人狼審問

- The Neighbour Wolves -

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(1201)牢獄のレクイエム : 1日目 (1)
 集会場は不信と不安がない交ぜになった奇妙な空気に満たされていた。

 人狼なんて本当にいるのだろうか。
 もしいるとすれば、あの旅のよそ者か。まさか、以前からの住人であるあいつが……
自警団長 アーヴァイン
 あー、諸君、聞いてくれ。もう噂になっているようだが、まずいことになった。
 この間の旅人が殺された件、やはり人狼の仕業のようだ。

 当日、現場に出入り出来たのは今ここにいる者で全部だ。
 とにかく十分に注意してくれ。
どうやらこの中には、守護者が1人、狂信者が1人、霊能者が1人、占い師が1人、人狼が2人、含まれているようだ。
現在の生存者は、農夫 グレン、書生 ハーヴェイ、医師 ヴィンセント、見習い看護婦 ニーナ、見習いメイド ネリー、牧師 ルーサー、酒場の看板娘 ローズマリー、踊り子 キャロル、逃亡者 カミーラ、牧童 トビー、流れ者 ギルバート、お尋ね者 クインジー、美術商 ヒューバート、の13名。
酒場の看板娘 ローズマリー
[―――響き渡る遠吠えと、夜を引き裂くような絶叫。
その音は、房の外から聞こえてきた。
ローズは施錠されていない扉を開け、廊下へと向かった。

廊下に看守の姿はない。本来なら、最低一人は監視役として立っている筈なのだが。
ローズはゆっくりと、音の許へと歩を進めた。]

【女子房・詰所】

[―――詰所の中は。
大きな牙と爪のようなもので引き裂かれた、先程まで「看守」と呼ばれていた者の残骸が転がっており、血の海と化していた。

ローズの脳裏に浮かぶ、一つの事。
「このまま鍵を奪えば、ここから脱出できる。お母さんに会える。」

普通の神経の持ち主なら、この惨劇を目の前に悲鳴の一つ揚げるだろう。しかし、ローズは声を揚げる事なく詰所に入ると、充満する血の臭いをぐっと堪え、看守の残骸から鍵束を奪った。]
(0)2006/02/17 01:31:17
見習い看護婦 ニーナ
【懲罰室】
「おまえ、またしても看守に逆らうつもりか・・・?」

[勿論ニーナに正当な理由がない限り看守に意見することはなく、本来のニーナの態度は良好と評価されるべきものであった。しかしそれをよしとせぬ看守が、どうこう理由をつけてニーナに個人的に制裁することがあった。反抗、或いは別の囚人の肩代わりの名目等で。

娯楽室にいたニーナは突如、ニーナは複数の看守に無理矢理鎖を掴まれ、ニーナにこのような形で接触する看守のすることは懲罰室行きと予想がついていた。一般の世界からは隔絶された島であれど、その中でも歴史の表舞台には最も日の目を見ることのない場所だ。
ニーナは荒々しく懲罰室の床に叩きつけられた。ショートの髪が揺れる。]

『お前ほどその部屋に入れられる奴はいないな。まったくよく処刑されないもんだぜ。ははん。』
『5日も経てば出してやるさ。・・・生きていればな。』

[ニーナの頭上を無責任な声が掠めていく。]
(1)2006/02/17 01:36:24
お尋ね者 クインジー
【夜更け/男子独房3号室】
今日もいつもと変わらぬ日常をを過ごし夜が来た。夜もいつもと変わらぬ…はずだった。
娯楽室から持ち出した椀とサイコロを弄びながら、クインジーは夜空を見上げていた。

「おかしい…。雲が禍々しい」

そして…牢屋の鉄格子は開いたままだった。

「なぜに…鍵が開いたままなのだ。」

クインジーはひっそりと辺りの様子を窺っていた。
(2)2006/02/17 01:37:08
酒場の看板娘 ローズマリー
[鍵束を手にしたローズは、再び房へと走った。あの本を…取りに行くためだった。
その時、房の中から次々と声がかかる。

「ローズ。ここから出して…。」

それは、ニーナ、カミーラ、ネリー、キャロルだった。
この四人は、挨拶を交わす程度の仲であったが、自分の年齢と近いせいか、ローズは親近感を憶えていた。
ローズは四人に頷くと、鉄格子の扉の鍵を開けた。]

看守達が詰所で死んでるよ。

今なら逃げられる…。
(3)2006/02/17 01:41:07
見習い看護婦 ニーナ
『おい、何やってるんだ?またニーナの奴が何かやらかしたのか?それよりも少しおかしいんだ。大量の血の跡が飛散しているんだ。誰かがまた早まっちまったかもしれん。至急来てくれないか!?』

『何?・・・分かった、すぐいく。』

『チッ。誰だ?またホネな真似をする奴は。』

[無機質な鉄扉の閉まる音、と同時に響く施錠音。平静さを失っているように感じられた看守の遠のく足音。]

看守の最後に交わしていた会話・・・気になる・・・

[周囲に誰もいないことを悟りつつも、暗闇の中でニーナは無機質な壁へ寄り、また耳を寄せた。何かが起こっているやもしれないからだ。]
(4)2006/02/17 01:41:38
酒場の看板娘 ローズマリーは、自分の房にある本を取ると、再び房の外へと*向かった。*
2006/02/17 01:42:21
流れ者 ギルバート
【夜/独房】

[ 格子越しの月は、やけに赤みを帯びている。
青い絵の具に赤いものを溶き混ぜたら、
こんな風になるだろうか?

赤みを帯びても決して暖かくはない光は、
あまり心地のよいものには感じられなかった。 ]

っ、寒……

[ 丸めた毛布を掻き寄せた。
ひんやり冷たい布も、抱いていればそのうち温もりはする。

でもこの月は……]
(5)2006/02/17 01:45:35
農夫 グレン
【夜更け/懺悔室】
[ 博奕も撲てず、退屈な娯楽室をあとにして。なぜか、なにもかもぶちまけたくなって…。せいぜい神妙な顔で懺悔室に向かう。歩く廊下は満月に明るく照らされていた。
掴まる前の夜。最後に女学生を襲ったのは…こんな晩だった。
声もなく怯える表情が月明かりに照らされていた。竦んで強ばった身体に掴みかかった感覚は、今でも思い出せる。
俺は、そんな話をしたくなったのか?
開いた手をじっと見つめて、廊下に立ち止まっていると、「呻き声」とはまた異質の声が聞こえた]

…ちっ。なんて夜だ。
(6)2006/02/17 01:47:49
流れ者 ギルバートは、獣の遠吠えにびくりと顔をあげた。
2006/02/17 01:48:02
流れ者 ギルバート
[ 響く獣の声。
あわせてどこからか聞えた悲鳴。
房の鍵は閉まっていない。

――俺は独房から抜け出した。 ]

【夜/廊下】

……おい、ヨアヒム?

[ 隣の房を覗きこむ。ぷんと鉄くさい匂いが鼻をつく。
ヨアヒムはいない。

――また、博打にでも?

辺りをそっと見回し、誰もいないことを確認し、
俺はヨアヒムの房に身を滑り込ませた。 ]
(7)2006/02/17 01:48:51
流れ者 ギルバート
【夜/房中】

[ 房の片隅に、丸めた毛布がおかれている。
なんとなしにそれに触れてみる。……じんわり湿った感触。

紅い月の光に照らされた手は、紅い液体に濡れていた。

毛布の隙間から覗いた腕は、見慣れたヨアヒムの手だった。


俺はその場に座り込んだ。 ]


……嘘だろ?
(8)2006/02/17 01:49:31
見習い看護婦 ニーナ
[瞳を閉じ、ニーナが壁に静かに耳を当てていると先程の看守達の声が伝わってきた・・・否、会話と言うよりもむしろ喧騒、悲鳴に聞こえられた。]

『・・・んだ!? うわあっ!』
『ば・・・のめ!』

この壁の向こうの傍で、何かが起こっている・・・
(9)2006/02/17 01:54:25
農夫 グレン
やべえな…
いやな匂いだ。闇の奥から狙われてやがる…

シケモクなんかじゃねえ。もっとでかい子としようって奴等だ。

恥も外聞も、ないか…

[ 所詮は囚人。そう見切りをつけて、看守サマの助けを請うて扉を叩く。詰め所の扉は容易に開き、初めて詰め所に足を踏み入れた。血の匂い。]
(10)2006/02/17 01:59:33
農夫 グレン
[ 嗅ぎ慣れた血の匂いも、こうも濃いと辟易する。加えて明かりが打ち壊され、月夜に慣れた目にはなにも見えてこない。
ヤバイ。
ぴりぴりとうなじでそう感じるが…。
ここを後にして、めくらめっぽう走り回るのは遙かにヤバイ。路地での暮らしがそう告げている。
俺は鼻をつまんで真っ暗闇に飛び込み、隅で蹲った。ヤバイやつがいるなら、アウト。]

ええい!ままよ!
(11)2006/02/17 02:05:40
農夫 グレン
[ 静かな闇の中、かすかな呻きと、遠くから悲鳴のような声が聞こえる。
声が遠ざかっていくのを感じ、俺はひとり*笑みを溢した。*]

助かった…のか?
(12)2006/02/17 02:07:04
流れ者 ギルバート
【夜更け/独房】
[ 切り捨てようとした言葉が脳裏によぎった。


――無実の罪でここに閉じ込められた挙句に
――おっ死んじまった
――今日みたいなこんな薄ら寒い……


……ああ、今日は本当に寒い。 ]
(13)2006/02/17 02:12:08
流れ者 ギルバート
[ 震えを抑えながら、千切れた腕をそっと拾い上げた。
ヨアヒムがこの手で椀をつかむ事はもうないんだろう。

何か"爪"のようなもので引き裂かれた痕。
そこらにうろついている野良犬みたいなちゃちなものじゃない、もっと力強い獣の"牙"の痕が光に照らされ生々しく浮かび上がる。 ]


……なんだよ、これ。

[ ――もし何かがすこし違っていたら、俺がこんなに?

かちかちと音が聞える。俺の歯の音だ。
竦んだ体はうまく動かない。

この獣がヨアヒムに満足してくれている事を祈りながら、
俺は暗い房の隅に身を寄せた。 ]
(14)2006/02/17 02:15:04
見習い看護婦 ニーナ
[重厚な壁の向こうからの看守の発する音や声が止んだ。一見静寂を取り戻しつつあるようにも見えた。
ニーナはひとり懲罰室の中で、この牢獄そのものが大いなる闇に包まれつつある気がしてならなかった。

身体が、歯が震えるのが止まらない。自分の気配が乱れるのを部屋の外に悟られると危険が迫り来るのではないかと直感する。
重たい両手で頬を持ち、歯が鳴るのを止めようと試みる。]

このままでは確かめる事もできないのですから、潜む事がよいのかもしれません・・・

[ニーナは呼吸の音さえも出さぬ様に、静かに時が*過ぎるのを待った。*]
(15)2006/02/17 02:26:35
踊り子 キャロル
【現時間/女子房】


[夜は深く深く更けていたが、キャロルは到底眠れない様子でしつらえられたベッドの上に座り込んでいた。

先ほど現れたローズマリー(そう、何故ローズマリーは自由に動けるのだ?)の口から「看守が死んでいる」驚くべき情報を聞かされる。
思わず声が出た隣の房から順番に独房の鍵を開け、ローズマリーは外へ出ていった。

キャロルは、その事実をにわかに信じることができずに蹲っていた。]
(16)2006/02/17 02:36:32
書生 ハーヴェイ
【夜/独房】

「所内の食事は貧相なものだった。硬くなったライ麦パンと冷めたボルシチ。最低限の食事しか与えないのはおそらく囚人の気力を削ぐためであろうか。
民から搾取する貴族どもは、はたして彼らの農奴にいかほどの食料を与えているというのであろうか。国の根本を成す農民たちが、たかだか刑務所の囚人と同様の食事しか食すことができないというのであれば、それはあまりにも哀れで滑稽なことだ。」

[などと書き記しているうちに時間が過ぎた。自由時間も終わりに差し迫ったころ、娯楽室にいた博徒たち。彼らはなんと能天気なのだろう、と思った。ふと、風の音に混じってどこか、唸りのような音が聞こえる。海鳴りであろうか。]
(17)2006/02/17 04:04:58
書生 ハーヴェイは、獣の遠吠えにびくりと顔をあげた。
2006/02/17 04:05:07
書生 ハーヴェイ
なんの声だ!?革命の狼煙ではないことは確かだが…。
(18)2006/02/17 04:06:18
書生 ハーヴェイは、鉄格子の向こうを男が走っていくのを見た。
2006/02/17 04:06:46
書生 ハーヴェイ
あの男は…確かギルバートと言ったな。
なぜ外を走っているのだ?
(19)2006/02/17 04:07:54
書生 ハーヴェイは、「どうせ看守に捕まるだろう」と思い、*ベッドにもぐった*。
2006/02/17 04:08:28
見習いメイド ネリー
【回想/昨日夕刻/礼拝堂】
[だいぶ眠ったはずなのだが頭の芯はまだ霞がかかったようで正常な思考は途切れ途切れにしかできない。
それも正常な思考などというものがまだ私に存在するならという話だが。
牧師の説教は型どおりのもので私の心には響かない。
牧師の言葉に力がないのか。それとも私の心がそれを求めていないのか。
そんなことを考えながらただ耳を傾け、促されるままに聖句を復唱した]

……悔改めよ、か。
この刑務所から本当に出ることが叶うなら…
犯してない罪すら跪き、許しを乞うわ…
それで、自由が手に入るなら…

[目の前にいた牧師が憐れむように私を見下ろしている。
その憐れみは、無実で投獄されたという私の主張を省みてのものか、服で覆いきれず見えている痣を見咎めてのものか。
私には知る由もなく――また牧師の意図を確かめることすら無意味に思えた]
(20)2006/02/17 15:45:36
見習いメイド ネリー
[礼拝堂には他の囚人の姿があり、中には僅かな期間に見知った顔もあったが傷を負っていた私は人目につく事を避け近寄らず会釈を送るだけにとどめた]

そろそろ…時間かな。
夕餉の支度を手伝わなくては…

[人手の足りぬ刑務所では囚人に役務として特別な役割が課せられることがある。
私は通常女性囚人が課せられる役務――裁縫のようなものだ――に加えて食事の支度を補助するという役務があった。
それは私にとっては長く親しんできた仕事で何ら不満はなく、むしろ自分に宛がわれた薄暗い房ではなく模範囚などの特別な者達にだけ開放された食堂の片隅で食事をとることができる喜ばしいものであった]

昼のスープはいくらなんでも酷すぎよね。
具材がないのはいつものことだけど、あれじゃ湯だわ。

[誰にも聞こえないように文句を言いながら食堂に向かい私はささやかな料理に没頭した]
(21)2006/02/17 15:46:08
見習いメイド ネリー
【回想/昨日夜半/独房】

今日は呼び出されずにすむかしら……… だといいんだけど…
毎日続くと身体が持たないもの……

[一日の役務を終え、薄暗い自分の房で安堵しようとしたが何故か今宵は落ち着かない不安な気持ちになった]

赤い… 月……?
初めてだわ、あんな色の月… 

[ふと夕餉のあと立ち寄った娯楽室で皆が噂していた話が脳裏をよぎった。
その不気味な噂を聞いた日にみた月は酷く現実離れしているように私には思えた。
そのまま毛布に包まり月に怯えながらもそれから*目が離せなかった*]
(22)2006/02/17 15:47:32
牧童 トビー
【深夜/独房】
[その夜は騒がしかった…、何かは分からないが唸り声が聞こえるのだ…。
昼間の男の話を思いだす…。

「くたばった連中の恨み言なんだぜ…。」

くだらない冗談だと思っていた…、でもなぜかいまはその言葉が嘘ではなかったような気がしてならないのだ。]

あー、我ながら情けないですね…、あんな冗談が気になるなんて…。

[そんな事を考えていると唸り声は絶叫へと変わっていった]

っっ!

[一体何が起きたのかと少し興味が沸いたが、大方昼の男の話を聞いた人間が恐怖のあまりに叫んだんだろうと判断し、*トビーは静かに眠りについた*]
(23)2006/02/17 16:55:31
書生 ハーヴェイ
【朝/独房】

…うん?よく眠れたようだが…。

[朝を告げる看守の怒鳴り声がしない。不思議だ。鉄格子に近づき、思わず廊下の外を覗き込んだ。]

……?

[鉄格子の扉が開いているのに気がついた。]

はて…。
(24)2006/02/17 17:19:39
酒場の看板娘 ローズマリー
[ローズは一冊の本と鍵束を持ち、女子房の廊下を走った。鍵を解かれた女子達は、未だ房の中で蹲っていた。ローズは共に脱出しようかと思ったが、男子房に居る看守達の事を考えると、大勢で逃げるのは目立って見つかってしまう可能性がある…そう考え、ローズは敢えて一人で脱出する事にした。
詰所まで来ると、ローズは大きく息を吸い込み、口に手を当てて中へと入った。ローズの足元に、一人の人間の頭部が転がっている。

(逃げれるのは嬉しいけど…一体、誰がこんな事を…?
人間の仕業とは思えない…。)

そう、ローズの目の前の惨情はとても人がなしたものとは思い難かった。数匹の…大きな獣がなしたとしか考えられなかった。

(獣だとしても…この刑務所内にそんな獣が居た…?
外からの侵入は不可能…よね…?)

浮かび上がる幾つかの謎。
何故…看守達が殺されたのか、何故…獣のようなものが刑務所内に居たのか…。

――ふと、唸り声を思い出す。

『無実の罪を着せられて死んでいった者の魂が成仏できず、現世に留まっているのかもしれない…』]
(25)2006/02/17 18:35:10
酒場の看板娘 ローズマリーは、答えが分からないまま、もう一つの扉へと急いだ。
2006/02/17 18:35:22
酒場の看板娘 ローズマリー
[――目の前にある大きな厚い扉。
この扉の向こうには、母の許へと導いてくれる''自由''がある。
ローズは何十本もある鍵を、順番に鍵穴へと入れていった。

かちゃりと、鍵と鍵穴が一致する音。
ローズは鍵束をその場に落とし、本を脇に抱えると、重い扉に手を掛けた。

重く、低い摩擦音が響き渡る。扉の隙間からは、月の光が漏れていた。扉を全開させると、ローズは駆け足で外へと向かい、冷たい風を体中で*感じたのだった。*]
(26)2006/02/17 18:51:18
牧師 ルーサー
【回想/遠吠えの響く時/囚人礼拝所】

 ――響き渡る絶叫。

 遠吠えが止んだ時、ルーサーの耳にそれが飛び込み、彼は思わず座っていた長椅子から跳ねるように立ち上がった。 
 絶叫、悲鳴……何を言っているのかも判然とせぬような喧騒。吠え、唸る声……明らかに人に発する事の出来ぬ声が混じる。そして、救いを求める声、罵る言葉、母を呼ぶ声……。

 ……沈黙。
 喧騒が止み暫しの時が流れた時、呆気にとられていたルーサーは、はっと我に返った。

(――何が起こったというのだ!?)
 駆け出すと、礼拝所から詰め所へと続く扉に向かう。そして、扉に手を掛けゆっくりと開いて行く。途端、詰め所からむせ返るような匂いが漂う。

 扉を開け放った時……ルーサーは余りの光景に目を見開き、声も無く立ち尽くした。
 ……赤く。ただ、赤く。
 詰め所はただ一つの色に染め上げられていた。
 
 ――脳裏に蘇る記憶。その景色。

 前進におこりに罹ったかのような震えが走る。ルーサーは胸の十字架にてをやり、崩れそうになるその身を懸命に支えた。
(27)2006/02/17 19:00:23
牧師 ルーサー
「主よ……」
 右手で目を覆い、振り絞るかのような声でやっとそう言い、頭を振る。そして、目を開けると惨状に再び目をやる。
 そこに横たわっているのは、もはや人とは呼べぬ変わり果てた姿になった者達だった。
 だが、微かな呻き声が上がる。
 折り重なるように倒れている者達の方からだった。ルーサーは血糊に足を捕られそうになりながらそこに近づき、千切れかけた、或いは千切れた肢体を、はらわたを零した身をどけて行く。
 そこには、厳しい顔を血と苦痛に染めて、アーヴァインが横たわっていた。
 ……その身は引き裂かれ、助ける術も無い事は明らかであった。
(28)2006/02/17 19:01:11
牧師 ルーサー
「神父さん……」
 今にも消え入るそうな声で、アーヴァインがルーサーを呼ぶ。ルーサーは涙を流しながらそれでも笑みを作ろうとし、アーヴァインの目を見つめ、手を取り頷く。
「はい。私はここに居りますよ。」
 幾分か、アーヴァインの表情が和らいだかのうように見えた。規則には厳しい男だか、しかし、気が良く話しの分かる男でもあった。ルーサーが赴任したての頃、アーヴァインに助けられた事もしばしであった。
 今にも消え入りそうであった呼吸は次第に弱く、そして、瞳からは光が失われ……ルーサーに見取られ、アーヴァインはその命を終えた。

「主よ……どうか、この者の魂に安らぎが訪れぬ事を……」
 赤く染まった部屋の中、皮膚の破れんばかりに十字架を握り締めたルーサーの祈りの言葉だけが響いていた。
(29)2006/02/17 19:01:48
牧師 ルーサー
【回想/虐殺の夜/女子房側詰め所】

(……一体何が、これは何者の仕業だというのか。)
 血塗られた室内。それはルーサーに拭いきれぬ公開と罪悪感と共に過去を思い出させた。苦しみのような、痛みのようなものが胸を突く。だが、今はそれに思いを巡らせている事は出来なかった。
 ……看守達にこのような運命を与えた者がいる。それも、まだほんの少し前の時間に。

 ルーサーには二つの道があった。
 一つは何処かに――そう、例えば演壇の下にでも隠れるか、刑務所の外へと逃げ出しこの殺戮をもたらした者の手から隠れ遂せようとする事。
 もう一つは生き残っている者を探す事。手当てをすれば助かる者もいるかも知れない。
 ルーサーは迷わず後者を選んだ。逃げ隠れすれば助かるという保障があるわけでもない。収容所の者を皆殺しにする事が目的であれば、逃げる事は困難なのではないかと思えた。
 今、近くには不穏な気配も感じられない。殺戮者が去ったのであれば、逃げ隠れする事で救える者を見捨てる事になるかも知れない。
 ルーサーは覚悟を決めると、恐怖を感じ竦みそうになる体を叱り付け詰所から廊下へと出だした。
(30)2006/02/17 19:50:23
美術商 ヒューバートは、血生臭い空気を感じ、自分の独房で目を覚ました。
2006/02/17 20:28:10
美術商 ヒューバート
奴が自殺でもしたのかね。

俺の指示を信じ切って取引したのなら、今頃借金で首が回らなくなってるのは、確かだが…。
(31)2006/02/17 20:29:51
美術商 ヒューバートは、外が騒がしい気がして、独房の入り口まで歩を進めた。
2006/02/17 20:31:01
美術商 ヒューバート
おや?
鍵が掛かってないな。
(32)2006/02/17 20:34:36
牧師 ルーサー
【回想/虐殺の夜/宿所】

 ――宿所の扉の前に立つ。
 扉はあらぬ力で引き剥がされたようにひしゃげ、開け放たれていた。室内は暗く、中の様子は見て取れなかった。だが、ここからも血臭が漂ってきていた。
 
 一歩、踏み入る。
 だが、やはり様子は分からない。ルーサーは明かりを得ようと、懐に手を入れマッチを取り出そうとした。

 ――るるるぅ

 微かに唸る様な声にルーサーは手を止め、そちらに目を向ける。
 ……暗闇の中、微かに灯るように。
 紅い、二つの光があった。
 背筋が凍った。懐に入れた手でマッチではなく十字架を探る。
 紅い光が揺れる……ふ、と止まる。次の瞬間、それは跳ねるようにルーサーへ飛んだ。
 我知らず、光に向け十字架を翳したルーサーを衝撃が襲い、叩きつけらように壁に跳ね飛ばされ、そのまま崩れ落ちた。
(33)2006/02/17 20:34:42
牧師 ルーサー

 身動きも取れなくなったルーサーは、何者かの気配が遠ざかって行く事を感じていた。
 朦朧とした意識の中、ルーサーは肩口から胸辺りに激しい痛みがある事を感じていた。やがて暫くして、何者かが、じゃらじゃらと鍵束の鳴る音をさせながら外界への門へと向かう音を聞きながら、#ルーサーの意識は闇に落ちて行った。#
(34)2006/02/17 20:34:54
美術商 ヒューバートは、怪訝に思いながらも、娯楽室や中庭の在る方向へと歩き始めた。
2006/02/17 20:34:57
美術商 ヒューバート
妙だな、誰もいないとは。

[閑散とする娯楽室を見回し辺りを見回した後、ふと呟いた。]
(35)2006/02/17 23:35:08
見習い看護婦 ニーナ
【反省房】

[ニーナは固い金属の扉の内側に身を潜めていた。何も飾られていない部屋。何ものも置かれていないモノクロームで色素のない空間。光さえも差さない場所ゆえ、壁の染みの数も数えることもままならない。
堅牢なこの部屋の向こうで何が発したのだろうか。静寂と時が流れる。

ニーナは天井を見つめる姿勢で身体を横たえ、両の指を絡ませ祈るような仕草で自らの境遇を思った。プロテスタントであることが無意識にそうさせたのだろうか。

ニーナはアーノルドの屋敷に半ば強制的に取り立てられた以降、生きることの無上の喜びに自らが触れたことは皆無といえた。
運命とも言える川の流れに流し流され、その注ぎ口、河口がこの地であるのか。]
(36)2006/02/18 00:04:52
見習い看護婦 ニーナ
[かくも深い罪障。かくも長い償いの時。
この地に閉じこめられた不毛の歳月。

国家反逆の罪を被っているニーナが仮にこの島から出ることがあれば、それは少なくともロシア帝国あるいは故郷フィンランドの政治的変換、場合によっては革命、国家転覆ほどの大きなエネルギーが必要だろうか。

ニーナはカレヴァラを黙唱し、また神への祈りを小さく捧げ続けた。そして一度も看守がこの部屋を見回りに来たことのない事実に不安を隠せなかった。]
(37)2006/02/18 00:05:35
医師 ヴィンセントは、娯楽室で読んでいた医学書を閉じた。【回想開始】
2006/02/18 00:06:12
医師 ヴィンセント
【回想/遠吠えの響く虐殺の夜/娯楽室→男子1号房】
[娯楽時間も少なくなり、
そろそろ房に戻ろうとヴィンセントは立ち上がった。

娯楽室を見回すと、既にヨアヒムの姿はなく、
後ろに立っているブラウンの髪をした男─
─ギルバートと言っただろうか──が
緑髪の少年の方を眺めているのを見ながら、椅子を元の位置に戻した。

彼はその視線の先の緑髪の少年が気になり、
不自然にならない範囲で彼をそっと眺めた。
…なりは若いを通り越して幼いといった風体だが、眼光には鋭ささえ感じられる。
その様子はこの場に収容されている者たちの中でも
限られた人物にしか見て取れぬものだった。

oO(…彼のような少年が、何故このような場所に……
 ──いや、彼も私と同じく
 冤罪の末にこの場に送り込まれたのかもしれない…)

そう考えつつヴィンセントは本を抱え、房へと続く廊下を歩き始めた]
(38)2006/02/18 00:07:27
医師 ヴィンセント
[房の扉が閉まる重苦しい音…それを聞きながら冷たい寝台に腰を降ろす。
寒さから身を守るように、
分厚い、しかし粗末な毛布を引き寄せ身体をしっかりと覆った。

そしてヴィンセントは静かに目を閉じ、施錠の音のないことに気づかないまま、
暗い眠りの縁へと引きずり込まれるように落ちていった]
(39)2006/02/18 00:08:39
医師 ヴィンセント
【回想/遠吠えの響く虐殺の夜・深夜/男子1号房→宿所】

[──どのくらい眠ったことだろうか。
ふと、なにかの遠吠え…そしてそれに続く悲鳴のような音に彼は飛び起きた]

…遠吠え…か?
そしてあの声は人間の断末魔……何がおきた?!

[分厚い毛布を除けて跳ね起き、扉へと走り寄る。
何が起こっている?と格子に顔を近づけると、
重い鉄の扉は彼の体重を受け止めて僅かに動くような音を発てる。
ヴィンセントは訝しく思ったが、素早い動作で扉を開いた]

おかしい…施錠が行われていない?
いったい何が起こっているというのだ…この場に。
…先程の悲鳴が思っているとおりのものであるなら、私は急がねばなるまい。

[かじかんだ指先に息を吹きかけ、ヴィンセントは悲鳴のする方へと走り出した]
(40)2006/02/18 00:09:55
医師 ヴィンセントは、中庭への窓から見えた紅い月に不吉なものを感じた【回想終了】
2006/02/18 00:11:28
医師 ヴィンセント
【現時刻/宿所】

[悲鳴の聞こえた場所へとたどり着き、
扉が開け放たれていることに彼は更なる訝しさと、強い不吉の予兆を感じ取る。
普段は明るいはずのその場所が今は廊下よりも薄暗いことに、
彼の動物的勘のようなものは更に刺激された。

────嫌な予感がする。

ヴィンセントはその先へ一歩足を踏み入れ、そして声を失った]
(41)2006/02/18 00:22:36
医師 ヴィンセントは、廊下からの薄明かりに室内の光景を見て呻き声を上げた。
2006/02/18 00:23:37
医師 ヴィンセント
…うっ!
……こ、これは──
(42)2006/02/18 00:23:59
医師 ヴィンセント
[絶句する彼の鼻腔に、幾度となく感じたある臭いが充満する。

それは紛れもない、血と……死の臭い。

よろけた脚に、まだ暖かい何かが触れる。
彼は気を動転させぬようにゆっくりと腰を降ろし、
顔だと思しき場所を廊下の明るい方へと向けた]

…ルーサーさん…!!
(43)2006/02/18 00:24:29
医師 ヴィンセント
[見慣れた彼の顔…だがそれは夥しい赤い飛沫に塗れていた。
手には十字架──これも真っ赤に染まっている──が握られたままだ。
それがまるでなにかの象徴のように見える。

ヴィンセントは早鐘のように打ち続ける鼓動を耳の奥に感じながら、
落ち着けと己に言い聞かせる。
そして目を閉じたまま動かぬ彼の首筋に指を触れさせ──]
(44)2006/02/18 00:25:52
医師 ヴィンセントは、少しの間の後、ほっと息をついた。
2006/02/18 00:26:06
医師 ヴィンセント
…良かった、脈はある…
呼吸も正常だ。

後はこの血が出血したものではないことを願うだけだが…
(45)2006/02/18 00:26:43
医師 ヴィンセントは、ルーサーの意識のない身体を医務室まで引きずってきた。
2006/02/18 00:30:16
医師 ヴィンセントは、牧師 ルーサーの身体をベッドの上に横たえ、部屋の明かりを灯した。
2006/02/18 00:32:32
書生 ハーヴェイ
【朝/廊下】

[鍵の開いた独房から出ると、血生臭い臭いが漂ってきた。]

うっ…!?

[臭いのする方へと歩いていく。死を感じさせる臭いに気が遠くなりそうになった。]

な、なんだこれはっ!?

[多数の血痕。いや、血痕という言葉すら生ぬるいほどの大量の血の痕がそこらじゅうに残っていた。]
(46)2006/02/18 00:32:44
医師 ヴィンセント
[彼の視線はルーサーの肩口に裂傷があるのを見て取る。
だが幸いなことに、命に関わるほどの大きいものではなかったことに安堵した。
顔に飛び散った飛沫は恐らく他の事柄に因るものだろう。

裂傷は一筋ではなく、まるで何か、
けだものの爪のようなもので引っ掛けられたような痕だった]

人の肩にこんな爪痕を残せる獣…
そんなものがこの場にいるというのか?
(47)2006/02/18 00:34:34
医師 ヴィンセントは、現状を整理し、処置を始めようとして、ふと気がついた。
2006/02/18 00:34:43
医師 ヴィンセント
止血をするには人手が必要だが…
しかしこの場に詰めているはずの医療従事者たちはいったいどこへ?
(48)2006/02/18 00:35:49
医師 ヴィンセントは、恐ろしい事実にうっすらと気づいたが、あえて言葉を飲み下した。
2006/02/18 00:35:56
牧師 ルーサーは、意識を取り戻した。
2006/02/18 00:38:03
牧師 ルーサー
う……
(49)2006/02/18 00:38:40
医師 ヴィンセントは、牧師 ルーサーが、意識を取り戻したことに気がついた。
2006/02/18 00:43:20
医師 ヴィンセントは、牧師 ルーサーの薄く開いた目の前で手を2、3度動かし、声をかけた。
2006/02/18 00:44:19
医師 ヴィンセント
ルーサーさん、私です、ヴィンセントです。
聞こえますか?
(50)2006/02/18 00:45:14
牧師 ルーサーは、医師 ヴィンセントの声に、ゆっくりと顔を向けた。
2006/02/18 00:47:19
医師 ヴィンセント
動かないでください…今、止血をします。

oO(…今は目の前の患者への処置が必要だ。
 救える命に手をこまねき放置するのは人ですらない)

[意識が僅かに戻ってきたルーサーの様子に安堵し、
今まで見てきた光景とは正反対の整った戸棚から三角巾を取り出す。
慣れたような動作でルーサーの肩口を露出させて、
鎖骨の辺りの止血点を探った。

結び目を作った三角巾でその部分に圧力を加え、止血を試みる]
(51)2006/02/18 00:47:47
医師 ヴィンセントは、服の上からロザリオを押さえ、強く*念じた*
2006/02/18 00:48:27
牧師 ルーサー
……ヴィンセントさん?

[ ルーサーは目を細め、幾分ぼんやりとした表情でヴィンセントの顔を見上げていた。意識がはっきりとせず、何の思いも巡らなかった。
 だが、やがて、何かに気がついたようにはっと身を起こそうとし――肩口に激しい痛みを覚え思わず呻き声を漏らした。]

ぐ……

「動かないでください…今、止血をします。」

[ ルーサーは痛みに顔をしかめながらヴィンセントの言葉に僅かに首肯すると、手当てに身を任せた。てきぱきとしたその手際は、一年以上も医療の現場を離れていたと思わせぬものだった。こんな時ではあったが、このような人物が無実の罪で囚われている事がルーサーにはやるせなく思われた。]

ヴィンセントさん……ありがとうございます。
しかし……ここは危険です。何処かへ身を隠すか……刑務所の外へ……

[ だが、ルーサーの言葉にヴィンセントは首を横に振る。]

「ルーサーさん。もし逆の立場であれば、あなたは私を置いて去る事ができますか?」

[ ヴィンセントの言葉にルーサーも首を横に振った。そして、ヴィンセントの姿を見ながらルーサーの意識は再び薄れて行った。]
(52)2006/02/18 01:05:48
牧童 トビー
【朝/独房】
[今までになくすがすがしい朝だった…、個々に着てから初めてと行っていいほどであった。
今日はなんだかいい気分で過ごせそうだなと思って起き上がった瞬間にとある異変に気づいた…]

ん…?なんで独房の鍵が空いているんだろう…?

[異常すぎる状況に先ほど抱いていた思いなど吹っ飛んでいった。
なにしろ異常過ぎるのだ、独房の鍵が空いているなどという事態は牢獄の機能が停止しているのと変わらない]

一体何が起きてるんだ…?こんな状況はありえないよ…。

[トビーは不安と少しの好奇心をもちながら独房から外へと足を踏み出して行った]
(53)2006/02/18 01:41:52
流れ者 ギルバート
【朝/独房】
[ 月は姿を隠し、太陽がかわりにその顔を覗かせていた。
どうやら災厄は、俺の上を通り過ぎていってくれたらしい。

日の光を眺めていると、縮まった指先に、
少しずつ血が流れていくように感じられた。

――全く俺は、何を怯えてたんだ?

多少大きいのかもしれない。
嬉しいことじゃないが、些か餓えているかもしれない。
でも相手は血も肉もあるただの生き物だろう。

得体のしれないオバケなんて、馬鹿らしいものじゃないはずだ。 ]
(54)2006/02/18 01:56:28
農夫 グレン
【朝/厨房】
[長い、永遠に続くような暗闇の時間。月明かりの届かない詰め所の闇には、いつまでも目が慣れなかった。血の匂い。どこからか聞こえる。悲鳴、鍵を開け、扉を開け放つ鉄の音、なにかを叩きつける荒々しい物音。
闇のすぐ向こうでは、息を潜めた狩猟者が怯える姿をにやにや眺めているのではないか?
気が狂いそうな暗闇がうっすら白み、引き裂かれた看守の遺体が転がっている光景が朧気に見えてきた朝。
そんな朝でも、一睡もしなければ腹が減る。
昼と見違えるほど豊かな、兎肉の贅沢にはいった御馳走を見るまでは。]


くそ…眠れるわけがねえ。うぇ。なんて有様だよ。
看守さまもこうなっちまうと…寂しいもんだな。

メシはないのか。メシは。
うっ…

くそ。…ちくしょう。くえねえ。
(55)2006/02/18 01:56:59
流れ者 ギルバート
悪いな、ヨアヒム。
……暫くそこにいてくれよ。

【朝/廊下】

[ ヨアヒムの腕を毛布につつみ、俺は独房を出た。
もうさほど生々しくはないが、廊下にまで充満する鉄の匂いが、
わずかに感じられた。 ]


鼻、死んでるか……?


[ 鼻をすりながら廊下を見回す。
小さな人影が見えた。あれは確か、昨日グレンと話していた―― ]
(56)2006/02/18 02:07:28
流れ者 ギルバート
おい! ちょっと……

[ 俺は慌てて言葉を飲み込む。俺の手は血で汚れていたはずだ。ヨアヒムの血に。

そんなものを見られたらどうだ?
せめてもと、汚れた手を後ろ手に隠し息を潜める。

……少年は気づいただろうか? ]
(57)2006/02/18 02:07:57
農夫 グレン
【朝/医務室】
[ 贅沢なスープをよそうこともせず、空のままの椀を投げ捨てると、厨房を抜けて医務室に入り込む。やはり錠前は下りていない。
粗末なベッドで牧師が、ロザリオを握りしめて倒れていた。
側の棚には、難しい綴りのラベルが貼られた瓶が並んでいる…
そのうちいくつかの単語は、読み取ることができた。気に入ったものを物色しては帽子に仕舞い込む。
ふと思いついて、薪の先端に包帯をきつく巻き付け、アルコールを染み込ませる。]

お、コレ…酒だな。へへ。久しく御無沙汰だぜ。
それに医者のナイフ。まあ…逃げる役には立つだろ。
(58)2006/02/18 02:11:17
牧師 ルーサー
【夜明け/医務室】

[ 薄暗い空。
 意識を失ったルーサーが目を覚ました時、既に夜は明けていた。傍らには、椅子に座ったヴィンセントがベッドに凭れ掛かるようにして眠りに付いていた。]

ヴィンセントさん……ありがとうございます。

[ ルーサーは呟くと、力の入らぬ右腕をそのままに、左手で体を支え身を起こすと、十字を切り、小さく祈りの言葉を口にした。]

(私達は……助かったのだろうか?)

[ 少なくとも、殺戮者はここを訪れなかった。
 ……脳裏に昨日の情景が浮かぶ。
 血塗られた詰所。息絶えたアーヴァイン。そして、闇に灯る紅い二つの光。あれは……きっと殺戮者の瞳であったのだろう。思わず、左手を右肩のにやる。
 変わり果てた看守達の姿を思えば、この程度で済んだというべきであろう。

(そういえば……)

[ ルーサーは意識を失う前に聞いた音を思い出す。鍵束を鳴らし正面玄関へと向かう音。
 暫しの思案の後、ルーサーはベッドを降りて立ち、衣服を正すと、己に掛けられていた毛布をヴィンセントの肩に掛け、医務室を後にした。]
(59)2006/02/18 02:11:56
牧師 ルーサーは、目覚める前にグレンが訪れていた事には気づかぬままであった。
2006/02/18 02:13:36
書生 ハーヴェイ
【朝/廊下】

[血の痕の中をさらに歩いていくと、すでに何人かの囚人たちが集まりはじめていた。トビーという少年囚、それと昨夜見かけたギルバート。]

なにがあったのだ…?

[小声でつぶやく。そして事態を把握するのにそう時間はかからなかった。]

なんなのだ、虐殺があったのか…?
(60)2006/02/18 02:16:59
書生 ハーヴェイ
…そうかっ、粛清か。
貴族どもの血で真っ赤に染まった革命の旗を翻し、革命の邪魔をするものどもは粛清してしまえばよいのだ。
それでこそ理想の国家に近づくことができるぞ…。

[閃いた素晴らしいアイデアをメモに書きとめた。]

それにしてもこれはひどいな…。
人の所業なのだろうか…。
タルタル人は抵抗した都市の人間を皆殺しにしたというが、まさかタルタルが攻めて来たというのだろうか…。

[小声でつぶやいた。]
(61)2006/02/18 02:21:41
書生 ハーヴェイ
いや、看守どもを貴族、我ら囚人を農奴とみなせばこれは世界の縮図だ。今に革命が起きるのだ。
殺されたものは、偉大なる目的にとって邪魔となるものどもということになるな。資本家どもの犬か…。
いいぞいいぞ、革命だ…。

[満足げに*つぶやいた*。]
(62)2006/02/18 02:25:10
流れ者 ギルバート
【朝/廊下】

[ ぴちゃり、と濡れた足音が響く。
俺は慌てて後ろを振り返った。 ]


や……やあ……
何だったかな、――オニーサン。

[ 微かな呟きが耳に届いた。虐殺。言い得て妙だ。 ]

俺にもわかんねえけど……
(63)2006/02/18 02:26:38
牧童 トビー
[廊下に出ると血の匂いが充満していた、忘れるのことの出来ないこの匂いに立ち尽くしていると後ろからだれかに声を掛けられた]

「おい! ちょっと……」

[トビーは振り向き返事を返す]

「はい?僕に何か用でしょうか?」
(64)2006/02/18 02:26:40
農夫 グレン
【朝/女子房】
[ 医務室を物色しているとルーサーが身じろぐ気配を感じ、慌てて独房に逃げた。…その必要はなかったが、染みついた習性だろうか。
朝日に照らされた独房の並びに違和感を感じ、自分の房を探したとき、唐突に気付いた。
鏡の中だ。
この反転した世界、女子房に違いない…。一歩進むごとに鉄格子から覗ける独房の中身は、悉く無惨な姿をさらしていた。生命をまるで感じない静寂の中、壁を百足が這い回る音がいやに大きく響く。
鏡の中なら、突き当たりは反省房だろう。そのひときわ頑丈な鉄扉の奥から、ひとの身じろぐ物音が聞こえた。]

…おい、誰か生きてるのか?
(65)2006/02/18 02:27:28
流れ者 ギルバート
[ そこで気づいた。
男の目が爛々と光を帯びて輝いている。
俺の言葉が聞えているのかいないのか、何事か呟きながらメモになにやら書きとめている。 ]

え……えぇっと。粛清――革命かぁ、あはは。
最近の動物ってのは、ずいぶん賢しいモンなんだな……

[ ――大丈夫か、コイツ?
俺はそっと後ずさる。男はとても満足げだ。

俺はとりあえず、何も見なかった事にした。 ]
(66)2006/02/18 02:28:07
流れ者 ギルバート
[ 少年の声が、救いの天使の声に聞えた。
俺はすばやく手を服の裾で拭い、少年のもとへと歩み寄った。 ]

……怪我、ないのか?
無事な奴も幾らかいるらしいな……
(67)2006/02/18 02:30:43
農夫 グレンは、反省房の扉についたちいさな窓から、ニーナを見付けた
2006/02/18 02:31:23
牧童 トビー
僕に怪我はありません…、貴方こそ平気ですか?
先ほどから隠そうとしているようですが手は血まみれですよね…?
(68)2006/02/18 02:33:39
牧師 ルーサー
【朝/正面玄関】

[ 玄関の扉は開け放たれていた。誰かは分からぬが、鍵を空けここを通った者がいるようであった。ルーサーが詰め所を出た時に見えた様子では、扉は開いていなかった。鍵を開け、ここを出て行った者がいるという事であろう。]

(遠くに行ったのでなければ良いが……一時的にかも知れないが、一先ずは刑務所に危険は少なそうだ。今の季節、表でやり過ごすには厳しいものがある。もし……この島を出ようとするのであれ、泳いで渡る事も出来ない。海を渡る手段といえば、定期船くらいなものだが……それも、つい先日に前の便が来たばかりで、次の便が来るのは二週間近く先の事であるしな……)

[ 暫し立ち止まっての思案の後、ルーサーは刑務所の外へと出て行った。]
(69)2006/02/18 02:37:26
農夫 グレン
【朝/女子反省房前の廊下】
[ 覗き込んだ先には、房の中で鎖に繋がれた女が、力なく頭を垂れていた。
やはり、骸だろうか。外傷らしいものは見当たらないが…
扉を叩き、声をかける。鉄扉に薪を打ちつけた大きな音は恐ろしくよく響き、壁を這い回っていたゴキブリがぽとりと地に落ちた。]

おーい。そこのあんた。生きてる?
(70)2006/02/18 02:37:41
見習い看護婦 ニーナ
[ニーナは半身を起こして小さな窓を見上げた。先程とは異なる気配を感じ取った。]

……誰かそこにいるのですか?

[声を出そうとしたが、空腹ゆえに満足に発声ができたかは疑わしかった。]
(71)2006/02/18 02:40:42
流れ者 ギルバート
これ、は……

[ 目敏い少年だ。
――賢い子供は苦手なんだが。 ]

ヨアヒムの、……って知らないか? 兎に角俺のじゃない。
俺がどうこうした訳でもないんだが……

[ 両手を目の前でひらひらと振る。
乾いた血の粉がぱらりと落ちた。 ]
(72)2006/02/18 02:41:19
牧童 トビー
[男はトビーが両手の血に気づいていたのに驚いたのか

「ヨアヒムの、……って知らないか? 兎に角俺のじ ゃない。
 俺がどうこうした訳でもないんだが……」

と少しぎこちない口調で返事をしてきた…。]

そうですか…、貴方の血ではないのですね…。
ならばそのヨアヒムさんは平気なのですか?それだけの出血のことを考えると無事には思えませんが…。
(73)2006/02/18 02:44:53
農夫 グレン
【朝/女子反省房前の廊下】
[ 女はもそり、と身を起こすと、掠れた声を発した。
言葉は小さく、聞き取れないが…。メシか水だろう。
さっきのスープで間に合う。
調理場の鍋から豪勢なスープを椀によそって、扉の下に開いたちいさな窓から差し出す。]

生きてたか!よし、メシだな?ちょっと待ってな…


…ほら、メシだぜ。
しかし、いったい何があったんだ?この有様。
(74)2006/02/18 02:48:31
流れ者 ギルバート
あんまりはっきり見ちゃいないが、……無事じゃないだろう。

言うより見たほうが早いよな……?

[ 余り子供に見せたいモンでもないんだが。
俺は少年にヨアヒムの房を見るように促した。 ]

心の準備しとけよ。
……これが廊下の水溜りの正体ってやつだ。
(75)2006/02/18 02:49:59
農夫 グレンは、見習い看護婦 ニーナにぎこちなく微笑みかけた。
2006/02/18 02:50:15
牧童 トビーは、流れ者 ギルバートの後を追ってヨアヒムの独房へと向かった。
2006/02/18 02:51:05
見習い看護婦 ニーナ
[ニーナは男性の察した行動に深く感謝した。この空腹感では思考もままならない。半ば反射的に男性の好意を小さな窓から受け取り、自らの体調を確かめるようにスープを口に運んだ。

これまで何年も味わったことのない色彩溢れるものだ。]

ありがとうございます…
何があったかでしょうか。私にも…分かりません。何時間前なのかは分かりませんが、すぐ近くで男性、おそらくは看守の誰かの悲鳴があってからは何も…
(76)2006/02/18 02:55:08
見習い看護婦 ニーナは、冷えた体にスープの暖かみが回っていくのを感じた。
2006/02/18 02:55:43
牧童 トビー
[男に連れられて向かった、ヨアヒムという男の独房は酷い有様だった
腕はちぎれ胴体やそのほかの部分もつめのようなもので引き裂かれていた…。]

ふむ…、何でこうなったかは知りませんがずいぶんと酷い具合ですね…。

何がどうなってこうなったのが気になるところです…。
(77)2006/02/18 02:56:41
農夫 グレン

【朝/女子反省房前の廊下】
[ 女がメシを食い終わるまで、扉の側に座り込んで待つ。
ふと取り出したシケモクは血に塗れ、ただのおがくずに成り下がっていた。ついてねえ…。
食事の合間に語られた言葉は、殆ど昨夜の経験そのままだった。
ここじゃ、朝が来ていないようなものか。
…しばし躊躇い、あたりの様子を説明する。
語っているうち、昨夜の闇の中を思い出して身震いする。そんな自分に腹が立つ。]

ちっ。シケてるどころじゃねえな。

…そうか。その中じゃわからねえよな。独房の連中、どれもこれもひでえ骸になっちまってるぜ。
奥の方までは見てないが、同じだろうな…。

囚人も、看守も…、医者もご同様だ。辛うじて生きてるのは、牧師くらいか?
あとは皆、嵐に放り込まれたような有様だったぜ。

…くそっ。なんだってんだ。
(78)2006/02/18 03:03:59
流れ者 ギルバート
……意外と驚かねぇんだな。

[ 少年は驚くほど冷静だった。
多少取り乱すかもしれない、と覚悟はしていたんだが。 ]

俺が今のところ会ったのは、あそこの……

[ 俺は呟く男を指差した。]

あいつと、あんた位だ。生きた人間はな。
随分酷い事になってみたえだな――看守様なんて一人、も……
(79)2006/02/18 03:04:30
見習い看護婦 ニーナ
[男性の『辛うじて生きてる』を初めとする、初めて耳にする言葉にニーナは耳を疑った。焦燥感に耐えられないこの男性からの状況から、この牢獄に明らかに異変が起こりつつあることを徐々に認識した。]

どういうことですか…?骸とは…?
誰かが神の元へ召されたのですか?
いいえ、私がここにいる間に何が起こっているのですか?
(80)2006/02/18 03:08:32
牧童 トビー
先ほどの貴方の態度から予想は出来ていましたから…。

そんな事より僕や貴方が生き残っている理由はなんだと思いますか?
貴方の口ぶりを聞いていると看守もしんでいるようですし、何故僕や貴方は生き残っているんでしょうね…?
(81)2006/02/18 03:10:06
流れ者 ギルバート
……ま、そうかもな。

[ 大人びた台詞。俺は内心肩をすくめた。
そんな事よりと、少年は言葉を続けた。]

あんたや俺の生き残ってる理由? 
運がよかったんだろ、俺たちは。

な、それより……
詰め所のほう、どうなってるだろうな。
こいつをやらかした犯人がいなけりゃいいけれど。
(82)2006/02/18 03:17:48
農夫 グレン
【朝/女子反省房前の廊下】
[ 慌てたように女が喚く。甲高く響く声に苛立ちが募り、喚きかえす。
天井から糸を垂らす蜘蛛を、苛立ち紛れに薪で叩きつぶす。壁にできたちいさな染み。]

だから!死んじまったんだよ!
看守も、医者も、どいつもこいつも!

皆殺しってやつだ…。名は知らないが、独房はバラバラになった骸ばかりだぜ。

くそ…なんだってんだ。
(83)2006/02/18 03:20:24
牧師 ルーサー
【刑務所の外、丸太橋へと続く草原の道】

[ 刑務所を出たルーサーは、冷たい朝の空気の中を丸太橋、そして港へと続く道を進んだ。この島を出ようとしたなら、港のある海岸に向かうほかはなかった。仮に泳ごうとしたとしても、そこ以外は島の周囲は断崖であり、飛び込む事など出来はしなかった。]
(84)2006/02/18 03:26:59
牧童 トビー
「運が良かったんだろ、俺達は」

[男はトビーの質問に興味はないらしく適当な返答を返してきた。]

「な、それより……
 詰め所のほう、どうなってるだろうな
 こいつをやらかした犯人がいなけりゃいいけれど」

[男は相変わらず怯えている素振を見せながらそんな言葉を吐いた]

犯人は今のところこれ以上コロス気はないんじゃないですかね…、これだけのことを出来る人物です、殺すつもりだったら昨夜のうちに全員殺す事が出来たと思います…。
(85)2006/02/18 03:27:10
牧師 ルーサー
[ ――30分ほども歩いたであろうか。

 道沿いに立つ大きな木の根元に蹲るローズマリーの姿があった。
 近付き、名を呼びながら軽く頬を叩く。触れた頬はすっかりと冷え切っていた。]

 ローズ……ローズ?
 ああ、気が付きましたか。

[ ルーサーの呼びかけに、ローズマリーはうっすらと目を開ける。そして、赤黒くなった血のこびりついた服を、顔を見て息を呑んだ。そして、三角巾で吊られた右腕に目をやる。]

「あ…ルーサーさん、それは…大丈夫ですか?」

ええ。少なくとも、命に別状はありませんよ。
 
[ ローズマリーの言葉に、ルーサーは笑みを浮かべながらそう答える。
 そして刑務所での出来事を話し合い、また、ルーサーは定期船は暫く来ない事をローズマリーに継げた。彼女はその事実を受け入れがたい様子で聞いていたが、やがて納得すると、一旦刑務所に戻ろうというルーサーの提案を受け入れた。
 そして二人は*刑務所へと戻って行った。*]
(86)2006/02/18 03:27:26
農夫 グレン
【朝/女子反省房前の廊下】
[ 気を落ち着けて、ぽつり、ぽつりと呟くように話す。]

ありゃ…、人間の手口じゃないよ。
もっと血腥い、暗闇に潜むなにかだ。

それが、嵐みたいに通り過ぎていったんだ。監獄中を血の海にしてな。
(87)2006/02/18 03:28:17
見習い看護婦 ニーナ
[男性の皆殺しという激しい言葉にニーナは絶句した。皆殺しと全くの同義ではないがこの牢獄へ入ることとなった数ヶ月前に、ニーナの故郷で起こった内乱の禍々しい記憶が脳裏に甦ったからだ。

薪のジジ…と小さく鳴る音。]

そんな…誰がそのようなことを。誰かが暴動を起こしたのですか?囚人と看守達の間での諍いなのですか?

[いや、それは早計なのか。女子の囚人も無事ではないらしい、正常な思考を持った人間ではないということなのだろうか。

ニーナは既に食物のなくなったお椀に視線を落とした。]
(88)2006/02/18 03:28:42
見習い看護婦 ニーナ
[ニーナは男性の話す『人間の手口じゃない』の言葉にはっとしたものを覚えた。この反省室へ入れられる数日前にうごめいていた音。あれは何かの予兆ではないのかと直感が動いた。]

もう…この牢獄には誰も生きていないのですか?
(89)2006/02/18 03:31:19
農夫 グレン
【朝/女子反省房前の廊下】
[ひどく疲れて、顔を覆う。俺は…怯えていたんだな。]

暴動、諍い…そんなもんじゃないよ。争うなら、勝った奴等が凱旋してるだろうさ。

そんなじゃ…ないんだ。
(90)2006/02/18 03:34:21
農夫 グレン
【朝/女子反省房前の廊下】>>89

俺と、あんた。それに牧師くらいだろうな。あとは床を舐めてたよ…。
(91)2006/02/18 03:37:03
流れ者 ギルバート
たしかにその通りかもしれないが、
そいつの気が変わらないとも限らねぇし……

[ 確かに少年の言うとおりだろう。
昨日の俺にしろ、見落とされた、というよりは、見逃されたという表現のほうが正しいに違いない。 ]

……
ぞっとしねぇだろ、
そんなのと真正面からこんにちはなんて。
(92)2006/02/18 03:38:23
農夫 グレン
【朝/女子反省房前の廊下】
[ふと気付いて立ち上がり、反省帽をあとにした。]

そうだ…。看守もいなけりゃ、詰め所も御自由にお通りくださいだ。

ここを開ける鍵もあるだろうな。少し待ってなよ。
(93)2006/02/18 03:44:00
見習い看護婦 ニーナ
[ニーナは男性の言葉を聞き、自らがかなり衰弱をしているにも関わらず全身から汗がでるのを感じた。ひんやりとした汗だ。]

誰が…誰がそんなことを。
武器を持った看守達でさえそのようなことに逢うなんて…
(94)2006/02/18 03:44:12
流れ者 ギルバート
……詰め所のほうへ行ってみないか?

他に生きてる奴がいるかもしれないし、
そいつらから何か訊けるかもしれない。

それにうまくすりゃ――いや、おそらく、ここから出られるんじゃないか?

[ 言い募る俺自身の言葉を遮るように、
きゅうと腹の虫がないた。 ]

なんだ、……腹も減ったし。
(95)2006/02/18 03:44:55
農夫 グレンは、遺体の散らばる血腥い詰め所で、鍵を探した。
2006/02/18 03:45:25
見習い看護婦 ニーナは、農夫 グレンが一度立ち去り、再び戻ってくるのを待つことにした。
2006/02/18 03:46:18
見習い看護婦 ニーナ
外は…私がここにいた時に外は何が起こったのでしょう。
(96)2006/02/18 03:47:09
牧童 トビー
まぁ、貴方の言うとおり無理して会う事もありませんね…。

所で貴方の名前は?
僕はトビーといいます。
(97)2006/02/18 03:47:51
牧童 トビー
そうですね、ここにいてもしょうがないですし、いってみましょうか…。
(98)2006/02/18 03:49:54
農夫 グレン
【朝/女子側詰め所】
[詰め所の遺体は、誰も片付ける者もなく転がっていた。首の吹き飛んだ骸から散った血痕が、壁の一部を赤黒く彩る。血のかかっているあたりから釘がつき出て、真鍮の輪が掛かっている。
捜索していると、壁の向こうから足音が響いたような…そんな気がした。]

ここにあったんじゃないのか…?
これをやらかした「なにか」が鍵を持ち去った?
くそ。
なんてこった。

……なにか、いる。
(99)2006/02/18 03:52:04
農夫 グレンは、袖口から医者のナイフを取り出して、逆手に握った。
2006/02/18 03:52:29
見習い看護婦 ニーナ
[空腹で動けなくなりつつあったニーナに救いの手が差しのべられたことに、素直に男性に感謝していた。]

助かったかどうかは分かりませんけど…急場はしのげたみたい…
(100)2006/02/18 03:55:12
農夫 グレン
【朝/詰め所間の廊下】
[足を忍ばせ、十字路の角から様子を伺う。話し声。足音。]

アレをやった連中…なのか?
仕事を終えて、ひと息ってところか…。
(101)2006/02/18 03:56:53
見習い看護婦 ニーナ
[ニーナは反省室の中で冷たい壁に背をもたれ、久方ぶりにこの牢獄の僅かな時間で起こった出来事を知っている限りの知識で反芻することにした。]

それではルーサー牧師やアーヴァイン看守、他の人も…?
(102)2006/02/18 04:01:01
流れ者 ギルバート
【朝/男子側詰め所】

んー……
面白いモンあるか、トビー?

[ 詰め所の中は予想通りの惨劇だった。
少年はそれをみても、顔色ひとつかえなかった……俺も慣れた、気がする。

遺体を幾つか転がしてみたが、その腰に俺お目当ての鍵束はみつからなかった。 ]

隣見てみるか?
(103)2006/02/18 04:01:25
農夫 グレン
【朝】
[ 詰め所の扉が突然開く。しまった!
ナイフの切っ先を扉に向ける。
見覚えのある顔。]

ギルバート。
それに、昨日の…
助かったのか。
(104)2006/02/18 04:04:17
流れ者 ギルバート
[ 扉を開けた俺の目に飛び込んできたのは、
血に濡れた壁でもなく大きな獣の姿でもなく、
鋭い銀の刃と見慣れた男の姿だった。 ]

……やあ、グレン。

[ 引きつった声で、なんとかそう返した。 ]
(105)2006/02/18 04:09:41
農夫 グレン
[ ギルバートが生きていたことがただ嬉しくて、ナイフを仕舞うとギルバートの背中をばんばん叩く。]

昨夜のあの騒ぎで、皆殺しにされたかと思ったぜ。
よく助かったなあ!
ところでよ…。鍵、しらねえ?
(106)2006/02/18 04:12:48
牧童 トビー
[詰め所には特に興味をひくものや役に立つものはなかった、ギルバートの問いに頷き隣の部屋に行ってみるとそこには昨日、娯楽室であった男が驚いた顔でたっていた…。]

ああ、昨日の娯楽室の……。
(107)2006/02/18 04:15:56
農夫 グレン
【朝/通路→反省室】
[ ギルバートと話をしていると、吹き抜けるすきま風が急に強まる。
扉を開いて、緑髪の女と、寒風から女を守るように立つ牧師が入ってきた。
女は鍵束を扉の側から拾い上げ、立ち去ろうとする。
呼び止めて鍵を借り、礼もおざなりに反省室に戻る。錠前のひらく音が、がちゃりと響く。]


──へへ、すまねえな。


──ギルバート。あっちにも生き残りがいるぜ。ついてこいよ。


──おーい!待たせたな。今開けてやるよ。
(108)2006/02/18 04:18:22
農夫 グレン
【朝/反省室】
[ ぎい。重い扉を開くと、反省室独特の、カビくさい臭気があふれる。]

あんた…大丈夫か?
それとな、俺達の他に生き残りがいた。牧師はもう言ったが、この2人と、緑の髪の女だ。
(109)2006/02/18 04:21:20
見習い看護婦 ニーナ
[先程の男性が機嫌良く入ってきた。久方ぶりに耳にした扉の擦れる音。ニーナは安堵した。]

ありがとう…ございます。
(110)2006/02/18 04:23:22
農夫 グレンは、ギルバートとトビーを指差した。
2006/02/18 04:23:35
見習い看護婦 ニーナ
[安堵の反面、確かめたいことも多々あった。友人は無事なのか。牧師やこの牢獄で親交を深めた者達、あるいは殺戮らしいものの様子などを。

両腕が軽くなり、無意識に頭を上へ向け、体の張りを確かめる。]

生き残り…というと、それほどまでに無事な人は少ないのですか?
(111)2006/02/18 04:27:40
流れ者 ギルバート
【朝/反省室】

意外と生き残ってる奴、居たんだな……

[ よろよろと反省室から這い出してくる女を見て、
俺は思わず呟いた。
グレンの指をたどり、女がこちらをぼんやりと見つめる。
俺は軽く手をあげた。]

……元気じゃないみたいだが、生きててよかったな。
(112)2006/02/18 04:28:33
見習い看護婦 ニーナ
すみません、遅れてしまいました。
私はニーナと言います。フィンから…です。
(113)2006/02/18 04:29:30
見習い看護婦 ニーナは、まだぼんやりとしながらも、久しぶりの会話に嬉しさを感じた。
2006/02/18 04:30:15
流れ者 ギルバート
うーん……

ここに居るの以外じゃ、緑の髪のねえちゃんと牧師様。
変なやつひとりと――

たしか牧師様が、お医者様が居るとか言ってなかったか?
(114)2006/02/18 04:31:02
流れ者 ギルバート
>>113
俺が知ってるのはそれだけかな。

……ギルバート・パウルスだ。宜しく。
(115)2006/02/18 04:33:11
農夫 グレン
そうなのか?
ならひいふうみ…8人ってところか。
あれだけ居た連中がたった8人…か。
やれやれ。
行方知れずのヨアヒムは、大丈夫かね。あいつ臆病だからなあ…
(116)2006/02/18 04:36:04
農夫 グレン
>>113 >>115
俺はグレンだ。そう名乗ってる。

ギルバート、おまえ立派な名前があったんだなあ。
(117)2006/02/18 04:37:08
見習い看護婦 ニーナ
8人…!?
嘘、それはこの島にいる人達の10人に1人にも満たなくはありませんか?
それとも……そういうことなのですか?
(118)2006/02/18 04:38:27
流れ者 ギルバート
欲しくてもやらねーぞ。

[ 幾らか躊躇いはあったが……これは伝えておくべきだろう]

……ヨアヒムは、房の中でやられてたよ。

ニーナ。"そういうこと"だな。
あんたの友人達にも、あんまり期待しないほうがいいのかもしれないよ。
(119)2006/02/18 04:42:18
農夫 グレン
[驚くニーナに、手近な独房を指差して示す。]

さてね…けれどよ、骸の数が普通じゃねえ。
本当に俺達だけしか生き残っていなくても、不思議には思わんね。
(120)2006/02/18 04:42:27
農夫 グレン
…ヨアヒム。

そうか…

勝ち逃げしやがって。
(121)2006/02/18 04:43:31
農夫 グレンは、俯くと、地面に唾を吐いた。
2006/02/18 04:43:43
見習い看護婦 ニーナ
[ニーナは6歩7歩とよろよろと歩き、付近の独房を浅く広く見た。そこには…この島へ収監される前に自らが見た光景によく合致したものであった。

故郷での数々の逮捕と処刑、殺戮と暴動の記憶が甦る。

人の形が滑稽に、醜悪に千切られている。ニーナは雷に打たれたような気がした。]
(122)2006/02/18 04:46:50
見習い看護婦 ニーナ
ジェーン……

[囚人の一人であった猿山の大将とも言うべき女性の姿を見つけた。新たな囚人に対しては幅を利かせ、ニーナ自身にも度々危害を加えようとした人物であったが、いざこのような姿を見ると複雑な思いに駆られた。]
(123)2006/02/18 04:49:43
牧童 トビー
僕はトビーです…。

さてこれ以上ここにいても意味はありませんね、僕は他の場所を見てきますね…。

[トビーはそういい残すと*反省室から出て行った*]
(124)2006/02/18 04:49:52
見習い看護婦 ニーナ
こんなの…ひどすぎる…
誰が何をしたというのでしょうか。いいえ、たとえ私達が罪深かろうとこのような目に遭わなければいけない理由があるのでしょうか。
(125)2006/02/18 04:52:11
見習い看護婦 ニーナ
[ニーナは若干の基礎看護知識を持ち合わせていたが、その程度では遙かに済まされない惨状に歯ぎしりがする思いをした。]
(126)2006/02/18 04:54:49
見習い看護婦 ニーナ
う…っ

[突然の惨状を目の当たりにしたからか、ここまでの疲労の蓄積からか、ニーナは目眩を覚え膝をついて座り込んで*蹲ってしまった*]
(127)2006/02/18 04:58:43
農夫 グレン
[ざっ。ざっ。地面を蹴って、吐いた唾に砂をかける。]

理由ね…
運が悪かったんだろう。

そんなことより、よ。
もう看守は居ない。これからどうするよ?
(128)2006/02/18 04:58:52
流れ者 ギルバート
そうだな……

[ 俺は、うずくまるニーナの背中をゆっくりと擦った。]

とりあえず、こいつをお医者様とやらのところに連れて行ってやらないか?

……俺も少し落ち着きたいし、
何するにしろ、そう急ぐこともないだろ。何にしろ、な?
(129)2006/02/18 05:08:19
農夫 グレン
[ 唐突に座り込んだニーナを抱きとめる。顔色は白い。
驚くほど小柄な、冷え切った肩を抱いて担ぎ上げると、医務室に運び込む。歩きつつ、呟くように語った。]

おい、大丈夫かよ?
…しかたねえな。

とにかくよ、生きていきたかったら、これをやった奴等の潜んでる、この牢獄にはいられねえよ。
(130)2006/02/18 05:14:49
流れ者 ギルバート
[俺はグレンの言葉に*頷いた*]
(131)2006/02/18 05:19:57
農夫 グレン
[ 医務室にニーナを横たえると、ついてきたギルバートに言い放ち、*牢獄を出た。*]

ギルバート。
おまえ…ここで眠れるのかよ?

俺は娑婆に出る。
戻るかもしれんし、戻らないかもしれんが…。

縁があったら会おうぜ。
(132)2006/02/18 05:21:50
酒場の看板娘 ローズマリー
【回想/夜遅く/丸太橋へと続く草原の道】

[ローズは両手を広げ、天を仰いだ。
ぱらぱらと、雪が舞い降りる。ローズは暫し時を忘れたかのように、強まる雪の雨に打たれていた。]

いけない…。早く逃げないと、看守達が追ってくるわ。

[突風で我に返ると、ローズは辺りを見渡し、港へ向かって走り出した。
港への道のりは穏やかだった。しかし、吹き荒れる雪が視界を遮り、ローズは悴む手で顔に付着し凍りかけた雪を払いながら、ただただ…ひたすら港へと走っていた。

その時、ローズの体が大きくバランスを崩す。
ローズの意識は、次第に薄れていくのであった。

『ローズ……ローズ?』

自分の名を呼ぶ、男の声…
(お父さん…?)

ローズが瞳を開けると、目の前に居たのはルーサーだった。ルーサーは怪我を負っており、ローズは刑務所内での出来事を思い出さずには居られなかった。
ルーサーから、刑務所内で全ての看守と多くの囚人が殺された事、この島から脱出するのは後2週間は無理である事を聞いたローズは、ルーサーに説得され、しぶしぶ刑務所に*戻る事にした。*]
(133)2006/02/18 08:18:13
お尋ね者 クインジー
【夜明け/男子独房3号室】
クインジーは自室で闇に潜むようにひっそりと夜を過ごした。
いつのまにか寝てしまってはいたようだが。

起きると…少し辺りは明るくなっていた。

…相変わらず開いたままの鉄格子と
そして何より…辺りに立ち込めた血の臭気は嫌がおうにも鼻についた。

クインジーは顎に手を当てた後、立ち上がり牢の外に出た。
(134)2006/02/18 10:24:59
お尋ね者 クインジー
少し霧がかった辺りをやや白み始めた東の空が光を差し延べる…
…辺りに飛び散った血痕は…いや、部屋から流れ出ていると表現した方が良いかもしれない。それを見るとさすがのクインジーも開放感に浸り、ただ喜ぶ訳にもいかなかった。

そして近くの…血の流れ出ている房に入ると…

―――ヨアヒムの無残な姿があった。

「ヨアヒム…」
クインジーはそう呟きその死を悼むと遺体を確認した。
傷痕は…彼の知りうる武器の中には無いものだった。

「獣…。」
彼はそれだけ口を開くと、彼をゆっくりと横たえた。
そしてクインジーは、目を閉じ直立の形を取ってヨアヒムに敬礼した。
彼が死者に手向ける祈りはこれしかなかった。
クインジーはヨアヒムの房を出た。
(135)2006/02/18 10:39:03
牧師 ルーサー
【午前/正面玄関】

[ ローズマリーを伴い、ルーサーは刑務所へと戻ってきた。扉を開けると、通路にいた二人の男がこちらに顔を向ける。どちらも何時も娯楽室で博打に興じている男たちだ。ルーサーは囚人達と話をするために娯楽室を訪れる事もあり、タバコやら、食事やらを賭けてサイコロ博打の行われる様子を眺めていた事もあった。]

無事だったのですね……良かった。
他の皆さんは?

「あんた達こそな。何人かは生き残ってる。だが……ひでえ有様だ。看守達は全滅みたいだな。」

そうですか……百人ほどの人間が居て……それが……
(136)2006/02/18 10:46:37
牧師 ルーサー
[ ルーサーは思わず十字を切る。
 詰め所の惨状、そしてルーサーを襲った何者かの事を思い出す。
 ローズマリーはしゃがみこんで何かを拾っていた。それは。看守の一人が持っていたはずの鍵束だった。それを見て、ルーサーはふと思い出し、ローズマリーに問いかける。]

ローズ。あなたが外に出た時、この扉の鍵はどうなっていました?

「閉まってたわ。それをこの鍵で。」

[ そう言ってローズマリーは鍵束を示す。
 ……それはつまり。]

つまり、この惨状をもたらした者は……初めからこの中に居たという事でしょうか……

[ その言葉に、そこに居た者たちはルーサーに目を向ける。口を開いたのはグレンだった。]

「そういうことさ。俺の勘もそう言ってる。
 ……ここはやばいってこった。」

[ 暫しの沈黙が流れる。]
(137)2006/02/18 10:47:19
牧師 ルーサー
「ところで、あんた、それを貸してくれないか? 閉じ込められてるやつがいるんでな。──へへ、すまねえな。
 ギルバート。あっちにも生き残りがいるぜ。ついてこいよ。」
「……ん。神父さんと、そっちの人――ローズマリーっていうのか。またあとで。」

[ グレンはローズマリーから鍵を受け取るとギルバートを伴い立ち去った。ルーサーは、ローズマリーが冷え切った身を震わせる様を見て取った。]

雪の中で冷えたでしょう。暖かくして休んだ方がいいですね。幸い、医務室の中は荒らされていませんでした。そこで休むといいでしょう。

[ ルーサーの言葉にローズマリーは頷いた。疲れた様子で、言葉を発する気力もないようであった。無理もない。雪の中を歩き、そして倒れていたのだから。
 ルーサーは無事な左の肩をローズマリーに貸すと、医務室へと向かった。]
(138)2006/02/18 10:48:02
お尋ね者 クインジー
一通り辺りを見たクインジーは正体分からぬ肉塊と化した死体もあったが…彼のよく見知った者たちの物は無かった。看守も死んでいた。

「他の…ギルバートやグレン達は無事だろうか…」

クインジーは一度自室に*戻ることにした*
(139)2006/02/18 10:48:14
牧師 ルーサー
【午前/医務室】

[ 医務室の扉を開ける。ヴィンセントはまだ眠っているようであった。ローズマリーに床に就くように促すと、ルーサーはもう一枚残っていた毛布をローズマリーに掛けてやり、ルーサーは椅子に腰掛けると格子のはまった窓越しに薄暗い空を眺めていた。この地方は、本格的な冬になれば一月もの間、昼間さえ闇に閉ざされる。そうなれば、この地は暫く闇に閉ざされる。]

(もう……そんな季節が来るのだな。)

[ ローズマリーが寝息を立て始めたのを見て取ったルーサーは、ギルバートがニーナを連れて訪れる前の医務室で、空を眺めながら*そう呟いた。*]
(140)2006/02/18 10:48:36
書生 ハーヴェイ
【朝/廊下】

[気がつくと、ギルバートとトビーの姿はなかった。しょうがないので一人で歩き回った。
出口に近づくほど、こっぴどくやられている有様が見て取れた。男子棟の出口が開いていた。]

……。

[男子棟の出口を抜けると、一層血の臭いが強くなった。詰め所や宿所は地獄の光景だった。]
(141)2006/02/18 11:51:58
書生 ハーヴェイは、看守の死体の状態を観察し始めた。
2006/02/18 11:53:32
書生 ハーヴェイ
ふむ…、まるで獣に襲われたかのような…
すばらしい…
革命政府にぜひ迎えたい行動力だ…
彼なら…いや彼女かもしれぬが…
どんどん邪魔者を粛清してくれるだろう…
(142)2006/02/18 11:55:31
書生 ハーヴェイは、実行者を探そうと思った。
2006/02/18 11:56:03
書生 ハーヴェイ
よし、生き残ったものに接触を開始だ。
実行者でなくとも、あわよくば同志に引き込めるだろう…。
(143)2006/02/18 11:58:01
書生 ハーヴェイは、とりあえずここまでのアイデアをメモに取った。
2006/02/18 11:58:28
書生 ハーヴェイは、看守の死体が群がる詰め所を*後にした*。
2006/02/18 12:00:45
流れ者 ギルバート
【午前/医務室】

おい、神父様。

[ 冷めたスープを掻き込みながら、俺は牧師様へ問いかけた。
疲れた様子で椅子にぐったりしていた彼は、俺の呼び掛けにはっと顔をあげた。 ]

グレンは出てったよ。こんなところに居られるかってね。
俺も同感っちゃそうなんだが……

[ 寝ている二人を起こさないためにか声を潜め、
牧師様がちいさく囁いた。 ]

……定期船は二週間後、か。
それまでずっとこの島なんて、面白くないプランだよなぁ。
そいつに乗ってくのもね……だってこれだぜ。
(144)2006/02/18 12:37:59
流れ者 ギルバート
[ 俺は牧師様の傷跡を指差した。
その傷はまだ痛むんだろうか? ]


俺達の誰かがそいつをした――いや、どうやったのか分かんねぇけどそうらしいが――
って思われちゃ、いや、そうじゃなくても。

あんまり無事にお帰りとはいきそうにないんだが……


[ 空の皿をそこらに放り、俺は立ち上がった。
神父様はじっとこちらを見つめている。 ]


俺はとりあえず、適当に中見てくるよ。
何かあるかもしれねぇし……ここを襲ったやつも、
きっと朝のうちは暴れる気はしないんだろうし……多分、な。

[ 二人を神父様に任せ、俺は医務室を出た。
生き残りや使えそうな道具――あわよくば武器になりそうなものも――何かきっと残っているだろう。 ]
(145)2006/02/18 12:39:35
農夫 グレン
【昼/F山頂】
[ 山頂からは、草原の奥にぽつりと立つ刑務所と、林の向こうにある港が一望できた。
冷たい潮風が丘の上を駆け抜け、さわさわと吹き抜ける。
刑務所は薄曇りの淡い日差しに照らされ、あれほどの惨劇があったこともこの距離では見通せない。
草原にねころんだ身体が心地よく冷えていく。
刑務所の食事、書籍、そもそも囚人。すべてあの港から船で来る。何人か頭数を揃えて船を奪えば、どこにでも行ける。海賊も悪くないな。
いや、看守に成り代わって、ここで生きていくのも悪くない。食料、物資はそのまま、囚人は滝から捨てればいい。
物思いに耽りながら、島をただ*眺め続けた*]

娑婆だ。娑婆の空気だ…
ハハハハ、もう看守もいねえ。

さて…どうするか。
俺。ギルバート。いかれた物書き。医者。牧師。小僧。それに女が2人か。他にも外に逃げた奴、居るのかね…

船を奪うか。島を奪うか。
そうだ、こないだ植え付けをやらされた豆やら芋やら、どうなってるんだ?
(146)2006/02/18 15:10:30
踊り子 キャロル
【回想/虐殺の夜】

[ローズマリーが走って出ていってからどれくらい経過しただろう。キャロルの独房の前を男が走って行ったのではっと我に返った。あれは反省室のほうだ。]

…グレンよね。

[彼も自由の身であり、しかも女子房に。何かが起きている。
キャロルは音も立てずに5号室を後にした。]
(147)2006/02/18 17:39:43
見習いメイド ネリー
【回想/未明/独房】
[獣の遠吠えと叫び声を聞いたような気がして私はつと瞳を開いた。
月を見ているうちに浅い眠りについていたらしい]

何… 今…叫び声のようなものが…?
一体どうしたっていうのかしら?

[鉄格子に近寄り薄暗がりに目を凝らしていると人影があった。
ただならぬ様子のローズマリーと彼女が手にした鍵束に私の目は釘付けになった]

ローズ? あなたなんで外にいるの??
その…鍵は?

ねえ、ローズ……ここから出して…

[ローズマリーは小さく頷くと私の房を含め、周りの囚人達を開放していった]
(148)2006/02/18 17:54:00
見習いメイド ネリー
(看守達が詰所で死んでるよ。)
(今なら逃げられる…。)

えっ… ローズ、今なんて…?

[ローズマリーはそれには答えず、何かを呟きながら闇の中へと走り去っていった]
(149)2006/02/18 17:54:23
見習いメイド ネリー
[突然の出来事に驚きながらも私は廊下へと出、周囲を見回した。
何人かの囚人が彷徨い出ていた]

看守達が死んでるって…ローズは言ってた。
もし、そうなら……

[ごくりと唾を飲み込んだ]

ここを出れるかもしれない…?
………どっちにしても…ここを出るには詰め所の前を通るしかない。
…行ってみよう…

[次第に濃くなる血の匂いに不吉なものを感じながらも私は詰め所に向かった] 
(150)2006/02/18 17:54:51
見習いメイド ネリー
【回想/詰め所】
[そこは酷い有様だった。
数人の看守が何者かによって惨殺されその屍を晒していた。
暫く唖然とその場に立ち竦んでいた]

何、これ…
何が起きたっていうの?
誰かが逃げるために…??

それにしても…

[そこまで言葉を発すると堪えきれなくなりその場に蹲った。
そしてそのまま貧血で*気を失った*]
(151)2006/02/18 17:55:16
逃亡者 カミーラ
【回想/虐殺の夜】

[早朝、あまりの寒さに一度は目を覚ましたカミーラだったが、どうやら再び寝てしまったようだ。頭までかぶっていた毛布から顔を出すと、天井近くの格子窓からは既に朝日が差し込んでいた。]

…ん〜…よく寝たぁ。
はれ、もう朝?なんであたい、こんなにすっきりしてんの?アーヴァインは何で起こしに来ないのさ?

[寝惚けた頭をぶるぶる左右に振りながら、周囲の状況把握しようとする。]
(152)2006/02/18 17:59:45
見習いメイド ネリー
【回想/朝〜昼】
[何者かに揺り動かされ意識を取り戻すとすでに朝になっていた。
いつのまにか囚人達が集まり、口々に自分が目にしたことを話している。
その話を総合するに昨夜何者かによって虐殺が起きたようだった]

この場にいる人以外…みんな死んでしまったというの?
誰かが逃げるためにしたわけではない…?

(何のために囚人まで…)

[心の中で疑問が湧き上がったが答えは見つからなかった。
外の様子を探りに行く者達を見送り、考え始めた]
(153)2006/02/18 18:05:21
見習いメイド ネリー
ここから出れるかしら…。
でも…それにしても…

ううん、今できることをしないと…。

[牧師を初め力のありそうな者に虐殺された躯の事を頼み、
私は自分にできそうな事…食料の確保をしようと食堂に*向かった*]
(154)2006/02/18 18:05:44
逃亡者 カミーラ
[やがてカミーラは、鉄格子の扉が開いている事に気付いた。]

あれ?なんで?どーなってんのさ?

[何かおかしい。そう感じながらカミーラは用心深く独房を出、詰所へと向かった]
(155)2006/02/18 18:09:44
逃亡者 カミーラ
[詰所へ向かう途中の独房はどれももぬけの殻だった。どうやら扉が開いていたのは自分だけではないらしい。]

おっかしいよねぇ。今日は何かのサービスデーだったり?まっさかねぇ…。
でも何だろ、この臭い。だんだん強くなってくるみたいだけど…。それに何か嫌な感じ…。

[まるで見当違いな事を考えながら、カミーラは無人の独房の前を*過ぎて行った*]
(156)2006/02/18 18:16:02
見習い看護婦 ニーナ
【昼過ぎ/医務室】

ん・・・

[低い太陽が南中に指しかかる頃、ニーナは医務室の温かい毛布の中で意識を取り戻した。まるで光の差し込まない場所に長時間いたためか、陽光がまぶしく感じられた。]

そうだ、私、スープをいただいて、気を失って・・・いいえ、これは夢?
私まだ反省室にいるのじゃ・・・

[思わず手のひらを耳たぶにつけたり、頬をさすったりする。]

夢・・・じゃない。
(157)2006/02/18 18:46:21
見習い看護婦 ニーナ
ヴィンセントさん・・・!

[近くで眠っているのはニーナに何かと目をかけてくれ、医療施術の基礎を伝授してくれた人だ。
ニーナは咄嗟に、無意識にヴィンセントの呼吸や脈を確かめた。それはまるで、ヴィンセントを確かめるのも勿論だが、その行為によってニーナ自身が現実にここにいることを確認しているようだった。]

ヴィンセ・・・

[ニーナは途中まで発しかけた言葉を喉元で止めた。彼を起こして島に何が起こっているのかを聞きたかったが、起こしては気の毒、と躊躇われた。]
(158)2006/02/18 18:51:04
見習い看護婦 ニーナ
この数日私の知らない間に、この島に何が起こったというの・・・?
生きているのは少なくとも、グレンさん、ギルバートさん、トビーさん、ヴィンセント先生・・・ああ、どうなっているのかしら・・・

[ニーナは医務室の扉に目をやった。もしやすれば、この先は危険かもしれない。けれどここでじっとしているのは性分ではなかった。ニーナは足音をできるだけ立てず、医務室の扉を開いた。]
(159)2006/02/18 19:02:37
見習い看護婦 ニーナ
昨夜の昨夜まで、具のないスープだったんですもの・・・少しくらい作れるものを・・・いいえ、どのくらいの急場をしのげる食料があるか確かめないと。

・・・っ!

[気を失う直前に見た、あの同様の類が無造作に置かれている。まるで赤ペンキを降らせたかのようだ。ニーナは自分の故郷で人並み以上には見てきたが、こと凄惨さにおいては比肩しうるものではなかった。

ニーナは両手を合わせ、倒れた者達のそばを通り抜ける。そしてこの建物の中に残っていそうな物資を確認するために厨房などを*見ようと思った*]
(160)2006/02/18 19:09:28
見習い看護婦 ニーナ
【夜/牢獄正門付近】

綺麗なオーロラ…綺麗な水平線…

[チェック模様の多いフィン衣装にはほど遠かったが、何枚か重ね着をして体は暖かかった。誰の監視を受けずに初めて見る島の風景と空を覆う星々。島の者の大半が命を落としているのは重々に承知であったがニーナは身軽な自分に嬉しくなった。]
(161)2006/02/18 21:01:19
見習い看護婦 ニーナ
あのオーロラ、私の家でも見れるのかな…

[無論オーロラは5分とその形を留めていない。しかしもう幾年も故郷の地を踏んでいない彼女は望郷の念にかられずにはいられなかった。]

一度くらい、何か精の出るものを作りたい…ニシンやトナカイ、ラップランドベリーまで望むのは贅沢かしら。
(162)2006/02/18 21:09:28
見習い看護婦 ニーナは、厨房に取り立てて何か食材がないか*調べ始めた*
2006/02/18 21:27:44
踊り子 キャロル
[詰め所から匂う濃い血の香りがキャロルの足を遠ざけた。
怪我人が出ているのなら医務室に誰か居るだろう。危険はまだ有るかもしれないが、兎に角人に会いたかった。
以前、高熱で倒れた時に収容された医務室に、キャロルは向かった]
(163)2006/02/18 22:26:51
酒場の看板娘 ローズマリー
【夕方/医務室】

…あれ?ここは……

[ローズが目を覚ますと、医務室のベッドだった。
ふと、ベッドの向かいを見ると、椅子に腰掛け、眠りについているルーサーの姿があった。]

そういえば…ルーサーさんに連れられてここに来たんだった。

[自分に掛けられた毛布をルーサーに掛け、ローズは医務室の窓から外を眺めた。
昨日の雪は、嘘のように晴れ渡り、見慣れた景色――牢獄の庭――が見渡せる。]

せっかく、お母さんに逢えると思ったのに…
こんなところに居たくない…

お母さん…お母さん…っ。

[ローズは昨夜のルーサーとの会話を思い出す。
――最低2週間、場合によってはそれ以上はこの島から脱出するのは不可能。
母に逢えると思っていたローズは、震えた声で遠い地に居る母に語り続けていた。]
(164)2006/02/18 23:09:43
酒場の看板娘 ローズマリー
[うーん、と。
傷が疼くのだろうか。眠っているルーサーから漏れる苦痛の声。]

ルーサーさん、酷い傷…
一体、誰に…?

[全ての看守と、多くの囚人が何者かに殺された。恐らく、ルーサーを襲ったのもその何者かの仕業だろう、ローズはそう考えていた。]

……!!

この島から脱出は不可能。
看守達が殺された時、入り口の扉は閉まっていた。

…この中に、看守達や囚人を殺した何者かが居る。
(165)2006/02/18 23:16:43
酒場の看板娘 ローズマリー
(この島に…何者かと一緒に閉じ込められてる…
それも、2週間はそれが続く…

もし、まだ血を欲しているのなら、今度は私が殺されるかもしれない。まだ…まだ死ぬわけにはいかない。お母さんを助けるまでは……)

[この思いが、ローズをある行動へと動かした。
ローズは医務室にある棚を順番に回り、求めていたものを見つけると、その棚を拳で叩き割った。

―――ローズが手にしたもの、それは、銀色のメスだった。
ローズはそっとポケットにメスを忍ばせると、生き残る為に必要な食料を求め、*医務室を後にした。*]

(自分の身は、自分で護らなければ……)
(166)2006/02/18 23:26:05
医師 ヴィンセントは、いつの間にか眠ってしまっていたことに気がついた【回想開始】
2006/02/19 03:30:40
医師 ヴィンセント
[自分を包む暖かさに気づき、ヴィンセントはゆっくりと身体を起こした。

傍らのベッドには豊かな緑髪の女性が、
そしてその傍らの椅子に腰掛けたまま眠っているルーサーの姿が視界に入る。

ヴィンセントは立ち上がり、ゆっくりとした動作でベッドへと近寄って、
女性の容態を確かめた]
(167)2006/02/19 03:31:46
医師 ヴィンセント
…外を軽装で幾時間も歩き回ったような感じだな。
恐らく寒さによる一時的な疲労といったところか…
よかった、命に別状はないようだな。

…ただ、末端部が軽い凍傷に罹っている可能性はあるが…
(168)2006/02/19 03:32:26
医師 ヴィンセントは、眠っている女性にこれ以上許可なく触れることに抵抗を覚えた。
2006/02/19 03:32:49
医師 ヴィンセントは、牧師 ルーサーの眠っている様子を見て、改めて考えを巡らせた。
2006/02/19 03:33:27
医師 ヴィンセント
…しかし、ルーサーさんの肩口に
あんな裂傷を追わせられるようなものがこの中にあるのか?
農作業用の鋤でさえ、ああも酷く肉を裂けはすまい。

そして看守たち…他の房の収容者たちはいったいどうなっているのだ…

…まずは何が起こったのかを把握せねば。
他に生き残ったものはいないか、
そして何より手当ての必要なものはいないか探すのが先決だ。

生きているものがいるならば、その者たちから話を聞けばいいのだから。
(169)2006/02/19 03:35:22
医師 ヴィンセントは、そこまで考えて、医学書を房に残してきたのに気がついた。
2006/02/19 03:35:34
医師 ヴィンセントは、眠っている者たちを起こさないようにそっと医務室を後にした。
2006/02/19 03:35:51
医師 ヴィンセントは、(時間の推移は【昼過ぎ/医務室→男子1号房→医務室】です)
2006/02/19 03:36:20
医師 ヴィンセントは、(ニーナとグレンが訪れ、立ち去ったことには気がつかなかった)
2006/02/19 03:36:35
医師 ヴィンセント
[房へと戻る廊下には、元は紅かったであろう鮮血の飛沫や、
血溜まりであったろう液体が茶色く酸化した状態のままで残っている。

房の中の物言わぬ躯となってしまった収容者たちの様子からは、
抗う間もなく命を奪われたのだということが見て取れた。
開け放たれた房の扉から見えるそれらの陰惨な光景と夥しい死臭に、
ヴィンセントは湧き上がる怒りを隠せぬままでいた]
(170)2006/02/19 03:37:38
医師 ヴィンセント
酷すぎる…既にこれは殺人などというレベルの問題ではない。
一方的な粛清や殺戮、虐殺と同じではないか…
(171)2006/02/19 03:37:49
医師 ヴィンセント
[自分のいた房に戻ると、寝台脇のテーブルの上に見慣れたそれはあった。
少しだけほっとしたようにそれを取り上げ、ぱらぱらとページを弾く。
その合間から漂ってくる古びた書物の匂いに少しだけ安堵した。
そしてそれをしっかりと抱えて房の中を見回した]
(172)2006/02/19 03:38:22
医師 ヴィンセント
……おかしなものだ。
外の惨状から比べれば、この無機質な室内ですら懐かしい場所のように思える。
…人の順応性とは恐ろしいものだ。
(173)2006/02/19 03:39:06
医師 ヴィンセント
[今まで見てきた陰惨な光景とは別の意味の陰鬱さ。

しかしその光景ですら、今のヴィンセントには
この場所が、惨劇が起こる前であるかのように思えてしまう。

…だが、それは余りにも強烈な現実からの
逃避にしかすぎないのだということを彼は知っていた。

暫く房の中を見回した後、彼はその場を立ち去り、
生存者が訪れるであろう医務室へと*戻っていった*]

【回想終了/現時刻へ続く】
(174)2006/02/19 03:43:05
酒場の看板娘 ローズマリー
【夜/厨房へ続く廊下】

[医務室を後にしたローズは、食料を求め厨房へと向かった。

…右足の感覚が鈍い。
ローズは廊下で立ち止まると、靴を脱いで右下肢を見つめた。
ローズの右下肢は赤く腫れ上がっている。]

凍傷…?
今ここで、足を失うわけにはいかない。

[ローズは右足を引きずりながら、厨房へと急いだ。]
(175)2006/02/19 11:58:13
酒場の看板娘 ローズマリー
【夜/厨房】

[定期船が来た直後だからだろうか。厨房には野菜や肉、パンが大量に揃っていた。]

とりあえず、これで暫くは繋げそうね。

でも…
もし、看守達を殺した何者かが獣であれば、ここに食料が残ってるのはおかしい。
お腹を空かせていたのなら、肉の匂いに誘われて、ここに来ると思うけど…

獣でない何か…
一体、この中で何が起きてるというの…?

[ローズは水道の蛇口を捻ると、布巾に湯を滲みこませ、冷たい足を温める事にした。]
(176)2006/02/19 12:00:24
酒場の看板娘 ローズマリー
【早朝/厨房】

[何か温かいモノが右足に触れる。
その感覚に、ローズはゆっくりと瞳を開けた。]

…私、あのまま寝ちゃってた…?

ニーナ…?

[目の前に、湯を滲みこませた布巾を自分の足に当てるニーナの姿があった。]

『ローズ、大丈夫…?
これ、凍傷になりかけてるよ。
重度のものなら、足を切断しないといけなくなる。
幸い軽度で止まってるけど、油断は禁物だからね。』

ありがとう、ニーナ。
(177)2006/02/19 12:09:20
酒場の看板娘 ローズマリーは、見習い看護婦 ニーナに感謝すると、小さく微笑んだ。
2006/02/19 12:10:47
酒場の看板娘 ローズマリー
(こんな優しい人が、何故この刑務所に…?)

[ローズはニーナが何故投獄されたのか、知りたい衝動に駆られた。しかし、自分が聞かれたら、果たして言えるだろうか。金の為に性を売ってきた事を…盗みを犯してきた事を…。
ローズは小さく首を振ると、ニーナに言葉を放った。]

ねぇ、ニーナ。
この刑務所中で、何かが起きてるのは知ってるよね。

看守だけでなく、多くの囚人も殺された。

ルーサーさんは、後2週間はこの島から脱出できないって言ってた。
これから、どうするつもり…?

まだ、恐ろしい何者かが残ってるかもしれないのに…
私達はどうしたらいいんだろう。

私達…一体、この刑務所に、どれくらいの人が残ってるんだろう。

[ローズは、ギルバート、グレン、ルーサー、そして自分を含めた女子房4人が残ってる事を伝えた。]
(178)2006/02/19 12:25:53
酒場の看板娘 ローズマリーは、(自分を含めた5人に訂正。)
2006/02/19 12:30:56
お尋ね者 クインジー
【回想/昨日の朝/男子房第5号室】
[クインジーは、一度部屋に戻ると…自分のベッドに座り、少し考えた。
所在無げに椀とサイコロを弄ぶ…出た目は…1・2・3。

嫌なものを見たとばかりにクインジーは目を背けると、自分の房を出た。
すると、そこでグレンに会った。]
(179)2006/02/19 12:38:23
お尋ね者 クインジー
よぅ。お前さんは無事だったみたいだな。

―――まぁな。

[グレンに今までの顛末を聞くことができ…生存者が他にもいる事を知った。]

外へ出るのか?

―――ああ、ここにもう用はない。幸い外へは出れるようだ。

そうか。俺は他の奴らにとりあえず会っておくさ。何がいるか分からん…気をつけろよ。

[そこで2人は分かれた…クインジーは他の者がいそうな場所へ移動した。]
(180)2006/02/19 12:39:27
酒場の看板娘 ローズマリー
『トビーという少年と、私に医療技術を教えてくれたヴィンセント先生に会ったよ。
他にも…生き残ってる人、いるのかな…』

分からない…

[ローズの心境は複雑だった。
多いとはいえ、この先何が起こるか分からない。医務室の薬も、ここの食材も、果たして2週間もつのか…そもそも、2週間後の天候によっては、定期船が到着するかも確実ではない。多くの人が生き残っていれば、薬や食材が消費するスピードは早い。
…とはいえ、人の命が消える事を、喜んでいいのだろうか。
父を失った時、絶望に陥った自分を思い出すと、ローズはニーナに言葉を続けた。]

探してくるよ…

[ローズはニーナにそう言うと、小さなパンを口に放り込み、厨房を後にした。]
(181)2006/02/19 12:42:48
お尋ね者 クインジー
その後、クインジーは、ギルバートと再会を果たしヨアヒムを共に悼んだ。
今後について少し語り…他の生存者についてギルバートがついて知っている事を少し聞くとまたの再会を約束し、クインジーは部屋に戻った。

【回想終わり 現時刻に続く】
(182)2006/02/19 12:50:32
酒場の看板娘 ローズマリー
[右足を引きずりながら、ローズは刑務所内を歩き回った。
本来なら、男子房と女子房への行き来は不可能。しかし、看守が居なく、全ての鍵がある今、刑務所内の秩序は失われていた。]

【男子房】

[初めて入る男子房内は、女子房と左右対称だった。
女子房内を思い出し、ローズはゆっくりと歩を進める。右手には、医務室で奪ったメスが握られていた。

娯楽室まで来ると、そこでローズは一人の男の姿を発見した。その男は、椅子に腰掛け、何か考え事をしているようだった。
ローズはメスをポケットに仕舞うと、その男に口を開いた。]

生きてたのね…

『君は…?
生きてるとは…?』

[何も知らないかのように、その男は懐疑そうな瞳でローズを見つめていた。ローズは事の状況を説明し、共に生き残ってる人が他に居ないか、探す事にした。]
(183)2006/02/19 12:57:48
牧師 ルーサー
【夜/医務室】

[ ルーサーが目を覚ました時、既に日は落ち空には夜の帳かかっていた。
 室内を見回そうと頭をめぐらせる。肩の痛みに、そちらに目をやると、己の身に毛布が掛けられている事に気付く。医務室には既に誰の姿も無かった。ヴィンセントの座っていた椅子には畳まれた毛布が置かれていた。つまり、恐らくはローズマリーが掛けてくれたものであろう。ルーサーはそれに感謝を覚えた。
 そして、夜からの出来事を思い返し、考えを巡らす。ルーサーを襲ったもの、それが何者であるのかは判然としない。]

(……だが、刑務所に居た大半の者をさほど時間もかけずに殺して――しかも、あのような有り様で殺してのけたものとは……。あれが人の業とは思えん。しかし、どんな獣であったとて、あれほどの殺戮をなし得るものとも思えない。
そう、例えば……言い伝えに残るような……)

[ 普段であれば滑稽だと笑い飛ばすであろうそのような考えは、しかし、今のルーサーには*否定できなかった。*]
(184)2006/02/19 12:58:02
酒場の看板娘 ローズマリー
『君、名前は…?』

[男は、ローズに問う。]

ローズ…
ローズ・デュボア…

『私はヒューバート・テンプルトン。
ヒューと呼んでくれていい。
君の事は…ローズでいいかな。』

[男子房の中を歩きながら、ローズはヒューバートと幾つか言葉を交わしていた。]
(185)2006/02/19 13:01:17
酒場の看板娘 ローズマリー
【男子房・娯楽室から詰所へ向かう廊下】

[ローズとヒューバートが廊下を歩いていると、前方から不敵な笑みを浮かべながら接近してくる男の姿を発見した。]

『まだ、生き残ってる奴がいたな。』

[ヒューバートはそう言うと、その男に声を掛けた。]

『君は…確か……』

「ヒューバート、だったかな。
俺…?俺はハーヴェイ。ハーヴェイ・ウリヤーノフだ。」

[ハーヴェイは自分の名を明かすと、冷えた瞳でローズを見つめた。]

私は…ローズ。

[ローズはそれ以上の言葉を口にしなかった。いや、できなかった。ハーヴェイが浮かべた笑みと冷たい瞳が、ローズを怯えさせた。
ローズは医務室に戻ると2人に告げると、その場を後にした。]
(186)2006/02/19 13:14:38
お尋ね者 クインジー
【現時刻/男子房廊下】
[クインジーはつかつかと歩いていると、その房に男がいるのに気付いた。
確か…男の名はハーヴェイ。革命思想家だったはずだ。
何度か…話した事があるが、あまりタイプが違うようだった。クインジーには革命には興味が無かった。
もっとも先方はクインジーが軍人である事に興味をもっているようではあったが…]

やぁ、君も…生きていたんだね。お互い無事で何よりだ。

―――ああ、こんなところでくたばってなどいれないさ。革命は未だ日の目を見てないからな。

そうか。こんな惨状を…誰が…したんだろうな。血を見るのに慣れたとは言え…惨いものだ。
君の革命とやらが成功すれば…国では民衆がこんな血が流れる事も無いんだろうか。

[ハーヴェイは、やや拍子抜けしたような表情を見せた後、それには笑って答えず手を振った。クインジーはハーヴェイの部屋を後にした。]
(187)2006/02/19 13:25:43
酒場の看板娘 ローズマリー
【男子房・詰所前】

[医務室に辿り着くには、あの惨情を目にするしかなかった。詰所前で立ち尽くしていたローズに、背後から男が声を掛けてきた。]

『初めて見る顔だな。
こんなところで、何してる…。』
(188)2006/02/19 13:38:07
酒場の看板娘 ローズマリーは、声の方にゆっくりと振り向いた。
2006/02/19 13:38:20
酒場の看板娘 ローズマリー
[振り向いた先には、左頬に枯れた傷を持つ、赤毛の男の姿があった。]

(この人も…ルーサーさんのように襲われかけたの…?
でも、古い傷みたい…。)

医務室に行こうと思ってるんだけど…
詰所に入る勇気が出なくて…

『ここは男子房だ。
看守達が殺されてたのは女子房側の詰所だったから、こっちは大丈夫だと思うぜ。
とは言え、怖いってんなら、一緒に入ってやろうか。』

(そうか、ここは男子房だった…。)

ありがとう。貴方、名前は…?
(189)2006/02/19 13:45:38
お尋ね者 クインジー
[ハーヴェイの房を後にすると…詰め所前で緑髪の女性が佇んでいた。男女間に行き来が無いため、見た事が無いのは当然。監獄としての秩序が失われたとはいえ…男子房に女性囚人がいるのも妙な話だった。
そこでクインジーは声をかけてみたところ、詰め所の惨状を思い出し二の足を踏んでいるようだった。一緒に入ってやる事にしてやると…]

―――ありがとう。貴方、名前は…?

クインジー・バルシルト。
が…人に名を尋ねる時は、自分から言うもんだ。

[クインジーは素っ気無くそれだけ答えると、そのまま詰め所のドアに手をかけた。]
(190)2006/02/19 13:53:40
酒場の看板娘 ローズマリー
クインジー…というのね。

私はローズ…
ローズ・デュボア。

[ローズは嫌な予感がした。
男子房側の詰所とはいえ、あれだけ沢山居た看守が女子房側の詰所だけで死んでるとは思い難い。それに…男子房側の詰所を蛻の殻にするとも思い難かった。

ローズは詰所のドアに手を掛けるクインジーの手を制止しようとしたが、クインジーはそれを振り切り、詰所のドアを開放させた。]
(191)2006/02/19 14:01:13
お尋ね者 クインジー
【現時刻/男子詰め所】
[クインジーは一度振り向きローズの瞳をじっとみた。そして何も言わずに前を向きドアに手を掛け開けた。
詰め所に入ると…そこも惨劇の痕が見れた。
そして…隅には…見慣れた看守アーヴァインの無残な姿があった。]

アーヴァイン…

[彼は良き看守であった。万感が去来する中それだけ呟くと、後ろに女性がいる事を思い出し、詰め所に入らぬように背中越しに伝えた。]
(192)2006/02/19 14:08:45
酒場の看板娘 ローズマリー
え…っ?!

今、何て……?

[ローズは、クインジーが発した言葉を信じる事ができず、今度はローズがクインジーを振り切り、詰所内へと*入っていった。*]
(193)2006/02/19 14:12:59
農夫 グレン
【午後/F山頂】
[ 山の頂に一本生えた大木に刃を立て、ぎ…ぎっと×印を刻む。
この山は俺のものだ。そう宣言を終えると、木に背を預けて眺めに浸る。
字が書けたら…幾倍も嬉しかったのかもしれない。たとえチームの連中が呼びかける符丁に過ぎなくても、「グレン」は俺の一部だった。そう刻むことができたらな…。
路地のちびども、うまく逃げ延びてるだろうか。路地裏には、体が小さければ小さいほど、逃げ道がいくらでもあった。おれのなりはでかかったし、ツイてないことにやたらな数の追っ手がついてまわったが。そのぶんちびどもにはツキがあったはずだ。
…物思いをしばらく続け、その無意味さに首を振る。]

なにを考えてやがる…
今は自分の命、だろ。
(194)2006/02/19 14:20:34
農夫 グレン
【日暮れ/刑務所入り口】
[ 日が傾くにつれて、急速に冷えていく屋外。ごわついた囚人服の袖を擦って、僅かにでも腕を温めながら、ひどく後悔していた。
潮風を遮る壁一枚で、こうも違うのか…
思い知りつつ、凍てつく潮風から逃げるよう、こけつまろびつ刑務所に辿り着いたときには、すっかり日が暮れていた。道中ともしていた松明を捨て、扉をくぐる。
一瞬、内部を楽園のように感じたのは、ただの錯覚だろう。しかしそれでも、凍てつきこわばった手足の緊張がゆるゆるほぐれていくのを感じた。]

ガチガチガチガチ…
さみい…
(195)2006/02/19 15:27:40
書生 ハーヴェイ
【昼過ぎ】

[詰め所の惨状をつぶさに観察したのち、自分の独房へと戻った。帰りがてら、女子棟と思われる入り口のドアが開いていることに気がついたが、かすかな人声から危険の可能性を感じ、入らないことにした。]

「やぁ、君も…生きていたんだね。お互い無事で何よりだ。」

[自室のベッドに寝転がっていたところに、話しかける声がした。確かクインジーとかいう男だ。元軍人だったであろうか。]

ああ、こんなところでくたばってなどいれないさ。作品は未だ日の目を見てないからな。

「そうか。こんな惨状を…誰が…したんだろうな。血を見るのに慣れたとは言え…惨いものだ。君の革命とやらが成功すれば…国では民衆がこんな血が流れる事も無いんだろうか。」

[どうやらクインジーは聞き間違えたようではあるが、特に気には留めなかった。]
(196)2006/02/19 17:43:46
書生 ハーヴェイ
【昼過ぎ/男子房廊下/娯楽室付近】

[クインジーが去ったあと、自室を出て男子房の様子をもう一度観察してみることにした。刑務所の暗く冷たい雰囲気が、漂う血の臭いが、闇を、深淵を感じさせる。]

そうだ、革命政府の粛清施設はこのようでなければな。血塗られた収容所…。

[思わず笑みがこぼれた。そのとき、向かいからヒューバードとかいう男と、見知らぬ女性が歩いて来た。]

「君は…確か……」

ヒューバート君、だったかね。
俺…?俺はハーヴェイ。ハーヴェイ・ウリヤーノフだ。

[そう、たしかこの男は資本家。資本家の犬だ、そう心の中でうなずいた。そして、男の隣の女性に目を向けた。]

(こんなところに女性がな…。おもしろい…。)
(197)2006/02/19 17:53:04
書生 ハーヴェイ
「私は…ローズ。」

[そう名乗る女性を瞬時に、しかしつぶさに観察した。その刹那、女性の顔に怯えの表情が見て取ることができた。]

(こんなところにいる女性も怯えはするのだな…。おもしろい…。)

[ヒューバートとローズマリーの両名と別れたあと、この興味深い事実を忘れぬようただちにメモに書き留めた。]

ふぅ…、創作に没頭してしまうと我を忘れるのが俺の悪い癖のようだな…。

[一人、思わず苦笑いをした。]
(198)2006/02/19 17:56:38
流れ者 ギルバート
【日暮/刑務所入口付近】

[ 日は既に傾きかけ、
つめたい隙間風が、俺のからだに突き刺さってくる。

冷めた体を温めるべく、俺は酒瓶に口をつけた。
俺達がいつも寒さに身を震わせていたとき、
看守様たちはこれで身を温めていたらしい。
……さぞかし気分のよかったことだろう!

俺がしばらくそうしていると、待ちかねていた足音が、静かな廊下に響いてきた。 ]
(199)2006/02/19 19:35:19
流れ者 ギルバート
よ、グレン。
外の様子はどうだった?

[ 奴の様子をみれば、答えは聞かずとも分かる。
奴が口を開く前に、俺は瓶をその手元に押し付けた。 ]


燃料でも補充しとけ。
……ちっと減ってるが文句はないだろ?

ああ、――そうだ。

[ グレンがいぶかしげに眉をよせた。 ]

神父様が礼拝堂にきてくださいー、だと。

……お祈りは嫌いか、ってな?
(200)2006/02/19 19:42:37
農夫 グレン
【日暮/刑務所入り口付近】
[ 寒さに悴む手足を持て余していると、ギルバートが酒瓶を押しつけてよこした。
俺も酒はひと瓶持ってはいるが、やつの親切に甘えることにした。礼を言ってラッパ呑みしていると、思い出したように伝言してきた。]

さみー…お。酒か。すまねえな。

ん?…礼拝堂だ?
骸がごろごろしてるってのに、お祈りなんぞなんの役に立つよ…

やれやれ。
で、ルーサーの親爺、今すぐこいって?
(201)2006/02/19 20:07:39
農夫 グレン
[ ふだんうろつけない刑務所の看守側を見て回る。
相変わらずの血の匂い…。ランタンが砕けて暗く沈んだ廊下の隅。転がっているあの塊は、人間の残骸じゃないのか…?
ハッキリとは見えないが、観察しようなんて気にはなれなかった。]

あいかわらず…腥せぇ血の臭いだ。
(202)2006/02/19 20:22:18
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