酒場の看板娘 ローズマリー [ラウンジに入る手前でナサニエルの背をみて佇んでいたローズマリーは、ナサニエルがラウンジに入り、リックとハーヴェイに声をかけるのを聞いた。] 『もういいだろ、その辺にしてくれ…。 それとなハーヴェイ自分を責めるなよ、俺も同罪だお前だけが悪いわけじゃないんだよ…。』 『いや……良いんだよ。気にしないでくれ。』 [ハーヴェイはいつもの彼とは違い、ローズマリーの姿も目に入らない様子で部屋へと戻って行く。ローズマリーはハーヴェイを見送りながら、入れ違いにラウンジに入った。 スチュワートの死について、ルーサーが語っていた言葉を思い出そうと考えながら……。] | |
(211)2005/10/08 23:55:53 |
酒場の看板娘 ローズマリー [ローズマリーは、ふと思い出したように、朝食の時、ソフィが口にしていた疑問を思い出した。] ……スチュアートさんの事じゃないんだけど。 ソフィは、ネリーさんとゴードンさんの事を気にしていたわよね…。 ネリーさんは、確か前のお勤め先のご主人が亡くなったとかで、ちょうど一年前にここで働きはじめたのだったわ。ルーサーさんの話をきちんと思い出そうとして、有能なメイドさんが入ったという話があった事を思い出したの。 前のご主人がどんな方で、何故亡くなられたのかまでは、勿論知らない。 ゴードンさんは……どうなのかしら? ただ、ゴードンさんが殺人犯だとすると……階段から落ちて頭を打った状態で殺害を知らせたのは、派手な狂言ってことになってしまって……。ちょっと良くわからない。 [ローズマリーはソフィの方へ首を傾けた。] | |
(225)2005/10/09 00:21:37 |
文学少女 セシリア 【回想/ラウンジ前/19:00】 [ラウンジに向かっていると、ウェンディに声をかけられた。どことなくぎこちないやりとりの後、2人はラウンジへと入った。リックとシャーロット…予想外の先客がすでにラウンジに存在していた。] [ウェンディがシャーロットと言葉を交わす…。黙って聞いているセシリア。しばらくするとギルバートとハーヴェイがやってきた。] [神妙な面持ちでスチュアートのことを語るハーヴェイ。彼の声にはどことなく、自戒の念がこめられているように感じた。そのうちソフィーとナサニエルが現れ、話は途切れた…。暗く沈む表情のハーヴェイが部屋を飛び出すと、ナサニエルとギルバートがそれを追いかけた。] (……気になる…) [しばらくの思案ののちに、セシリアはそっと席を立つと、2階へと上がっていった。] | |
(232)2005/10/09 00:30:44 |
書生 ハーヴェイ 『何らかの手段で真実を知った者が俺たちにスチュアートの復讐しようとしている…そんな気がするんだよ…。』 [ 俯いていたハーヴェイは、ナサニエルの言葉に顔を上げた。] 『なぁ、ハーヴェイ、ギルバート…、お前たちはどう思う…? 俺の考えすぎか…?』 僕も……それは思い浮かんだ。だが……真実を知る者は僕達だけだ。 あの事を……他の誰かが知る手段があるだろうか……あの吹雪の山での事を…… [ ハーヴェイは深く溜息を吐く。そして、沈黙の後、ギルバートが口を開いた。] 『〜少し、休め…。 俺はラウンジに戻るよ。』 [ ギルバートはそう言って部屋を後にする。] ナサニエルすまない……少し一人にさせてくれないか? 『……分かった。だが、今の事を考えて見ておいてくれ。』 [ ナサニエルはそう言って、ギルバートと共に去って行った。] | |
(237)2005/10/09 00:38:31 |
文学少女 セシリア [セシリアは3枚のカードを確認すると、ハーヴェイに占い結果を語りだした。] 1枚目は、戦士のカード…。誇りと…ときに愚直…。 2枚目は、醜き小鬼…。闇の下僕…迫り来る暴力…。 2枚をつなぐカードは…角笛…。戦いの予兆…そして、警告。 戦士は…、迫り来る小鬼の群れに、立ち止まって戦うことを選ぶ…。角笛を吹き鳴らし、勇気を絞るでしょう…。しかし命落とししときは、角笛は……仲間へ危険を告げる警笛となるのです…。 ハーヴェイさん……あなたは避けることのできない大きな不幸に見舞われる運命でしょう…。不幸に対して、あなたがどう立ち向かうのか…それは占いは示していません。しかし、角笛のカードが…… あなたの命が仲間への警笛となる…… そのようなあなたの運命を示しているように思えます…。 [セシリアは、そう告げると……ハーヴェイの目をじっと見つめた。悲哀の情が、セシリアの瞳には篭っていた。] | |
(250)2005/10/09 01:17:35 |
書生 ハーヴェイ 『あなたの命が仲間への警笛となる…… そのようなあなたの運命を示しているように思えます…。』 [ ハーヴェイの目を真っ直ぐに見詰め……セシリアはそう言った。その瞳には……悲哀であろうか、憐憫であろうか……ただ、占いに見た運命を映したのだというようにハーヴェイには思えた。 ハーヴェイはカードに目を落とす……戦士のカード、醜き子鬼のカード、そして……ハーヴェイの運命を示しているようだとセシリアの言った……角笛。 ハーヴェイは、それを暫しじっと見詰め……そして視線をセシリアに戻した。] これはひとつの結果なのだろうね。 ただ……必ずしもそうなる訳じゃない。一般に、占いというのは外れる事も往々にしてあるものだしね。 ありがとう、参考にはさせてもらうよ。 こんな時間にすまなかったね……じゃあ、失礼するよ。 [ ハーヴェイはセシリアにそう言って微笑みを向けると、手を振り、セシリアの部屋を後にした。] | |
(251)2005/10/09 01:29:55 |
見習いメイド ネリー [ネリーは1年前のことを思い出していた。 イギリスからこちらへ来てから既に3年…そして仕えていた方も既に亡い。 お屋敷の旦那さまや他の使用人は、 ネリーに、この屋敷にいてはくれないかと言っていたが、 やはり奥様を亡くした悲しみは大きかった。 彼女はネリーがまだ小さい頃から何くれと面倒を見てくれていて、 公のものではなかったが、教育も受けさせてくれたのだった。 奥様と旦那さまの間にはまだ子供がいなかったせいか、 使用人の中で一番幼かったネリーは、 まるで子供のように可愛がってもらっていたのを思い出す。 勿論、祖国であるイギリスへと帰国することもできると言ってくれたが、 ネリーはそれも良しとはしなかった。 彼女の祖国に近く… そして彼女が好きだったというエーデルワイスの咲く国… …ネリーは亡くなった奥様のことを、本当の母親のように思っていたのかもしれなかった] | |
(259)2005/10/09 02:00:06 |