見習いメイド ネリー (──ヨーロッパの各地にライカンスロープ(獣人)や吸血鬼の話があり、銀が弱点だということだ、ネリー。) [ハーヴェイは静かに自らの知識を口にした。 獣人や吸血鬼の御伽噺は聞いた事があり、また銀がその対抗手段となり得る事は物語として耳にした事はあった。 普段なら御伽噺を現実と考える事は突拍子もない事のように思えるのだがこの異常な状況下ではそうも片付けられない気がし始めていた] (──俺は埋葬のとき、死体をナイフで傷つけて見たのだが、特に反応はなかった。だから伝染はしないのかもしれない) (クインジー、君は元軍人だろう。もし君が獣人でないとわかれば心強い。もしよければ、銀のナイフで君の腕を傷つけさせてくれないか?) クインジーさんが軍人…? (ハーヴェイさんはクインジーさんを獣人でないか確かめたいと考えているのね) [私は「軍人」という言葉に不安になったようにクインジーをそっと見た] | |
(6)2006/02/22 00:40:33 |
農夫 グレン 【夜/屋外】 >>26 [ どれだけぼうっとしていたろう。呼びかける声に振り返ると、朱を纏う女キャロルが駈け寄ってきた。 疑惑を口に乗せるほどに、あやふやな言いがかりに思えてならず、首を振った。] 『2人とも───死んでるのね───』 ああ。トビーはやつらの仕業だろう。無惨なもんだ。 カミーラは、俺が殺した。トビーを襲っていた…と、思う。 | |
(30)2006/02/22 01:19:11 |
流れ者 ギルバート 【夜/廊下】 [ とろりとこい闇の中を、俺は一人で歩いていた。 時折胸のナイフを確かめ、他の生き物の気配に身を尖らせる。鼠の足音ひとつに神経を削られる自分がひどく情けない。 ] ……馬鹿だな俺。 ビクビクするくらいなら、人居るところに戻れっての…… [ ――他人の気配を感じられないところで、一人じっくり考え事でもしようかと思ったんだが。 これじゃさして意味がない。――何をしにきたんだか。 自嘲して、俺は踵をかえし……] っ……! [ 俺にいつのまにか覆いかぶさる影。 後ろの影がふらりと動いた。近い。 ナイフを握りこみ、俺は身を翻す。 振り向きざまにそいつに刃を振い――] | |
(31)2006/02/22 01:20:36 |
農夫 グレン 【夜/屋外】 >>27 [ キャロルは返事を聞くと、月夜でもわかるほどはっきり青ざめ、ふらついた。地面にぶつからないよう抱きとめる。 いつも羽織っていた朱い上着のかわりに、肩を覆う。 失った意識でキャロルは聞いているだろうか? どうでもよかった、ただ、話をする相手が欲しかった。] 『貴方が…ナイフで?』 おっと。大丈夫…じゃ、なさそうだな。 そうだ。悲鳴を上げて、俺を睨んで…死んでいったよ。 コロシだけはしたことがなかったんだが。こんな気分になるんだな…。手が、震えるんだ。 | |
(35)2006/02/22 01:26:07 |
酒場の看板娘 ローズマリー 【朝/刑務所の外】 [ローズとニーナは、交代で眠りにつく事にした。この時、ローズの中でニーナを信じたい…信じられるかも…という気持ちが芽生えていた。それ故、ニーナの前で眠りにつく事ができたのであろう。ニーナが何故、ローズの前で眠りにつけたのか…ローズを信じているからか、それとも他に何かあるのか… 『おはよう、ローズ。』 おはよう、ニーナ。 私達…生きてるのね。 ニーナは、外の空気を吸いに行こうと言い、ローズと共に刑務所の外へと出て行った。] [外は…既に空高く陽が上がっており、ローズは手を翳した。暫く歩を進めていると、立ち尽くすグレンの姿と…惨情が*目に入ってきた。*] | |
(42)2006/02/22 08:20:36 |
農夫 グレン 【朝/厨房】 …あ、やっぱり居たぜ。言ったとおりだ。俺の勝ちだな。 ネリー!なにか食い物をくれないか? ──ちょうど煮えたところです。カミーラさんとトビーくんは ああ。弔ってきた。ルーサーもすぐ来るだろうな。 はふはふ…こりゃ、旨い。はふ…ふぁっほっほほっ。あちち。 ずいぶん豪勢なメシだけど、食料なくなっちまうんじゃないの? ──材料はいっぱいあるのよ。使い切れないくらい そーなのか。じゃあ…さ、お代わりもらえる? …なあギル。メシ食って道具片付けたら、灯台でも調べるか? ──船が来たとき、灯台がないと困りますからね── そうさ。いつかは船が来る。そしたら船と船員達を乗っ取って逃げるんだ。他の牢獄に流されるなんてくだらねえ。 海賊になってもいいかもな。追っ手が来たら、どこへだって逃げればいい… | |
(59)2006/02/22 22:27:22 |
牧師 ルーサー 【回想/昨晩/医務室〜囚人礼拝所〜看守側礼拝所】 [ ……昨晩、医務室で眩暈を覚えたルーサーは、それを表に出すまいと務めながら、医務室を後にした。ニーナが、そしてローズが、ヴィンセントの治療を必要とする中で、己がヴィンセントの手を煩わす訳には行かぬと思ったからだった。 そして、長椅子で横になろうと囚人礼拝所に足を向ける。だが、そこにはクインジーとハーヴェイという先客が居り、不調をを悟られまいとルーサーはそこを後にし、看守ら、施設の者の為に用意された礼拝所に足を運び、その長椅子に体を横たえた。 ――右肩の傷が熱を持っていた。その痛みを堪えつつ、ルーサーは体を休めようとした。] | |
(60)2006/02/22 22:33:33 |
牧師 ルーサー 【現時刻(朝)/厨房】 [ 肩の痛みに、ルーサーは目を覚ました。 体は休める事が出来たが、しかし、その傷の具合は芳しいとは言えないようであった。 ともかく、皆の様子を見て回ろうと、ルーサーは身を起こし衣服を整えると、看守側の礼拝所を後にした。 扉を明けると、厨房からはシチューらしき良い匂いが漂ってきていた。そして、話し声が聞こえて来る。――グレンとニーナであろうか。] 『──ちょうど煮えたところです。……カミーラさんとトビーくんは?』 『ああ。弔ってきた。ルーサーもすぐ来るだろうな。』 [ ――聞こえてきたその言葉。 ルーサーは思わず、然程離れてもいない厨房に駆け、勢いよく扉を開けた。] 今の話――トビーさんとカミーラさんはどうなさったのですかっ!? | |
(64)2006/02/22 22:48:04 |
牧師 ルーサー 【朝/厨房】 [ グレンの言葉に頷くと、ルーサーはゆっくり――いや、むしろ重いと言うべき足取りで屋外へと向かった。 その背にかかった、帰っていらしたらシチューを召し上がってくださいねというネリーの言葉に、何とか笑みを作ろうとしながら頷いて。 途中、廊下にはでローズが佇んでいた。] 「ルーサーさん…何故、こんな事になったんでしょうね…」 これも……主の御心であらせられるのかも知れません。少なくとも、二人は生きる苦しみからは解き放たれました。しかし……私は神の僕としては未熟であるのでしょうか。ただ、そう思う事はできません…… [ ルーサーはそう言って、悲しみに暮れた瞳をローズに向けた。……暫しの沈黙の後、ルーサーは二人に弔いの祈りを捧げに行く事を告げ、その場を後にした。] | |
(76)2006/02/22 23:56:07 |
農夫 グレン 【昼前/医務室】 [ この島の太陽は低い。カミーラとトビーを埋葬したとき、偶然見付けた彼岸花をニーナに届けよう。そう思って立ち寄った医務室では、ローズが椅子に腰掛け、窓の外を眺めていた。 使われていない瓶を見付けると、花を生けて窓際に置いた。口止めを頼むと、返事も聞かずに医務室から逃げる。] よう。ローズ。ニーナは…寝てるのか。 墓掘りをしていたら、花が生えてたんだ。せめてもの罪滅ぼし…には、ならねーな。こんなところ必要なくなっちまう。 (ことり) …これで少しは気が紛れると…いいんだが。 ローズ、これのこと、ニーナには内証にしておいてくれないか? 一服盛ったやつからの花なんて、不気味だろうし、な。 すまねえ、恩に着るよ! | |
(77)2006/02/23 00:43:29 |
踊り子 キャロル 【回想/フランス、パリ郊外・キャロル19歳】 『ニューヨークで工場が焼けた話を知っているかい?』 何、それ?私には解らないわ。 『ニューヨークで綿花工場が焼けたんだ。エレベーターも動かず、非常階段は脆い作りで全従業員を支えきれなかった。窓から身を投げた男女も居たそうだ。広がる資本主義の歪みとなって何人もの同志が殺されたのさ。』 …酷い話ね! 『これに憤慨したアメリカの同志がロシアに戻っているらしいぜ。トロツキーという男がとりまとめているって話だ。』 [熱弁を振るうジャンの前に頬杖をつくキャロル。彼女は革命の話に興味があるフリをしていたが、本当に興味があるのは今晩の仕事後のことだった。明日はお休み。今日は彼の部屋に行けないかしら? 彼の話は難しすぎてよく解らない。だが、頭の悪そうな話し方をするのはよくない。品性を落としちゃダメよと、母にはよく言われていた。 こんな彼女でもいいのだ。どうせ、ジャンだって、キャロルの仕事後のこととなると目の色を変えるのだから。キャロルのしなやかな体はジャンをトリコにしていた。] | |
(99)2006/02/23 02:50:50 |
踊り子 キャロル [しかしその晩、彼女はジャンの部屋には行けなかった―――――] 「ただい…」 [アパルトマンのドアを開けると電気が消えていた。母は?電気をつけて最初に見えたのは、手首にざっくりと鋭利な傷のついた彼女の母の変わり果てた姿だった。 母の横には剃刀が落ちており、傷からはまだ血が流れている。だが、事切れていることは一目で解った。彼女の母は電話番号の書かれたメモを手に倒れていた。 書かれたメモは警察に引き渡す前に自分でこっそり抜き取っておいた。 やがて、周囲にささやかな野次馬が出来始めた。] 『……自殺だってよ…』 『…ボリシェビキ…』 『アメリカ……』 『……旦那……ロシア……』 [口さがない野次馬のセリフを少しずつ心にとめ、キャロルは母の遺体と共に警察へ向かった] | |
(100)2006/02/23 02:52:24 |
踊り子 キャロル [キャロルの父はロシア人で、革命家であったこと。母はそのスパイ容疑で、ロシアから目をつけられていたこと。警察がおぼろげに事情を語り、彼女の母は自殺したと結論付けた。キャロルは母の死んだアパルトマンを出て、客であった素封家の次男坊・ジャンの一人暮らしのアパルトマンに転がり込んだ。 その日からキャロルのロシアへの興味が急に深くなった。ジャンの前での態度も如実に変わり、当然のことながら革命家志望であるジャンはこれを歓迎した。そして、やがてジャンは美しいキャロルを妻に迎えることとなる。] ジャン――優しい人だったわ。 [キャロルの目的は別にあった。母は自殺なんかじゃなく、誰かにそそのかされたか、もしくは殺されたのではないか。そして父と母の関係の出自であるロシアに母の死の謎を解くキィがあるのではないかと考えていたのだ。 警察から解放されてすぐに、キャロルは母のメモに残されていた電話番号にかけてみた。異国の言葉をまくしたてられ、それから何度かけても一切その番号には繋がらなくなった。 少しでも興味を持ち勉強した身には解る。あれはグルジア地方の言葉だ。] | |
(101)2006/02/23 02:53:58 |
踊り子 キャロル [こうして、執念から生まれたロシアへの興味に扇動され、いつしかキャロル自身がボリシェビキの思想に浸透していった。それは革命家“志望”のジャンの知識を上回るほどとなる。 やがて、キャロルはロシアに行きたいと願うようになった。ジャンを説得し、その気にさせる。当時ロシア行きは船がメインだった。船のチケット入手は困難だった。なんとしても手に入れたかったキャロルは、在フランスの有力ボリシェビキの求めに応じ、一晩を彼の家で過すことになる。それがロシアへの航行第1日目、船の停泊中にどこからかジャンの耳に入ってしまい、彼の逆鱗に触れることとなった。] 「お前は生まれながらの娼婦なんだよ。俺をたぶらかしやがって。」 [逆上したジャンがそのセリフを吐き、キャロルに向かって襲い掛かってきた瞬間、キャロルは愛用していたガーターベルトの中に隠し持っていたコルトを取り出し、ジャンの頭目掛けて発砲した――――] | |
(102)2006/02/23 02:59:58 |
見習い看護婦 ニーナ [ニーナは虚ろなラピスラズリの瞳を窓の外へ向けようとした。 ふと、ベッドの側の台に花瓶が置かれており、そこには小さな花が生けられていた。朝までにはなかったものだ。] 綺麗・・・ [ニーナは無意識に花瓶へ身を寄せ、その芳香を味わっていた。 この牢獄へ入れられて以来、全くといっていいほど、花はおろか植物を目にすることはなかったからだ。ニーナは鼻で深呼吸を、腹式呼吸をするように誰かが活けた花弁を楽しんだ。甘い香りが鼻孔をくすぐる。] きっと誰かが私を案じてくれてるんだわ・・・ヴィンセント先生、牧師様でしょうか・・・ ローズさん、この花瓶、昨日ありましたっけ。 『ごめんなさいニーナ、私もずっと緊張してて覚えてないのよ。』 [ローズは口元を横に少し広げ、優しくニーナに答えた。] | |
(106)2006/02/23 03:15:10 |
流れ者 ギルバート な、あんたは"これ"で殺人が終わると思うか? 俺はそうとは思えないんだよ。 ああ……そういやあんたが"犯人"かも知れないんだな。 あんまそんな気はしねぇけど。 あんたみたいな紳士がそんなことしたなんて信じられるか? ……そうと思いたいだけなのかもしれないけれどな。 [ 軽く頭を振り、俺は話題を変えた。 ] そうだ、うん。そうじゃなくてだ。前言ってたよな、船のこと。 ここで何があったかなんて、連中は知らない。 来るさ、予定通りにね。 俺、その時のことを考えておきたいんだよ。 能天気な女や神父様、牢獄から逃げてやる気概のない奴らに任せておきたいか? そんなわけないだろ? | |
(133)2006/02/23 05:01:36 |
流れ者 ギルバート [ できうる限りの懇願の響きをこめて、俺は続けた。 ] あんたを見込んで頼むんだ……俺は、あんたとじっくり話がしたい。 もし乗ってくれるなら――そうだな、今日の夜。 娯楽室へ来てくれないか? 俺が、人狼だったら? 犯人だったら? ……こんなこと頼まないね。一人で船を奪えばいい話だろ……そうできれば、どれだけいいか。 頼む。俺は真剣なんだ。 折角牢獄から抜け出せても、 島から出られないんじゃ話しにならない。 また牢獄にぶち込まれるなんてのも耐えられない。 これが、最初で最後の機会かも知れない。 来てくれると信じてるよ、……信じさせてくれ、 "ヒューバートさん。" ] | |
(134)2006/02/23 05:03:41 |
書生 ハーヴェイ 【昼過ぎ/自室】 「うおおおー、俺は…俺は…いったい何者なのだ…。意識が…俺の中で渦巻くドス黒い意識が…殺せ殺せと俺に命令する…。が、我慢できない…月を見ると…我慢できなくなるんだー!」 [とここまで書き連ねて、紙をくしゃくしゃにした。] わからない、人は果たして急に化け物になってしまったときどのような感情を抱くのだろうか…。本人を探し出して聞いてみたいところだが…、危険だな。 殺戮は突如起きたのだ。前々から人狼がいたとするなら月夜の度に殺戮が起きていて不思議ではない。だとすると急に湧いたのだろう…。だとすれば、人狼になってしまったものはいまごろ自分の存在というものに悩み必死になっているのではないか…。 [考えていてもしょうがないので、*娯楽室に行くことにした*。] | |
(140)2006/02/23 05:52:50 |
酒場の看板娘 ローズマリー [――かちゃり、と。 医務室の扉が開く。ローズは銀のメスを握り締め、扉の方に視線を向けた。] 『よう。ローズ。ニーナは…寝てるのか。』 [グレンだった。グレンの表情は暗く、一輪の花を持つ手は微かに震えていたように感じた。] 『ローズ、これのこと、ニーナには内証にしておいてくれないか?』 [空の瓶にその華を生けたグレンは、優しい瞳でニーナを見つめながらそう言った。] …分かったわ。 ねぇ、グレン。 カミーラは…本当にトビーを襲っていたの…? カミーラは…人狼なの…? 『あぁ、俺は見た。俺は見たんだ。』 [そう言うグレンの声は、言葉とは裏腹に小さく震えていた。] | |
(144)2006/02/23 09:07:31 |
見習いメイド ネリー 【回想/夜】 [外に出て行った数人を待つことにし、屋内で静かに祈りを捧げていたが 風に乗って人の話し声が聞こえてくるのに気がつき、たまらず外の皆の元へ駆けつけた] グレンに抱えられたキャロルとギルバート、他にも数名の姿があった。 ただならぬ雰囲気に声を掛けようとし…傍に横たわるトビーとカミーラに亡骸に気がついた] トビー… カミーラ…? [憔悴した顔のグレンがカミーラがトビーを襲っていたこと、 グレンがカミーラにとどめを刺したことを短く語った。 初めて人を刺した、と口を噤んだグレンの目は空虚で私は彼の気持ちを慮った] (トビーをカミーラが… なぜ…?) カミーラが皆が話していた「人狼」だったということなの? 殆ど話したことが無かったから…わからないけど… 彼女は他の人と変わらないように見えたのに… [カミーラの遺体に語りかけるグレンの声からは痛みと深い悲しみが感じられ、 私は差し伸べようとした手を彼の肩にのせることが出来なかった] | |
(155)2006/02/23 14:34:39 |
見習いメイド ネリー [短い眠りの後、トビーとカミーラを埋葬するために働くものを見送り私は食事の支度を始めた。 「人狼」と戦う術何も持たぬ私にできることはこの位しかなく私は自分の無力さを呪った] 私って足手まといなのかも… ううう…… [少しでも考えを纏めようと皆が口々に言っていた事を考えてみる] 人狼ってどんな存在なんだろう。 伝説みたいに満月になると変身する…? でも昨日は満月ではなかったし…カミーラの…遺体は普通に見えたわ。 それともハーヴェイさんが言っていたように病気…なのかな。 結局、ヴィンセント先生からもニーナからも病気説に関して意見は聞けてないわね。 …尤も、ニーナはそれどころではなかったけれど。 [シチューを仕上げながらぶつぶつと呟き続ける。 幸いにして食料は潤沢でこの監獄ではかつて見なかったほどの豪勢な食事を提供することが出来た。 疲れきった表情の皆が食事を摂るときは明るい表情を見せてくれることが私は単純に嬉く、 求められるままにお代わりを提供した] | |
(157)2006/02/23 14:57:36 |
見習いメイド ネリー (…なあギル。メシ食って道具片付けたら、灯台でも調べるか?) ──船が来たとき、灯台がないと困りますからね── (そうさ。いつかは船が来る。そしたら船と船員達を乗っ取って逃げるんだ。他の牢獄に流されるなんてくだらねえ。 海賊になってもいいかもな。追っ手が来たら、どこへだって逃げればいい…) [グレンの明るい声からは昨夜の暗い表情は想像できなかった。 無理にそうみせているかも知れないが私は彼の明るさに救われる思いがした] (今の話――トビーさんとカミーラさんはどうなさったのですかっ!?) [勢いよくルーサーが厨房に飛び込んでくる。 様子から察するに昨夜の状況はしらなかったようだ。 トビーとカミーラ…そしてグレン。昨日起きたことを聞くと深い溜息とともにその場で祈りを捧げ始めた] | |
(158)2006/02/23 14:58:04 |
見習いメイド ネリー [ルーサーは何か言いたげな顔をしたが何も語らなかった。 訝しく思いながらも何か今は言えない事情があるのかと思いなおした] 何か言えない事情があるのでしょうか。 でも…できればお話して頂きたいのです。 [軽く会釈をすると厨房を後にした。 あてどなく監獄内を歩くうちに作業室のほうから歩いてくるローズに出会った。 ローズとはあの虐殺の夜以来まともに会話を交わしていない。 食事の支度が整っていることをローズに教え更に先に行こうとすると、気まずそうに私を押しとどめ彼女が今見たことを私に教えてくれた] えっ… キャロルさんとグレンさんが…………… そうだったんですか… そ、それは…お邪魔してはいけないですね… [娯楽室に向かうというローズと別れ、私は灯台に*行ってみることにした*] | |
(160)2006/02/23 15:12:18 |
見習い看護婦 ニーナ 【午後/娯楽室】 [ニーナは手のひらを小さく握りしめ、思案していた。 ギルバートがニーナの身を案じて忠告してくれた言葉。] 『グレンには気をつけたほうがいい』 (グレンさんが人狼…ということはあるのでしょうか。あの大量の人々が殺された日…私は反省室に入れられていたから分からない…けれど、グレンさんが人の血を欲していたのなら、あの時の私は格好の標的だったはずです…私を生かしておく理由が見つかりません。 でもだからといって、ギルバートさんとグレンさんが共に何かを企てているようにも思えない。では…誰がトビーさんを……) [ニーナはひとり考え込んでいた。] | |
(164)2006/02/23 19:50:17 |
踊り子 キャロル [ローズは去り際に言った。] 「神父様は言ったわ。この中で人狼を探そうとするならば――誰が人狼かを知ることなく探し出そうと、滅ぼそうとするのであれば……魔女狩りのように、正体定かならぬ者を手に掛ける事になるのかも知れません……ってね。 グレンの行為は正当なものじゃなかったかもしれない。 でも、あたしは――まだ、平和になったとは思えないよ。 魔女狩りをする必要があるのなら――皆を徹底的に調べないとね。」 神父様が――そういったのね。 でも、カミーラが死んで、これで平和になった可能性もあるのよ。 それに――人狼の仕業だって決まったわけじゃないわよ。ね、クインジー。 | |
(175)2006/02/23 20:34:58 |
牧師 ルーサー 【回想/朝/屋外】 [ ……ハーヴェイが立ち去った後、ルーサーは一人立ち尽くしていた。 ――生きて欲しかった。二人には……いや、生き残った者たちには。罪を犯し、或いは無実の罪にて投獄された者。皆の生きてきた道を思う……それは、温もりに縁薄い命であったのではないであろうか。 だからこそ……皆には生きて、それを知って欲しかった。 ……ルーサーは、ぐっと十字架を握り締めた。 ――くらりと。 視界が揺れた。左手で目の辺りを覆うと、眩暈を追い払おうと頭を振る――熱い。 掌に感じた額は、かなりの熱を持っていた。] 『何か言えない事情があるのでしょうか。 でも…できればお話して頂きたいのです。』 [ ――その言葉を思い出す。 左腕で、痛み、熱を持つ右肩を抱く。 ――人狼に傷付けられた者は人狼となる。 そう、確か、そんな言い伝えもあった。自らがそうなろうとしているのではないか。ルーサーはその懸念を持ち続けていた。 思いに沈みながら、ルーサーは覚束ない足取りで、その場を後にした。] | |
(177)2006/02/23 20:36:41 |