見習いメイド ネリー …私の一番の望みは叶ったから、それ以上願うのは我儘か。 私自身の願う事は、何にもないのね。 もう、何もない。 ネリーという名前すらない。 [託された眼鏡を、どうしようかと迷うも、 しゃがみ込んでそっと開かずの間の扉の前に置いて] 鬼と鬼狩りとに、どの程度の差があるんだろうね。 どちらも、生きる為に狩るのに。 [しゅるりともう一本のリボンを解けば、ウェーブのかかった常磐色が広がり。 靴のリボンも解いて、それを脱いで。裸足になって。 金色の瞳を見上げるのは、全てを包み込む黒] …試してみようか、どうなるか。 ちゃんとした陣もないから、力を封じていない鬼相手じゃ、 多分、その前に私が食べられちゃうんだろうけれど。 [そう言うのは、微かに甘さを孕んだ声] | |
(64)2006/09/05 21:17:42 |