牧師 ルーサー 庭園も興味のあるところですね。 ……ですがおそらく恋人たちのたまり場になっていることでしょうし…。 [ルーサーが西の塔に目を留めたところで、部屋のドアがノックされた。声をかけると侍従が入ってくる。そして今日鏡の間に連れて行かれたのがラッセルとニーナの二人であることを告げた] その二人が今日は連れて行かれたのですか。 ラッセルは昨日の様子では寂しがっていたそうでしたから、ちょうど良かったのかもしれませんね。 ニーナはコーネリアスと仲が良かったですからそのせいでしょうか。 [ネリーのことが浮かんで、笑みが漏れる。見取り図を畳んでからルーサーは席を立った] 西の塔に行ってみようと思います。 他の場所はどなたかいる可能性も高いですからね。貴方もついてきますか? 頼むようなことは取り立ててありませんが……もし時間があるようでしたらついてくるのもいいし、この部屋を片付けてくれててもいいですよ。 [侍従は頭を振り、部屋に残ることを選ぶ。ルーサーは頷いてから部屋を出ていった] | |
(4)2005/12/14 12:20:19 |
文学少女 セシリア 『セシリア様、早くお召し変えを』 [侍女の言葉に目を開ける。が、混乱している。] え?今日はまだ出かけないわよ?何ですって? そっ、そんな破廉恥なことわたしには…。 [セシリアは想像しただけで真っ赤になっている。] 『コーネリアス様の侍従に連絡を。』 『ワインの手配を。急いで!』 『コーネリアス様をガラスの間にお引止めするように。』 『指示は全部こちらで出します。』 [専属の侍女がてきぱきとことを進めているのを、ただ呆然と眺めていた。] [エンジ色のドレスにゴールドチェーンのネックレス。あっという間にメイクを済ませ、マニキュアを塗る。髪型を整えると侍女が言った。] 『さぁ、セシリア様。参りますわよ。』 [有無を言わさぬ気迫に押されて、セシリアは反射的に立ち上がってしまった。] | |
(32)2005/12/14 14:00:34 |
文学少女 セシリア だって、それはコーネリアス様が…。いっいえ何でもありませんわ。 [少し顔を赤らめる] うふふ。毎日沈んでいては病気になってしまいますわ。 コーネリアス様は、沈んでいらっしゃらないのですね。ニーナが連れて行かれたというのに。昨日のラッセル様とはだいぶ違います。 「わたしはわたし」とおっしゃるのでしょうね。 沈んでいないのではなく、超然とありのままでいらっしゃるのかしら? わたしはどうしたいのか、よく分かりません。 昨日、コーネリアス様はわたしを子ども扱いしたり、かと思ったら意味深なことをおっしゃったり。 ニーナという人がいながら、わたしを翻弄して遊んで… はっ、ご、ごめんなさい。失礼なことを…。 [セシリアは、うつむいてしまった。] | |
(52)2005/12/14 15:17:01 |
村長の娘 シャーロット 私の名は シャーロット・フォン・ヴェストパーレ。 ローゼンハイム侯からご招待を受けて参りましたが、 このような催しとは知らずに来たのです。 …私には参加する資格が無いので…皆様のお邪魔に ならぬよう、滞在させていただいております… [ シャロは自らの表情が曇りそうになるのを必死に堪え ながら、話を続けた ] …私の声…ですか? 服装に限って言えば、私は男性の服を好んで身につけて いるので…よく目立つと言われますが、声は取り立てて 特徴のあるものではないと思います。 社交界にも…あまり出ておりませんので、恐らく、 どなたかとお間違えになっているのではないかと… | |
(56)2005/12/14 15:40:41 |
文学少女 セシリア そんな、困るなんて。決してそのようなことはございませんわ。 ピアノフォルテ…平均律の響きはわたしには不協和音。コーネリアス様が調律してくださるのなら、美しい響きを奏でられるかもしれません。 コーネリアス様はわたしの扉を開こうとしている。殿方は皆様鍵をお持ちだわ。 そして、今にもその鍵は外れそうなの。でも、ニーナという人がありながら、わたしにも興味をお持ちになるなんて…。 また会える。でも、同じ気持ちでまた彼女と会えるのでしょうか? 鏡の間で何があっても、全て運命と受け入れるのでしょうか? 自らの手で捉まえたいものはないのでしょうか? 虹の彼方に行ってみようとはしないのでしょうか? [昂ぶり今にも泣き出しそうになる。] | |
(58)2005/12/14 15:49:04 |
吟遊詩人 コーネリアス 捕まえたいものは、真実ですか? でも、真実は捜し求めるものですよ。偽りを真実だと思いこむのなら、虹の橋は架からない。この大地ミッドガルドを彷徨い続けて見つけられなかった者だけが、橋を渡って天上の国アスガルドを目指すのです。 あなたの鍵を押しとどめるそれは何ですか。 あなたに鍵がかかっている限り、あなたの奏でる音たちはひずんで濁り、あなたの表情を沈ませるのでは。 あなたの鍵を押しとどめるそれは何ですか。 いまは重く厳しい物に思えていても、開いてしまえば意外と軽くて何でもない物なのではないですか。あなたは見えないものに怯えているだけで、でもその見えない物が未来なのではないですか? あなたの鍵を押しとどめるそれは何ですか。 わたしの鍵で開くのなら、わたしはあなたを開いてみたい。あなたというつぼみが花開いて、どんな色を付けるのか見てみたい。それともあなたは一瞬だけ咲いて枯れる、かの伝承の花なのですか? | |
(60)2005/12/14 16:09:48 |
牧師 ルーサー [ルーサーは気を取り直すと、シャーロットを見つめた] やはり男爵家のご当主でしたか。 確か侯爵とは仲が良かったはずですからね、来ていても不思議ではない。 ですが……なぜご自分には参加資格がないと? 本当に参加資格がないのであれば、そもそも招待状など送らないはずでしょう? 貴女の所の事情は少し耳に挟んでおりますが、それを資格、というには少し足りない。 それとも、ご自分で資格がないと思っておられるだけなのですか? ……いや、答えなくても構いません。貴女がこの質問に答える義理はありませんからね。 もし、吐き出したいことがあるならお聞きしますよ? 何か悩んでおられるのが表情に出ているようです。 | |
(79)2005/12/14 19:53:18 |
村長の娘 シャーロット [ シャロは小さく深呼吸する。 声が震えないように。 逃げない、偽らない、誤魔化さない…そんな自分を貫く為に ] …私の領地の噂をご存知なのですね。 お恥ずかしい限りですが、内情は、ほぼ噂と変わりません。 すべての領地と領民を守るためには、膨大な資金が必要。 当家にはその資金を用意する力がない為、王家御用達の商家 の方と私の縁談が…決まっているのです。 こちらに来る直前に決めた話ですので…まだ…正式な婚約は していないのですが…。 ――私には、婚約者がいるのですから、参加は無理でしょう? [ 努めて明るい表情を作って、なんでもない事のように言った ] | |
(84)2005/12/14 20:29:17 |
流れ者 ギルバート ――部屋―― 【誰か・・・いる?】 [やはり僕は獣の姿に変わっている。夢だとすぐさま認識できた。いや、これは夢ではなく、黒豹のお面が見せている現実の世界なんだろうと、今ではすんなり理解できた。] [細い鉄の柱が一定間隔で周囲に並べられている。檻の中だ。どうやら、木で作られた小屋の中にいるらしく、灼熱の大地も蜃気楼も見えない。しかし、喉の乾きだけは呼吸が苦しくなるほど限界に達していた。] 【気高きサバンナの猛獣が、無様なことだな。】 [腹部の痛みは、一応処置はされているようだった。それでも、意識を奪っていきそうな激しい痛みが時折襲い、精神が擦り減っていた。] 【そこにいるのは、誰だ?】 | |
(122)2005/12/14 22:28:26 |
流れ者 ギルバート 【!!!】 【キャロル!!・・・いや、違う。】 [檻の外から無用心に手を伸ばしている娘がいた。僕は猛獣だぞ。冷笑しつつも、その娘が楽しげに、でも悲しげにこちらを見ているのに気付いた。] [面影がキャロルそっくりだった。しかし、キャロルよりはずっと幼い。まだ少女と言っていい年齢だろう。なぜだか心が和らいだ。] 【今なら・・・、いや、手負いであってもこの娘を食い殺すくらいは、簡単にできる。この娘、僕が怖くないのかよ?】 [娘への興味だけでゆっくりと近づくと、顔を撫でられた。くすぐったい。思わず首を引っ込める。] [もう一度近づくと、今度は娘が顔を近づけてきた。息がかかるくらい、近い。また、顔を撫でられた。やっぱり、くすぐったいな。] | |
(123)2005/12/14 22:35:17 |
吟遊詩人 コーネリアス 必然かどうかは、あまり重要ではないかもしれません。人は現象を理解するために、それを偶然なのか必然なのか分析しようとします。しかし、今のあなたにとっては何よりも得られたその結果が重要なのではないでしょうか。 その結果がわたしであった事は、わたしにとっても嬉しい結果でしたが。 わたしにとってのあなたが虹の橋なのか、その彼方にある天上国なのか、今のわたしにはわかりません。いろいろな事が起きすぎて、こう……わたしの中で物事の整理がつかないのです。ただ、わたしにとってあなたがとても大事な物である事は、間違いないでしょう。 あぁそうですね。一度着替えた方が良いですね。その……少し皺になってしまいましたし、化粧も。 [コーネリアスは微笑んだ] | |
(142)2005/12/14 23:26:58 |