流れ者 ギルバート 彼女は愛する男を捜し世界を彷徨いながら、少しずつ傷付き少しずつ壊れて行きました。 子供は其れを見守る事しか出来ずにただ母親を慰めました。 そしてある時、もう疲れ切っていた彼女は自分の子供を見つめ思いました。 「世界の壊れて行くのを見守るなんて可哀想」と。 其れは彼女なりの純粋な優しさでした。 一人だけ壊れて行く世界に残すのを忍びなく思った彼女は自分の子供を刺して、自らも命を絶ちました。 刺された子供は幸か不幸か一命を取り留め、それから母親が壊れてしまった原因について勉強を始めました。 そして今、こうしてみんなの前に居るカウンセラの俺は出来上がりましたとさ。 [つまらない話だねと呟いて儚く微笑んだ] | |
(109)2006/06/23 23:58:57 |