流れ者 ギルバート 【怖い。怖いよ。】 [眠るのが恐ろしくて、寝られずにいた。眠ってしまえば、僕はまたサバンナの猛獣に変わる。そして、次はどういう現実が待っているのかわからない。] 【間違いなく言えることは、”こいつ”が今ここでこうして面になってしまっていること。】 ならば、この面をつけているかぎり、避けては通れない道なのか? それとも・・・ [黒い獣が乾いた大地に無様に横たわる姿を想像した。毎日のように夢で見ているから、それは色も匂いもまさにそのものであったし、余計なことばかりが妙にハッキリ映った。] 必ず訪れる死・・・ そのとき僕は、何を感じるんだろう? この身体はどういう風になってしまうんだろう? いや、そもそも、戻ってこられるかどうかもわからない。 | |
(259)2005/12/14 05:58:58 |
流れ者 ギルバート [面を外せばいい。そんなことはわかっている。頭では状況をしっかり把握している。] 【でも、困ったことにね、どんなに怖くても、この面を外したくない気持ちに駆られてしまう。】 【面自体の呪縛・・・なのかもしれないな。】 【仮面舞踏会だからというのではなくて、僕は身も心も黒豹に成り代わりつつあるんだろう。】 ははははははははははは。 気心の知れたこいつと、トコトンまで戦わなきゃいけないってことか? 得体の知れないこいつの見せる悲劇を、この身をもって鑑賞しないといけないのか? 僕にはそんな趣味は無いけど・・・、どうやら選択権はないみたいだ。 傑作だね。 | |
(260)2005/12/14 06:06:11 |
村長の娘 シャーロット 『…男爵家のために、犠牲にならずとも良いのですよ…。 時代は、少しづつ変わってゆくことでしょう。 シャーロット…貴女が背負おうとしているものは… 殿方でさえ、辛く、重いもの…。 それを手放しても、誰も責めはしません。 貴女が 「幸せにしなければ・守らなければ」 と思って いるように、わたくしたちも、貴女を守りたいのですよ…』 [ 優しい母の声 ] 『――ほら、シャーロット、見えるか? 広いだろう? 綺麗だろう? …私が守り、お前に伝えてゆく世界だ…』 [ 一面の葡萄畑を…父が幼い私を連れて…丘の上から領地を 一望した。 誇らしげな父の顔。 大きな手 ] | |
(264)2005/12/14 06:43:13 |
見習いメイド ネリー グレン様とローズマリー様……。 お二人とも、挨拶をした程度でまだお話できていなかったのに。 それに、確かローズマリー様の隣には、いつも決まった人が 寄り添っていらっしゃったような気が……。 [ 侍女たちは、ローズマリーの相手がラッセルである事、 彼が昨日の朝にひどく落ち込んでいた事などを話した。 ] そう……そうですよね。 大切な人と別れ別れになってしまったら、どれだけ苦しいか。 私も、もしハーヴェイがいなくなってしまったら……。 [ ネリーは知らず瞳を潤ませると、投票用紙に記入をし、 蜜蝋で封をして侍女にあずけた。 ] はい、今日はこれをお願いします。 | |
(270)2005/12/14 09:12:27 |