見習い看護婦 ニーナ [周囲が一斉にざわめく。処刑に失敗したことに混乱したのか、剣を構える者、銃を構える者、その場で何をしていいのかうろたえる者――反応は様々だった。] ―――処刑を続行するんだ!! [自警団員――ニーナの協力者――の一人が、処刑台から落ちて尻もちをつき、元気そうに「痛ぇ…」と呟くカミーラに銃を向ける] 待ってください!! せめて………せめて、私の手で……… 仲間のことを……殺してあげたいんです……ッ! その銃では、殺すのは痛いのでしょう!? 私の仲間をこれ以上、私の目の前で、残酷に殺されたくは無いの……ッ! だから……お願いします……ッ! [ニーナはカミーラを抱きしめ、自警団員に懇願した] | |
(4)2006/08/02 00:17:04 |
学生 ラッセル >>10 メイ、メイ…。 [虚ろにメイの名前を呼び続けていたが、手を重ねられて…其方を見た。] ……シャロ…。 …どうしよう…メイが動かない。 メイが…。俺、が…。 [自分がやった…己の赤くなった両手を見て、虚ろに呟く。 何故こんなことになったのだろう…喉は渇いていなかったのに。 こんなこと、望んだものではないのに。 "こちら"と"向こう"が繋がるだなんて…今までなかったのに。 ...は気付いていない。ハーヴェイの胸元にある石が、 己を呼ぶ為に共鳴して、起こったことだというものを。] | |
(16)2006/08/02 00:49:50 |
村長の娘 シャーロット >>16 [呆然と呟く声に。添えていた手を…そ、と包み込むように握る。 そうして、漸く―――あぁそうか、この手は。 だけど、そんな事はもうどうでも良くて。] ……ラス、―――…大丈夫、だから…っ [みんなで遊ぶのだと。―――少女と約束した。 その頭を抱え込むように、ぎゅぅと抱き締める。 自分にも言い聞かせるように、小さく囁き] | |
(22)2006/08/02 01:03:08 |
学生 ラッセル [包まれた手を見つめて、ああ…そうか…と漸く気付く。 己の尖った爪が…大事なあいしてるひとを傷つけていた。 触れてはいけないはずだったのに… シャーロットの手を傷つけてしまうから、振り払うこともできず。 ナサニエルの言葉に答えることもできず。 呆然と、己の手を見詰め続ける。 もう、己が人間のように振舞うことはないのだろうか…。 この爪が、元に戻ることは―――もう、ないのだろうか。 ただの、人を殺していく生き物になっていくのか…。 虚ろなまま掠れた声で、搾り出すように言葉を紡ぐ。 ずっと、心の中で叫び続けていた言葉…。] ―――お願い…誰か…、俺を殺してください…。 | |
(27)2006/08/02 01:26:10 |
書生 ハーヴェイ [...はラッセルと別れた後、一人村の外れに訪れていた。広い空き地のような場所――そこは村の人間達が眠る墓――...は柔らかく頬をなでる夜風に身を任せながら、ただ黙って一つの墓を見つめていた。 と、その時胸ポケットに入れていた緋色の石が何かに共鳴するように淡く光りだした。その光に気付き、シャツの上から石を押さえながら…] 石が…共鳴した? [...は妙な胸騒ぎを覚え、一刻も早く集会場へ戻りたいと思ったが、目的をまだやり遂げていない事に気付き…] もう少しだけ…。耐えてくれ・・・。メイ、シャーロット…ラッセル… [...は唇を噛みしめたままその場に立ち尽くしていた] | |
(28)2006/08/02 01:38:06 |
学生 ラッセル >>29 [...は殴られた頬を押さえることもせず、ナサニエルを見上げた。 手の中のナイフを握って、微かに笑む。] ―――人に頼むなら自分で死ねって? …そうだろうね。 …そっか、君がレインを殺した人だもんね…。 | |
(30)2006/08/02 01:51:37 |
村長の娘 シャーロット >>27 [ラッセルの言葉に―――息が、詰まる。……今、彼は。 そう思う間にナサニエルの拳が飛んで。拍子に握り締めていた手が離れる。微かに掌を掠めて、僅かに走る痛みと共に掌に紅い線を残したけれど] ―――ゃ…いや、嫌だ…っ どうして、殺してくれなんて言うの…!? セシィも、ローズお姉ちゃんも居なくなって。 そしたら今度は、ラスまで…っ もう、やだよ。 大事な誰かが居なくなるのは、やだ…っ! [さっきまで止まって居た涙が。 再びぼろぼろと、頬を伝って落ちる。] | |
(31)2006/08/02 01:52:31 |
冒険家 ナサニエル >>30 ああ、そうだ! またかよ……何なんだお前らは…何がしたい? 見たとこ…ラッセル、おまえ、ペンダントも無い。 あったところで問いかけた昨日、差し出しもしなかった。 そしてまたこれだ。メイが…襲われて。友達だったはずだよな? 俺にはもう…ペンダントなんか関係ない、 あろうが無かろうが人を殺して、これからも続ける気ですって そういうふうに見えた。 それでいて…それでいて「殺して下さい」だ!何なんだよ! 死にたいなら自分で死ねばいい! もう、たくさんだ… [叫び終わると...はその場に崩れ落ちる] | |
(33)2006/08/02 01:55:47 |
見習い看護婦 ニーナ [ニーナは、ナサニエルの言葉を聞き、静かに目を伏せた] ナサニエルさん…… 人を殺したのは、あなただけではありません。 私達は無益な殺人を犯しました。ウェンちゃんを処刑し、ネリーさんを見殺しにした。 ……そして人狼は、理由は分かりませんが……おそらく生きるために、人を食らった。……泣きながら。 [天井を見上げ、呟く] ……どうして私達は、互いを理解しあえないのでしょう? 私はいつも、そう思っていました。 人間と人狼……2つの種族は相容れない存在なのでしょうか。 ――捕食者と糧。そう言ってしまえば簡単です。憎みあう理由も非常に明確です。 ……でも……彼らは……人狼は…… 人間と同じように、神が創り上げた創造物(creature)… 共に手をたずさえる道は、無いのでしょうか……? | |
(35)2006/08/02 02:06:14 |
学生 ラッセル [...は自分の手の中のナイフをじっと見ていたがグッと強く握った。 …そのまま、ゆっくり手を離す。ナイフはカランと音を立てて地面に落ちた。響く音に自嘲の笑みを、浮かべる。] …自分で死ねたらさ、頼まないんだよ。 だって俺は "生きたい" んだもん…人を何人も殺してまで。 体が"生きたい"って叫んでるんだ…。 "生きたい"って…人の血を啜りながら、それでも"生きたい"って。 頭の中では辞めたいって思ってるのに…いつも体に負ける。 …大事な人を傷つけてまで生きるってなんだろ? 少し前まではみんなと同じように、普通に生活してたはずなのに。 可笑しいよね…全部自分で壊しちゃったんだよ。 ライラも、レインも…セシリアも、みんないなくなっちゃった。 [シャーロットの涙を見て、それを拭うことができないことに、寂しそうな笑みを浮かべながら] シャロ、泣かないで。 …俺は、弱いからさ?自分じゃ死ねないから。 | |
(36)2006/08/02 02:16:37 |
学生 ラッセル ペンダント…。 [そういえばそんな話を昨日していたな…と考える。 昨日はあれだけ拘っていたのに、何故今は何も感じないんだろう…。 ...は己の首元からそれがなくなっていることに気付いていない。] >>37 ……よく、わかってるよ…。 …でも、どうしたらいいんだろう…? もう、誰かに殺してなんて言わないよ。 …可笑しいよね、あんなに願ってたのに…。 口に出すと、わかるんだ…まだ生きたいって。 …俺、どうしたいんだろう…。 どうしなきゃいけないんだろ…。 [呟きと共に、涙が出てきて、片手で顔を覆った。] | |
(38)2006/08/02 02:28:50 |
冒険家 ナサニエル [どうすればいいか分からないまま、静かに響くニーナの 凛とした声に頷くことしかできなかった。 それからラッセルの言葉に顔を上げた] >>36 生きたい、か。人を何人も殺してまで… 同じだよな結局…人間と。 人狼かどうかはっきりわからない奴を処刑させてまで…生きたい。 生きたかった…。 [...は緩やかに首を振る] …どうやってお前を責めりゃいいのかわかりゃしない。 「少し前まではみんなと同じように、普通に生活してたはず」か… なあ…なら試せ。またそうできるかどうか。試してみろよ。 ハーヴェイが戻ったら聞いてみよう。 あいつ、そういう研究してるんだろ? それまでに、また人を食いたくなったら大声で叫べ。 気を失うまでぶん殴る。今も不安なら、縛りつけとくよ。 でも今殺せと言われたって…無理だと思う。 | |
(40)2006/08/02 02:36:52 |
見習い看護婦 ニーナ [ニーナはラッセルが覆っている片手を振りほどき、涙を流すラッセルの顔を強い目でキッと見ている。] ウソツキ。卑怯者。 食べるために人を殺した罪悪感? ……あなた、生きていたかったんでしょう? 「本当は死にたかった」なんて、嘘よ。 「身体が欲していたから仕方ない」なんて、大嘘よ。 世の中にはね、どんなに生きていたくたって、身体が言うこと聞かなくて死んでしまう人がゴマンといるのよ!?その人たちの命に比べたら、あなたなんてまだ幸せよ!生きていられるんだから!そこから脱する方法があるんだからっ!! だったらあなたは、人を食らって生きていたことを、せめて誇りに思いなさい!! ふざけないで!今すぐ死にたいだなんて……思い上がりもいいところよ!あなたが食べて殺した人に失礼だわ!! | |
(41)2006/08/02 02:38:39 |
学生 ラッセル [ポツ、と雫を落としながら可笑しそうに笑う。 ああ、彼女達と初めて"会った"時と同じだと。] ……ニーナは、優しいね。 …そして少し残酷、かな。 お願い、人間。誤解しないでね。 人狼は人を食らわないと生きていけない生き物なんかじゃないんだよ。 人間と共存できない生き物でもない。 人間の父さんと人狼の母さんの間に生まれた俺が、 ここまで、他の人間と同じように暮らしてきたのがその証明だよ。 …どうして俺らがこうなったのかはわからないけど。 本当は、普通に…血なんか求めずに生きることのできる生き物なんだ。 …人狼だって理由で、人間が俺らを狩らなくてもね? …それを、覚えておいて。 | |
(43)2006/08/02 02:41:49 |
村長の娘 シャーロット ―――…弱くていいよ。 私…ラスに、生きててほしいよ…っ [ラッセルの傍にすとんと座り込むと、再びその手を握る。僅かに掌に痛みが走るものの、気にした様子も見せずに。 ―――何度目元を拭っても止まる事のないそれは、ぱたりと小さな音を立てて床へと弾ぜる。 と、ラッセルの言葉>>43に。ふと―――思い出す] ……ハーヴに、きいた。 …少しだけだけど、ハーヴが研究してる事。 [数日前に、偶然耳にして知った真実。 彼の言うとおりなら、確か] ねぇ、ラス―――…紅い、ペンダント。に。 …持ってたり……心当たり、ない…? | |
(45)2006/08/02 02:46:45 |
学生 ラッセル [>>41ニーナの言葉に、少し苦笑する。説明するのも、苦しくなってきた…。体が欲してたから仕方がないなんて言ってはいないし、自分はただ、喉の渇きに負けてしまっただけなのだけれども…一つ一つ説明して何になるのだろうか…そんなことをぼんやり考えながら。 ただ、数日間のぐるぐるとした思考は少し晴れたような気がした。「――少し、悩みすぎている…」そう、呟いた仲間の声が蘇って、自嘲の笑みを浮かべた。 ナサニエルを見て、何を言うか口を薄く開けていたが] ……悪かった。 [出たのはこんな言葉だけで。 シャロに慰めの言葉を自分が掛けていいものか、思案していたところで彼女の言葉に目を瞬く。 …手が、自然と胸元へ行っていた…夏休み、入ってすぐだ。誰もいない家の中で、父の書斎から見つけた母のペンダント。 形見だと、肌身離さずつけていたはずなのに…今はない。] …なんでシャロが知ってるの…? | |
(47)2006/08/02 02:54:31 |
見習い看護婦 ニーナ [ニーナはナースキャップを外し、代わりにヴェールを纏う。ラッセルに背を向け、言葉を紡ぐ。] ……人間も人狼も、関係ありません…… 私達は、全員、人殺しなのですから……。 ならば、今を変える努力をしましょう。 そして…贖罪をしなくてはならないわ。 死ぬことで逃げてはだめ。 生きることでしか、私達は罪を償うことはできない…。 殺した人の命の尊さを想いながら明日を生きることが…私達の責務。 [ニーナはラッセルに振り返った] たとえ思い上がりと言われても……私達は、そうやって生きるしかないんです。だって、殺した人たちの声を聞けるのは……かの人を知る、私達だけなのですから…… | |
(48)2006/08/02 03:02:53 |
村長の娘 シャーロット >>47 ……もってる、の?―――本当に? [流れていた涙が、僅かに止まる。 ラッセルの応えに、微かに声が震えた。 偶然ではない?―――まさか、本当に] …ラス。そのペンダント…いつから、持ってたの? こうやって……今回みたいに。 人を、―――食べ…たくなったのは、いつから? | |
(50)2006/08/02 03:09:48 |
村長の娘 シャーロット ……、セシィ、の。 […目を伏せて握っていた手を、僅かに強めて。 堪えるように、小さく息を吐く。 ―――それでも、一つだけハッキリした事がある。 …符合が、パズルの様に当てはまっていく。…紅いペンダント、血を求めだした時期、人狼としての力の覚醒―――… 実物を見たことが無い自分には確証が、無い。 それでも、もしそれが本物なら] ……ううん、私は…見て、ない。 けど、ハーヴ…が。…紅いペンダント、は…… あれは、政府が作った――――研究、で。 […そこまで言って、僅かに言い澱み。 それでも、ゆっくりと口を開く。この国の、裏側を] ―――…"生物兵器"の…"能力増幅器"。 | |
(53)2006/08/02 03:35:45 |
学生 ラッセル [崩れ落ちるニーナに思わず手を伸ばす…爪が、戻っている。 目を、丸くして己の両手を見た…戻っている。] …おやすみ、ニーナ。 ナサも…謝ってどうなるのかわからないけど…本当にごめん。 …ごめん、シャロ。ニーナ、あとでソファーに運んでくれるかな? [いつまた先程のように、爪が狼のものになるかわからなくて…。 シャロに、小さな声で告げた。] 政府…?能力増幅器…? …生物兵器…? 難しい単語ばっかりだね。 …あのペンダントのせい…?……。 [生物兵器…と実感の沸かない声でもう一度呟いて。 それじゃあ、自分は…生まれた時から兵器だったのか…? 人狼よりも御伽話のようだ…と、小さく笑おうとして、できなかった。] | |
(54)2006/08/02 03:53:05 |
書生 ハーヴェイ ――回想―― [真夜中過ぎた村外れの墓地。そこで...は一つの墓石の前で自分が知り得る情報を、一人零していた。まるで懺悔をするかのように…] ――皮肉なものですね。あなたが奪われまいと隠し通そうとしたこの石が、愛するわが子の手によって再びこのように表沙汰に出てくるなんて…。 ……余りにも皮肉すぎる。 [...は柔らかく頬をなでる夜風に目を細めながら…] あなたは…気付いていたのでしょう?…この石の本当の力を。この石を身に着ける事によって得られる力も、乾きも。だから肌身離さず持ち歩いていた。処刑されてからもずっと。誰かの思惑によって愛しい我が子の手に渡らぬように…。 | |
(59)2006/08/02 11:53:38 |
書生 ハーヴェイ 俺も詳しく走りませんが…、人狼の再生能力はかなりのものだと聞いています。まぁ、元々人間の血も含まれているわけですから、ある一定の条件を満たせば死を迎えることが出来ますが。 しかし、あの石は獣としての能力だけを精製した謂わば純度が高い代物。加えて体内の一部、心臓というもっとも重要な臓器の一部が含まれているので、石は再生能力をフルに発揮してくるのです。いずれは他の仲間の体さえ乗っ取るつもりで。 だから、身に着けている内に喉が渇いてくる。人が水分を欲するように、血液を欲してくる。大量の血を…。そして満たされていく毎に、人としての理性は失われていく。殺戮する快感と引き換えに…。 身に着けた本人は、少しもそんな事を望んで居ないのに… | |
(61)2006/08/02 12:12:55 |
書生 ハーヴェイ 俺は…そう言う本能に逆らえず苦しみながら死を迎えた人を見て…救いたいと思った。 ――いや、救いたいなんて大それた事は出来ない。けれど…気付かせてあげたくて、自分の身を削って研究を進めています。 人狼だとか、人間だとか、そういったカテゴリーを取っ払っても、皆が静かに暮らせら事を祈って…。 その為にはこの石が…、あなたが表の世界からひた隠そうとしたこの石が必要なんです。 ――これ以上ラッセルが…いや、全ての人狼が苦しまないようにする為に…、譲り受けたいと思って、こうして許しを得にあなたの元へ来た次第です。 既に石は共鳴し始めている。このままこの石をラッセルの傍に置いておかない為にも…。 [と、その時まるで...を包み込むように夜風が一瞬だけ通り抜けていった] | |
(62)2006/08/02 12:27:41 |
書生 ハーヴェイ [優しく包み込んだ風に、...は緩やかに目を細めながら…] えぇ、あなたの好意は無駄にしません。諸々のお叱りは…あなたの元へ行った時にでも受けますよ。えぇ、ラッセルとの事も…全てね…。 [...は一瞬苦笑を漏らしたが、表情を曇らせ…] 俺は、もうそんなに長くないんです。人狼を操る為の薬品の開発に努めながら、もう一方で覚醒無効化の研究を進めてきました。自らの体を使って。 だから俺の体はぼろぼろなんです。 でも、後悔はしていません。 あなたの飢えを少しでも軽くしようとしていた、俺の母と同じように…。少しでもあなた達の役に立てるのなら、死すら本望なのですから。 | |
(63)2006/08/02 12:38:55 |
書生 ハーヴェイ [緩やかな微笑を墓石に向けていると、タイミングを計っていたかのように、一つの影が動いた。その影に近付いていくと、...は手にしていた緋色の石を渡し、耳元で何かを囁いた。人影が一瞬だけ動揺したように動いたが、...は気にせず話を続けている。 やがて納得したかのように、影は闇夜に消えていった。] これで、今回の任務は終わりだな…。 政府側からの協力者が紛れ込んでいると知った時はどうなるかと思ったが…。でも、無事に終わったようだ。 後は…彼らに任せよう。もう、俺には思い残す事は無い…。 [...の微笑が、月明かりに照らされる。青白い光に照らされた表情は、何かをやり遂げたようにすがすがしかった。事実...にはもう、思い残す事はなかった。] | |
(64)2006/08/02 12:49:26 |
書生 ハーヴェイ さて、夜が白んでくる前に集会場へ戻るか…。 ラッセルの事も気になるが…、もし、誰かが襲われたとしても、ニーナやナサニエル達が居るから、大事には至らないようにしてくれているだろう…。 余所者だろうがなんだろうが、誰かを思いやれる程長く、俺らは一緒に過ごしてきたんだから…。 [...は眼鏡を外し空を仰いだ。蒼穹の空はまだ見えない。けれど青さは続いていくのだろう。自分の命が尽きたとしても。その空の下、大切な者達が笑顔で暮らせるように…。...はそっと祈りを捧げ、集会場へ戻っていった。 ――その姿を偶然見回りの足を延ばしていた、自警団員に見られているとも知らずに――] | |
(65)2006/08/02 12:58:00 |
学生 ラッセル [シャロに水飲んでくる、と小さく告げて厨房へと向かった。手を洗い、コップに一杯の水を汲むと、それを飲み干す。 ――口の中が潤う。もう、喉の渇きを感じない。 ペンダントのせいだ、とシャーロットはいった。 では、昨日のあれはなんだったのだろうか…。 己は、ペンダントを持っていなかったのに。 もう、この手の爪が伸びることはない…? それとも、また誰かを襲うことになるのだろうか…。 その時、自分自身を抑えることが自分にできるのだろうか…。] …俺は、どうしたらいいんだろ…? レイン、ライラ…。 [消えていった、苦しみを分かち合った仲間の声がよぎる。] ――…私たちって、生きてちゃいけない生き物なのかしら?―― [――答えは、わからない。唯、ぼんやりと厨房の窓から*蒼穹の空を見つめた。*] | |
(66)2006/08/02 16:32:44 |
書生 ハーヴェイ [...の眠りが自警団によって、日が傾き始めた夕方の事だった。 突然乱暴に開け放たれる、集会場のドア。そして迷うことなく荒々しい足音が、木製の階段を登り、ある部屋の前で止まった。] ハーヴェイ・エンデだな! [名前を呼ばれると同時に胸座を掴まれて引き起こされる体に、...は緩やかに目を開きながら、乱暴な自警団の手を軽く払う。] そうだけど…。一体何の用? まさか、男娼の噂を聞きつけてやってきたの? ――別に金さえ貰えれば、別に誰でも良いけど、いきなり人の部屋に入って来て乱暴に振舞うのだけは勘弁してくれよ? [...は駆け込んできた自警団を一瞥し、くすくすと苦笑を漏らした] | |
(68)2006/08/02 20:29:04 |
書生 ハーヴェイ [寝起きの男に性質の悪い冗談であしらわれた自警団達は、一瞬黙り込んだがすぐに顔を真っ赤に染め、昨日集会場から抜け出した...の姿を見たものが居る事を告げる。 そして投げ掛けられる問い掛け――人狼が生息しているのに、単独行動するとは、お前も人狼の仲間なんだろう?――に対し…] 随分下らない理由で人を疑うんだな…。 今までもこんな下らない理由で罪無き人を殺してきたのか?ハッ、それじゃぁまるでお前らの方が 人狼の様だな。常に人の死を求めているお前らの方がね。 昨日集会場を抜けていた理由か。――そうだな…夜伽の相手を探していたとも言えば、人間だって信じてもらえる? [疑われた事に怯える事も無く、逆に茶化してくる...の態度に、遂に業を煮やした自警団達は、...の鳩尾に拳を食らわ、せ気を失った所を紐で縛り肩に抱えながら集会場を後にした。] | |
(71)2006/08/02 20:44:28 |