未亡人 オードリー ―大広間― 【今まで刑事さんに報告書を提出するというのでそれなりのものを用意したんだけど、みんなに読んでもらうのであれば読みやすさが重要になるのかな。】 [報告書をホワイトボードに貼る。] 調査報告書 調査員:鳳聡美 対象:河野陽子 年頃の一人旅の娘さんのお部屋には安全のため、警備会社に出入り口、窓にセンサーがついた部屋にご案内させていただいております。 (本当は旅館の秘密なんですけどね。) 警備会社に河野さんの部屋の情報を問い合わせたところ、昨夜は部屋にいらっしゃらなかったようですがそれ以外の日の夜は特に異常が検出されなかったとのことです。 昨晩の彼女のアリバイを証明される方がいらっしゃるようでしたら、【河野さんはシロ】です。 | |
(14)2006/06/07 14:53:48 |
村長 アーノルド 私がまだ駆け出しだった頃、自らを正義と信じ疑わなかった愚かな時代。 ― それは小さな事件だった。 通勤中の電車の中で痴漢をはたらいた男を記事にした。 男は無実だと訴え続けたが、私にはただの悪あがきとしか思えなかった…それどころか、無反省で恥知らずな人間のクズだとさえ思い、徹底的に記事にして叩いて叩いて叩きまくった…。 結果、証拠不十分で男は釈放され、その日のうちに電車に飛び込み自殺した。 男には妻が居た。 子を妊娠していたらしいが心労の為に流産したそうだ…。 通夜の晩、私に向かってその妻が叫んだ言葉。 何故、今になって思い出したのだろう? 何故、忘れていたのだろう? あの憎悪と殺意に満ちた目を… | |
(49)2006/06/07 23:20:03 |
村長 アーノルド <回想> 【警察からの事情聴取のあと、第4の事件現場へ向かった。 目的はもちろん ― 矢沢刑事に会う為だ。】 立ち入り禁止になっている露天風呂の入り口から中を少し覘き込む。 ―いつもの儀式を終えたあと、ゆっくりと目を開けると そこには …何故か カミーラ刑事が温泉につかっていた。 『よくきたよくきた!』 彼女は相変わらず…いや、なんでもない。 不思議そうな顔をしていると 『な〜によ〜、せっかちな男はもてないわよ? ま…別にタイプじゃないからいっけどー んじゃ、ちゃっちゃーって用件済ませんね。 【アタシを殺ったのは”流”だよ】 あんのやろ〜、いつか祟り殺して…ぶつぶつぶつ』 | |
(73)2006/06/07 23:58:16 |
村長 アーノルド ―大広間― [また誰にともなくつぶやきはじめた] 基本に立ち返ろう。 この事件の犯人はいったい何を考えているのだろう? 刑事を殺害する。 はじめ、私はこれを警察関係者への警告あるいは挑戦ではないか、もしくは追いつめられて自暴自棄になった犯人が無差別に殺人を犯しているのでないかと考えた。 しかし…これだけ大勢の警察が警備する中、堂々と殺人を犯す事に成功している犯人ならば、こんな所で捕まる危険をおかしてまで居座り続けるより、誰にも気がつかれずに行方をくらます事の方が容易なのではないだろうか? …やはり快楽殺人者の仕業なのだろうか? いや…なにかある…何か見落としている事があるはずだ… | |
(87)2006/06/08 00:27:44 |
未亡人 オードリー ―大広間― [疲れた顔をして...は入ってきた。備え付けてあったボイスレコーダーを取り出し、耳にイヤホンをつけて、再生ボタンを押した。みなの声を聴きながら、ホワイトボードをチェックしている。誰もいないのでぶつぶつ独り言をつぶやいている。] なるほど、安城さんは流さんをクロだといったわけね。 で摂氏さんは私を連行してほしいといってるのね。 早く事件が解決してほしい、鳳が犯人ならばいち早く事件が解決する可能性がある、と。 これは癪だけどスジが通っているわ。 調査してないけど、この考え方ってシロっぽい要素ね、しかも強烈に。 私が取調べを受けて摂氏さんにあとを任せちゃおうかしら、ふふふ。 | |
(154)2006/06/08 04:03:45 |