村人は集会場に集まり誰を処刑すべきか話し合った…… | 冒険家 ナサニエル 糞！なんでシャーロットが猟銃なんて持っている！ 殺しちゃいけなかったんだよ！殺してしまったら犯人と何も変わらないだろうが！ |
2005/10/11 01:41:19 |
 | 村長の娘 シャーロット [【回想／２０９号室】 ローズマリーは静かに頷いて、…わたしが落ち着くのを待ってから、ゆっくり問い質した。] 『この弾丸で、次の犠牲者を狙うの？』 ─っ違うわローズマリー！わたしじゃない！これは、いざというとき、自衛できるように [いいかけたわたしの言葉は、ローズマリーの胸にふさがれた。ぽん、ぽん、と。優しく背中を叩いてくれて。幼いころに母に慰められた時のように、安らいだ。] 『そうね、解ってる。だけど、こんなものが見つかったら、当然疑われるのよ？』 …うん。わかってる。 『ぜったいに使わない、そう約束して。』 …うん。 [わたしの小指とローズマリーの小指が絡まり、誓いを立てた。] |
(16)2005/10/11 01:43:57 |
| 村長の娘 シャーロット わたし、なにをしたんだろう。 リックが不安そうな顔で、刃を振り上げていた。 …振り上げていたのかな。 その顔は、倒れたわたしじゃなくて、血を流した刃を見ていなかったかな。 そのあと、差し出した手は、刃を持っていない方じゃなかったかな。 その手は…開いていなかったかな。 |
2005/10/11 01:48:28 |
 | 双子 リック すべてが遠くにかすんでいく―――― |
2005/10/11 01:53:23 |
| 双子 リック 不思議と痛みはなかった。 自分の行いを鑑みて自らの神経が変わってしまったからだろうか。 |
2005/10/11 01:58:25 |
| 双子 リック 人を殺めることに、人々を恐怖に落とすことに後悔はなかった。 後悔があるとすれば、僕にすがりついてくれている僕の妹―― |
2005/10/11 01:59:55 |
| 冒険家 ナサニエル リック、お前がアーヴァインさん、ヒューバート、そして俺を殺したのか？ [リックを睨み付ける] |
2005/10/11 02:04:28 |
| 双子 リック ディ、ディは死なない、死なない… どうか僕のぶんまで… |
2005/10/11 02:06:04 |
| 村長の娘 シャーロット そっか。ほんとに、犯人だったんだ。 なら、悪いことじゃないよね。 それなら、この銃は。殺人じゃなくて、処刑をしたんだよね。 …正義を、おこなったんだよね。 |
2005/10/11 02:10:00 |
| 双子 リック [ナサニエルの視線に気づき、目を合わさずに答えた。] 僕は…僕と僕の意志を同じにする人との目的をやっただけだよ… |
2005/10/11 02:10:56 |
| 双子 リック ディ…もういいんだ…僕のために泣かないでくれ… いつも、いつも泣かせてる僕だけど、今日という今日はもう見たくない… |
2005/10/11 02:12:55 |
| 冒険家 ナサニエル そうか…、だがお前のやった行為の結果がこれだ。 殺したから殺しかえしたって結局は解決しない、お前の傲慢さが妹を泣かせている。 それだけは忘れるな…。 |
2005/10/11 02:16:03 |
| 双子 リック [リックはナサニエルの言葉を聞きながら、うつろな目でウェンディを見ていた。] ディ……もうひとりの復讐者がディを利用するかもしれない……どうかそこには…陥らないでくれ… |
2005/10/11 02:23:08 |
| 冒険家 ナサニエル それですむと思っているのか？もう一人復讐者がいるなら、お前の兄弟ってことだけで無条件で殺されるかもしれないな。 なにせお前は殺人者だからな…、妹も同じに見られたって不思議じゃないさ…。 |
2005/10/11 02:27:48 |
| 双子 リック 僕は彼の仇を討たなければならない、仇を… ディはそれを知らない。だから、何も言わなければいいし、いいようもないはずだよ… |
2005/10/11 02:30:48 |
| 冒険家 ナサニエル 知らないから殺されない？そんなわけないだろう？ 周りから見たら知らないのと知ってて黙ってるのは大差ない…。 お前と兄弟ってだけですでに怪しいんだよ…。お前が周りを殺したからウェンディは殺されるかもしれんって事だ。 ウェンディの事を思っているなら最初からこんなことしたのが間違いなんだよ！！ |
2005/10/11 02:34:20 |
| 双子 リック 言いたければ言えばいいよ…ディの障害は全部僕が受ける。 それが…ぼくのつとめだよ。 |
2005/10/11 02:35:52 |
| 双子 リック ディ……泣くな…いや、そんなことを言う資格も僕にはないのか…… でもさんざん泣かせてきたのに、どうしてこんなこと思うんだろう… |
2005/10/11 02:54:14 |
| 冒険家 ナサニエル 死んだお前に何ができるかな…、もう死者以外には声は届かないんだ…。 まぁせいぜい考えるがいい、自分の侵した罪の重さをな、ここでできるのはそれだけだ。 [ナサニエルは少し寂しそうなそぶりを見せながらリックの傍から去って言った] |
2005/10/11 02:54:59 |
| 双子 リック [リックはただ何も言えず、ウェンディの重い足取りと、こぼれる涙を見つめていた。] |
2005/10/11 03:01:51 |
| 冒険家 ナサニエル ローズマリー…………。 |
2005/10/11 03:15:20 |
 | 新米記者 ソフィー 『ねぇ、ソフィー。 一つ気になってた事があるの。 ソフィーはどうして2つも指輪を嵌めてるの…？ 2つとも、ギルバートから贈られたの…？』 [リングの事に触れられ、ソフィーは冷静さを失っていた。そして、以前ローズに感じていた感情が甦る。 （ローズは調査隊の一員。そして、スチュアートの死を遭難と…… 共に調査隊であるのに、何故スチュアートが殺されたと知らない…？ ―――ローズは、何か隠している……？） そんな思いが、ローズからの問いを無視する。] ローズ、私も気になってた事があるの。 何故ローズは嘘をつくの…？ 何故スチュアートの死は遭難だって言うの…？ 本当の事言ってよ…。 |
(*2)2005/10/11 03:29:53 |
| 双子 リック 僕と意志を共にする人…お姉さんがローズさんを狙いに行く… ローズさんは実行犯じゃない…彼を置き去りに…ううん、ひとりで彼に危害を加えた人がいる。 まだ…まだ復讐は続けなければならないよ。あの人を、そしてあの人を殺すまでは… |
2005/10/11 03:54:42 |
| 双子 リック [リックの脳裏にもうひとりの復讐者の意志が響く…] |
2005/10/11 04:03:36 |
| 双子 リック ごめんなさい……僕…… お姉さんを守り続けることができなかった…… あいつはまだ生きてる…気をつけて…あいつは…お姉さんを… |
2005/10/11 04:25:21 |
| 双子 リック お姉さんの悲しみは、僕がもつから…泣かないでよ… 今は潜んで隙を窺って…ただ、ただあいつを… |
2005/10/11 04:45:04 |
 | 見習いメイド ネリー [暗闇から滲むようにしてネリーは姿を現し、 ふわりとお辞儀をした] …リックさま…ローズマリーさま…ナサニエルさま…皆様、お疲れさまでございました… …リックさまは、復讐者の側の方でいらっしゃったのですね。 そしてウェンディさまは、そのことをご存じではない… リックさまのお心には負担がおありだったでしょうに…さぞお辛かったでしょう。 ナサニエルさまも、あの場で命を奪われたのは…無念だったでしょう… 疑惑を解明して、スチュアートさまとアーヴァインさまの仇を取って戴きたかったです。 ローズマリーさま… あなたさまが今日、復讐者の凶刃に…… [ネリーはその場に立ち尽くして、雪崩で崩れた館の中を方を眺めている] |
2005/10/11 09:59:51 |
| 双子 リック 僕は、彼の無念を晴らすためにここへ来た。 でもディはこの山荘へ来たいと言い続けた。 僕は反対した。「来るな」と。 「どんくさいから来るな」や「面倒みたくない」など多くの言葉をかけながらディの同行に反対した。 でも本当の理由は言えなかった。 「（危険だから）来るな――」と。 |
2005/10/11 10:09:09 |
| 双子 リック 彼女は真相をしらない。真相を突き止めるには彼女自身の英知によって辿り着かなければならない。それが不憫だよ…… [リックは闇のなかで案山子のように立ちつくしている。] |
2005/10/11 10:13:56 |
| 見習いメイド ネリー [ネリーは誰にともなく静かに話し始めた] …私は、前に仕えていたお屋敷の奥様のお生まれになったという、この辺りが好きでした。 奥様がまだお若い頃…ご結婚の為に海を渡られ、暮らされていたことを私は幾度も耳にしていました。 その頃私は奥様のお家柄のことは存じておりませんでした… ただ、由緒あるお家柄をお持ちであろうことは、立ち居振る舞いや言葉の端々から理解できました。 ロンドンはこちらよりも空気が悪く、生来あまり身体のお強くなかった奥様は、肺を病まれ… 旦那さまの一大決心でお家の皆様ごとこちらに戻っていらしてから… 初めて私は奥様の家柄のことを知ったのです。 …奥様が、古き血……ハプスブルク家の血に連なっていらっしゃる、ということを。 [ネリーはそこで言葉を切って、悲しそうに瞳を閉じた] |
2005/10/11 10:20:05 |
| 双子 リック [リックはネリーのへは目をやらず、ただ空虚を見つめネリーの言葉を聞きながら、拳を握りしめていた。] |
2005/10/11 10:22:15 |
| 見習いメイド ネリー [ネリーは立ち尽くしているリックの肩をそっと優しく抱き締めた] …本当のことは、伝えたくても伝えられなかったのですね。 [ネリーは、ふとリックに問い掛けた] …もしもウェンディさまが真相に気づかれたら… リックさまはどうなさるおつもりだったのでしょうか？ |
2005/10/11 10:26:07 |
| 見習いメイド ネリー [ネリーは、屋敷に残されているセシリアとウェンディのことを想って、 彼女等の無事を強く祈った] |
2005/10/11 10:29:18 |
| 双子 リック [リックはネリーに肩を抱かれてもなお、呆然と下を向いていた。 今もなお気遣って接してくれるネリーの優しさが怖かったからだ。] |
2005/10/11 10:37:20 |
| 双子 リック ディがもし全てを知っても…僕は何もしなかった、できなかったような気がする。 僕はそれでもディを守ろうとしていたんじゃないかな… 逆にディが僕を殺めるというのなら、甘んじて受けるつもりだった…この胸の傷を再び抉られることも厭わない… |
2005/10/11 10:37:41 |
| 見習いメイド ネリー [ネリーはリックの言葉を聴いている。 彼の言葉からは、強い意志と、妹を想う心を感じた] …人には、それぞれの想いがございます。 私はそのことに口を差し挟むつもりはございません… ただ、強すぎる想いは時として人の心を壊します… ご自分でも気づかれないうちに、ゆっくりと… しかし、リックさま… あなたさまは復讐の想いに囚われながらも、 同時にウェンディさまの身を案じていらっしゃる。 …それは素晴らしいことだと、私には思えます。 あなたさまは復讐の念だけに囚われてはいらっしゃらない… そのことが解って、私はホッとしました。 [ネリーは、リックの方を眺め、優しく微笑んだ] |
2005/10/11 10:58:34 |
| 双子 リック [リックはゆっくりと顔を起こし、ネリーの表情を見た。しかし彼女の表情を知ることはできなかった。 ネリーのその諭すような言葉からどのような顔をしているかは想像に難くなかったが、リックの両瞳にはとめどない涙が溢れそうになっていたからだった。 悲しみが涙に濃度をつけて頬を下っていく。] あれ…どうして僕、涙が… ディのために僕が泣くなんて…そうだ、あの時以来だ…ディに胸を切られ、ただ痛みに耐えらえずに声を上げて泣いたあの時以来だ… |
2005/10/11 11:08:20 |
| 見習いメイド ネリー [ネリーは何も言わずにリックの頬を伝う涙をそっとハンカチで拭い、 僅かに震えている彼の肩を抱きしめた] |
2005/10/11 11:17:02 |
| 双子 リック [リックは目を閉じてしゃくりながら無意識にネリーに身体を預けていた。] |
2005/10/11 11:21:33 |
| 双子 リック [そして思い出すかのように自らの言葉を紡ぎだした。] 僕はある人を尊敬していた。 聡明な人で、僕に行き方を指し示してくれた人だった。 お金をもうけることに執心する父とはまた違う価値を見出してくれる人だった。 その人とは、ロンドンで出会った。 僕は彼を敬い、彼も僕に優しくしてくれた。 そして僕はやがて、彼の左手にあるリングが留まっているのを見つけた。 無意識にその意味に深い想いが込められていることは察したけど敢えて僕が聞こうとは思わなかった。 彼の気持ちに踏み込みたくなかったんだ。 |
2005/10/11 11:22:07 |
| 双子 リック そして僕は偶然、彼のリングを発見することになったんだ―― |
2005/10/11 11:23:14 |
| 双子 リック でも、違った。それは彼の指輪ではなかった。 指輪はひとつではなかったんだ。 そのリングは、ある女性の左手の小指におさまっていたんだ―― |
2005/10/11 11:24:57 |
| 見習いメイド ネリー [ネリーはリックの言葉を静かに聴いている] |
2005/10/11 11:27:22 |
| 見習いメイド ネリー [そして静かな声でゆっくりと言った] [ネリーは一度言葉を切り少し首を傾げて考えを巡らせたのちに口を開いた] …その女性の方とは…ソフィーさま……ですね。 |
2005/10/11 11:28:53 |
| 双子 リック 彼女は僕よりも遙かに、真実の中心に近づいていた。 彼女は僕に、正確な彼の最期のメモを見せてくれた。 彼女もまた、その人を深く愛していたんだ。 |
2005/10/11 11:30:58 |
| 双子 リック [リックはネリーの短い言葉を聞き、しばらく体を震わせていたが、やがてはっきりと一度だけ大きく頷いた。] |
2005/10/11 11:32:28 |
| 双子 リック 僕の尊敬してる人の名前はスチュアート…… ……そう、みなが恐れているその名と同じ。 決して偶然じゃない。だって、他人のそら似なんてものじゃないもの…… けれど、スチュアートがハプスブルグ家の財産にこだわるのには理由があった。 それは僕にもディにも、そしてネリーさんのご主人にもまったく関わりのないものではなかった。 スチュアートはハリントンという名字を名乗っていた。 それは隠し子であった故の、世間体を気にするものであったからだったんだ。 |
2005/10/11 11:35:04 |
| 見習いメイド ネリー [その女性の置かれた立場を想うと、 ネリーは身も張り裂けそうな深い悲しみと絶望… そして裏切りに対する強い憤りと、復讐の念を感じた] |
2005/10/11 11:35:45 |
| 双子 リック だって、彼の、スチュアートさんの本当の名前は……スチュアート・ハリントンではなくて……ス、スチュ…っ。 [そこまで言うとリックは堪えきれずになり言葉が続かなくなった。 リックは肩と胸を大きく震わせ、涙をこぼした。] |
2005/10/11 11:38:58 |
| 見習いメイド ネリー [震えるリックの身体を、ネリーはしっかりと抱き留めた] |
2005/10/11 11:41:34 |
| 見習いメイド ネリー スチュアートさま、リックさまとウェンディさま…そして私のお仕えしていた奥様… それらを繋げるは、古き血… ハプスブルクの血…でございますね。 |
2005/10/11 11:42:12 |
| 双子 リック うっ……。 [リックはネリーにすがる資格はないのかもしれない。 けれど手を、身を差しのべてくれるネリーの優しさに堪えきれず、思わず身を預けて泣き始めた。] |
2005/10/11 11:43:40 |
| 見習いメイド ネリー その血の力は欧州を裏から支配し… 人の運命をも左右する、古く、そして強い血の力…… |
2005/10/11 11:46:12 |
| 双子 リック [リックはネリーに抱えられながら、またもうひとつ頷いた。] |
2005/10/11 11:46:15 |
| 双子 リック [運命ってなんだろう…… あまりの残酷さに思考が止まる―――] |
2005/10/11 11:47:15 |
| 見習いメイド ネリー [ネリーはリックの背中を幾度も幾度も、 宥めるように優しくさすった] |
2005/10/11 11:48:54 |
| 見習いメイド ネリー [そして静かな声でゆっくりと言った] いまの私たちにできること… それは互いの想う人をこちらから見守り、 その想いが成就するように祈ること… …ただそれだけだと思います。 私は、セシリアさまとウェンディさまのことを… そしてリックさまはウェンディさまと… あなたさまが想うその方の願いが成就するように祈って差し上げてください… [ネリーはふわりと立ち上がった] |
2005/10/11 11:51:41 |
| 双子 リック [リックは泣きながらネリーを見上げ、静かに頭を一度縦に振った。] |
2005/10/11 11:53:02 |
| 双子 リック [リックは言葉にならず、ネリーの腕に不意に手に取った。] |
2005/10/11 11:56:05 |
| 見習いメイド ネリー …どうかなさいましたか、リックさま。 [ネリーは優しく微笑みながら、リックを見つめている] |
2005/10/11 11:58:54 |
| 双子 リック [リックは言葉にならず、ネリーの手を急に取った。 そしてネリーの手に、リックはある文字を指で書いた。 その名は、Stewart Whittier.... リックはそのまま顔を伏せてしまった。] |
2005/10/11 12:00:57 |
| 見習いメイド ネリー [リックの指で書かれた文字…… その綴りに込められたもの… それらを理解して、ネリーは頷いて瞳を閉じた… まるで全てを察したかのように…] |
2005/10/11 12:08:51 |
| 見習いメイド ネリー [そしてネリーは顔を上げ、リックの方を見て微笑んだ] それでは私は、旦那さまにお逢いして参ります。 こちらにお茶の用意をしておきますので、よろしかったらお召し上がりくださいね。 きっとこちら側ではお茶やスコーンが冷めたり、ぱさぱさになっなりはしないでしょうから。 …尤も、こちら側ではお腹が空くことはないかもしれませんけれど… [そう言って苦笑しながら、ネリーは傍らに温かい紅茶の入ったティーポットと茶器、 銀の大皿に盛られた焼きたてのスコーン、たっぷりのクロテッドクリームとジャムの入った器をそれぞれ用意した。 そして微笑みながら深くお辞儀をすると、闇に溶けるように*消えていった。*] |
2005/10/11 12:11:13 |
| 双子 リック [リックはそのまま力が抜け、無意識にネリーに寄り添うように体を預けていたが体を起こし、ネリーに深くお辞儀をした。そしてそのまま闇を*見つめていた*] |
2005/10/11 12:13:45 |
| 新米記者 ソフィー 【別荘の外】 [階段を下り、エントランスへと向かう。 大理石の床には、昨晩の血劇を思い出させるように痕が残っていた。ソフィーはそれから目を背けると、エントランスの扉を開けた。 別荘の外は、相変わらず激しい風と雪が続いていた。風の音は何かの呻き声にも聞こえ、ソフィーの心の中に沁み込んでいった。風に煽られる雪は穢れた血を洗い流すように別荘の中へと降りこんでいった。 ソフィーは目の前に積み上げられた雪を必死にかき分け、その中に鞄を埋め込んだ。 ―――ソフィーの体を打ちつける風と雪。 本来なら耐え難いものだが、この時のソフィーにはとても心地がよかった。] |
(83)2005/10/11 18:34:40 |
| 双子 リック [闇の中から声が聞こえる。誰かが僕の名を叫ぶ…] 『ねぇ、リック。 今日は誰を殺せばいい…？ 貴方を殺したシャーロット……？ 私の手を護ろうとしてくれた、リック。 今日は、貴方の為に手を穢すわ。』 |
2005/10/11 18:40:42 |
| 双子 リック [リックは再び目を開け、立ち上がろうとする。 ゆっくりと起きあがり、闇の中を見渡す。] うっ…ここは…いいや、あいつだ… あいつは… ！！ まだ…いる… あいつを……殺さないと……っ！ 僕を撃った彼女……そう、シャーロットだ。 僕が彼女に撃たれたことは後悔していないし、恨みもしていない。 けれど彼女は雪山の中で彼を…ダイヤモンドダストの嵐の中でもしやすると…… |
2005/10/11 18:41:02 |
| 双子 リック 僕は奴らが許せない。 関係のないディにまで危害を加えようとする彼らを。 あの二つのピンキーリングの持ち主を穢す彼らを。 oO(そして何より、、調査隊に随行し、あの人をを葬った彼らを――っ！) |
2005/10/11 18:41:20 |
 | 書生 ハーヴェイ 【214号室】 [ ハーヴェイはベッドに横たわっていた。 出来るだけ表に出さぬようにはしているものの、風邪を引き、その後雪に埋もれて、体調が優れずにいたのだ。 ――かちり。 ドアから音がする。 ハーヴェイは布団の中でいつでも飛び出せるようにと身構え、薄目を開け耳を澄ます。 軋みを立てぬようにと注意しての事だろう。ゆっくりと開いたドアから人影が部屋に滑り込む。 廊下の電灯に照らされたそのブロンドの髪……ソフィーだった。 ソフィーはゆっくりと暖炉の方へ向うと、そこにあるものを抱える。からん、という微かな音。それは木の当たり合う音だった。物音を立てたソフィーは、ハーヴェイの方をゆっくりと見やる。 ハーヴェイが身じろぎひとつせずにいるとソフィーは踵を返し……静かに部屋を後にした。 遠ざかる足音を確認し、その後暫しベッドの中で物思いに耽ると、ハーヴェイはゆっくりと身を起こした。 その面に浮ぶ表情は、常の時の軽快さとは程遠く……何を思っているか窺い知ることの出来ぬものを抱えているかのようであった。] |
2005/10/11 18:53:35 |
| 双子 リック ん……僕のためよりも、あの人のためを思って動いて… そして、気をつけて…… 引き金を引くのは右手…左手は添えるだけだよ。 あなたのその手は…あの人が愛した手だから… |
2005/10/11 18:57:33 |
 | 双子 ウェンディ 【回想/午前/208号室】 [再び目を開けると朝がやってきたらしい。双子であり大切な存在であるリックが居なくなったのに朝がやってきてひとり生きていることが妙に奇妙に思えた。横で寝息を立てているセシリアの顔をぼんやりと眺めているうちに現実に引き戻される。] リック……… なんで…？ あのことがあってからリックは私のことを妹してではなく違う存在としてみているようだったけど… それでも色々お話してくれていたのに… なんで、リックはアーヴァイン卿やヒューバートさんやナサニエルさんを殺したの………？ ハプスブルグ家の財宝？ そんなものに興味があったの…？ 今までリックからそんな話を聞いたことはなかった。 『ん…』 [私の独り言が眠りの妨げになったらしく、軽く身じろぎをしてセシリアが目を覚ます。] |
(86)2005/10/11 19:19:47 |
| 双子 ウェンディ セシリアさん… 昨日は一緒に居てくれてありがとうございました。 私、セシリアさんがいなかったら…。 [ここまで言ったところで、セシリアから大切な叔父を奪ったのがリックであるということが思い浮かび、言葉が続かなかった。言葉をなくした私の気持ちを察したように、セシリアが少し辛そうに微笑んだ。] セシリアさん… 私、なんて言ったらいいのか……… リックのしたこと、どう償っていいのか… 『これで終わればいいんだけど…』 [ぽつりとセシリアがつぶやいた言葉で、誰かが言っていた犯人は複数という言葉が思い出され胸騒ぎがした。もしまだ犯人が残っているのだとしたら、リックが何故人を殺めなければならなかったのか、何を望んでいたかがわかるかもしれない、と思った。そしてそれがセシリアに私ができる唯一の償いである、とも。] |
(87)2005/10/11 19:20:05 |
| 双子 ウェンディ 【回想/昼前/１Ｆ→105号室】 [踊り場まで来ると重苦しい顔でゴードンが歩いてくのが見えた。ゴードンが来た方角へ進んでいくと、105号室の扉が開いているのに気がついた。中に足を踏み入れるとそこには、リックとリックにすがるようにして眠るソフィー、冷たくなったローズマリーの遺体があった。] ………！！ ローズさんっ？ [一目で絶命しているのがわかり、そっと目を伏せた。そして、恐る恐るリックとソフィーへと近づく。] ソフィーさん… 泣いてる…？ どうして？ ソフィーさんとリックってそんなに…親しい仲だった…の？ [自分の知らなかったリックの一面を見たようで軽く衝撃を受け、明るい笑顔を見せていたソフィーへの疑問が胸の中に沸いてきた。泣きつかれた寝顔を見るうちに、顔の横に添えられた彼女の指に指輪が足りないことに気がついた。] |
(90)2005/10/11 19:43:01 |
| 見習いメイド ネリー [ネリーは暗闇の中から滲むように姿を現し、 セシリアとウェンディのいる側を眺めながら、 『力の指輪にまつわる物語』の中に書かれた有名な詩を 思い出したかのように小さな声で呟いた] 『…三つの指輪は空の下なる森妖精(エルフ)の王に 七つの指輪は山の主なる岩妖精(ドワーフ)の王に 五つの指輪は命短き人の王に… …一つの指輪は全てを統べ、くらやみの地に繋ぎ留める… 影多き冥王の国に』 …指輪は、それにまつわる人々の運命をも左右し、 時には持ち主をも酷く狂わせるもの… 運命の指輪をお持ちの方々が、最後までその意志を貫かれますよう… そして、セシリアさま…ウェンディさま…… お二人に…森妖精が愛した夕星(ゆうづつ)と夜啼鶯(ナイチンゲール)の加護がありますよう… [ネリーは暗闇の中で二人の身を案じて*祈り続けた。*] |
2005/10/11 21:42:43 |
| 新米記者 ソフィー 【二階吹き抜け近く】 …知ってるわ。 リックの傍で眠ってしまって…目を覚ました時には、隣にローズの姿があったわ。 ローズはどうして亡くなったのかしらね。 |
(2005/10/11 21:47:13、新米記者 ソフィーにより削除) |
 | 文学少女 セシリア 【208号室】 『いつも一緒だったわけではないです……。兄は食事に誘いに行っても不在だったこともありましたから…』 そう… [セシリアは少し考えると、昨夜の夢の話をしはじめた。] […騎士が小さき人を救おうと幽鬼と戦う夢…騎士の正体は、高貴な女性であること… そして目覚めの直後に開けた運命の袋から、姫と小さき人と騎士の剣のカードが表向きに出てきたこと。] そう、私を雪崩から助け出したあと……最後にあの袋に触れたのは……ソフィー…。つまりカードはお姉さまの運命を示しているわ…。 もし、姫がお姉さまで…………小さき人がリックであるなら… 気丈なお姉さまの嘆きは…わかる気がする…… ウェン…、リックがあなたのそばにいなかった「時」を…探すのよ。 |
(106)2005/10/11 21:48:44 |
| 双子 ウェンディ 【ラウンジ】 [薪が尽きかけ寒さが迫っているのを感じた。ゴードンの部屋はわからなかったが昼見たゴードンが去っていった方向なのだと思い、セシリアにそう告げた。] ここにいたら凍えちゃう…。 一緒にゴードンさんのところに行きましょう。 [セシリアを促すと連れ立って、ラウンジを出た。] |
(2005/10/11 22:34:57、双子 ウェンディにより削除) |
| 村長の娘 シャーロット あのとき… リックがエントランスに飛び出したとき。 ウェンディはどうしていたのだったか。 覚えているのは、長い長い沈黙のあと、ウェンディがリックに取り縋って嘆いていたこと。 わたしにリックを撃ち殺す時間があったように。 ウェンディには、ローズマリーを殺める時間が… |
2005/10/12 00:08:03 |
| 冒険家 ナサニエル やれやれ、リックが死んでもはや見境が無くなってきたな…。 |
2005/10/12 00:08:13 |
| 冒険家 ナサニエル それと、ネリー、君には申し訳ない事をしてしまった、君の命を奪う原因を作ったのも俺、そしてアーヴァインさんが殺される原因を作ったのも俺。 謝ってすむ事じゃないと思う、だから俺をどうしようとかまわん、好きに扱ってくれ…。 |
2005/10/12 00:09:40 |
| 文学少女 セシリア 焦燥……悲哀…… |
2005/10/12 00:09:58 |
 | 酒場の看板娘 ローズマリー 頭が割れるように痛いわ……。 随分、暗い場所に来てしまったみたい。 ここは……どこ？ |
2005/10/12 00:17:07 |
| 酒場の看板娘 ローズマリー [シャーロットが泣いているのが遠くに見える。] ……あれは、私たちの209号室。 シャーロット、どうしてそんなに悲しそうにしているの？ 泣かないで。 [震えるシャーロットの肩を抱こうとして、ローズマリーは自分の腕が透けていることに気がついた。] …………。 視界が赤い……。 [頭部から流れる血が、ローズマリーの視界を覆う。] |
2005/10/12 00:20:33 |
| 村長の娘 シャーロット アーノルドさんを襲い、ヒューバートさんを襲い。 リックとウェンディは、ハプスブルグ家の古い遺産を狙うわたしたちが、これ以上活動できないようにした。 そして、ナサニエルさんを襲い、確かな知識を奪った。 …ひょっとして、スチュアートさんだって、ウィティア仕業かもしれない。 あとはわたしたちを皆殺しにするだけ… ウェンディは、ローズマリーから手をつけた。 そんなこと。…許さないんだ。 |
2005/10/12 00:20:35 |
| 文学少女 セシリア 【218号室前】 ハーヴェイさん、私は……あなたを信じます あなたの示された運命……あなたはおそらく狙われる立場です… だから、…… 『カツン、カツン、カツン…』 [階段の下から、昇ってくる不気味な音が聞こえる…] |
(2005/10/12 00:26:16、文学少女 セシリアにより削除) |
| 冒険家 ナサニエル ローズマリー、お前も済まない…。 俺達の巻き添えを食わせてしまったみたいだ、ローズマリーは何も悪くないのに…。 本当に済まない…。 |
2005/10/12 00:27:34 |
| 酒場の看板娘 ローズマリー [ナサニエルらしき人影が傍に居る事に気が付いた。暗くて相手の顔をはっきりと見る事は出来ない。ただ、相手がナサニエルであることは声でわかる。] その声はナサニエルさん……。 ああ、私は死んでしまったのね。 [死んでしまった事を自覚した途端、暗い部屋でスライドをめくるように、今までの光景がローズマリーの目の前に浮かんでは消えた……。] |
2005/10/12 00:42:18 |
| 酒場の看板娘 ローズマリー ……シャーロットがリック君を。 そしてリックが、アーヴァインさんを殺した犯人…。 ああ、シャーロット、セシリアさん、ウェンディさん。 私はあなた達を守りたいと思っていたけれど、守りきれなかった……。 特に、人を殺してしまったシャーロット、あなたが心配だわ。こんなにも、あなたを抱きしめてあげたいのに、私にはもうそれが出来ないのね……。 |
2005/10/12 00:45:59 |
| 酒場の看板娘 ローズマリー [ナサニエルの声のする方に近づく。ナサニエルに手を伸ばしたいと思うものの、ローズマリーの腕はやはりナサニエルの体をすり抜けてしまう。] ……ナサニエルさん、謝らないで。 本当の事をいうと、私は、あなたやハーヴェイさん、それにギルバートさんの事を少し疑っていたわ。ナサニエルさんが殺されてしまうまで……。 ギルバートさんの事は、今でもまだ…少し。 |
2005/10/12 00:49:09 |
| 冒険家 ナサニエル シャーロット！もうやめろ！お前が一番分かっているんだろ！リックを殺して何が残った！虚しさだけだろう！ やられたからやり返すそれじゃ駄目なんだよ！ 糞！なんで俺はこんなところにいる？どうして俺の声は届かないんだ！！このままじゃ更なる悲劇を生むだけだって言うのに！ [ナサニエルは何もできない自分の不甲斐無さを嘆くかのように地面を叩き続けた] |
2005/10/12 00:50:18 |
| 酒場の看板娘 ローズマリー ……シャーロット。 私は殺される少し前は、ウェンディさんと一緒にいたわ。 殺人犯とは言え、人を殺してしまったあなたは今……平静ではない。 ハーヴェイさん、どうか……シャーロットを止めてあげて欲しい。 [ローズマリーは透きとおる涙をはらはらとこぼした。] |
2005/10/12 00:57:01 |
| 双子 リック ………！！ ディ、やめろ！ お前の命は何よりも、僕の命よりも尊いものなんだ…っ |
2005/10/12 01:01:39 |
| 酒場の看板娘 ローズマリー ……シャーロット、駄目。 |
2005/10/12 01:05:29 |
| 冒険家 ナサニエル シャーロット！駄目だ。 撃つなぁぁぁぁぁぁ！！！！！ |
2005/10/12 01:07:26 |
| 冒険家 ナサニエル 俺もローズマリーもそんなことは望んでいない！ 俺が願うのはお前の幸せだけだ！ |
2005/10/12 01:10:51 |
| 冒険家 ナサニエル ちがう、違うよ、方法が間違ってたとは言え俺は裁かれなければ行けなったんだ…。 俺が死んだのは自業自得なんだ…、だから復習なんていらないんだ…。 |
2005/10/12 01:12:04 |
| 双子 リック 馬鹿っ、聞くまでもないよ…っ。 僕の心の中には…ディの心しか…見えてないよ… |
2005/10/12 01:16:36 |
| 冒険家 ナサニエル そう、ウェンディの言うとおりだよ。 俺はそんなお前の姿をみたくない…、だから落ち着け…、そして本当に今するべき事を考えるんだ…。 お前になら分かるはずだ！ |
2005/10/12 01:24:08 |
| 冒険家 ナサニエル シャーロット、それでいいんだ、よく思いとどまった…。 |
2005/10/12 01:34:11 |
