書生 ハーヴェイ 【回想/ラウンジ/9:00過ぎ】 [ 階段下の血の痕。 リックの死んだその場所。 しかし、その事はハーヴェイの感情を揺り動かさなくなっていた。 それを通り過ぎ、ラウンジへと入る。 ラウンジにはゴードンがおり、壊した家具を薪代わりに暖炉に火を入れていた。 ――やあ、チャールズさん。と、声を掛ける。抑揚のないその声は、己の声ではないかのようであった。 ゴードンは重々しく一礼する。 その面に浮ぶ憔悴の色は濃い。] 『……おはようございます。マクロード様。 ……フォックス様が……殺されておりました。』 [ ゴードンの言葉に、ハーヴェイは目を瞑り……嘆息を吐く。ゴードンはそのまま、シャーロットの死に様をハーヴェイに伝えた。 それを聞き終えたハーヴェイは、ゴードンに頷き「ああ」と言い……椅子に座り込んだ。] | |
(21)2005/10/12 21:24:16 |
文学少女 セシリア 【208号室/17:00ごろ】 [そのころ、セシリアは自室で今日の出来事を思い出しながら、考え事をしていた。] [礼拝堂でのやりとりの後、セシリアはしばらくゴードンと一緒に過ごした。ゴードンは一通り椅子を壊し終えると、一束の木片をセシリアに渡した。そしてその後、死体の置かれた部屋へとセシリアを連れて行った。] [シャーロットの亡骸は、胸を朱に染めていた。昨日、まどろみの中聞いた破裂音は、きっとあの人が撃ったものに違いなかった。悲しげにシャーロットの顔を見つめる。ふと、シャーロットの顔が微笑みかけたような気がしたが、それは過ぎ去った。] [そしてセシリアは自室に戻った。ゴードンのこしらえた薪は、ほのかに血の臭いをあげながら鈍く燃えていった。] ……あの人に… [あの人に問いただしてみるべきか…。セシリアの心は揺れていた。] | |
(56)2005/10/13 00:55:36 |
文学少女 セシリア 【208号室】 [セシリアの心は揺れていた。占いの示した運命。指輪。名前の断片。リックへの嘆き。シャーロットの死。すべてが一つにつながった。] ………ート……。スチュアート…… [運命の指輪はおそらく、スチュアートがソフィーに贈ったものだろう…。一年間の冬、スチュアートが死に、指輪が呪縛となった…。そしてその魂の嘆きに報いるため…ソフィーは運命に導かれ、この屋敷にやってきたのかもしれない。いや、そうとしか考えられなかった。調査にかかわった者――叔父、ヒューバート、ローズマリー、シャーロット。そして残るはハーヴェイとギルバート。復讐が目的であるならば、終わりは近い。] ……… [そしてその目的を遂げたあと、何が残っているのだろう…。指輪の呪縛に憑かれた者は、一体どこへ帰ってゆくのだろう…。そんなことを考えていた。] | |
(77)2005/10/13 01:56:31 |