人狼審問

[　集会場の中をぐるりと見渡し、いまだ姿の見えない人が居る事に気付いた　]

ん、まだ戻ってきてない人もいるみたいね。
無事だといいのだけど。

ナイフ？
うちで取り扱ってる商品じゃ、ないわね。

こんばんは、マリー。
雪の中おつかれさま。

ありがとう。まずは酒だ……。寒くてタマらん。
クインジー？外を歩いていた時に見かけただけだが、やつがどうかしたのか？

そうか、もう吹雪いているのか。

ナイフ？
見覚えはないが。

そのナイフがどうかしたのか？　ユージーン。

[　挨拶に笑顔で答えると、ユージーンの置いたナイフに目をやった　]

……綺麗なナイフね。
でも、今こうしてここに持って来ているっていう事は、この細工を楽しむ為では無さそうね。
……何かあったの？

[　バスケットを集会場の隅におき、コートを脱ぎながら声をかけた　]

あぁ、この村でこんなナイフを身につけている奴が居たら絶対覚えているハズなんだがな。

レベッカも知らないと言う事は、やはりこれを身に付けていたものは外の者だろう。

銀のナイフ？
ユージーン、お前そんなもんどこで拾ったんだ？

…へぇ、
小さいけど結構しっかりして高そうな作りだな。

[ケネスはテーブルからナイフと手にとりしげしげと眺めた]

……。

[アンリエットのほうに気がつき、ふむ…と頷いた。]

見知らぬ子供、だな……。
この村の子供ではない、な？

[　コートをかけると、キッチンへと向かいコーヒーを淹れた。凍えていた頬に蒸気があたり、心地良さそうに目を細めた　]

［抑揚のない口調で。］

ユージーンさん、ですね。
昨日の夜、あなたが人狼の話をしているのを聞きました。

アンリエットちゃんよ。
吹雪で迷っちゃったんですって。この子すごいお嬢様よお。

……ケネス。
ちょっとそこの嬢ちゃんにナイフを渡してくれないか。鞘もな。

心当たりがあるのかもしれん。

おおう。
また吹雪いてきたのか。
これは当分村の外へは出られそうにないな。
みんな、こんばんは。
[ナサニエルは緊張感のない様子で皆ににこやかに挨拶をしている。]

[　温かなコーヒーをカップに淹れると、アンリエットとリック、トビーに差し出した。他の人間の手には、アルコールの入ったグラスがあることは解っていた。椅子に腰掛けると、自分のコーヒーにはウィスキーをたらしゆっくりと飲み込んだ　]

ほう…。人狼について、何か話を知っているのか？

お嬢様、か…。

[興味深そうに、椅子をアンリエットのほうへ向けて酒を口に含んだ。]

[うっすらと雪が降る中、トビーは酒場までたどり着く。
入り口の前で防寒着についた雪をはたき落とすと、ゆっくりとドアを開けた。]

こんばんは、今日も寒いですね。

…アーヴァインさんはまだ来てないんですか…
この年で連日酒場通いって、周りにどう見られるんでしょう。

[トビーは苦笑すると、防寒着を脱いで近くのイスに腰掛けた。]

……どこで、これを拾ったのですか？
これは……私の、あ……兄のものです。

ん？あぁ他にみたい奴がいるかな？

うーんこんな高そなナイフ、
売っちまったらフレディにツケが払えるのにな。

[名残惜しそうにテーブルにナイフを置く]

[　ナサニエルに視線だけで挨拶を交わすと、アンリエットとユージーンを交互に見やった　]

[昨日と同じように凍てついた扉をガコンと蹴り開けた]

…無理だ、無理無理！
狭いと言って、どうやって村中この吹雪の中を探せってんだ。
毎晩毎晩吹雪きやがって…

[顔ぶれを見渡し]

ふぅ…みなさんこんばんは、と。

[　騒々しく現れたクインジーに、微笑みで挨拶を返すと、アンリエットの言葉が耳に響いた　]

……アンリエットのお兄様のなの？

［クインジーを見て息を吐いた］
その調子じゃあ、アーヴァインさんは見つからなかったみたいだけど。
無事でよかったわ。吹雪いてたでしょう。

どこで、か……。
出来れば団長が着てからその話をしようと思っていたんだが、聞きたいか？

[ケネスが置いたナイフを取り、アンリエットの前に持っていった。]

……え、ええ。
……そう。……その周りを探せば、きっといるはずだわ……。

ふむ？
小さなレディ？アンリエット･･･でいいのかい？
このナイフが君の兄さんのもので、なぜかユージーンが持っていると。
なかなか興味深いね。
僕もどういうことなのか聞いてみたいよ。興味本位で悪いけれどね。

[酒を飲むペースが少し早いか、と内心思ったがまた酒を口に含んでクインジーのほうを少し見た。]

……。
まぁ、いつか言う事だしな。

周りのやつらも知っておいたほうが良いだろう。人も集まってきたようだし、な……。

……と。
あれはアーヴァインか……？

[　コーヒーに口付けながら、ユージーンの言葉に耳を傾けていた　]

ふむ？
アーヴァインが来たのか？

村のはずれで、死んでいた。

持ち主は男。銀のナイフで抵抗をしたようだが、無残な姿になっていたよ。人間業では有り得ない力か、複数犯でやられたか……。どっちにしろ、見ただけで死亡していると分かる有様でな。

そして、アーヴァイン団長がココに人を集める直前にも女性の遺体があがっている。…まぁ、それがココへ人を集めた理由と言うか、発端だ。

[そこまでを一気に言い切ると、反応を見るように周囲を見渡した。]

なに……？
何故そんなことを今まで黙っていた？

[　驚愕の表情を浮かべ、ユージーンを見つめた　]

……ぇ？
……し……死んでいた？

[　アンリエットの言葉に振り向き、何ともいえない表情を浮かべた　]

[アーヴァインに連れられて、少女がやって来る。]

ハーヴェイ様！ハーヴェイ様！
……人狼が、現れました。
私、見てしまったんです。黒い影を。
雪崩で道を塞いだのも……きっと奴等の仕業です。　
アーヴァインさんも言っていました。この村には人狼がいる可能性がある……と。
この村にはきっと……奴等がいるのです。今か今かと、夜の帳が落ちるのを待ちながら。
ハーヴェイ様、私……私、どうすれば……。