村長の娘 シャーロット [ どうしてもヒューバートさんに一言お詫びを言いたくて、あとから行列についていく。 ハーヴェイさんとナサニエルさんが部屋に入り、ゴードンさんが後続を制止する。しばらくすると、部屋から声が漏れてきた。 『まだ足りない……だって? 一体……なんだって言うんだ!?』 『二人も殺しておいて、まだ何が足りないって言うんだよ…………。』 ハーヴェイさんの、怒りのこもった声が聞こえて… ナサニエルさんの、途方に暮れた嘆きが聞こえて… 心の中に巣くっていた不安が、かたちを伴ってしまう。部屋の中がどんな状況なのか、想像がついてしまった。 リックやウェンディと一緒に、呆然と様子をみていると、ハーヴェイさんが突然部屋を飛び出し、階段を駆け下りた。 ゴードンさんの穏やかな、だけど疲れた声に促され、ラウンジに戻ると…。 セシリアが、扉を避けるようにソフィーさんに縋っていた。 その向こうには走っていくハーヴェイさんと、その行く先に倒れている、赤い姿。 わたしは、ただぼうっと、ラウンジの一角に*立ちつくしていた* ] | |
(30)2005/10/07 02:59:28 |
流れ者 ギルバート 確か…ラッセルは、君と共にヒューバートの部屋に行ったのだよな? ヒューバートは既に死んでいた。。。 その殺害現場を見て後悔に駆られ…自暴自棄になって飛び出して行った…。 いや、これは楽観過ぎるか。 まず血文字の内容に反するからな。 [そこでギルバートはトーストを齧りコーヒーを飲んだ。そして思いついたようにハーヴェイに話しかけた。] それとラッセルの部屋とかは調べたか? 『いや、まだだ。そんな余裕はとても無かった。それに…なぜだ?』 もしかしたらラッセルが犯人であったり、殺害の片棒を担っていたり… その関連するものとかが出てきたらと思ったんだがな。 たとえそれはなくとも遺留品を親御さんのところへ送ってやらねばならないだろう。 身元を調べておくのも悪くは無い。 | |
(36)2005/10/07 12:53:14 |
文学少女 セシリア 【回想/ラウンジ/2:30】 『しかし、もう夜も遅い。二人とも寝た方が良いな。』 [ギルバートがソフィーに声をかける。ソフィーは恐怖からか、動かなかった。] 『ほらっ………さ、セシリアも…』 [ギルバートがソフィーの右腕を引っ張り、ソフィーを立ち上がらせた。続いて、セシリアも立ち上がらされた。] [ギルバートがソフィーの右手を握りながら前へ進んだ。ソフィーはそのまま引かれるようにギルバートに続いた。セシリアははぐれないように、ソフィーの上着の背中の裾を掴みながら、後ろに付いていった。] 『セシリア、おやすみ。』 [208号室のドアを開け、ギルバートが声をかけた。セシリアはそれには答えなかった。セシリアはちらりと吹き抜けの向こうの201号室の方に目を向けた。] (………あの部屋で一体何が…) [ドアを閉めると、部屋の中は暗く静かだった。] | |
(38)2005/10/07 17:33:54 |
文学少女 セシリア 『ラッセルの身元を調べているんだ。』 [ギルバートはそう答えると、ハーヴェイと顔を見合わせた。そして同時に頷くと、ハーヴェイがセシリアを招き入れた。] 『実はセシリア…』 [ハーヴェイが静かに、ゆっくりと語り始めた。ギルバートが神妙な面持ちでそれを見守った。セシリアは、ハーヴェイの口からラッセルの不幸な死を告げられ、次いでヒューバートが殺されたことを聞かされた。死の様子、血文字……。] 『そう、それで俺達はラッセルが君の叔父上とヒューバートの殺害に関与しているのではないかとも考えている。』 [ギルバートが付け加えるように言った。] そんな…、ラッセルさんが叔父様を……叔父の命を奪う理由はないはずです… [そんな人間が恐怖に怯え逃げ出すようなことがあるだろうか……。頭に残るラッセルの記憶を思い出しながら、セシリアはそう思った。] | |
(43)2005/10/07 18:15:41 |
流れ者 ギルバート 【2階廊下】 ―――ギィーッ。 ん? [2人がラッセルの部屋を出たところ、ちょうどセシリアの部屋のドアが開いた。セシリアは驚いていたようだが、ラッセルの部屋を調べていた理由及び調べる顛末になった昨晩の出来事を話して聞かせた。] ああ、もしかしたらラッセルが犯人でこの事件が終わったら…と思ったんだが、そうではないらしいな。犯行に繋がるような物は何一つ無かったよ。それに残された血文字からもラッセルが…ということは考え難い。 さて…ここで考えていても埒があかないな。 俺はゴードンに鍵を返した後、一度部屋に戻る事にする。 2人ともまた後でな。 [ギルバートはセシリアとハーヴェイと別れると、ゴードンに鍵を返して旅券を渡し後の事を任せた。そして自室へ戻った。] | |
(47)2005/10/07 18:45:40 |
双子 リック 【208号室/昼過ぎ】 [リックは眠れないでいた。恐るべき殺人犯がこの山荘の中で息をひそめていること。 たとえほんの僅かとはいえ人間の死体を垣間見てしまったこと。 直後、ラッセルが吹雪の中で絶命してしまったこと。 つい直前に単独行動は避けようと皆で相談した直後だったのにその直後に命に関わることになってしまったこと。 リックの頭の中は水に油を加えて掻き混ぜたようにごちゃごちゃになっていた。] やっぱり……ひとり離れるのは危険、ということなんだろうな… 僕でさえこうなのに、ディやシャーロットさんやセシリアさん達って見ていてどうなんだろう、やっぱり耐えられなくなっちゃうよね… 【食堂】 [遅いランチを食べることにする。ノーラさんからすすめられたクリームティーにポテトを詰めたパイ、コーニッシュパスティを味わいながら考える。] じゃあ、誰があんなまねを、しかも2回もすることができるんだろう。 | |
(49)2005/10/07 20:56:44 |
双子 リック [リックは食堂でひとり考えている。] そもそもスチュアートさんって、どんな人だったんだろう。いくつくらいの人なのか。 アーヴァインさんとの直接の関係はどんなのだろうか。 ヒューバートさんはどうして殺されたのか。ヒューバートさんは僕のことを知っていた。 僕はヒューバートさんのことは知らなかったけど、ヒューバートさんは僕の父さんを通じて知っていた。 でもそれ以上のことは分からない… そうだ、ゴードンさん…ゴードンさんはもう元気なんだろうか。 ゴードンさんはアーヴァインさんの姿を発見したときは、血を吐いて気を失うほど動転していた。 でも、ヒューバートさんの時はつとめて冷静な行動だった。管理人としてどんな時にも動じない姿というのは素晴らしいことなんだけど、少し驚いちゃった。 この2人への反応の差は……やっぱりそれだけアーヴァインさんに忠誠を誓っていた、ということなんだろう。 | |
(50)2005/10/07 21:06:18 |
文学少女 セシリア 【ラウンジ/昼過ぎ】 [ラウンジに戻ってくると、不思議と誰もいなかった。奥のソファーに座ると、セシリアはカードを取り出し、それを眺めながら考え込んでいた。] (……恐ろしい事が起こっている…。叔父様だけでなくヒューバートさんも殺された…。おそらく無関係だったラッセルさんは……死に巻き込まれることを恐れて逃げ出そうとしたのかしら…。 叔父様とヒューバートさん…そう…調査の出資者だわ…。ギルバートさんとハーヴェイさんは、なぜかラッセルさんを疑っていた…。ナサニエルさん……は?それともこの人たち以外に叔父様を殺した人がいるのかしら……でも…一体なぜ…?) [暖炉の炎が赤々と燃え上がっていた。] ……ローズマリーさん…シャーロットさん……どうしてるのかしら…? | |
(54)2005/10/07 21:30:47 |
冒険家 ナサニエル 【回想/203号室/朝】 [ナサニエルはヒューバートとラッセルと立て続けに死者が出た事にショックを受けていた] アーヴァインさん、ヒューバート…、共通点はそれなりに資産があるという事か…。 そしてラッセル…、何でこんな事確かに俺もあいつを疑ってはいた…、昨日はどこにいるかほぼ不明だったわけだしな…。 でもそれがあいつを追い詰めたんだ…、その結果あんな事故がおきてしまった…、俺達のせいだ…。 あいつの親族になんて説明すればいいんだよ。 「たまたま怪我していたところを拾って開放していたら殺人事件がおきて、事故で死んでしまいました」 そんな風にいって納得できる親族なんている分けがない…。 何でこんな事になっちまったんだよ…。 | |
(57)2005/10/07 21:42:56 |
双子 リック [どうしてこんな傷を背負ったのか。10年前だったことは覚えている。 妹とおままごとをしていて……気がつけば切られていたのだ。気がつけば肩口から血を出して泣いていた。 どうしてそうなったのかは覚えていない。 ただ、痛かった。 両親がお医者さまを急遽馬車で呼び寄せて、一晩中泣き続けた。辛くて、悔しかった。 傷口が塞がっても傷あとまでは到底癒えず、激しい痕を友人に見られる度にからかわれた。 説明するのもいちいち億劫になってきたから決まって『兄妹げんか』と四角四面に答えてきた。 それ以来、ウェンディとの関係はこの傷痕同様に引き攣ったものになった。 ついウェンディには手酷い言葉を浴びせる。 好きでよかれとやっている訳ではなかった。 ただ彼女が目の前にいると、思考する以前に口や体が動いてしまっている自分がいた。 リックは小指側の拳で、ごくごく軽く横の壁を殴った。] く…っ。 | |
(58)2005/10/07 21:54:54 |
書生 ハーヴェイ 【回想/自室/昼頃】 [ ラッセルの部屋を調べた後、ハーヴェイは自室に戻り一息吐く。 ラッセルが犯人であった可能性を考えてみる……いや、やはりそれはあるまい。動機も繋がりもなければ、残された血文字の説明もつかない。 ギルバートは初め、ラッセルが犯人の可能性をそれなりに考えていたようだが、しかし、どちらかといえばそれは希望的観測だったのだろう。 ラッセルの部屋を捜索して身元を確認し、めぼしいものもないと分かるとその考えを横に置いたようだった。 「宴ははじまったばかりだ」「まだ足りない」 二つの血文字。 犯人は……この中に居る。 そして、殺害を繰り返そうとしている。 目的があるのか、それとも、殺す事のみが目的なのか。 釈然としないものがあった。 何か見落としているような。何かを忘れているような。 ――溜息を吐く。 そして、空腹感を感じたハーヴェイは重い動作で食堂へと向った。] | |
(60)2005/10/07 22:34:51 |
書生 ハーヴェイ 【食堂/昼過ぎ】 [ ハーヴェイが食堂に訪れると、擦れ違いにリックが出て行った。挨拶を交わし、リックは階段へと向って行く。 その顔にはありありと、憔悴と苦悩が見て取れた。 疲れているのだろう。無理もない事だった。 食堂に居たネリーに食事の準備を頼む。 ネリーが用意を終えて戻ってくると、ハーヴェイは礼を言い受け取った。 そこに、ソフィーが訪れた。 足取りは重く、顔にはやはり疲れが見える。] やあ、ソフィー。 [ そう言った自分の声もやはりいつもの調子ではないな、などといやに客観的な思いが浮ぶ。] 『こんにちは、ハーヴェイさん。 あの、昨日は……ヒューバートさんとラッセルの様子はどうでした?』 | |
(62)2005/10/07 23:22:07 |
新米記者 ソフィー 【回想/205号室/夜→朝】 [セシリア、ギルバートと共に部屋に戻ったソフィーは、冷たい部屋の中でベッドに腰を下ろし両手を見つめていた。そして、視線を隣の部屋の方の壁に向ける。] (ギルバートの話…… 調査隊のメンバーである事を隠していた…… 一体、何故……?) そういえば、ヒューバートさんの様子はどうだったんだろう。 ラッセルの様子も気になる…。 ハーヴェイさんに聞きに行きたいけど…… [ソフィーの体は激しく震えていた。以前はセシリアを護ろうと自分を強く保つようにしていたが、今のソフィーはそれができなくなっていた。気づいたら、窓の外の闇は微かに明るくなっていた。 ―――コンコン。 扉を叩く音と同時に、ドアノブが回される。] (だ、誰……?) | |
(64)2005/10/07 23:37:44 |
文学少女 セシリア 【続・ラウンジ/昼過ぎ】 [ローズマリーの言葉にそっと頷くと、セシリアはカードを並べ始めた。青のカードを円く並べ、中央に赤いカードの山を置くと、ローズマリーが山の3分の1あたりのところで山をカットした。] 『青いカードを2枚めくって下さい』 [セシリアの声に、ローズマリーは恐る恐るカードを選び始めた。ゆっくりとした手つきで、人差し指が1枚のカードを指し、そしてそのカードをそっとめくった。続いて、もう1枚のカードを同じようにゆっくりと表にう向けた。セシリアが、赤いカードをめくることを促すと、ローズマリーはうなづき、そして赤い山の一番上を震える手つきで開いた。] 1枚目…、狩人のカード…。忍従、そして人を支える力…。 2枚目…、森の妖精…。美しさ、優しさ…。 2枚をつなぐカードは…、折れし王の剣…。 | |
(75)2005/10/08 00:18:54 |
文学少女 セシリア 【続・ラウンジ/昼過ぎ】 狩人と森の妖精は…、森深くの谷で愛を紡ぐ…。王の剣は、妖精の魔力のこもった業物…。折れた剣は妖精の力で鍛えなおされるでしょう…。そしてその導くものは戦い。 ローズマリーさん、あなたは危難に見舞われる…しかし愛を支えにすれば、乗り越えられるのかもしれない…。もし、この赤のカードが…夕闇に光る明星のような首飾りであれば…、あなたは無事に愛を成就できる運命だったでしょうに…。 [そういうとセシリアは、赤いカードの山の次のカードをめくった。そこには夕星のようなネックレスの絵が描かれていた。] 『……まさか…』 [*しばしの沈黙が続いた*。] | |
(77)2005/10/08 00:21:43 |
書生 ハーヴェイ 【食堂/23:00】 『「まだ足りない」…まだ殺人は続くという事…? 何が足りないんだろう……』 [ ソフィーの呟いた言葉がハーヴェイの脳裏に引っ掛かる。 ハーヴェイは暫し思案しその後に口を開いた。] ……宴というのが殺人の暗喩であったなら……「まだ足らない」その言葉は、流した血が足りない……そういう事なのであないかと思えるね。 アーヴァインさんとヒューバートさん……面識があった事は確かだと思う。二人に共通するのは……推測通り、ヒューバートさんが資金面での協力者だったのなら、アーヴァインさんは資産家であり、どちらも自由にできる金が多いというくらいかな? ヒューバートさんがどのような人だったのか余り分からないのが悩ましいな…… 『ソフィー、探したよ。 話があるんだ。部屋まで来てくれないか?』 [ ハーヴェイが思索に耽っていると、ギルバートの声が響いた。] | |
(80)2005/10/08 00:30:40 |
文学少女 セシリア 【続・ラウンジ/昼過ぎ】 [もしローズマリーが、一番上のカード(王の剣)ではなく次のカード(夕星の首飾り)をめくっていれば、平穏な運命が示されていた…。この偶然に、ローズマリーは不安げな表情を隠せなかった。] ……ローズマリーさん…運命はあなたの危難を示していますが、その先は示してはいません……。伝承によれば、狩人はやがて危難を乗り越え、王の剣を誇示しながら再び現れるとか…。あなたが勇気を出して事に当たるならば、伝承の狩人が王の座に就くように、あなたもこの危機を乗り越え、あなたの愛を成就できるのではないでしょうか…。 [そういうとセシリアはカードを片付けた。それではまた後で…、そう告げるとセシリアは部屋に戻っていった。] | |
(86)2005/10/08 01:00:26 |
双子 ウェンディ 【回想/212号室】 [ウェンディはひとりベットの上で毛布を頭から被って爪を噛んでいる] アーヴァイン卿の死… 『宴ははじまったばかりだ』 ヒューバートさんの死… 『まだ足りない』 一体何が起きているというの? 残された2つのメッセージを見る限りでは、アーヴァイン卿とヒューバーとさんは同じ犯人によって殺されたの…? ヒューバートさんはアーヴァイン卿に招待されて米国からここにきていたと昨日誰かが言っていたような気がする。 昨日は、アーヴァイン卿のことがあったからみんななるべく一緒に行動しようとしていたし、一人で行動しているように見えた人は誰もいなかった…ヒューバートさん以外には… | |
(90)2005/10/08 01:06:07 |
双子 ウェンディ [ウェンディは、毛布にしっかりと包まりながら一生懸命考えている] まだ…誰かが殺されるようなこと、あるの…かな。 『まだ足りない』って………。 怖い… 昨日相談していたように誰か疑わしい人を、閉じ込めないといけないんだろうか。 昨晩、招待を受けていないのにここにいるということでギルバートさんはラッセルさんを疑っていたけど…怪我をして偶然ここに来たというラッセルさんがアーヴァイン卿やヒューバートさんを殺したなんてこと本当にあるのかな? もしそうだとすると怪我をしてここに来たこと自体が計画的だったということ? ラッセルさんは言葉が少なくて何を考えているのか話してくれなかったかったから、全くわからないなあ… ラッセルさんが犯人でないとすれば、ラッセルさんを疑ったギルバートさんが怪しい… なあんてね。そんな単純なことはないよね? | |
(92)2005/10/08 01:06:21 |
見習いメイド ネリー 【回想/第二第三の殺人前後のラウンジから朝まで】 [『ノーラ、大丈夫か?気をしっかり持つんだ。 確かにチャールズさんの言った可能性は否定できない。 あの血文字……それはそういう意味かも知れない。 だが、そうと決まった訳じゃない。 勿論、気をつけなければいけないと思うけどね。』 ハーヴェイの声がどこか遠くから聞こえるような気がして、 促されるままにネリーは椅子に腰を降ろしていた。 セシリアの手が触れている部分から伝わってくる僅かな温かさだけが 現実のもののように感じられる。 その後に起きたことも、どこか非現実じみた 幕の向うでの出来事のようにネリーには感じられた] 『旦那さまに続いて、ヒューバートさん… そしてラッセルさんまで……』 [ネリーはそれでも身づくろいを整え、眠り… そして客人に対しての対応をすることは忘れなかった] | |
(96)2005/10/08 01:21:00 |
双子 リック 【自室】 [リックは昨日から浅い眠りにしかつけなかった。 寝返りをうってみたり、ベッドの上で膝を抱えてみたりしたがどれも自分の心を落ち着かせるものではなかった。] セシリアさんやノーラさんは何も知らないだろうな・・・ とすると知ってそうなのはハーヴェイさん、ギルバートさん、ナサニエルさん、ソフィーさん、シャーロットさん、ローズマリーさんになるのかな。 ゴードンさんはアーヴァインさんには詳しいから、少しは知ってるかもしれない。 で、スチュアートさんについてどのくらい知ってるのか。 昨日お話した感じ、知ってる量がばらばらみたいだったな。 誰かに直接聞いてみたほうがいいのかな。とすると、誰がいいのだろう。 | |
(101)2005/10/08 01:31:40 |
見習いメイド ネリー 【回想/早朝】 [ネリーは自室で目を覚ました。 鉛のように重い身体を起こし、厨房へと向かい、朝食の用意をする。 パンを切り、スープを作り、そしてお茶のために湯を沸かす… 一連の動作は澱みなく進んだ… そして、自分がそういう日常の作業で 心の安定を保とうとしていることに彼女は気がついた。 …それだけ、この館に漂っている空気の重さは 昨日よりも更に増しているのだ。 昨日はヒューバートが殺され『まだ足りない』の血文字が発見された。 無関係に思えたラッセルはそのショックか、外に走り出たところで、 背中に落ちてきた氷柱が刺さり、絶命したという。 そのことをラウンジで耳にしてからというもの、 ネリーの心は昏く沈みがちになっていた。 …しかし、彼女は努めてそれを表に出さないように振舞っていた。 客に対して不安や失礼を与えてはいけない… …それは、前に彼女が仕えていた主人の口癖であったから] | |
(107)2005/10/08 02:15:15 |
文学少女 セシリア 【208号室/23:00】 [ローズマリーと別れたあと、部屋に戻ってしばらく考え込んだ。ギルバートとハーヴェイのこと……ローズマリーのこと……。] [ローズマリーの占い結果は、ローズマリーの帰りを待つものの存在を示していた。森の妖精が狩人の帰りを待つように、ローズを愛し心配している者がいる…。そして、ローズマリーに与えられた王の剣のカードは、闇に立ち向かいし光の象徴…。そのような運命を背負うローズマリーが、闇のように叔父の命を奪いつくすとは考えられなかった。] [途中食事に出向くと、ハーヴェイが思案に明け暮れていた。疑心暗鬼からか、人がまばらに出入りして食事をして行った。そのため、ネリーは幾度も給仕をしなければならなかった。セシリアは食事を終えると、地下室の叔父らに祈りを捧げ、部屋に戻った。] [そして思案に暮れるうち、時間が過ぎた。] | |
(115)2005/10/08 03:33:27 |
文学少女 セシリア 【浴殿/1:00】 [考えが止まらず、落ち着かないので眠れない…。セシリアは気持ちを落ち着かせようと、浴殿へとやってきた。] (……ぽちゃん……) [雫の垂れる音がこだまする。ライオンの頭の形をした注ぎ口から、お湯の流れ出る音が響いていた。セシリアはひざを抱えながら、湯船に浸かった。] ………はぁ… [心が安らぐ。叔父の死は、セシリアの心に悲しみと恐怖と混乱を与えたが、ソフィーやネリーの優しさは、セシリアに安らぎと落ち着きを取り戻してくれた。そしてなにより死んだ叔父が、セシリアの心が壊れ、殻に閉じこもってしまうことを……望んでいるはずはない。その気持ちが、セシリアの中に勇気を生み出すのだった。] ……犯人を必ず見つけ出すわ… [しばしのささやかな幸福の後、セシリアは現実へと戻った。体をよく拭き取り服を着ると、セシリアは食堂へ向けて歩き出した。] | |
(116)2005/10/08 03:52:34 |
村長の娘 シャーロット [【回想/ヒューバートさんの命日(同日)/ラウンジ/深夜】 その夜、また2人が命を落とした。 ヒューバートさん、そしてラッセルくん。 ローズマリーに、今夜の凶行についておざなりな説明をして、唇を噛んで黙り込んだ。 ] 電話線が切れていたこと、それに恐ろしい血文字の文面。ヒューバートさんの命を奪ったのも、きっと同じ者の仕業なのだろう。 ただ一言、ごめんなさいと言うこともできなかった… そんな思いが心の中を暴れ回って、張り裂けそうだった。 ハーヴェイさんとナサニエルさんが、エントランスを渡ってラッセルくんの遺体を運んでいる姿が目に留まった。 氷柱が背中を貫き、彼の命を奪ったのだ、とハーヴェイさんが説明していた。 それすらも、「宴」とやらのひと幕なのかもしれない。 | |
(127)2005/10/08 04:36:32 |
村長の娘 シャーロット [【回想/ヒューバートさんの命日(同日)/ラウンジ/夜明け前】 懺悔室でギルバートさんは、なぜあれほど強い怒りを示したのだろう。やはり、触れられたくない話をしていたのか。 ヒューバートさんは自動車を商っていると、パーティーのときに聞いた覚えがある。とすると… 『…全体にとっては不利益に働く…』 ギルバートさんの声が思い起こされる。 金銭。財宝。 そんな言葉がふと浮かんだけれど、ばかばかしくて頭を振った。 財宝を探し、精力的に活動した資本家を殺害して、お近づきになった会社の重役を殺める。一連の凶行が同一犯だったとして、この行動は、それこそ「不利益に働く」ように思えた。 ] | |
(128)2005/10/08 04:38:54 |
村長の娘 シャーロット [【209号室/昼頃】 広間の飾り棚に、鹿の剥製に挟まれて陳列されている猟銃を手に取り、自室にこもる。昼食をとっている最中で、ローズマリーがいないことにほっとした。 父さんに教わって鹿を撃ってから、もう…、10年経っていた。あれ以来、銃に触れたこともなかったけれど、今でも扱えるだろうか? ベッドに腰掛け、銃を眺める。 銃身を折り、薬底側から中を覗き込むが、弾ははいっていない。 折り開いた銃身をまっすぐにすると、かちり、と音がした。 撃鉄はすぐに解った。ぐっと起こすと、かちり、と音がした。 扉に狙いをつけ、引き金を引く。 がちん。 もういちど、銃身を折り、戻し、かちり。撃鉄を引き、かちり。 がちん。 静かな部屋に作動音だけが響く。銃も手際も、拙いところはないようで、ひと安心した。あとは弾丸。きっと施錠されたところにあるはずだけれど。 ] | |
(130)2005/10/08 05:42:34 |
村長の娘 シャーロット [【ラウンジ/昼下がり】 猟銃を広間の飾り棚に戻して、リックとウェンディを探す。リックはラウンジでお茶をすすって、真剣な表情を浮かべて考え込んでいた。かすかに呟きが漏れている。 『あんなのはもう終わらせないといけないから・・・』 同感だった。アーヴァインさんの部屋で見た、夥しい血。無念げな表情。…部屋から聞こえた、セシリアの嘆き。あんなのは。もう。 ] よかった…、此処にいたのね。こんにちは、リック。 [根拠もない話を聞かせても、恐怖を助長するだけ…と躊躇ったけれど、やはり、話さなくては始まらない気がした。] あの…ね、アーヴァインさんがあんなことになってしまって、さらにヒューバートさんまで。 次にだれかが狙われるとしたら、あなたや、ウェンディが危ないわ。アーヴァインさんも、ヒューバートさんも、資本を持ってらしたわ。だから、今度はウィティア家のひと…だと思う。 ねえ、ウェンディはどこ? 昼食のときはいたのかしら? | |
(131)2005/10/08 05:45:09 |
書生 ハーヴェイ 【回想/食堂/0:00頃から】 なあ、ナサニエル。 今回の事……君はどう思う? 『どう思うか、ね… 血文字を見る限りまだ犯人に止める意思はないって感じかね…。』 [ ハーヴェイとナサニエルは思うところを話し合っていた。] 思うんだが……アーヴァインさんを知る者でアーヴァインさんに殺意を抱く者がいるんだろうか? ギルバートがラッセル君を疑っていたのも、こう考えるからだろう。 ギルバート、ナサニエル、シャーロット、ローズマリー……調査に関わっていた事のある面子はそれなりに気心も知れてる。アーヴァインさんを殺す動機があった者がいるとは思えない。感謝や尊敬、そして慕っている事はあってもね。 セシリア、チャールズさん、ノーラ……この三人もやはり考えづらい。 僕らが全く知らなかった面子……ソフィー、リック、ウェンディ…… この3人は、僕が知り限りではアーヴァインさんとの接点が無い。ただ、接点が無さ過ぎて、アーヴァインさんを殺さなければならない動機があるとも思えない。ましてや、ヒューバートさんまで…… | |
(150)2005/10/08 20:52:10 |
書生 ハーヴェイ 【回想/食堂/5:00】 [ ハーヴェイは、暖炉の炎だけが照らす食堂で目を覚ました。自分の体に毛布が掛けられている事に気付く。 身を起こし辺りを見回す。 暖炉の傍で火を見守るゴードンの姿があった。ハーヴェイは知らぬ事ではあるが、セシリアを送った後、ゴードンは再び火の番をしていたのだ。] チャールズさん、ありがとう。お気遣い感謝するよ。 [ ハーヴェイの言葉に、ゴードンは無骨な顔に微笑を浮かべ頷いた。] ナサニエル……起きろ。部屋に戻ろう。 チャールズさん、ありがとう。あなたも休んでください。 [ 向かいでやはり眠り込んでいたナサニエルを揺り起こし、ゴードンに礼を言うと、ハーヴェイとナサニエルはそれぞれの部屋へと戻って行った。] | |
(156)2005/10/08 21:11:19 |
新米記者 ソフィー 2人は今回の事件…って言っていいのかな…?どう思ってる…? 私はまだ被害者が出ると思ってるわ。 第一の殺人の時、『宴は、始まったばかりだ』って書いてあったわ。始まったばかり…つまり、次があるという事よね。そして、第二の殺人が起きた…。今度は『まだ足りない』…。何が足りないのか。 何が足りないと思う…? 犠牲…血……?根拠はないけど、私はそんな気がしてるわ。 金銭絡みとは思い難いのよね。だって、金銭目当てなら…殺人を犯さなくたって盗ればいいだけだもん。 それに、あの血文字…犯人からのメッセージよね。 何で、犯人は私達にメッセージを残したんだろう…。 [ソフィーは2人の顔を交互に見ながら、そう呟いた。] ふぅ、考えれば考えるほど分からなくなるわ。 部屋に戻って、少し休んでくるわね。 | |
(159)2005/10/08 21:24:29 |
双子 リック 【回想/ラウンジ/昼さがり】 [死体を目の当たりにした時とはうってかわって朝は少し食がすすんだ。 食べ物をとる行為は身体が受けつけないだろうと勘くぐっていたが何故かすんなり喉を通る。背に腹はかえられないとはこのことだろうか。 お昼を少しまわった頃にシャーロットと出会う。シャーロットはかなりの危機感をもってリックに話しかけてきた。] 『次にだれかが狙われるとしたら、あなたや、ウェンディが危ないわ。』 うん……そうだね、シャーロットさん…もし復讐者がハプスブルグ家の秘宝を守るべく動いているのなら、僕とディは…危ないかもしれない。 けれど、僕もディもたとえお金を持っていても、お金の使い道は決めていない、発掘に使うとは限らないと思うから…いや、そこまで計算して狙ってきてるのかな… ディは…何があっても僕が守らないと… [しばらくの後ギルバートウェンディも会話に加わり、リックはにっこりとウェンディに微笑んだ。] | |
(162)2005/10/08 22:02:05 |