学生 メイ そっか、好きなんだ・・・。 [手間をかけさせてごめんね、と、自分の抜けているところを恥じて俯いた。 事務室で鍵を借りて、美術室へと案内し鍵で扉を開く。 夜の美術室、明かりをつければ壁に掛けられた油彩画たちが、鮮やかに部屋を彩る。 Mei Putinaの名前では、大きな絵が飾られている。 【無題】 絵の周辺部は、ピンクとオレンジが主な、フワフワとした色使いで幾本かの花が描かれている。 各花の中には人と兎が1対ずつ入っていて、楽しそうな雰囲気。 ――しかし絵の中心を占めているのは、緑と紫と、血のように鮮やかな赤で。 トゲトゲとした細長い岩を登りきり、傷だらけになった女性が描かれている。 女性は手を頭上高く上げ、何かを掴んでいるようだ。 しかしそこでキャンパスは途切れ、女性が何を手にしているのかは分からない。 ナサニエルに、木製のスツールに座るよう促す。 急いでキャンパスを用意して、パレットに絵の具を落としていく。 パレットが華やかになるにしたがって、集中していく] | |
(22)2006/08/31 23:56:24 |
見習いメイド ネリー [何時もより時間は掛かってしまったけれど、シャワールームを出て身体を拭き。 シャーロットから借りた濃紺のワンピースを身に纏い、…少し迷ってから包帯を巻き直し、チョーカーも付けて、店内へと戻る。 けれどもそこには、転寝をしているシャーロットがいて] …シャーロット? ちゃんとシャワー浴びないと、風邪引いちゃうよ。 [そう声をかけるも、反応はなく。 無理に起こすのも躊躇われて、毛布を肩に掛ける] ごめんね。ありがとう。 [呟くように言って、ふと借りた服の色を見て、気付く。 ああ、あの瞳と同じ色だ、と。いや、あの色は、もっと綺麗だけれど。 それから、今日は彼の顔を見ていない事も思い出して。 Barの入り口に置いた儘のポワントを手に取れば、タオルで確りと汚れを拭き取り、それを抱いて、シャーロットの隣で毛布を被り目を閉じる。 ほんの少しだけ、*気持ちが安らぐ気がした*] | |
(90)2006/09/01 02:57:24 |
村長の娘 シャーロット [夢から醒めて、うっすらと目を開ければネリーの顔。 ああ、自分は眠ってしまったのかと気付いてゆっくりと上体を起こす。途中、落ちかけた毛布を慌てて受け止めてバスルームに足を運ぶ。 シャワーを浴びながら目を閉じて、昨日を思い出して] ……変わったなぁ。 [と呟く。以前の自分なら、他人のためにあんなことをしなかったはずで。しかしその変化は今の自分には進歩に思えて微笑みをこぼす。] ……悪くないね。 [あの人の口調を真似てみる。 バスルームから出ればネリーの隣まで戻り、髪をふわりと撫でる。それから『出掛けてきます』と書き置きを残し、ヴァイオリンケースを持って*バーを出た*] | |
(91)2006/09/01 08:54:04 |
雑貨屋 レベッカ [件の洋館の程近く、今日はギルバートの姿のないことを確認すれば白弓を片手にすっと屋敷を見つめ、門へと手をかける。 けれど門は沈黙したままで、ずっと屋敷の外壁をなぞりつつ裏手へと。] ・・・あいてる? [裏門に手をかければそれはあっけなく開いて、ギィとかすかな音をさせつつ彼女を招く。] 好奇心は猫をも殺す・・かしらね。 [けれどただまっていても恐怖はつきまとう。マスターやローズマリーの遺品が頭をよぎる。 進む先、裏手の鍵が壊れていることに、どこか残念そうにため息を吐いて。] さぁ、いきましょう。 [ぎゅっと白弓をかかえる右手の甲には青い月星印が浮かんでは消えた――――] | |
(99)2006/09/01 12:56:10 |
雑貨屋 レベッカ [そろりそろりと中をうかがい扉を見つければ開いていく。 厨房や物置らしき部屋をへて、進んだ先の扉を開けばそこは広間のよう・・・・次々と進んでいくも屋敷は手入れされた様子もなくくすんだ様相をみせて。 目に付くのはそこかしこに置かれた灰皿。] ギルバートさんが住んでたのかしら・・・? にしてはずいぶんと手入れがされていないように見えるけれど。 [人がすまなくなった家はあれるから・・・あれた家は彼女の生家をおもいおこさせてどこかがじくりと痛んだ気がした。] 鍵・・・? [なんだかあっけないほどに扉は開かれていって、けれど目の前には開かない扉。 後ろを振り向けば自分の真新しい足跡以外に、もう一対の足跡がほこりの上に浮かんで見えて。 ギルバートが来たのだろうとうなずけば、他の場所へも歩みを進める。] | |
(100)2006/09/01 13:17:33 |
学生 メイ [家を出て鍵をかけ、昨夜あまりいられなかったCafeBarへ走る。 美術室は夜に行こうと思って。 CafeBarは、好き、だけど怖い。 ・・・前はこんなんじゃなかった。 自分の中の暗いものは何一つ見せないようにしていたし、自分自身も、出来るだけ気づかないようにしていた。 この場所に来てから、自分の感情はぽろぽろと零れていってしまう・・・] ここは、変――。 [ひっそりと呟いた] もしかして、自分が消える前に、自分の事知って欲しい、とか思ってるのかな。 都合が良いんだか、要領が悪いんだか・・・。 [暗いものを表に出すことは心地いいと同時にとても怖くて。 自分のことなのに、分からないことばかりで。 誰もいない街を走る足を止め、荒い呼吸の後、静かに溜め息をついた。 ポケットのかさりという音に、ハーヴェイにもらった白い鶴を思い出す] | |
(105)2006/09/01 13:33:37 |
修道女 ステラ [差し込む日差しの角度から、もう昼過ぎなのだと知り。 緩慢な動作で身体を持ち上げる。 日の光の下で見る部屋は思った以上に酷いことになっていて。 シャワーを浴びる手間を惜しんだ罰がシーツに痕跡を残していて顔を顰めた。] ……面倒事は嫌いでも物臭はするなって教訓ね。 [汚れた服とシーツを洗濯し、シャワーを浴びる。 ブロックの栄養食をワインで胃へと流し込むと日常に戻った気がして。] そういえば…… 元の世界に戻ったら、どうなるのかしら。 ニーナさんの死体、どうにかしておくべき? [人殺しと言われるのは構わなくとも服役とかは面倒、と髪を掻きあげ] ……存外、平気なものね。 人殺しても。 [やっぱり性格が悪いのかも、と頭を掻くと服を着てCafeBarまでの道を歩む。] | |
(127)2006/09/01 15:40:08 |
雑貨屋 レベッカ あたしはいつだってないものねだりだもの。 うん、そうだねぇ。 でもそれに、きっと私が耐えられないもの。 人を自分から殺しにいったなんて罪悪感背負って生きるなんてごめんなの。 [異形でさえいまだ心にしこりを残すのに、とそれは内心だけで。] わがままだけど、私がそう思うんだから私にはそれ以外の道は選べないの。 あのねぇ、私、大事な人が鬼だったら、人を喰らってでもその人に生きてほしいと思うよ? あたしはあたしが大事だもの。 私の周りの小さな箱庭が守れればそれでいいの。 [守るだけの力なんてないんだけど、と自嘲して。] もどれるかもどれないか、結局他人任せ?かしら。 もどりたいのはたしかなのだけれどね? | |
(148)2006/09/01 18:19:33 |
雑貨屋 レベッカ [白弓を手に街へ繰り出す足取りはどこか軽く] らしくなかったわね? [ふふと笑いながら自身に問うように] ねぇ、牙月。 もう少しだけ付き合ってね。 戻れるか戻れないかわからないけど、この状況が長く続くはずはないもの。 [どんどん人が減っている、知らないところでもきっと・・・・。 一昨日、昨日、見なかった顔がある・・・。] あたしはあたしでしかないの。 当たり前のことね? [いなくなっていく人たちが悲しいのも、戻りたいのもほんとうで、口ではなんと言おうと何かしなければと気負っていたのだろうと思う。 足は大学への道をたどる。 白弓を手に、琥珀はきらめいて。] | |
(152)2006/09/01 20:12:47 |
村長の娘 シャーロット ギルバートさんいつも、面倒くさいことは嫌いって言うけど ――何だか昔の、ついこないだまでの私に似てる気がして、 人に深く踏み込むことに、おびえてるんじゃないかって、 そう思い始めたのはいつだったかな……いつのまにか、 [その目は真っ直ぐに緋色を見つめて。] 目が離せなくなってた。 全部勘違いかもしれないけど、そう見えてしまってて。 だから、ギルバートさんが、ヴァイオリンを「悪くない」って 言ってくれて、再開する気になれたの。 もし違ったとしても、これがきっかけだから ―――勘違いしたままでいさせて。 [申し訳なさそうに、けれど反省などしてないように笑う。] | |
(162)2006/09/01 21:07:06 |