見習いメイド ネリー 2人も取り残されちゃったの?とりあえず、会えてよかったぁ…… あと、ロッテとクインジー以外にも6人がここにいて、えーっと? [今ここにいるのは11人のはずなのに、届いてきたアーヴァインの声は「生存反応の数は9」だと言っていた。何よりも、ネリーが探している主人は―――彼はどうしたのだろうか?恐る恐る、ネリーは口を開いた。] ……ねぇ、あのおじさん、今ここにいる9人で全員だって言った? どういうこと? 乗っ取られたって、何?一体、何が起こったの? やっぱり、事故じゃなくって誰かがわざと…… [続きは、認めるのが怖くて言えなかった。] それに、ご主人様は…… ねりぃと違って、現実世界の方に戻れた、ってことなのかなぁ。 | |
(15)2006/09/20 00:38:12 |
見習いメイド ネリー [しばらくの間、ネリーは押し黙っていたが、シャーロットの手をそっと握り返すと、やがて淡々と喋り始めた。] クインジーが嘘をついてるとも思えないし、信じたくないけど…… 本当のこと、だよね。 ………。 あのね、ご主人様は何も言わなかったけど、何となーく、誰かに追われてるみたいだなー、って気はしてたよ。だって、ご主人様はわざわざ偽造IDを取って、ねりぃをAWNに登録したんだもん。ここだったら大丈夫だろうって思ってたんじゃないかな、きっと。 でも、結局はこの世界で悪い人に見つかっちゃって…… ねりぃが知らない間に、その人に殺されちゃったんだね。 何で知っているのか、いつから知ってたのか、最初から知ってたのか、気になるけど、言えなかったのはクインジーが優しいからだよね。ねりぃを傷つけると思ったから、言えなかったんだよね? ……ごめんね。正直に言ってくれて、ありがと。 [それだけ言うと、ネリーはふわりと微笑んだ。] | |
(45)2006/09/20 02:21:36 |
学生 ラッセル ─IDカード内・データソース─ [IDカードのマトリクス内に残されていた断片情報を蒐集。再構築していくことで、アーヴァインが秘匿していた情報を得ようとする] これは……凄い。カナンの管理プログラム総取っ替えで、完全にシステムを掌握したというわけですか。はは、まさしく神業……ってやつですね。 っと、これはもしかして。 [そう言って再構成されて出てきたものは、残存反応数をモニタするプログラム。それが示す数値は『8』] ビンゴ。あとは、誰の反応だか分かるソースを……!! [突如、世界にノイズが走り出す] ……やっば。堂々とやりすぎた。神様がお怒りってとこですか。 [軽口を叩きながらも額を伝う汗は冷たい] ……さて、はたして間に合うかな。 [冷汗を流しながらニヤリと笑うと、高速でログアウト処理を進める] | |
(51)2006/09/20 02:43:46 |
お尋ね者 クインジー [...は、ネリーの笑顔に何とも言えない気分になった] あぁ……君の口からラドクリフの名が出てきた時から、ずっと話すべきかと悩んだ。事実は、残酷だから…… 彼は言うなれば、君の生みの親だ。その死を君が受け入れられるかどうか……その事がずっと気がかりだった。 でも、強いなネリーは。辛いのに、辛くないわけないのに、俺の事まで気遣って…… ……決めた。俺は、ラドクリフの意思を継ごう。 ネリーの事を狙っている連中は、まだまだいるはずだ。 君は、感情を持った、初めてのA.I.だから。 心優しい君を、悪い人には渡せない。だから、俺が守ってやる。その悪い奴らから。 そして、いつの日か、俺の知っている事全てを君に話そう。 [...は、ネリーにニカッと笑って、尋ねた] かまわねぇよな? | |
(52)2006/09/20 02:44:08 |
見習いメイド ネリー [ネリーは、クインジーにこっくりと頷いた。] ロッテもクインジーも優しいね。 でも、ねりぃは強くないよ? 本当は、ずっと気づかないフリをしてたかったの。ご主人様に何が起こったのか気づかないフリをして、ずっと探していれば見つかるんじゃないか、って……クインジーにはっきり言われなきゃ、今もきっとそうしてた。現実から目を背けて、逃げようとして――― ご主人様に何もしてあげらなかったねりぃは、すごく無力だと思う。ねりぃにどんなことでも受け入れるだけの強さがあれば、こんなことにはならなかったかもしれないのに……! [そう言うと、ネリーの目からぽろぽろと涙がこぼれた。先程、主人の死を聞かされたときに涙が出なかったのは、必死に堪えていたからだった。今、その分も溢れてきたのかもしれない。] ………っ。 ごめっ……ちょっと、一人にさせて? [腕を突っ張ってシャーロットの体から離れると、ネリーはその場から駆け出してメインストリートの方に向かい、次第に遠ざかって*見えなくなった*] | |
(57)2006/09/20 03:51:52 |
見習いメイド ネリー −メインストリート→小さな公園− [人々がいなくなって、静寂としたメインストリートを抜け、ネリーは西側の公園に向かっていた。熱い涙が頬に落ち、まだ自分が泣いていることに気づいた。濡れた頬を風が掠める。 涙が止まらないのは、主人の死について聞かされたからだ。主人が亡くなったという事実を受け入れないといけないのが辛いのだ。 しかし、これは現実から目を背けていた罰だ、とネリーは思った。ずっと気づかないフリをしていればいいと、辛いことからは逃げればいいと、ずるいことばかり考えていた自分に与えられた罰だ。] ………っ。 っく、ご主人様……ご主人様……! [泣きじゃくりながら走っているうちに、公園のあるスラムの近くに来ていた。たくさんのAIが集まっていたはずのこの場所も、今通ってきたメインストリートと同じように誰もいなかった。 ここにいたAIたちはこの世界に取り残されることなく済んだのだろうが、彼らが辿る運命に変化などないだろう。待っているのは闇か無か―――ネリーの行く先も、似たようなものかもしれないが。] | |
(88)2006/09/20 23:51:41 |
お尋ね者 クインジー [...は、目を伏せるネリーに居た堪れなくなった。が、心を鬼にして声を張り上げた] 馬鹿やろう!お前、今自分が何言ったのか、わかってるか!? 生まれてくる必要があったかだと!?ふざけんな! 俺たち科学者が、どんな思いでお前たちを生み出したのか! 毎日毎日失敗を繰り返して!それこそ血を吐く思いなんだ! 良いか?お前はな、必要とされたから生まれてきたんだ。 ラドクリフが何を思ってお前を生み出したのか。それはわからねぇ。 でもよ、必要でないものを、誰が生み出すかよ…… それにな、A.I.ってのはな、生み出した科学者にとっちゃ、我が子のようなもんなんだ。 親が子を守るのに、理屈なんてねぇんだよ。 掃いて捨てるほどA.I.が量産されている中、ラドクリフはお前を守るために、偽造IDまで作ってお前をここにかくまった。それだけお前は必要とされていたんだ。ラドクリフに愛されていたんだ。 だからよ、もうこれ以上、自分を責めるのはやめろ。良いな? | |
(104)2006/09/21 12:10:09 |
学生 ラッセル [ローズマリーとトビーの矢継ぎ早の質問にしどろもどろしながら] え、えっと。関係者……ではないんですが、無関係でもない。……うーん。何と言えばいいのか。一番しっくり来るのは民間協力者……ですかね。それとも少し違うんですが。 それと、反応ですが……ここに取り残されているAIが3名ですから、その考えだと矛盾するんですよね。 ……あー。どうして……ですか。 [その質問にはポリポリと頬を掻くと] ……まぁ、隠しても仕方ないか。いわゆる昔とった杵柄ってやつです。セキュリティの解除とかは得意なんで。ちなみにあのグローブは、サポート用に組んだプログラムでして。さすがにボク単体だと限界があるので、シーケンスにできる部分をあらかじめ組んであったんですよ。 | |
(127)2006/09/21 23:07:20 |
見習いメイド ネリー [ネリーは、クインジーの言葉に目を見開いた。ようやくこのとき、自分を責める言葉は自分を傷つけるだけでなく、クインジーも傷つけていると気づいた。作る側の気持ちなんて、今まで考えたことがなかった。何て自分は痛みに鈍感で、独りよがりなのだろうか。] ……ごめんなさい、もう言わない。もう、絶対に言わないから。 約束する。 [消え入るような声で、ネリーは謝った。] そういえば、2人とも、ねりぃを探しに来てくれた……んだよね? ……ごめんね、わざわざ。もう大丈夫だから、戻ろ?この世界に取り残された人が、あのとき広場にいた人で全員なんだよね。みんな一緒にいた方がいいだろうから、急いで戻らなくっちゃ。 | |
(134)2006/09/22 00:04:00 |