墓守 ユージーン ――2階客室-夢―― [夢の中で彼は何人もの人を殺しているのを見る。] [昏い昏い路地。逃げてゆく足音をひたひたと追いつめて喉を切り裂いた少女。 どうなっているのか分からずに、呆然と自分の指を見る玩具をあげて連れてきた少年。 助けてくれと懇願しているにも関わらず、森の中で殺した老人。 一度だけ娼婦もあった。] [主に殺すのは新月の夜と、旅に出た時。] [一夜を街道で過ごし、親しみを覚えられた旅人を殺した。足がつくのは嫌なので、そのまま荷物ごと、森の奥深くに全て捨てる。] [そんな事を何年も続けていた。何の感慨もわかない] [何故か繰り返した] [場面は変わり、子供が一人でぽつんと墓地に座っている] [子供の前には墓石らしきもの] [傍らには誰もいない。その年齢の子供にしてはおかしい事だし、親がいれば無用心な事だ] [子供は、未だ自分には大きい指輪を、ただ、もてあそんでいた] | |
(0)2005/08/30 22:09:33 |
学生 ラッセル ―― 三階・衛士詰所 ―― [ラッセルは詰所の中で武器を取り出しては机の上に置き、並べていた。 大小あわせて10本ほど出してきたがその中から一つの特異な形状の剣に目を奪われていた。 刀身が火柱のように波打っている1.5mほどの両手剣、フランベルジュと呼ばれているものだった。 手にとって軽く振るってみたら、手にしっくりなじむいいバランスだった] これは…使ってみましょう。 焼け石に水かもしれませんが、昨日僕が持っていたものより性能は上のはずです。 あとは予備に二本ほど小剣も拝借して… [背中にフランベルジュを背負い、左腰に二本の小剣を吊るし、バランスを確認するとこの部屋から立ち去った] | |
(15)2005/08/30 23:59:18 |
お嬢様 ヘンリエッタ ――オードリー部屋―― 何よ。何一人で頑張っているの?馬鹿みたい。 [オードリーの隣にぽふと腰掛けると、オードリーを見ずに言った。] 人の事頼るのって難しいけど、自分じゃ如何にもならない事だってあるのわ。 私は其れを学んだの。ユージーンと出会って。 人を信じるのが怖かった、何時死んでしまうのか怖いから。ママのように……。 完全に体重を預けきってしまった時、失った時のショックに耐えられる自信が無いからよ。 皆私自身に興味があるんじゃない、私のパパのお金や権力に興味があるだけ。私は小さい頃から其れを知っていたもの。 臆病でしょう?貴方のことを罵れる立場何かじゃないのよ、私。 だけどね、んふふ、今はそんな事無い。ユージーンだけは信じられる。私ユージーンが居てくれるなら、何でも出来る気がする。 | |
(98)2005/08/31 02:58:19 |
酒場の看板娘 ローズマリー ――2階客室→地下室―― [2階の"彼女の物ではない"客室から出てくると、その唇についた血をぺろりと赤い舌で舐め取った。] 【"血の渇望"――。"あの事件"でお兄さまはそれを覚えなくなった。私は、どんなに辛いこと――沢山の大切な人を失っても――があっても、"血の渇望"に駆られなくなる事はなかったのに。そして、今も勿論、駆られなくなる事など、ないのに。】 だけど、どうにかしなくちゃいけないわね。 【この力の入らなさ具合……。】 [ローズマリーは爪を吸血鬼のそれへと変えて見せたが、先程と同様本来の力とは程遠かったし、持久するのも難しかった。] | |
(166)2005/08/31 05:09:21 |