流れ者 ギルバート [守護としてのチカラ… アーバインが死んだ日。オレは、実は2階の窓から飛び出したんじゃなくて 実は、間違って落ちた。 けれど、体は大丈夫だった…。 普通ならば、骨の一本でも折ってもおかしくないというのに。 次の日からも、2階から飛び出る事が多かった。 自分の体の中にある、チカラを確かめるように、あえて、飛び出した。 日に日に、自分の中のチカラが強くなるのを感じた。 そして、あの日…ヴィンセントに投げたナイフ。 オレはあの時、ナイフなんて持っていなかった。 けれど、望んだ。すると…そこには"銀のナイフがあった"。 そして、感じる胸騒ぎと、狼を感じる瞬間…これも、チカラだったのかもしれない。 きっと、この身体能力と、武器としてのナイフ。それが、与えられたチカラ。 オレが、守れなかった村のみんなから託された、チカラ―― 今度こそ、守り抜けと―最後まで決してあきらめるなと―ー] | |
(5)2006/02/27 23:29:07 |
流れ者 ギルバート [シャロと処刑場へ走りながら…思っていた] ――シャロは、似ていた。 姿は違えど、サラに似ていた、そう思った。 しかし、何よりもあの『笑顔』が、まるで全てを癒してくれるようだった。 だから、どこか惹かれた―。 けれど、徐々に、シャロ自身に惹かれている事に気付く。 しかし訪れた突然の兄の死―― サラにも兄がいた。あいつも、サラを守れず…きっと悲しんだはずだ。 あいつの分も、ナサニエルの分も…守らなければと思った。 その後に、シャロが結社員とわかる。 どうして、兄の死を目の前にして、彼女は死に近い立場を歩んだのか。 ただただ、オレが思ったのは、シャロを守り抜こうと。 それしか、オレに出来る事はなかった… あの日に消えた、笑顔を取り戻してあげたいと……―― | |
(6)2006/02/27 23:37:37 |