯戦争の掟。 それを自分のマスターが決して望まないということはセイバーは理解していた。 故にまだ剣は出さなかった。無論、自分がセイバーだという事を出来る限り隠すという目的もあったのだが。] |
(189)2006/03/22 22:31:09 |
 | 双子 リック […彼らは、他人の力を以てしかこの世に存る事すらできない、とても弱い存在だった。 例え、それが彼らを呼び出した人の…マスターの、望んだ事でも。命を削るなんて、馬鹿馬鹿しすぎる。 そう思う。 人から物を奪ったり、人から物を盗んだり。 あるいは、人を騙して、上前をはねたり。そんな生活をしていた。 でも、だからこそ、平和が好きだったし、平穏無事でなければ心の余裕も懐の余裕もなくなってしまう。 だから、争い事のある場所では皆がギスギスしていて…そんなところでは、ちょっとしたいたずらだって酷く罰した。 自分は、そんなところではそこそこにして、さっさと次の場所へ向かったけれど。 そんなのは、やりにくかった。生きにくかった。 楽しくなりにくかったし、優しくなりにくかったし。 幸福にも、なりにくかった。] |
(199)2006/03/22 22:46:07 |
