酒場の看板娘 ローズマリー [走って。走って。走って。 程なくして、酒場の勝手口に辿り着く。 開け放しておいたそこから静かに、気配を殺して、戻る。 ……赤く染まったブラウスとベスト。 これを見られたら、最後。 何時もフレディに隠れて、夜中に出入りしていたときと同じように。 静かに。静かに。静かに。 誰が居たとしても、決して気付かれないように。 従業員用の部屋から出て静かに、真っ暗なバーを忍び足で歩く。 気配は完全に殺されて、完全に闇に溶け切っている。 足音は一切ない。動きに全ての神経を集中させて、限りなく静かに。 暫くして、一階の奥にある自分の部屋まで辿り着き。 一息だけ溜息を吐くと、そのまま*ゆっくりとドアを閉めた。*] | |
(2)2006/09/18 05:41:31 |
雑貨屋 レベッカ [レベッカは、クリスマスローズの香りを仄かに纏いながら、村をあてどなく散策していた。 昨日集会所で取り乱した事も、グレンの起こした惨劇も、人狼事件ですらどこかおぼろげな記憶で、陽気な顔で道の真ん中を歩いている。 哀れなレベッカの自我は、受け入れられない事実に対し、それを「記憶から消去する」ことで、かろうじで心の均衡が保てるのだ。] --今日は馬鹿に村が静かね、そんな日があっても、落ち着いていいのだけれど。 それよりも、今日の晩御飯はどうしようかしら。 [そんな事を考えているうちに、ふとレベッカは、道の真ん中に転がっている、血溜りにふせった「それ」を発見した。] | |
(5)2006/09/18 12:17:28 |
雑貨屋 レベッカ [血溜りに尻餅をつき、暫くは我を忘れて絶叫していたレベッカだったが。 ふと、突然我に返り、呆けた蒼い顔でふらりと立ち上がった。] --…ああ、 ヴィンセントさん、どうしたんですか? 駄目ですってば!医者の不養生って言いますけど、こんな所で寝ていたら! [彼女はそういうと、ヴィンセントの躯を道の端に寄せ、洋服で彼の乾いた全身の血を、一生懸命に全部拭った。 そして、彼の散乱した身体のパーツを一緒に寄せ集めると、可能な限り、それをジグソーパズルの様に組み立て始める。 額に玉のような汗を浮かべ時ながら、彼の千切れた身体を包帯で丁寧に固定し、そして蛆の蠢くその口腔に口をつけ、一心不乱に人工呼吸と、そして心臓マッサージを始めた。 大丈夫だから、大丈夫だからと呟きながら。 いつまでも、*いつまでも*…] | |
(9)2006/09/18 12:52:06 |
お尋ね者 クインジー まあ、こんなところか。 後は、紙に集まった占いや処刑の希望はいい情報となりえるだろう。 俺の部屋のどこかにそれをまとめて置いているはずだ。それを見て、よく考えて動け お前は少し甘いところがあるからな。 本来ならばそれは美点だし、俺もとやかく言うことはない。だが、それをしていると、自分の身が危うくなることを忘れるな。 まぁ、嫌いじゃ無かったよ。その甘さ。 お前は、お前のやれることをやればいい。俺を真似る必要は無いからな。 あぁ。そうそう。 早くに俺のトコロに来やがったなら、ブン殴ってやるからな。せいぜい、殴られないように頑張りな。 じゃあな クインジー=バドラック 』 | |
(48)2006/09/18 16:14:01 |
お尋ね者 クインジー 「マンジロー氏が、よく分からない奇妙な物体を使い、アーヴァイン、そして、グレンの体を調べたようです。そして、その後に、呟くように―――種族は人間だった、と」 ―――!? (霊能者、だと!?) [この村は、占い師がいるどころか、霊能者さえもいたようだ。 そもそも、人狼が三匹という時点で、他に報告もないレアケースであることを考えてみれば、ありうる可能性でもあった。 きっと、本人は自覚がないのだろうが、死んだ人間を見極めることが出来るという時点で、霊能者だったと見て間違いないだろう] ……ご苦労。 なかなか、有意義な情報だったぜ。 [そう言って、クインジーが宿屋へと戻っていく。 みんなに宣言をしたほうがよさそうだろう。「死人に口無し」とは言うが、死人を疑うような真似は、なくなるのであろうから。 ……このパフォーマンスが偽者でなければ] | |
(61)2006/09/18 23:53:52 |
ごくつぶし ミッキー [道々、考えたのはやはり人狼のことだった。 今朝ヴィンセントが襲われたのは、ただ人狼の食欲から、というものではないだろう。 彼が狼を見つけられる占い師だったから。だからこそヴィンセントは襲われた。 では、残ったシャーロットは何者か? クインジーは「占い師の一方は偽者かもしれない」と疑っていたようだったが、自分にはシャーロットが――占いの後にあんなに疲労した様子を見せていたシャーロットが、占いの「フリ」をしていたとは思えなかった。 レアケースではあるのだろうが――有り得ないは有り得ない。 ひょっとすると、シャーロットも本物の占い師なのではないだろうか。今日は、誰を占ってもらうことになるのだろう。 そんなことを考えながら、砂利まじりの道を歩いた] | |
(65)2006/09/19 00:05:45 |
ごくつぶし ミッキー [胸元を紅く染め、床に倒れた少女。 口元にこびりついた血を拭ってやって。 その小さな亡骸を抱えて、のろのろと外に出た。 星空はところどころ、厚い灰色の雲に覆われて] シャーロット…… [嘘はついていたかもしれないけれど。 「今度こそ食べてもらいたかった」 一種、切なさの混じったあの言葉は本当だったのだろう、と思う。 つい先日知り合ったばかりの少女。人差し指にリボンを巻きつけて微笑んでみせた、あの笑顔も嘘だったのだろうけれど。でも。 彼女が何をしたっていうのだろう。 誰も殺していない。誰が狼だと声高に嘘を叫んだわけでもない。 可能性の話。 悪意に満ちた存在で、人間を殺そうとするだろうと。 可能性の話。 今処置をすれば、元に戻るかもしれないと] | |
(110)2006/09/19 04:42:24 |
お尋ね者 クインジー [自室に戻り、荷物の中から取り出すのは、一つの箱。 それを大事そうに持ちながら、フッと先ほどのことから、人狼の予想を考えていた] (シャーロットが人狼側。……つまり狂った人間。 何故、シャーロットはいま、狂ったのか? 答えは簡単だ。 今まで、村の中に人狼だけでは、狂うには足りなかったからだ。 いや……もっと、ハッキリと言って、シャーロットが狂う材料となった人狼がいるはずだ。 それが、旅人の中にいる。 そして、人狼が村の中に二匹いたのならば、すでになんらかのアクションを起こしていてもおかしくはない。 ここから予想できるのは、旅人の中に二匹以上の人狼がいると言うこと。 旅人は全部で5人。 俺、ネリー、ハーヴェイ、ナサニエル、カミーラ。 当然、最初の三人を抜かして考えると、出てくるのは、ナサニエルとカミーラの二人。 特にナサニエル。 コイツは昨日の質問からも、人狼だということは間違いないだろう。 | |
(115)2006/09/19 21:59:01 |
お尋ね者 クインジー そして、残りの一匹は元から村の中に隠れている、ということになる。 この中で、占い師、霊能者、占ってもらった人間、そして、死んだ人間を除いた数は4人。 レベッカ、ルーサー、ニーナ、ローズマリー。 この中で気になるのはローズマリー……か。 何故だろうな?一人だけ、妙に遠いところから見ている気がする。そしてそれは―――ナサニエルと同じ匂いがしやがるんだ。 あせって、進めることはないが……人狼は、ナサニエル、カミーラ、そして、ローズマリーだと俺は見る。 コイツらだけと断定すると、視野が狭くなるが、注意を強めて見ることにするべきだろうな) [そんなことを徒然と考えながら、自室の扉から外に出る。 パタンを後ろの音と共に、聞こえるのは、誰かが階段を登ってくる音] | |
(116)2006/09/19 22:00:27 |
お尋ね者 クインジー [頭の痛みがひどくなるたびに、現実感がドンドンと薄れていく。 これはなんだ? 目の前にいるのは誰だ? ああ―――そう、ネリーだ。 「人狼」のネリーだ! ならば、殺さなければいけない!] そうか……。なるほど……。 お前は……お前は……ずっと、ずっと俺を騙し続けていたわけだ! クククク…… ア ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ! ! | |
(154)2006/09/20 01:23:00 |
お尋ね者 クインジー [走りよる。 大降りに右手で、180度切り込むように剣を振る。 それを、ネリーがしゃがみこんでかわし、足を狙って爪を振るう……瞬間、クインジーの膝がネリーの顔をめがけて、突き出される。 が、それもまた、咄嗟の判断で、右手でガードしつつ、膝の威力に逆らわないように、そのまま後ろへ飛ぶ。 その降りる瞬間を狙って、銀のナイフを投げるが、わずかにそのナイフが外れた] ……さすが。 ずっと……俺の動きを、クセを見てきただけのことはある。よくかわすじゃねえか。 ―――楽しくなってきたなぁ!! [笑う。頭が痛む。笑う。頭が痛む。笑う。頭が痛む。笑う。頭が痛む。笑う。頭が痛む。笑う。頭が痛む。笑う。頭が痛む。笑う。頭が痛む。笑う。頭が痛む。冷たい。 ―――? 飛び散った水はなんだ? どこから、水がついた? 流れたのは、自分の顔。 だが、今のクインジーがソレに気づくことはない] | |
(161)2006/09/20 01:54:59 |
お尋ね者 クインジー [目の前にはノイズの嵐。 ただ、ネリーの姿だけが、その目にはハッキリと映って。 剣を振るう。爪が来る。蹴りを飛ばす。牙で噛みつかれそうになる。 まるで、二人でダンスを踊っているように、それは予定調和に見える動きで。 ロンドはいつまでも続きそうに見えたが、終わりはいつか必ず来るもの。 何度目の打ち合いか分からないが、また次の打ち合いが始まろうとしたところだった。 さすがに、ネリーの動きが段々と分かってきたところで、クインジーがネリーの踏み出す瞬間を狙って、ナイフを投げる。 ネリーが思わずソレを避けて、バランスを崩す] もらったぜ!人狼!! [笑いながら駆け出し、足元にあった箱を踏み潰して、ネリーに剣を振りかぶる。 ネリーもあわてたように、爪をクインジーに向けるが一瞬クインジーのほうが早い。 仕留めた!と思った瞬間―――] | |
(163)2006/09/20 02:15:49 |
お尋ね者 クインジー [泣いているネリーの顔を、震える腕を無理矢理に動かして、涙をぬぐう] ―――変だな……。 いろんなことを思い出すよ……。 初めて、お前と会ったとき、俺は俺のBadluckって名前が嫌いだったんだ……。 「不幸」なんて……俺の人生を表しているようで……嫌いだったんだ……。 でも、お前は笑いながら「不幸という場所から始まっているなら、これからはずっと幸福な人生なんだよ」と言ってくれたのが嬉しくて……本当に俺は救われたんだ……。お前のおかげでいい人生だったと……俺は思えることが出来るよ……。 そして――― (村の人たちに謝りたかったけど。 結社員の人たちにちゃんと別れを告げたかったけど。 ネリーに愛しているともっと何度も言いたかったけど) ―――いい、満足だ。 (―――ああ、眠い) [クインジーがそのまぶたをゆっくりと閉じていく] | |
(171)2006/09/20 02:54:30 |
お尋ね者 クインジー 『月並みのセリフだが、これをお前が読んでいるときは、多分、俺は死んでいることだろう。 もしも、俺がまだ生きているのだとしたら、これは見ないうちに捨ててくれ。 きっと、そのときは、俺の口から語ることなのだろうから。 さて、改めて、何かを話そうとするとすこし照れちまうな。 まぁ、思ったことをそのまま書いていこうか。 そうだな……まずは、これから話そうか。 実は俺は、お前が人間ではないであろうことには薄々感じている。 いや。人間ではないと書くと、少し語弊があるのかも知れないな。 ハッキリと言おう。 俺は、お前が人狼だということに、薄々気がついている。 | |
(176)2006/09/20 04:00:49 |
お尋ね者 クインジー 長年、一緒に旅して来たしな。それに、俺は結社員の一員だ。何も気づかないでいるほうが難しいってもんだろう。 ……最初は、どうすればいいのか分かんなかったよ。 お前が人狼だということに気がついて、それで殺そうと思ったこともある。 だけど、心のどこかでそれを止める俺がいる。 見事なまでの二律背反で気が狂うかと思ったよ。 ああ。気づいたのは、ソコが初めてなのかもしれない。 ネリー、お前が好きだってことを。 それからも、ずっと、ずっと悩んできた。 俺は人狼を憎んでいる。だが、それでもネリーを好きな気持ちは変わらない。 一体、どうすればいいのか、とずっと悩んでいた―――そう。つい、先ほどまで悩んでいたんだ。 だが、本当のことに気づいたときは、思わず笑い出しそうになったよ。 俺は、ネリーが、ネリーだったからこそ、好きになったのだと。 ただ……それだけのことなんだ。人間とか、人狼とかはどうでも良かったんだ。 | |
(177)2006/09/20 04:01:33 |
お尋ね者 クインジー もしも……俺が死んでいるのだとしたら、お前の手によって死んでいるのだろうな。 正直、俺が薄々気づいているとはいえ、やはり、お前が人狼だと言われたら、俺は何も考えられなくなってしまうだろう。 それほど、深く、俺の中に人狼って奴は根が張り付いていやがるんだ。 これは、一生涯拭い去ることは出来ないだろう。 だけど、お前に殺されたのだとしたら、これほど幸せなことはない。 好きな人に殺されることほど、嬉しいことはないんだ。 だから、もし悲しんでいるのだとしたら、悲しまないでくれ。 俺は、ずっとお前と一緒に旅をしてきて、そして、最後にお前に殺されて、それで幸せだったんだ。 笑って見送ってくれよ。 | |
(178)2006/09/20 04:02:34 |
お尋ね者 クインジー そしてきっと、俺は最後の瞬間までに、お前に何も継げることの出来ない。弱気な男なんだ。 必死に強がって、虚勢を張って生きてきたが、俺はあの事件から何も変わっていない。 メッキで作った仮面を必死に顔につけている、ただの弱い男なんだ。 だからこそ、ここでお前に俺の言葉を告げよう。 ネリー。ずっと、ずっと愛している。 心から愛している。 こんな言葉じゃ計り知れないほど、愛している。 だから、気軽に俺の場所に来るような事はするな。 最後まで頑張って生き抜いてくれ。 そのときまで、俺はずっとコッチからお前を見守っていてやるから。 じゃあな。いつか、またの再会を祈って。 愛しのネリー=ウォルトンへ クインジー=バドラック 』 | |
(179)2006/09/20 04:03:24 |