学生 ラッセル 【2階廊下/AM10:00】 まだ吹雪はやまないのか・・・。いい加減に退屈してきたよ。 助けてもらった上に、こんな豪華な場所にタダで世話になってて悪いけど・・・早く帰りたいんだけどな。 [そうつぶやいて辺りを見回す。もう昼だというのにあまりにも人の気配がしない。皆部屋に篭るか眠っているかしているのだろうか。朝食時にも顔を見せた人間は数えるほどしかいなかった。] そういえば昨日は調査団を再開する、なんて話も耳にしたけど・・・やっぱり皆夜まで研究で忙しいのかな。 うん、きっとそうにちがいないね。 [今度はもう少しはっきりと声に出す。この人のいない空間に、彼がこの館を訪れてから感じてきたどこか冷たい空気、いわゆる嫌な予感というものを、なぜだかより強く感じてしまったからだ。] 使用人さんたちのところにでもお邪魔して本でも借りてこようかな。でも、僕にわからないようなものしかなかったりして、あははは・・・。 [言い知れぬ恐怖を振り払うようにして、*彼は階下へと降りていった*] | |
(0)2005/10/05 14:26:02 |
新米記者 ソフィー 【205号室/11:00】 [ソフィーは目覚めた後、昨日はシャワーを浴びてない事を思い出し、バスルームへと向かった。] そういえば、1階に浴殿があったわね。 シャワーより体温まりそうだし、今夜にでも行ってみようかな。 [シャワーを終えると、ソフィーは窓から外の雪を眺めながらセシリアの事を考えていた。] 『なにかよくないことが夜に起きるって… ………だから…眠れなくて……』 セシリア、眠れたかな…。 確かツインの部屋に一人でいるって言ってたよね。 この部屋でさえ、一人でも広く感じるのに、ツインの部屋なら… 洗濯の帰りにでも、ちょっと様子見に行ってみようかな。 [セシリアは内向的で人見知りの激しい性格らしく、口数はそう多くない。しかし、ソフィーに対しては少し違うように感じていた。そんなセシリアを、ソフィーは妹のように思い始めていたのだった。 ソフィーは洗濯物を抱えると、自室を出て行った。] | |
(1)2005/10/05 20:04:22 |
村長の娘 シャーロット [【209号室の朝】 窓の曇りをきゅきゅっと拭き取り、まっ白な景色に嘆息する。 銀世界は綺麗で好きだけれど、吹雪は…つまらない。 せっかくこの機会にスキーを覚えようと、ウェアとかゴーグルとか持ってきた(板は、貸してくれるよね。きっと。)のに、トランクの奥に押し込められたまま。 ] はぁ… むー… 退屈だよ。ローズマリーぃ。 [吹雪だからしかたない、とか、そんな返事が返ってきた。天の神様には勝てないや。それは解ってるんだけど、だからって退屈の虫がおさまってくれるわけじゃない。] そういえば、セシリアさんがカード持ってたよね。あれで遊べないかな。それか、恋愛運みて貰うとか! ルーサー先生と相性最高、とかでたら、どうする? ね、ね、セシリアさん探しに行こうよ。 [からかったせいか、気乗りしない様子のローズマリーの手を引いて、部屋から出た。] | |
(10)2005/10/05 20:34:48 |
文学少女 セシリア 【208号室】 [セシリアとソフィーはベッドに座って少し言葉を交わした。] 『ねえセシリア、占いの結果について聞いてもいいかしら…?』 ……えっ…? 『ほら、昨日の…』 …あ、はい…でも昨夜はなにもなかったみたいですし… [ソフィーに促されてセシリアは占いの結果について話はじめた。占いによると、夜と邪悪の象徴と、悪の支配者が、大いなる力を得る、つまり、セシリアとその周りの人々に、おそらく夜、とてつもない災いが起きる、という結果だった。] 『……恐ろしいわね。ううん、大丈夫よ、きっと大丈夫。ほら、なにもなかったでしょ、昨日…。』 ……でも私の占いは当たるから…怖いです… | |
(13)2005/10/05 20:42:02 |
酒場の看板娘 ローズマリー (確かにこの天気で部屋にじっとしているのは退屈…。シャーロットの気持ちもよくわかるわ。スキーが出来るくらいまではやく回復すると良いのだけど。いくらスイスの山奥とは言え、ここまでの吹雪がずっと続くなんてことはないわよね?) (私が気になるのは、セシリアさんのタロット占いはなんていうか、すごくシリアスな印象を受けたってこと。恋愛占いが悪いってわけじゃないんだけど、もっとなにか深刻な……。) [占いについてのセシリアの気になる言葉やその印象を、明るいシャーロットの前では、上手く言葉にすることが出来なくて飲み込んだ。その様子を「気乗りがしない」と思われたかもしれない。] | |
(17)2005/10/05 21:28:47 |
双子 ウェンディ [運ばれてきた紅茶に適度に温められたミルクを落とし、口に含む。自宅で飲むものには劣るが、温かさが体に染み渡り、ほっと息を吐き出した。周りをぐるりとみると仲良さそうなカップルの姿がみえ、羨ましさを感じた。] あの人達、恋人どうしなのかな? とても仲がよさそう。 恋人どうしってどういう感じなんだろう… [双子の家───ウィティア家は、鉄鋼業で身を起こした祖父と金融業で名をあげた父により、裕福な暮らしをしていたが、父と母は愛のない結婚であり、家庭が冷え切っていることを物心ついた頃から肌で感じて育ってきた。屋敷の使用人の話を盗み聞いたところでは、父の一族がハプスブルグ家の傍系であった母の家名を欲し、金で半ば買い取ったようなものであったらしい。それを思うに裕福な暮らしに感謝しても父のことは少し苦手だった] | |
(23)2005/10/05 22:22:02 |
双子 リック 【213号室】 [ベッドの上で足を広げて両腕を枕がわりにし、こうこうと洩れる明かりを眺めていた。 リックは生まれた時からウェンディとともに育てられてきた。側にウェンディがいる時であっても、そうでない時でも、周囲の大人からは当たり前に思われることを当たり前のように言われてきた。] 『リックちゃんは本当にウェンディちゃんのことが好きなのね、お兄ちゃんとして立派だわ。』 うん、だってディは僕の妹だもん。 [この言葉をまるでおうむ返しのように繰り返してきた。 いつからこの返事が当たり前のようになってきたのだろう、いつからこの言葉が独り歩きしたのだろう。] | |
(28)2005/10/05 22:38:57 |
文学少女 セシリア 【208号室】 『セシリア、私の運勢占ってみてよ。』 [突然のソフィーの言葉に、セシリアは少々きょとんとした。吹雪のせいで気が滅入っている、確かにそうかもしれない。例え自分に悪い占い結果が出たとしても、ソフィーにいい結果が出れば…、などと考えながらソフィーの笑顔をしばし見つめた。] ……ええ、そう…ですね……占ってみようかな… [そう言いながらセシリアは立ち上がると、ベッドの傍に丸机を寄せ、フエルトの小袋を運んできた。] ……これは、人の運命を占う占いです…何に関する結果が出るかはわからないの… [そういうとセシリアは、テーブルの上にカードを並べ始めた。青色のカードを円く並べ、赤色のカードをよく切り、その山を中央に置いた。セシリアがカットを促すと、ソフィーは山のやや半ばあたりでカードの山を入れ替えた。] ……青のカードを2枚選んでめくってください… 『2枚ね…』 [セシリアがこくりとうなづくと、ソフィーはやや不安げな手つきでカードを選んでいたが、やがて決断したのか、2枚を続けてめくった。] | |
(32)2005/10/05 22:46:03 |
文学少女 セシリア 【続・208号室/ソフィーの占い】 …それでは最後に赤いカードを1枚めくってください…… [ソフィーはうなずくと、ゆっくりとした手つきで赤いカードを1枚めくった。セシリアはそのカードを確認すると、結果を語り始めた。] 1枚目、小さき人…。勇気と忍耐… 2枚目、賢者…。知恵を冷静さ… 2枚をつなぐカードは、金無垢の指輪…。大いなる力…。強き誘惑…しかしその導くものは破滅…。 ………そう、この結果は……お姉さま… ……この先、大きな壁に当たるでしょう…辛く苦しく、負けてしまうかもしれない…… けれども、知恵と勇気を持って我慢強く当たれば、それを乗り越えられる… ……そうお姉さまの運命を示しています… [セシリアは語り終えると、一息ついた。] | |
(34)2005/10/05 22:46:30 |
村長の娘 シャーロット [【書斎の昼】 ラッセルくんは調査団の話も、ハプスブルグ家の遺産の話も知らなかった。広間での話し合いは結局、まだ公表には踏み切らない、というものなので、あまり触れることができなかった。 かわりに、雪山や好きな本の話で盛り上がった。 スキーが得意なことも、年上なことも。正直、予想してなかった。 出会ったときのことを思い返して、へただから転んだのだ、と決めつけていたことに思い当たる。 晴れ間ができたら、滑り方を教えて貰おう… そうお願いしようとした矢先、ゴードンさんの良く響く声が壁を震わせた。 ] 『お客様ー!大変でございます! 至急食堂におあつまりください!』 | |
(46)2005/10/05 23:06:58 |
新米記者 ソフィー [目の前で血を吐いて倒れるゴードン。頭を打ったのだろうか…。ソフィーはゴードンを抱きかかえ使用人室へと向かった。自分より体格がいいのは勿論だが、気を失っているゴードンの体重は、本来のそれよりも重くソフィーの体にのしかかった。] 『ソフィー、俺が抱えて行くよ。君には無理だ。』 [ソフィーの様子を見かねたナサニエルは、ソフィーからゴードンを抱きうけ、使用人室へと向かっていった。 ソフィーはナサニエルの後を追おうとした時、言葉を失い呆然としているセシリアの姿を見つけた。] (セシリア…… そういえば、セシリアってアーヴァインさんの……) [ソフィーはゴードンの事はナサニエルに任せると、セシリアの隣に歩み寄り、震える小さな手をぎゅっと握った。] | |
(101)2005/10/05 23:53:28 |
文学少女 セシリア 【アーヴァインの居室】 [部屋に飛び込むと、大人達が騒がしく何かを取り囲んでいた。人の群れを掻き分けると、変わり果てたアーヴァインの姿があった。] 叔父様…、………おじさまっ!? [誰かがそっと肩を叩いた気がした。その瞬間セシリアは、アーヴァインがすでに事切れているのだ、と認識した。無意識のうちに歩を進めると、死体に取りすがった。] 叔父様、叔父様! うそ、うそでしょ? 叔父様、叔父様… [必死に揺り動かすが返事はなかった。セシリアはしきりに呼びかけていたが、次第に声が小さくなり、代わりに嗚咽が聞こえ始めた。] うっうっ、ああっあああああー | |
(106)2005/10/05 23:57:23 |
文学少女 セシリア 【続・アーヴァインの居室】 [セシリアはアーヴァインが大好きだった。3歳のとき、生まれて初めてのドレスを送ってくれたのは叔父だった。誕生日に、家までお祝いに駆けつけてくれたこともあった。家業が忙しい両親の代わりに、夏に冬にと旅行へ連れて行ってくれたこともある。人見知りな自分のためにと、たびたびパーティーに誘ってくれた。幼少期の辛い毎日、両親さえ拒んでいた自分を救ってくれたのは叔父の手紙だった。アーヴァインとの思い出が、止め処もなく胸に溢れ出た。涙が止まらなかった。] ……ど…して………う…て…… [もはや、声は声にはならなかった。叔父はすでにこの世にはいない。そのことを感じるにつれて、セシリアは、叔父との時間をもっと作らなかったことを後悔した。そして、自分の占いの悪い結果を後悔しはじめていた。] | |
(107)2005/10/05 23:57:45 |
酒場の看板娘 ローズマリー 【アーヴァインの部屋】 [リック、ウェンディと共に、セシリアの後ろからそっとアーヴァインの部屋に入る。確かに彼が殺されていることを確認すると、目の前が真っ白になるような気がして、なんとかルーサーの温かい顔を思い浮かべながら、アーヴァインに祈りを捧げた。] 『宴ははじまったばかりだ…』 [ハーヴェイが血文字を読み上げる声が聞こえる。] [やがて、セシリアを連れて部屋へあがるソフィがローズマリーの傍を通り抜ける。叔父が殺されたという混乱で涙に濡れているセシリアがあまりに痛々しく、ローズマリーは、いかにも面倒見の良さそうなソフィが彼女の傍についている事に、少しだけ安心の気持ちをおぼえた。] | |
(167)2005/10/06 01:22:45 |
見習いメイド ネリー [ネリーはゴードンの言葉>>157>>161を聞いて、 最初は信じられない思いでいっぱいだった。 しかし、あの惨状を目の当たりにし、 尚且つ電話のこと>>115を考えると、 彼のいうことは尤もだと思われた。 …そして、彼女の脳裏に恐ろしいことが思い浮かんだ… 『電話線は吹雪で切れたのではなく、 どなたかが故意に切断したとしたら… この別荘は、麓からかなり遠くて、 表の山道を通って2時間以上かかる… その道が吹雪で通れないとしたら………』 犯人は逃げられない、けれど犯人を見つけなければ自分たちもいずれは…… そう思うとネリーの脚は棒のように強張り、前に進むのを拒否しそうになる] …アーヴァインさま…旦那さまは… どなたからも恨まれるような方ではありません… 誰が、いったい、何のために……? | |
(180)2005/10/06 01:45:46 |
見習いメイド ネリー [ネリーはリネン室でシーツを数枚取り出すと、アーヴァインの部屋に入った。 遺体は既に動かされていて、先程は気がつかなかったが、 遺体の脇と思われる場所に血のようなもので 『宴は、始まったばかりだ』 …そう書かれてているのが見えた。 ローズマリーにアーヴァインの遺体のことを聞くと、 先程ハーヴェイと数人で、既に地下に運び出されたということが解った] ご遺体は……そうですか……では私は皆さまがいらっしゃるかを確認してから、 旦那さまのところに参ります。 …地下は、寒いですから、せめてシーツをかけてさし上げたい… [そう言うと、シャーロットが向かったというエントランスへとネリーは歩き出した。 その目に滲んでいる涙を、誰にも見えないように拭いながら] | |
(184)2005/10/06 01:51:09 |