流れ者 ギルバート [斬鳩は夜の闇の中にたたずんでいた。 ざわめく竹林の音を耳に収め 村人達の祝いの声を感じ この村の空気を思い切り吸い込むと 小さく笑う。 鬼としての魂を封じられ 屍と化したはずの男は 今こうして再び鬼の魂によりよみがえり地面に両足をつけ立つこととなっている。 驚くほど鬼に適したその体は、不死のものと呼んでいいほどに 鬼の魂を宿しやすい器へと変貌を遂げており 彼は、ふたたび鬼の魂を受け入れることを遂げることが出来た。 もはや贖罪は終わり彼はいまや自由の身。 彼は、くくっと喉の奥で笑うと赤い目を夜空の下にさらし 天を仰ぐ。 終わりではない。そうこれからが ヤツ…弦琉丸との 戦いの幕開けなのだと 新たな鬼の魂をうけた男は夜の闇の中 森に向かって走り出す 目指すは次の村 血の狂宴へと 向かって] (言い逃げ | |
(1282)2005/07/01 01:50:47 |