人狼審問

お休みだ、ラッセル…。


…ニーナ、二重に私を検査したのか…？

ん〜、違うよ〜！

今日はキャロさんの検査結果が来る筈だったんだけど、その際に検査の方法が間違ってるって判ったんだって〜。

だから昨日のカーミラさんの検査も駄目みたい。

てっきり先生が、人狼か人かを見極めれる者だと思ってたんだけど……それはマリーさんだったのかな。

…ニーナ？

な〜に？

……さて。


オレはもう、どうでもいいぜ……。
酒だけがオレの救いだ。

これって聞いても良いのかな。

なんでラッセルさん寝かせちゃったの？

カーミラさんのお友達が二人いて、カーミラさんを信じる人が居るなら、もうカーミラさんを止められないね〜。

いや…そういう、事だったのか、とな…。

ラッセルを眠らせたのは、自ら望んでいた様子だったしな…。

ニーナは、それがそろってなくて、村人が人として、自分で道を切り開いて行こうとするのに期待して、今日も自衛団の人に、カーミラさんをお願いするね。

優しいんだね、カーミラさん。

ラッセルさんは、カーミラさんを信望していたのかと思ってたけど……自ら望んでたって処だけは、ちょっと違うかもだね〜。

カーミラさん、キャロさん以外にまだいるのかな〜？

飲みます？

カーミラさんもどうですか？

マリーさんが、秘蔵していた葡萄酒が確か……この辺りに……。

さてと今日は村を出る準備で忙しいので、失礼させていただきますね。

先生の誤診、ごめんなさいね。
でも警告は、本当に感謝してます。

あと……本当は、一昨日マリーさんの身代わりになるつもりだったんですよね。

それが昨日と……ちょっと遅かったです……。

では、行ってきます。

カーミラさんも、風邪ひかないよにね。

ん、ん〜〜〜〜〜〜？？？

なんだね、それは！？

カミーラ君が人狼じゃないのかね？？

［コーネリアスは知らないうちに急展開が起こって慌てている］

…。

[ワインを呷ると、疲れた様子で無言のまま２階へと上がっていった。*]

カミーラ君は自分が人狼だと言い、ニーナ君は検査が間違ってたと言っている？

よくわからん。誰か説明してくれ。

というか、カミーラ君が人狼だと告白したなら、なんで彼女投票ではいけないんだ？　なんでミッ君なんだ？　そりゃ、私はミッ君に投票しちゃったけどさ・・・。

夢うつつに聞いていたが、ケネ蔵の言う通りだ。

なんでカミーラ君を信じられるんだ？

もうわけがわらないよー！！！

［コーネリアスは困惑し混乱し貧困した］

あの世にいるメイ君、シャロ君（注：あの世にはいません）私を助けてくれ！　私はどうしたらいい？　皆は何を考えているんだ？　これも人狼の仕業か？　人狼は人心を惑わす術まで身につけているというのか！？

何も・・・聞こえない・・・。

私の困惑は消えない・・・。

神は、なんて残酷なんだ・・・。

［コーネリアスはがっくりと項垂れると、集会場を出て行った］

なんか、コースネリアさんの声が聞こえたような。

ん〜とね、先生が誤診した……正確には、先生がした検査方法では、人か人狼かなんて判らなかっただけなのね。

ニーナは先生が、みんなが言っている人狼を見極める事が出来る者、だと思ってたんだけど、違うみたいなの。

たまたま、その誤診が合ってたのね〜。

ニーナの診断では、リックくん、ケネスさんは人で、カーミラさんが人狼、キャロさんも恐らく人狼。

後、コーリアネスさんかな？

ステラさんかも知れないけど、それは明後日までに考えればいいよね。

ニーナは、やっぱりニーナの歩く道は、ニーナが見付けて、無ければニーナが切り開いて前に進むよ。

そう思う人は、カーミラさんを白警団に引き渡すべきだよ。

カーミラさんの信望者が、一人以上いるなら駄目だけどね〜。

［コーネリアスはニーナの山彦を耳にして集会場へ戻ってきた］

いや、そんな大声で愛の告白をされても・・・。

［コーネリアスは真っ赤になって照れた］

まあ、冗談はさておき。状況はよくわかった。
とりあえず今日はカミーラ君に投票すればいいのだな？　私はニーナ君を信じるぞ。

［コーネリアスはカーミラ命と名前を書いて投票箱に入れた］

で、明日はキャロル君に票を入れればいいのか？
とにかく、私の命・・・もとい村が助かるなら私はなんだってするぞ！

［リックの先生の鳩が集会場にあらわれ、窓をくちばしでノックする。］

［誰もいないのか―チッ…そう思った鳩は、なんとドアを開けて入ってきた。］

ポッポー…

［まったく、大仕事だったぜ…鳩はそうこぼすと、テーブルにとまり、ハードボイルドに一休みする―…］

…ポ。

［そして、―…仕事再開だ。そう呟いた鳩は、リックの手紙をテーブルに残した。］

［リックの手紙にはこう記してあった］

みなさんへ。

僕は今日、荷造りや、うちにいる動物たちのこと、母のことなどでここへ来られそうにありません。
もしかしたら集会場で皆さんに会うのは、昨日で最後だったのかもしれませんね。

ニーナさんが、「自分の道は自分で切り開く」、と言っていました。
僕のはそんな格好いい理由ではなく、単純に知らない人に全て任せるのが不安なだけ…
財布なんか他人に持たせるのは不安ですからね。

ただ、カミーラさんに投票することも僕はしません。
危険を告げてくれた彼女を自警団に突き出すのは気がひける。
それに、一人でも彼女の事を頼る人がいるのなら、ますます投票することはできません。

［手紙は二枚目に続いている…］

［リックの手紙の続きはこうだった。］

そろそろ荷造りを再開しなければいけません。
僕が今日投票するのは、ニーナさんが挙げていた三人のうちの、カミーラさんではない、一人。
僕もその人が人狼なのでは…そう思っていたのです。
ヒントは女の敵！昨日ニーナさんを襲っていたことで、様々な疑惑が確信に変わりました。
だって、襲われていたのは、昨日直接眠らせてほしいと言ったラッセルさん以外、女性ばかりだったのですから！

それでは皆さん、このあたりで。
もしも僕に連絡があれば、手紙をここに残しておいて下さい。
また鳩に取りにいかせますので。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　リック

［鳩は手紙をテーブルに置くと、再びドアを開けようとする…］

ポ…

［だがそこで、彼は、―そうだったぜ…、と、何かを言い忘れたように、動きを止めた。］

ポッポークルックーポポポッポポー

［のんだくれのあんちゃん…俺の見立てはいい線いってたぜ…だが、俺は残念ながら軍上がりじゃなく傭兵上がりだ…あんた、いい目してるぜ………そう言い残し、鳩は扉を器用に開け、そして閉めることも忘れず、外へと飛び立っていった。］

［　自室のベッドで目覚めた。
　　体が、酷くつかれていた。
　　柔かな夢の頂きに手招きされ、再び眠りに落ちた。*　］

[そっと、階段を下りる。部屋は閑散としていて誰も居ない]

…。

[無言のまま、いつもの席に着いた。]

[ふと机を見ると、手紙が一通置かれていた。裏面の名前を見ると、その差出人はリックだという事が解かった。]


自分で何とかする、か…。

してみると良い。

…。

[ぼうっと窓の外を見やる。余計な考えが頭を過ぎる。]

[がらんとした教会の大聖堂でステラは一心に祈っていた。
瞑っていた目を開けて呟く]

……どうすればいいんだろう。
ケネスさんは疑って掛かって聞き入れようとしない。

だけどカミーラさんが嘘を吐く必要があるならあんな言い方じゃなくもっといい方法があったハズ。
つまり、天変地異の予告は信憑性が高い。

でもそれをどうやって皆に知らしめたらいいんだろう。
……だめだよ。何も見えてこない。

[ステラはまた祈り始めた…… *]

日付が変わると同時に…本格的に、動き出す。

誰も何も知らずとも、良い。
神隠しだの、氷付けの村だの…そういった伝承にまたなるのだろうから。

…私は。

…。

[独り言を呟いた後、切り裂いた左の掌をじっと見やった。]

貴様の好きにはさせんぞ…。

私の血の元に、誓ったのだ。

この村の人間の安全は、命に代えても保証する――と。


[コートとマフラーを羽織り、意を決した様子で集会場を後にする。
その後、カミーラの姿を見た者は誰もいなかった。*]