人狼審問

【ネリーちゃんは、わたくしがころした……

　ネリーちゃんは、わたくしがころした……

　ハーヴェイさんじゃない……

　わたくしが、ころした………！】

【シャーロット、壊れたか。】

ハーヴェイよ。

わしも…

わしも同じ罪を背負うぞ。
ハーヴェイと、ヒューバートと同じ罪を背負う。

[それだけ大声で言うと、その場に泣き崩れた。]

【まぁいい。これでネリーが人狼ならよし。
　人狼でないなら、よくない状況だな。
　まぁ、最悪全員殺せば。】

ネリー。こうすると、ぱぱに会えるんだよ。

[そっとネリーの首を締め始めた。]

【私は、今何を思った？　全員殺せば？】

【ネリー、すまぬな。すまぬ。】

【謝っても許してもらえぬかもしれんな。】

【わしが、愚かな老いぼれで、皆を説得できず、真犯人を見つけられず…。】

愛しい、貴方………

わたくしたちは、等しく、罪人………

ならば、罪を背負って、生きましょう………？


この、長い、長い、悠久の、時を………


血塗れた、道を、歩きましょう………？

んーー
く、

[遠くの方から、ネリーの笑い声が聞こえてくる。いつもと同じ、明るく朗らかな笑い声。苦しくとも笑いつづけることを選んだ…]

もう、わしは誰とも一緒にいる事はできぬ。

[デボラは、集会所に戻らずに*どこかへ歩き去った*]

【シャーロット、何を言っている？】

[…は、無表情にネリーを見つめながら首を絞めている。]

もうすこしだからもうすこしだから我慢するんだよだから静かにじっとしてるんだ大丈夫もうすぐだからもうすぐぱぱに会えるからきっとぱぱもネリーに会いたがっているよ美味しいお菓子を持ってきてくれるさ……

人間も、人狼も………

みんな、みんな、罪人………

人を殺めれば、皆、罪人………

それを見殺しにしたわたくしも、罪人………！


そうではございませんか？

ねぇ………！

くぃーーー
あ、う……

ハーヴェイ……さん？


……………っ……………！

［…はハーヴェイの力が加わっていくごとに顔から表情が抜けていく。側に居るものの顔も判らぬ気に］

【せめてもっと楽な手を選ぶべきだったのか】

ネリー………ちゃ………

[シャーロットの声に振り返らずに答えた。]

……見ないで欲しかったのに。

…………………。


み、て、な、い、わ、よ？

ええ。

だい、じょう、ぶ。

[遠くで、鶏を締めたときのような虚ろな声が、*聞こえたような気がした*]

［…はじっと見ていた。何一つ漏らさぬよう。
そして事が終わったのを見届けた］

まって、ハー…ヴェイ…さん……

ネリーちゃん、を……

どこに……？

ネリーちゃんが……

死んじゃった………


どこに………


いくの………？




ねぇ………？

……星の見える場所に。

ヒューバートさんに、少しでも近い場所に。

りょう……かい……

いたし……ました………


わたくしも……てつだい………ます、わ………

ネリーちゃんは、わたくしが、
ころしたのと、おなじ………

いっしょに、罪を、背負いましょう………？

………そうね………

星の、見える、ところ………

パパと、いっしょの、ところ………

〔シャーロットは、ぶつぶつと呟きながら、*穴を掘っている*…〕

［…は窓の外でハーヴェイが立ち去るのを見届けるとヘンリエッタを自室に送った後、扉の前で*毛布にくるまった*］

【次に手を汚すのは僕だな】