吟遊詩人 コーネリアス [ふるりと頭を振る。長い銀髪が肩をさらりと流れた。 額を押さえて幾度か瞬き、ようやく回りに目をやる。 倒れているのが三名。 魘されているような刃の様子と、あたりを包み始めた白い霧に眉を顰める。] …この霧か。 [先ほど感じた、あの手の感触を思い出し、 無意識に己の手は首元へと伸びていた。 己も、薄れかけのそれに触れてしまっていたのかも知れず。 意識の戻らぬニーナを抱き上げ、肩へと担ぐ。] 確かに…退いた方が良さそうですね。 幻影というよりは…悪夢と呼ぶ方が相応しいかもしれぬ。 …ゆえに「悪夢の素」…ですか。 [もう一度、その開いた繭へと目を向ける。] | |
(235)2006/09/17 10:11:48 |
逃亡者 カミーラ [首を振ったカミーラが、そのままに軽く喉を反らせば。 姿勢の良い所為で長く見える首筋の入れ墨が発光して、12枚の黒い正方形が出現する。ローズマリーが実験を試みようとしている方角とは別方向へ、板を6枚ずつ組にして飛ばした。 霧をそのまま閉じ込めただけのboxを1つ。もう1つ、手首から飛ばした円月輪でわざと開花させた悪夢の元から吹き出したモノを閉じ込めてboxを作る。] 全面的では無いが。 私が形成出来る結界の中では、虚無の闇は多少は霧を遮断出来る様なので。 [音声や光をも通さないはずの黒い板の表面から、少しずつ霧は滲んでいる。よって、正確な密度を知る事は出来ない訳だが、カミーラは大まかにでも「森の中の霧」と「悪夢の元から吹き出した周囲の霧」の密度を比較するつもりらしい。] | |
(381)2006/09/18 01:42:27 |