見習いメイド ネリー ご主人様も、ロッテも、クインジーも、ねりぃはみんな好きだよ? みんな優しいから。 みんな、ねりぃに優しくしてくれるから。 ご主人様はもういないけど、ねりぃをいっぱい愛してくれたから。 でもね、ラッセルのことはもっと好き! だから、ラッセルと一緒に生きたいよ。 だけど……だけど、このままだと、みんないなくなっちゃう…… このままだとねりぃも、ラッセルも、ロッテも、クインジーも、みんなみんな、いなくなっちゃう!みんな消えちゃう!そんなのいや!! [入ってきたクインジーの方を見ると、真剣な顔で尋ねた。] クインジー…… どうすればいいの? どうすれば、みんなが助かるの? | |
(14)2006/09/24 00:17:09 |
お尋ね者 クインジー −ホテルフロア・フロント− [...は、ラッセルの隣に座ると、指を鳴らしてキーボードを叩き始めた。 ものすごいスピードで、画面の文字が流れていく。 作業をしながら...は、隣のラッセルに声をかけた] トビーの話じゃ今もあいつはバックアップにアクセスが出来ているようだ。と言う事は、こっちからメインにアタックを仕掛ける事も不可能じゃねぇ。 メインにアタックを仕掛け、AWN内からアクセスがあったって痕跡を残す事ができりゃ、そのログを追ってこっちの制御を取り戻す事は可能なはずだ。 管理者どもが無能ぞろいじゃなきゃな……それに賭ける。 俺は、ここと外を隔てる壁を、力技でこじ開ける。おめぇはメインへ侵入してくれ。 可能であれば、ここの制御を取り戻して欲しいが……そこまではのぞまねぇよ。 | |
(47)2006/09/24 16:08:20 |
お尋ね者 クインジー なるほど?あの坊主がねぇ…… 神なんぞ何処にもいねぇよ……いるなら、あんな残酷な事を許すはずがねぇ。 いるとすりゃよ、そいつはてめぇの心ん中だ。 何かに縋りたくなった時、神はそいつの心に現れる。 例えば今だ。俺たちは今、やれる事をやった。 後の成功は、神に祈るのみ……要は失敗するなんて考えたくねぇ。 失敗しても、それは神が振り向いてくれなかったって逃げ道が欲しい。 それだけの話なんだ…… 俺も神に祈る事はある。が、それは心の安定が欲しい時であったり、 自分の力じゃどうにもならねぇような事にぶつかったときだ。 神になりてぇんなら、死ねば良いのさ…… 死んで神の御許に行き、その座を力ずくで奪い取っちまえば良いんだ…… っと、変な事言っちまったな。忘れてくれ…… | |
(72)2006/09/24 23:34:02 |
牧童 トビー [トビーはシャーロットの言葉を聞き、そしてステラを見た。 そして小さく首を振った] パパが言ってた…神さまは残酷だって。 強いモノと弱いモノ、美しいモノと醜いモノ、 才のあるモノと無いモノ。 病めるモノと、そうでないモノ…。 時の流れは不可逆なのに、神さまは平気で取り返しのつかない事をする、努力で埋まらない現実を平気で突きつける、こんな酷い法則でこの世を縛る神さまは、悪意を持ってるって。 だからパパは、悪意の側に立ったんだ。 パパは、悪意の神さまを信じてる。 そして僕の神さまはパパだ。なら、僕も、悪意の側に立つのさ。 いつだってね。 …悪い事は、決して終わらないよ。 この、閉ざされた世界の神さまが、それを望むんだったら、 僕もそうなるようにしてあげる。 | |
(85)2006/09/25 00:07:15 |
村長の娘 シャーロット そっか…上手くいってるといいな。お疲れさま、クインジー。 [小さく呟くと、触れたクインジーの手に自分の手を重ねて頬を寄せた] ううん…大丈夫だよ。平気。 クインジーたち頑張ってるのに…心配ばかりかけられないもの。 [そこで聞こえたトビーの消え入りそうな声に振り向いて] 貴方のパパも言うことも確かかもしれない。 努力でどうにもならないこと……そうだね、きっとそれはたくさんある。 でもそれが善意だとか悪意だとか、それは違うんじゃないのかな? …貴方の「パパ」がやってることは、子供と変わらないように思えるの。 自分の思い通りにならないからって、拗ねてるだけに思える。 それでも……貴方は「パパ」についていくの? [静かに、ごく静かに呟いた] | |
(90)2006/09/25 00:33:38 |
見習いメイド ネリー ほんと?嬉しい! [続いたラッセルの言葉にきょとんとするが、すぐに微笑んだ。] いいよ、そこにラッセルがいてくれるんだったらそれだけでいい。 だって、ラッセルがラッセルだってことに変わりはないもん。 ………。 ……その、あのね。 ねりぃも、ラッセルに言わなきゃいけないことがあるんだけど…… [しばらくの間、言い辛そうに、言うべき言葉を探すようにしていたが、やがてゆっくりと切り出した。] ……ねりぃはね、人間じゃないんだ。 ご主人様に作られたAI。 ご主人様の、死んじゃった幼なじみの体で作られたAIなの。 [それだけ言うと、ラッセルの顔をじっと見つめた。] ラッセルと違って、生きてる人間じゃ、ないんだよ……? | |
(94)2006/09/25 00:56:18 |
見習いメイド ネリー ……知って、た? なぁんだぁ…… [ラッセルのその言葉と温かさにほっとして、体から力が抜けるのを感じた。背中に腕を回して、ラッセルに体を預けた。] ねりぃ、いろいろ考えてたんだよ?人間じゃないなんてラッセルに言って、嫌われたりしたらどうしよう、って。黙ってるのはよくないと思ってたけど、怖くて怖くて、どうしても言えなかったんだ…… [「私がそれが可能かはわからない」とラッセルが言うのを聞いて、ネリーはくすくすと笑った。] 知ってる?ラッセルがそばにいてくれることが、ねりぃにとっての一番の幸せなんだよ?今、この世界はこんな状態で、いつまでこうしていられるか分からないけど、こうしてラッセルがそばにいてくれて、抱きしめてくれるだけで、ねりぃはすごく幸せなんだから。 ……ありがと。大好きだよ、ラッセル。 | |
(105)2006/09/25 02:04:58 |
学生 ラッセル [ネリーの言葉に苦笑いすると、頭を撫で] 嫌ったりなんか……しないよ。人間か人間じゃないかなんて……そんな大きな差じゃ無いよ、きっと。 [さらにネリーから「大好き」と言われ微笑むと] うん、ありが……!!? [その時、不意に足元が白く虚ろに光り出す。咄嗟にネリーを押し出すと] ……あちゃぁ、やっぱ私が邪魔か。 ごめん、ネリー。早速約束破っちゃうことになりそう。 ……こうなってから言うのは残酷かもしれないけど。私も、ネリーのこと大好きだよ。 [申し訳なさそうにネリーに微笑んだあと、クインジーのほうに向き直ると] 今まで消えたのが4人。けど残存数で減ってたのは3だけ。一人はいなくなっているから残り一人を早く…… [見つけて、と言い終える前に白い光に呑み込まれていった] | |
(106)2006/09/25 02:21:57 |