村長の娘 シャーロット 【誰も彼も、嫌な目をしていた……。 ネリーちゃんに手を下したハーヴェイさんだけじゃない……。 ステラさんも、ニーナさんも、みんな、そう。 特に、ニーナさん……。 あの人はネリーちゃんが人狼だと言い切った。 冷静な顔をし、わたくしに言った。 「では、シャーロットさんは、誰が人狼だと思うのです?」…と。 あれは、質問する目ではなかった。 ………殺しを肯定するための目だった。 殺しの免罪符を自分に刻み込み、 わたくしにもそれを受け入れるよう説得する…… そんな目だった。】 〔シャーロットは、廊下の窓辺に浮かぶ蒼白い月をじっと見つめた。〕 ………わたくし達は、皆、等しく罪人。 もの言わぬ少女を手に掛け、殺した罪人なのです。 | |
(5)2006/04/15 20:31:14 |
語り部 デボラ [手紙の内容はこうだった。人狼騒ぎが起こって今までの経緯、人狼というものの存在について、死体の描写、混乱の様子、生き残っている者の名前…。そして、最後にこう付け加えた。] ―わしらは、もうわしらの手で問題を解決することができぬかもしれぬ。 ―人狼に、皆滅ぼされる。 ―だが、村にはまだ大勢の者が幸せに暮らしておる。 ―願わくば…わしらを助けないで欲しい。 ―わしらは、不幸な嵐と崖崩れに巻き込まれて皆死んだのじゃ。 ―もし、この場所から生還する者があるならば… ―その者を、処刑、して欲しい。 ―何故ならば、その者が人狼である可能性は誰にも否定できないから。 ―狂っておると思うか? ―ならば、ここに来るがいい。 ―ろくに喋ることもできぬ娘が、罪を被せられて処刑された。 ―わしらに、幸せに生きる価値など、もはやありはせぬ。 ―我が愛する夫の生まれ育った、愛する村の者達へ ―デボラ | |
(18)2006/04/15 23:19:56 |
書生 ハーヴェイ ―― 回想 ―― [ネリーを絞殺し埋葬した後、集会場に戻った。みんなにネリーを殺したことを伝えると、そのまま二階へ上がった。途中でラッセルを見かけたが、声もかけずに部屋に入った。] ……。 [部屋にある鞄を漁り、祭りの準備が終了したら開けるはずだったワインを探した。最初に出てきた研究のレポートはそのまま投げ捨て、鞄の底からワインを取り出した。封を開けてからワインオープナーが無い事に気づいたが、コルクを瓶に押し込みそのまま呑む事にした。] 死ね…みんな死ね……死んでしまえ。 殺してやる…… !!!!!!!!!! [ワインの瓶がネリーの細い首のように思えて投げ捨て、ベッドに座り込んだ。] | |
(24)2006/04/15 23:49:23 |
村長の娘 シャーロット ―回想・シャーロットの部屋― 〔チェルシーは、ベッドの中で毛布に潜り込んでいた。〕 んあー……眠れん。 ロッテちゃん、今日はさすがにアタシの身体を奪ったりはしてないだろーなー。 〔毛布を払いのけ、辺りをキョロキョロ見回すと、そこはシャーロットの部屋。いつもと変わらない光景が、そこにはあった。〕 なーんだ。よかったー。今日は取られてな……… ……………んあ? 〔バタンと寝転がり、反動で上がった脚を見て、チェルシーは声を上げた。……自分の脚の向こうに、天井が微かに空けて見える。〕 うああああ!!また身体取られてるーっ!! ロッテちゃん!!まったくもうっ!! こーなったら、取り返しにいってやるっ!! 〔チェルシーは、怒りに任せて、精神体のまま部屋の外に出た。〕 | |
(*31)2006/04/16 01:21:23 |
村長の娘 シャーロット ―回想・2階― 〔チェルシーはシャーロットの声がする部屋の前に辿り着き、扉をすり抜けて中に入った。〕 ロッテちゃ……… ……………っ!? 〔チェルシーの目の前には、二つの人影が重なり合うベッドがあった。足下には、ワインの瓶と、難しい文字が細かく書かれた紙の山。そして……男物のセーター、シャツ、ズボンと、白いワンピース、そして下着が散乱している。〕 え…………どゆ……こと……!? 〔そしてベッドの上には、息を荒げてシャーロットに覆い被さるハーヴェイと、甲高い叫び声を上げながらそれに従うシャーロットの姿があった。〕 ………………………! 〔一糸纏わぬ二人の異様な姿に、チェルシーは訳もわからず悲鳴を上げる。〕 うああああああああっ!! いやだあああああああああっ!! | |
(*33)2006/04/16 02:05:30 |
村長の娘 シャーロット ―回想・2階廊下― 〔チェルシーは、訳が分からないまま部屋の外へと飛び出した。〕 【見ちゃダメだ………! 違う……アタシは見てない…… 何にも見てない…見てないんだッ………!】 〔そして、ロザリーの部屋の前に辿り着く。いつの間にか零れていた涙をゴシゴシ拭くと、ドアノブに手を掛けた。〕 ろざ…………… 〔しかし、ドアノブを回すことにチェルシーはためらいを覚えた。〕 【…………………。 こんなの、ロザリーに言っちゃダメだ……。 ロザリーに言っても、きっと迷惑だ……。 ましてやロッテちゃんには、言えない………】 〔チェルシーは涙を拭くと、耳と尻尾をだらりと下げたまま、シャーロットの部屋に戻った。〕 | |
(*34)2006/04/16 02:17:24 |
修道女 ステラ 全能の天主、終生童貞なる聖マリア、 大天使聖ミカエル、洗者聖ヨハネ、 使徒聖ペトロ、聖パウロ、および諸聖人にむかいて、 われは思いと言葉と行いとをもつて 多くの罪を犯せしことを告白し奉る。 これわがあやまちなり、わがあやまちなり、 わがいと大いなるあやまちなり。 これによりて、終生童貞なる聖マリア、大天使聖ミカエル、 洗者聖ヨハネ、使徒聖ペトロ、聖パウロ、および諸聖人に、 わがためにわれらの主なる天主に、祈られんことを願い奉る。 願わくは全能の天主、われらをあわれみ、 われらの罪を赦して終りなき命へ導き給え.....Amen. 願わくは全能にして慈悲なる主、 われらをあわれみ、罪の赦しを与え給え.....Amen. | |
(75)2006/04/16 04:52:38 |
修道女 ステラ ナサニエルさんが人狼で。 親しかったメイさんが殺されて。 さらに、私はギルバートさんを殺してしまった。 ……私に生きる希望なんてない。 守るべき人も居ない。 だれも、私が生きる事など望んではいないでしょう。 例え、ここで生き延びても、生き残った者には人狼の疑惑が付きまとう。村に戻っても殺されてしまうかもしれない。ヒューバートさんのようになるのかもしれない。 ……私は、村に戻り、法と宗教の下で殺人を犯した罪を償う事を理由に……生きる希望を持たなくてはいけない。 その為に殺人をこれからも続ける。 なんて馬鹿馬鹿しいのだろう。 | |
2006/04/16 05:37:57 |
修道女 ステラ 死んでしまいたい。 死んでしまいたい。 全てを終わりにしたい。 ……でも、私は生き延びようと足掻く。 | |
2006/04/16 05:38:51 |
村長の娘 シャーロット 〔チェルシーは、夢を見ている。誰かの記憶が描く夢を。〕 『んあ……ここ、どこ?』 「ロッテちゃーん!」………誰かが呼ぶ声がする。 「ロッテちゃーん!いっしょにあそぼー!」 〔小さい子どもたちがチェルシーの周りを囲んでいる〕 うん、あそぼー! 『ここ…また…ロッテちゃんの夢……? ロッテちゃんの小さい頃の、思い出……?』 〔チェルシーは、まだ5歳くらいであろうシャーロットの後を追いかけて走っていった。〕 〔たくさんの友達と遊んでいるシャーロットの姿がそこにはあった。同い年の子ども、年上の子ども、年下の子ども。夕方まで村の中を駆け回り、やがて家路に着く。〕 『……………。』 〔チェルシーは、無言で幼いシャーロットを見送った〕 | |
2006/04/17 03:13:48 |
村長の娘 シャーロット ―ある日のこと― 〔幼いシャーロットは、本を抱えてある家に向かって走ってゆく。その家の苗字は「ランカスター」。〕 ハーヴェイおにいちゃーん!またご本読んでー!! 〔シャーロットは家に上がりこむと、まだあどけなさの残るハーヴェイ少年に本を読んでもらっている。楽しそうな表情のシャーロットと、妹をあやすかのように彼女を世話をするハーヴェイの姿があった。〕 『………そっか。ロッテちゃんは、ハーヴェイさんとずーっと知り合いだったんだっけ。こうやって、ロッテちゃんはハーヴェイさんに遊んでもらってたんだ……』 〔そして2人の間に、穏やかな時間が流れてゆく……〕 | |
2006/04/17 03:15:21 |
村長の娘 シャーロット ―時は流れて、シャーロット13歳― 「ねえねえ、ロッテ!」 なあに? 「うふふふー♪……あのさ、ロッテってハーヴェイさんのこと、好きなの?」 ……え!?そ、そんなこと、ないわよ!! 〔赤面するシャーロット。そして木の陰で『そーだよ』と頷くチェルシーがいる。〕 「あー!顔赤くなったー!だって、いっつも一緒にいるじゃない?絶対そうだと思ってたんだよねー♪」 そんなことないわよ!ハーヴェイさんは昔から遊んでもらっているだけで……! 〔友人からの追求を、必死でかわすシャーロット。しかしその顔は耳まで真っ赤だ。〕 『…………なんだそりゃ。』〔思わずチェルシーは苦笑した〕 | |
2006/04/17 03:16:17 |
村長の娘 シャーロット 〔チェルシーは木に登り、ぼーっとした表情で何かを考えている。〕 『そっか。 ずーっとロッテちゃんはハーヴェイさんのこと好きだったんだ。 ハーヴェイさんはどーだったか知らんけど、それでも。 ………根性あるなぁ、ロッテちゃん………』 〔チェルシーは、木の上で静かに寝息を立てた。穏やかな日差しが、チェルシーの瞼をゆっくりと閉じてゆく。〕 | |
2006/04/17 03:26:22 |
村長の娘 シャーロット ―夜― 〔チェルシーが目を覚ますと、すっかり辺りは暗くなっていた。慌てて木から降りた時、何やら人影が近づいてきたことに気づく。そのままチェルシーは木の陰に隠れた。〕 『【さっきからアタシ、こそこそ隠れてばっか………】』 〔そこに近づいたのは、すっかり大人になったハーヴェイ。そして背の丈と髪が伸び、大人びてきたシャーロット。何やら夜空を見上げて話をしている。ハーヴェイは望遠鏡を組み立て、その中を覗き込んでいる。〕 『……………?』 | |
2006/04/17 03:38:02 |
村長の娘 シャーロット 〔ハーヴェイは(チェルシーにはさっぱり分からない)星の話をシャーロットに向けて話しているようだ。無邪気に微笑むハーヴェイの横顔を、シャーロットはいとおしそうに眺めている。それは、チェルシーが初めて見るものだった。〕 『アタシ知らなかった………。 ハーヴェイさんって、こんな表情するんだ……。 人狼に怯えてばっかりの姿とか、狂っちゃった時しか知らんから……。』 〔いつしかチェルシーは、ぼーっとした表情でハーヴェイを眺めている。だんだんと、暖かくてキラキラした何かが、チェルシーの胸の中に伝わってくる気がした。急に胸が苦しくなり、チェルシーは思わず胸のあたりをぎゅっと掴む。〕 『……そっか。 だからロッテちゃん、……好きだって、言ってたんだ……』 | |
2006/04/17 03:38:39 |
村長の娘 シャーロット 〔その時、ハーヴェイがシャーロットに振り返った。〕 「シャーロットさん、いつも勉強熱心なのはいいけれど、時々は息抜きをしないとダメですよ。たまには星を見に来るのも、いいものでしょう?」 ………え?あの、でも……勉強は好きでやっていることですから…。その……でも、いい、ですね……。 〔顔を赤らめるシャーロットを知ってか知らずか、ハーヴェイはシャーロットに微笑んだ。そしてシャーロットは、言葉を続ける。〕 でも……私には夢があるんです。誰よりも早く、人を乗せて飛べる飛行機を作ってみたい、って。既にその理論は世界中で研究されてきてて、試作品がどんどん作られているという話は、聞いたことがあります。でも…それを実際に作り上げた人はいないんです。 だから、私が一番早くそれを完成させたい。そのためには、一刻も早く知識を身につけないといけないんです。 「そうですか………。」 だから大学にも行きたいし、いろんなことを勉強したい。……お父様は、そんなこと許さないって言ってますけどね。 『………………。』 | |
2006/04/17 03:49:56 |
村長の娘 シャーロット ―ある夜― 〔その日、シャーロットは窓の外を見ていた。ふと視点の先に、大きな荷物を抱えたハーヴェイが歩いているのを見つけた。〕 あれ……?ハーヴェイさん……どうしたのかしら…… うーん…… 〔しかしいくら目を凝らしても、その姿はぼんやりと見えるだけで、彼が何をしているのかまでは分からない。〕 よし。ちょっと後を追いかけてみようかな。 〔シャーロットはニコリと笑うと、窓をするりと抜け出し、ハーヴェイの後を追った。〕 | |
2006/04/17 04:00:02 |
村長の娘 シャーロット 〔その夜は、不気味な紅い月が宵闇に浮かんでいた。シャーロットは、月に背を向けるようにして走っている。〕 嫌な色の月だわ……なんだかこわくて……。夜なんだから、外に出てこなければ良かったのかしら……? 〔茂みの中に、2つの紅い光がギラギラと輝いている。しかしシャーロットは、それに気づいていない。〕 ああ、ハーヴェイさん、みつけた……! ハーヴェ……… きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 〔次の瞬間、シャーロットの姿は茂みの中に引き込まれた。2つの紅い光はシャーロットを捉え、その身体をズタズタに切り裂き、むさぼるようにその肉を食べている。〕 『あの光は、アタシの………目…………!』 〔2つの光が、チェルシーを睨み付けた。〕 『あ、ああ………!』 〔チェルシーは、*意識を失った*〕 | |
2006/04/17 04:01:19 |
村長の娘 シャーロット 逃げても、逃げても、追いかけて来る。 たとえ一時の安らぎを得ても、次の瞬間にそれは遠い遠い場所へと逃げ去る。 …………悲しい。 抱き締め合うことを重ねる度、貴方がだんだんと遠くに行ってしまうと感じるわ……。そして、現実はわたくしに優しくないことを、わたくしは知ってしまう。わたくしだけの甘い幻想に逃げ去ることを、きっと神様は赦してくれないわ。 ましてや、貴方が赦してくれるはずは……ないのよ、ね。 | |
2006/04/17 22:40:24 |
村長の娘 シャーロット ごめんなさい、貴方……… 同じ罪に墜ちてくれたと安堵し、喜びすら感じたわたくしは……なんて愚かだったのでしょう…… 何故気付かなかったのかしら…… いいえ…… 何故目を逸らしてしまったのかしら…… 罪に墜ちることで、貴方がひどく傷ついてしまうということに………! | |
2006/04/17 22:51:27 |
村長の娘 シャーロット もう……いや……… わたくしを………ころして……… ハーヴェイさん……… 貴方に嘘をつくのは、もう、嫌……… 貴方が罪の意識に苛まれるのを、見たくないの…… 貴方の手で、殺してほしい………! | |
2006/04/17 23:48:30 |
村長の娘 シャーロット ごめんなさい、チェルシー……… それでもわたくしは、生きているのがつらい…… どうしてわたくしは、自分の罪を、 皆さんに隠し通していたのかしら………! ああ……こんなことになるなら、 ……もっと早く、告白すれば、良かった……! | |
2006/04/17 23:51:09 |
村長の娘 シャーロット もう、いや……… わたくしを、ここから、救って………! そしてわたくしを救うのは、死……… 死をもって、わたくしは、全てから開放される…… | |
2006/04/17 23:54:03 |
村長の娘 シャーロット ううん………もう、いいの……… ハーヴェイさんにとって、わたくしは、 ……もはや必要のない、存在……。 いいえ、もう、居てはいけないの……… | |
2006/04/17 23:59:23 |
村長の娘 シャーロット 死ぬならせめて…… ハーヴェイさんの手に掛かって、死にたい…… わたくしの命を、わたくしの愛しい人の手で… 断ち切ってしまいたい……… | |
2006/04/18 00:04:25 |
学生 ラッセル […はヘンリエッタが準備していた薬が 人を徒に苦しめるものでなかったこと、 そしてこれから行われるであろう処刑に わずかながら救いが得られたことを神に感謝した] | |
(2006/04/18 00:08:13、学生 ラッセルにより削除) |
村長の娘 シャーロット 死にたい…… その薬は、わたくしにとって…… 救いの、道……… | |
2006/04/18 00:13:39 |
村長の娘 シャーロット そしてわたくしは、また嘘を重ねる。 ………そしてわたくしは、また罪を重ねる。 | |
2006/04/18 00:29:48 |
村長の娘 シャーロット もういや!! もういや!! もう………死にたい………っ!! | |
2006/04/18 00:39:15 |
村長の娘 シャーロット もう………いや………! いや……… | |
2006/04/18 00:41:31 |
村長の娘 シャーロット 助けて……… わたくしを、救って……… 神様………っ!! | |
2006/04/18 00:42:01 |
村長の娘 シャーロット いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!! ハー……ヴェイ……さ……… | |
2006/04/18 00:47:45 |
村長の娘 シャーロット 違う…… 隠れ蓑なんかじゃ、ない……っ! 本当に……すきなの……っ! | |
2006/04/18 01:00:38 |