学生 メイ −西ブロック 霊光院− [意識を失った後、芽生はひたすら眠り続けていた。] 【…セイバー…】 [夢の中で、彼女はごめんなさいとただひたすらに謝罪の言葉ばかりを口にし続けていた。] 【私じゃ、宝具を使えないの?私がもっと力のある魔術師なら、アーチャーを倒せていたの?ごめんね、セイバー…ごめんなさい…】 [気を失ってから、もう十数時間。 やがて彼女は何かに導かれるように、ゆっくりとその瞼を持ち上げた。 視界に映るのは、ここ数日の間に大分見慣れた天井。 何があったんだっけ、と、夢と現実の区別もついていないような様子で、彼女はただぼんやりとその天井を見詰めていた。] | |
(4)2006/03/24 13:26:36 |
文学少女 セシリア − 西ブロック 住宅街 自宅 − トントントントン・・・ [台所から小刻みに包丁の音が鳴る。] ん、こんなところかな。 【今日は講義がなくてよかった・・・ とてもじゃないけど受けられなかったもん。】 [つい1時間前に目が覚め、今は昼ご飯と晩ご飯の下ごしらえをしている。 まことは昨夜の事を思い出す・・・] あの人、大丈夫だったのかなぁ。 [突然現れ、そしていきなり倒れた彼。 当事者以外にこの戦争を見られてはいけないとバーサーカーを呼び出したときの書物に書いてあった。] 【多分昨日バーサーカーと戦っていた相手のマスター・・・だよね。 そしてランサー(だと思う・・・)がその相手に「アサシン」って言ってた・・・ で、あの人・・・どこかで・・・】 [開放してくれた女性。そう遠くない昔に会ったことがある。 しかしその先が思い出せないでいた。] | |
(15)2006/03/24 14:47:01 |
学生 メイ [耳に届くその声に、芽生は小さく頷く。] …うん。解った。 [ごし、と、目を擦って涙を拭うと、芽生は顔を上げセイバーに向かって首を傾げ、僅かに眉尻を下げて笑んだ。 それはまるで、見せてしまった醜態をどう取り繕おうかと考えているようにも見えた。] こんな風に泣いてるのは、私らしくないもんね。 アンタがこのままじゃ満足に宝具を使えないんなら、使える方法を探すだけだわ。 魔力の補充の手段よね。 おばあちゃんの本を探せば何かあるんだろうけど、ほとんどは家に置いてきちゃったの。 持ってきた何冊かの本の中に、何かヒントがあればいいんだけど。 [そしてふと自分の今の状況に気付くと、慌てたように真っ赤になって、芽生はセイバーの身体を軽く押し返した。] ご、ごめんね、その、私ちょっとどうかしてたんだわ…! | |
(19)2006/03/24 14:58:26 |
学生 ラッセル [顔を上げたマスターに微笑み返す。 その後、何やら解決策を探し始めたマスターだが…… 突如、自分が今どういう状況か理解し、離れようとし始めた。 その微弱な力に逆らわず、抱き締めていた手と体をマスターから離す。] やっと調子が戻ったみたいだな? ま、これも役得って奴だ。 [セイバーは満足げに笑うと、部屋の外へと足を向けた。] それじゃ、俺は台所か自分の部屋にでも居るからよ、何かあったら呼んでくれ。 いつまでも自分の部屋に居られ茶名も困るだろうからな。 ……それと、今日は少なくとも夜までは外出は禁止だ。 夜のメイの様子次第じゃ、夜のサーヴァント探しも休むからそのつもりでいろよ? | |
(20)2006/03/24 15:11:21 |
学生 メイ [セイバーから渡された手紙を、首を捻りながら受け取った。 監視官。そういえばそんな存在がいることは知識として知っていたが、正規の魔術師でもない自分はそれが誰なのかも良く解っていなかった。] …私は監視官とやらが誰なのかもしらないのに、こっちのことは向こうに知れているっていうの? その人がマスターならば全員に奇襲をかけられるってことね、ある意味で一番最強だわ…。 [そんなことを呟きながら、芽生は渡された手紙を開く。 そしてその文面に、もう一度首を捻った。] …アンリ・マユ? アンリ・マユって…確かゾロアスター教だったかの”絶対悪”…。 …受肉を欲する?注意すべし? 何これ。よく意味わかんない。 アンタは解る?セイバー。 [手紙をセイバーに渡すと、芽生はまだ思うように動かない体を休ませるべく、とすんと床に座り込んだ。] | |
(26)2006/03/24 15:41:06 |
学生 ラッセル ま、もしソイツがサーヴァントを持ってりゃ最強だな。 [霊体である聖杯に触れられるのは同じ霊体であるサーヴァントだけ。 故に、もしその監視官が全てのマスターを殺し聖杯を手にしようとしても、サーヴァントが居なければ無意味なのである。] アンリ・マユ……ねぇ。 たしか"この世の悪全て"を司るってご大層な神様の名前だったな。 受肉ってのはあれだ、サーヴァントが正式に肉体を手に入れることだ。 聖杯の力を使えばそれが可能なんだよ。 例えば、俺が勝ち残ってそれを望んだ場合、この世界で人間として第二の人生を歩めるって事だ。 ま、この文面の通りに受け取るとすりゃぁ…… その"アンリマユ"に毒されてる英雄、もしくはその英雄に化けている"アンリマユ自身"が、人間をぶっ殺すのを目的で受肉をしようと聖杯戦争に紛れ込んでる……って事かねぇ? | |
(28)2006/03/24 15:51:35 |
雑貨屋 レベッカ [オフィス街の中にある書店への道のりを歩く。ふと……こちらへとまっしぐらに飛んでくる鳩に気付いた。微弱だが魔力を宿したそれは普通の鳥ではない。] へっ?!?!奇襲?ちょっ、ちょまっ! 【どっ、どーしよ、何っ?!?!?私以外にも式神呼べちゃう陰陽師とか居ちゃう訳? それとも、魔術師って奴も使い魔とか普通に呼べるわけ?うっそーんそんなの聞いてないしぃ。 私ここで、あっさり死んじゃうのーーーっ?!】 [大慌てで鞄から書物を引っ張り出し頁を捲る。] 【たっ、確か"呪詛返し"の術があったような……。 ないっ、どこ? ちょ……!】 [冷や汗をかきながら背中を丸め、慌てて書物の頁を捲っている隙だらけの麗香の頭の上に、その鳩はちょこんと止まり書物の上に手紙を転がすと飛び去っていった。] キャーーーーーーっ! 頭に止まった何か止まった。いやーっ | |
(31)2006/03/24 16:16:41 |
学生 メイ [そうか、と、目を丸くして、芽生はセイバーを見やった。] なるほどね。 アンタ頭いいのね。 そっか、私たちが勝てばそれで丸く収まるし。 [そして寝転がったまま、まじまじとセイバーを見詰めると、彼女はくすりと笑う。] アンタがそのアンリ・マユっていうのに汚染されてるとも思えないし。 ”絶対悪”なんていうものにはとても見えないもん。 じゃ、やっぱり今の問題は魔力補充よね。 [芽生はむくりと起き上がると、ねぇ、とセイバーを見上げた。] そういえばアンタ、言ってたわよね。 魔力を補充するためには人間を殺すとかなんだとか。 もちろんそんなのは却下だけど。 他にも何か思い当たったら教えてね? | |
(32)2006/03/24 16:23:26 |
学生 ラッセル 当たり前だ、俺は俺でしかねぇよ。 [マスターが発した言葉を、当然だとばかりに笑って返す。] そうだな、俺の魔力を回復させる方法なら大体4つだな。 一つ目は今メイが言った人を殺してその生命力とかを吸い取る方法だ。 無論、俺もこんな方法はする気はねぇがな。 二つ目が、生命力とかを吸い取っちまう結界とか魔術を使う……キャスター辺りの得意技だな。 ま、俺にはそんな小難しい事はできねぇし、出来たとしてもやるつもりはねぇ。 三つ目は食事だ。 ただ、これは1回で補充できる量にも限りはあるし、その量自体も微々たるもんで効率はよくねぇ。 さて、四つ目だが…… [セイバーは、そこまで言うと困ったように頬を掻いた] まぁ、なんつーかあれだ。 異性同士でしかできねぇことがあるだろ?アレだアレ。 さて、それじゃ俺はさっき言った通り台所か自室にでもいるからよ、なんかあったら遠慮なく呼んでくれ。じゃあな。 [そう言うと、セイバーは部屋から出て行った。] | |
(34)2006/03/24 16:36:36 |
学生 メイ [ふんふん、と頷きながらセイバーの話を聞く。] 人を殺すのは、絶対だめ。 生命力を吸い取る結界とか魔術…それも殺すのと大差ないわね。却下。ってゆーか、私そんな結界だのなんだのそもそも作れないし。 食事は…うん、毎日摂ってるわけだし、大した補充にならないのは解ってるわ。 で、四つ目? 異性同士でしかできないこと?…結婚? [首を捻りつつ、部屋を出て行くセイバーを見送り。 結婚じゃ補充はできないわよねー、そもそもサーヴァントと結婚するなんて出来るわけもないしー、と呟きつつ、祖母の魔術書を手に取り捲りだしたところで、はた、と、何か思い当たったのか、芽生は唐突に顔を真っ赤にした。] ま、まさか…! 無理よーーーーーーーーーーっ!!!!!! [芽生の絶叫が、別棟全体に*響き渡った。*] | |
(36)2006/03/24 16:50:11 |
冒険家 ナサニエル [ソフィーが用意してくれた紅茶を受け取ると一口飲み、元に戻した] 聖杯を求める理由か…もし聖杯が真にどのような願いでもかなえることができるなら… 私は選べなかった選択をやり直したいのだよ。 [そういうと虚空から長剣を取り出した。その長剣は実用本位のもので、華美な装飾などは見当たらない。 そして柄頭がなぜか失われていた] 昔、私には親友と呼べる男が一人いた。その男とはずっと肩を並べて闘い続けるつもりだった。 だが、その男は聖都奪回、と称する軍隊に配属され、遠く異郷の地へと行くことになり… 私はそれに着いていくことができなかった。 [そこまで話すと紅茶を一口飲み、一息を入れた] | |
(50)2006/03/24 22:23:24 |
学生 メイ [いきなり現れたセイバーに、まず顔を真っ赤に染める。 そしてあたふたとソファに投げ出したような状態の身体を元に戻して座りなおすと、あー、と妙な声を上げながらも頷いた。] …ないわ。 家に戻ればもしかしたらおばあちゃんかお母さんが残した何かでもあるかもしれないけど、ここじゃどうにもならないわね。 とりあえずさっきお父さんに電話しておいたわ、なんでもいいから役に立ちそうなもの片っ端から速攻で送れって。 その中に何かあることを祈るしかないわね…。 [セイバーに向かって手をひらひらと横に振ると、芽生はまた大きな溜息を吐いた。] 【だって、何かないととんでもないことになりかねないじゃないのー!】 | |
(52)2006/03/24 22:28:49 |
見習い看護婦 ニーナ [病院を出たのは昼も過ぎたころ。喫茶店で軽い昼食を取り、その後夕方まで居座ったのは昨日の公園だった。 痕跡がわずかだけ残っている。昨日、少女の姿をとしたサーヴァントが倒れていた場所。 少しだけ焦げた芝生。 昼間は子供を連れた主婦が多く公園に集っていた。何気ない世間話、子供を叱る声、それに応じて挙げられる子供の泣き声。 「生活」がそこにあり、「普通」があふれた場所。 夜も深けたころ、束紗はようやく立ち上がった。] みんな何かの目的があって、戦ってるのよね。 私だけじゃない。それぞれに願いたい何かがあって命を懸けている。 …ランサーは何を願いたいんだろ。 [脳裏にやんちゃさの残る笑顔が浮かぶ。] | |
(57)2006/03/24 22:44:58 |
学生 ラッセル ……? まぁ、何とかなるんじゃねーか? そりゃ倒すまでは無理かもしれねぇが、時間稼ぎや逃げる位ならなんとでもなると思うぜ? [どうもさっきから様子がおかしい己のマスターを見る。 なんていうか、突然言葉を詰まらせたり、よくわからない身振り手振りをしたり、どうも挙動不審だ。 今度は突然無言になり、こちらもよくわからないので黙ってしまう。 すると今度は、突然笑い出し背中を叩いてきた。] って!一体さっきからどうし……は? [抗議の声をあげようとした時、よくわからない言葉が耳に入ってくる。] ……その覚悟は立派だけどな、覚悟だけにしときな。 不満なんて全くねぇが、そういうのは好きでもねぇ奴とやるもんじゃねぇよ。 なぁに、何とかしてやるから心配すんなって。 | |
(62)2006/03/24 23:01:37 |
学生 メイ [力無い笑みを零すと、芽生は隣に座ったセイバーの横顔を見た。 綺麗な顔。英霊って皆こんなものなのかなとか、そんなどうでもいいことを思う。 けれど他所事を考えている間にふと振られた話に、芽生は思わず、へ?と間抜けな声を上げた。] …他のサーヴァントは、この世界で第二の人生を歩もうとしてるの? [その願いは、自分も考えた。 セイバーをこの世界に残してほしい、と。 聖杯ならば、その願いを適えることも可能だろう。 だが…サーヴァント自身がそれを望むことなど、考えてもいなかった。] …そうね。 私も…聞いてみたい。 そうやって現世に残って、そのサーヴァントは望む何かを手に入れられたのかしら…。 | |
(83)2006/03/24 23:44:34 |
学生 ラッセル ああ、なんか知らね―がそうみたいだな。 [セイバーは天井を見ながら言葉を返す。] 大抵は、不本意な死の間際に"生きたい"と願うからって話だが…… ま、中には聖杯戦争中に理由が出来て受肉を望む奴ってのも居るらしいけどな。 【俺も若干できそうなわけだけどなぁ……】 でも、もし受肉したとしても魔力の供給は要るんだよな。 ちなみに、今俺らがマスターからの魔力の供給だけで体の維持できてるのは、聖杯が俺らの手助けをしてくれてるからだ。 んで、受肉したとしてもその後は聖杯は消えちまう。 つまり、俺が言った4つの手段での体の維持が必要になるわけだ。 しかし、ソレって並大抵の事じゃねぇしなぁ…… | |
(87)2006/03/24 23:58:24 |
学生 メイ [喉渇かない?とセイバーに向かって尋ねると、芽生はその返事も待たずに立ち上がり、珈琲を淹れに行った。 そして台所のほうから、声だけを返す。] …聖杯戦争中に理由ができる… でもそれは聖杯戦争中に、自分が最初に適えたかった願いを覆してまで、それを望んだっていうことよね? そんなこと、本当にあるのかしら。 [そこで言葉を止めると、暫くの間芽生は黙ってしゅんしゅんと音を立てるヤカンを見詰めていた。 四つの方法。 セイバーを残したいと自分が願っても、それは彼が人間になるわけではなくて、それなりの代償が必要なのか。 それを改めて聞くと、芽生は失笑を漏らした。] 【…セイバーが私のことを甘い甘いって言うわけだわ。そうよね、そんなに甘くない。世界に捕えられた英霊を現世に固定しようっていうんだもの… …けど…】 …セイバー。 例えばアンタは…どうなの。 今この世界にこうして召喚されていて…適えたい願いを覆してまで、ここに残りたいって思うことは、ある? | |
(92)2006/03/25 00:11:16 |
学生 ラッセル [メイから珈琲受け取り、一口飲む。 しかし、その後メイから出た言葉で視線をメイへと向ける。] はぁ?……それ、本気でいってんのか? [その時、サーヴァントの共鳴を感じた。] ちっ……こんな時にサーヴァントが! [舌打ちし、最悪のタイミングで現れた客人の気配に悪態をつく。] 【こんな状態で戦ったら、俺はともかくメイが……】 [暫し考え、再びメイの方へと視線を戻す] メイ、絶対ココから出るんじゃねぇぞ? あとな、俺が戦闘を開始しようとしたら…… ――令呪を使って、俺との契約を切れ。 そうすりゃ、お前から魔力を吸い上げちまう事はねぇからな。 [そう言うと、メイの返事も聞かずに外へと飛び出した。] | |
(105)2006/03/25 00:50:23 |
学生 メイ [きゅっと、珈琲カップを持つ両の手に力が入る。] …本気よ。私は…私は、アンタのことが… [言いかけたところで、いきなりセイバーが立ち上がり、芽生は驚いたように彼を見詰める。 けれどそれと同時に左腕に走る痛み。マスターが…居る。 そして、結界からの警報。 しまった。まさかここを嗅ぎ当てられるとは想定外だった。一気に彼女の心に緊張が走る。] セイバー…! [出なければ。 自分も立ち上がろうとしたところで、芽生はその双眸に驚愕の色を宿した。] ば…ばかっ!何言ってんのよアンタ…! 嫌よ、絶対嫌、アンタとの契約を強制的に切るだなんて…! 私は…私は…! [待ってセイバー、と呼びかける声も、間に合わず。 セイバーが飛び出していった扉を、芽生はただ呆然と凝視するだけだった。] | |
(109)2006/03/25 00:59:43 |
学生 メイ [気付いたらセイバーの首にしがみつくように抱きついていた。 そして彼の顔を見上げれば、芽生は黙ったまま首に回した腕を解き、その顎にアッパーを喰らわせる。 戦闘が終わったら殴ってやろうと思っていたのに、セイバーの顔を見た瞬間、そんなことはすっかり忘れ去っていた。] …アンタ…っ! よりによってなんてこと言っていきなり出てくのよ…っ! ばかっ!ふざけんじゃないわよ、私のサーヴァントはアンタだけだし、負けたって決まるまでアンタを手放すつもりなんて欠片もないんだから! [早口に一気に捲くし立てると、芽生はそこで漸く自分に向かって掛けられた声に気付いた。] うっさいわね、見りゃわかるでしょ! 私がマスターよ、今取り込み中なんだから後にして! [振り返ると、芽生はマスターらしき女性をきっと睨み付けた。] | |
(122)2006/03/25 01:23:40 |
学生 ラッセル [腕の中で、やっと現状に気付いたマスターに苦笑しながら口を開いた。] オーケー、取引成立だ。 ま、そんなに知ってるワケじゃねぇが、教えてやるよ。 アンリマユってのは、ゾロアスター教の"この世全ての悪"を司る神様のことでな――。 [セイバーは、アンリマユの事と、手紙が指し示す内容を教えた。] 監視者に関しては、俺は会いに行ってないからしらねぇな。 そんで、今回の聖杯戦争の事だが―― [己が戦ったアサシンとアーチャーと思われるサーヴァントの情報を教える。] んでだ、もう一人……槍を使うサーヴァントがいてな。 俺はてっきりランサーだと思ってたんだが……お前がランサーだよな? | |
(133)2006/03/25 01:58:55 |
学生 メイ [サーヴァントと戦わずに、こんな風にあっさり別れてしまっていいものかと思いつつ、今の自分の状態を思えば漏れるのは安堵の息。 そして戻っていくセイバーの後を追うように、芽生は後ろを気にしながらも別棟に戻ると、前を行くセイバーの服の裾を引っ張った。] …ねえ、セイバー。 本当に…もう二度とあんなこと、言わないでね…? お願いだから…。 アンタにあんな風に言われたら、私…。 [何かを言い掛けて、そこで口を噤む。 だが暫し床に落としていた視線を上げると、にこりと笑み、セイバーの肩を軽く叩いた。] …寝るね、私。 寝ないと魔力の回復だってままならないもんね? じゃあおやすみ、セイバー。 セイバーもしっかり休んでね。 [セイバーに向かって手をひらりと振ると、芽生は*自室へと戻った*] | |
(142)2006/03/25 02:35:39 |
学生 メイ [夢を見ていた。昔の夢。あれはいくつの頃だったろう。 一面の赤。綺麗な。自分の手も、赤くて───] ……っ……! [鋭い吐き気のようなものに襲われて、芽生は目が覚めた。 何度か咽せ返りながら、それでも必死に耐える。] …どう、して… [それは、一番思い出したくない出来事。 彼女が、初めて自らの意思で生き物を殺した日。 落ちた羽根。広がる赤。 気付いたら祖母と母が自分を抱き締めていた。 そうだ、あの日まで自分は知らなかったのだ。 人狼の血が流れているだなんて。] …忘れるな、って…言いたいの…? 解ってる…解ってるわよ… この血を消さなければ…ずっと戦い続けなきゃならないことくらい…。 | |
(146)2006/03/25 13:31:08 |
学生 メイ こんな時にまた襲撃されないことを祈るだけね…。 もしくは昨日のランサーみたいに情報交換だけを求めるようなサーヴァントならいいんだけど…。 [こればっかりは向こう次第だしね、と芽生は困ったように肩を竦めた。 そしてご飯の支度でもするわ、と、立ち上がったところで謝罪の言葉が耳に届けば、うん、と小さく頷いて台所へと向かう。] …いいわよ、もう。 けど次に言ったら私がアンタを殺すわよ。 [冗談なのか本気なのかも解らない口調で、声だけをセイバーに返し。 そしてその後に続いた問いを聞くと、食事の支度をする手を止めた。] …なんでもないわ。大したことじゃないから。 [答えれば、芽生は食事の支度を再び進める。] | |
(153)2006/03/25 14:41:34 |
学生 メイ 異常…確かにね…。 なんだか本当にお参りに来ただけだったみたいだもんね…。 [手を動かしながら昨日のランサーとそのマスターの様子を思い出すと、芽生はくすくすと笑った。 なんだか憎めない少年のサーヴァント。 けれど聖杯を手にするためにはあの彼も倒さなければならない。 それを思うと、気分はどこか沈鬱なものとなる。 そんな思いを払拭するように芽生は明るい声で笑った。] そうよ? 私が本気で怒ったら本当にアンタの息の根止めてやるんだから。 [だがそのあとに続いたセイバーの言葉に、芽生の手はぴたりと止まる。] …人を殺すなんて…するわけないでしょ。 例え聖杯を手に入れられなくて、私からこの血が消せなくたって…そんなことしないわよ。 人を殺さなくても、アンタを留める方法は…あるんだから。 | |
(155)2006/03/25 15:03:31 |
学生 ラッセル [台所に行く途中の居間でマスターに声をかけられ返事を返す。 そして、マスターの傍へと歩いて行く。] そうだな、今のとこはあんまりかわんねーなぁ。 魔力の回復だけに集中するんなら消費を抑えるために四六時中眠るのが一番良いんだが……ちっと俺には無理だな。 [退屈そうにそう言うと、マスターが投げ出した魔術書を拾い上げてパラパラと中を見る。] あ〜こりゃ、俺にもぜってぇ無理だ。 ちっと見ただけで頭が痛くなってきやがる。 ま、覚悟が出来てるんだったらいいんじゃねぇか? [そう言ってマスターが寝転がっている横に座り、本を床に置いた] そんな所でゴロゴロしてねぇで、気分転換でもしたらどうだ? ちょっと庭で風に当たるとかよ。 ずっと閉じこもってるのとは結構違うもんだぞ? | |
(168)2006/03/25 23:23:38 |
学生 メイ [随分と前から起きてはいたが、部屋からほとんど出ないまま気付けば太陽は既に傾き始めるくらいの時間になってしまっていた。] …しまった。ごはん。なんも食べてないじゃない。 [恐らくセイバーは自分が寝ているのだと思って訪れなかったのだろう。いっそのこと寝てたということにしておいたほうが五月蝿くなくていいかもしれない、なんて思いつつ、芽生は部屋を出ると台所へと向かった。] それにしても父さんが送ってくれた荷物の中を一通り確認するだけでも軽く二日はかかりそうなんだわ…。 [朝早くに届いた大きな段ボール箱数箱分の荷物。中身は祖母と母が残した数々のものたちだった。 何かの道具やら本やらがぎっしり詰め込まれたそれの中身を今まで引っ繰り返していたのだが、そのあまりの量に芽生は既に泣きそうなのを通り越して絶望に近いものすら感じていた。] …なんかこうアーティファクトのようなものとかなかったりしないかしらねぇ。 おばあちゃんも別に由緒ある魔術師とかだったわけじゃないみたいだから、そんなものはあるわけないか…。 | |
(182)2006/03/26 14:28:41 |
学生 メイ [セイバーの溜息に、私が悪いんじゃないもん、と芽生は唇を尖らせた。] だって。 確かにお父さんには「手当たり次第になんでも送れ」とは言ったけど、本当に手当たり次第に送ってきてんのよ…。 まあ黒鍵とかはいいわ。 送られても私には使えないけど、とりあえず解る。 けど箒とかどうしろっつーの! 魔術師が箒に乗って空飛ぶとか本気で思ってんじゃないのと思ったわよ、あの馬鹿オヤジー! そんな中から使えそうなものがないか探さなきゃいけないんだもの、足の踏み場もなくなるってもんよ。 [本やら何やらに埋もれた中から立ち上がると、芽生はドアまでの2mもないくらいの距離をひょいと容易く飛び越えて廊下に着地した。] | |
(186)2006/03/26 15:00:39 |
学生 メイ おばあちゃんも由緒正しい魔術師ってわけじゃないから、そんなもんはあまり期待してないけどね…。 でも教会から渡されてそのまま持ってきたものとかはあるかもしれないし。 とにかく色々探すしかないんだわ。 何分、道具だけみてもそれが何なのか解らないものが多くて。 どういう用途で使われるものなのか調べるだけで一苦労よ。 [肩を竦めて盛大な溜息を吐く。 そして片付けという言葉には、最早嘆きのような声しか出てこない。] 全くもってアンタの言う通り、片付けなんて大っ嫌い。 とりあえずは寝れる場所さえあればいいのよ… [言い掛けてから芽生はまじまじと室内を見詰め。] …ないわね。寝る場所。 …隅にでも積み上げておくしかないか。 [現実から目を逸らすようにごはんにしましょと残すと、芽生はすたすたと台所へと向かった。] | |
(188)2006/03/26 15:25:25 |
学生 メイ だって片付けたらかえってどこに何があるか解らなくなるのよ。 どこに仕舞ったっけ?って結局全部引っ繰り返すの。 それって片付けても無駄ってことじゃない。 [間違ってないでしょと肩を竦めるが、その後に投げ掛けられた言葉に、芽生は一瞬言葉を詰まらせた。] 【こ、この男は本当に…っ!】 [またからかわれていると思うと、ふるふると肩を震わせる。 馬鹿言ってんじゃないわよ、と、何時もと変わらぬ反応をするのがどうにも癪で、芽生は、すーはーと一度深呼吸をした後、セイバーを振り返った。] あら、それでもいいわよ? じゃ、今晩からそうしようか。 [無理矢理に余裕の笑顔を作ってみせれば、心にもないことを口にし。] | |
(190)2006/03/26 15:48:49 |
見習い看護婦 ニーナ −自宅・書斎− [束紗は書斎の棚の中身を床に並べていた。] えーと、これは使い魔召還の触媒に使用、と。でこっちがその魔法陣。 でこれは魔弾の説明書。見てもわかんないけど。 使い魔って割と初歩だった気がするのよね。 練習すれば使い魔も使役できるようになるかな。 サーヴァントだって似たようなものだけど、さすがに同列に扱うのは気が引けるし。 でも使われてるのは私の方な気がするんだけど。 棚の中身大体見てみたけど、薬の材料とかばっかりでたいしたもの入ってないのね。用途不明のもあるけど。 [一通り分けると、また棚に戻していく。そしてそれぞれの場所にラベルを貼り付ける。 それまで終わったところで時計に目をやった。] あちゃー、もうこんな時間か。材料一つに対して説明見つけるのに時間食っちゃうんだもの。 そろそろ食事の準備しなくちゃ。 | |
(200)2006/03/26 22:18:59 |