酒場の看板娘 ローズマリー 実は私はクラッキングとかは出来ないんだけどね。 パケットの中を覗くくらいの技術は持っているんだ。 トビー君が言うように、あれだけのことが出来る技術を持っている人はそうはいないから、さっきそこで寝ていたラッセルさんから出ているパケットを解析したんだけどね。 なにも異常はなかったよ。 で、IT 技術者さんを名乗ってたクインジーさんを次に疑ったんだけど、ここにいないからね、調べられなかった。 あとマスターコンピュータに近づける人って考えたらそこの医療 AI に気がついてね、ちょっとパケットを調べさせて貰ったよ。 AWN では使われていないはずのポートが開いてた。 どうやら、異分子二人のうち一人はそこのニーナって AI らしいね。 どうしたらいいんだろう。 | |
(1)2006/09/22 00:24:32 |
牧童 トビー [トビーはローズマリーの言葉に少し首を傾げた] へぇ…、お姉さんは、その猫AIが怪しいっていうんだねぇ。 だけど…それはお姉さんにしか判らない事なんだよ? …お姉さんがホントの事を言ってるのかどうかなんて、 誰にも判らないしねぇ。 何かの間違いかも…そういう風にも思える…。 それに…僕も調べたよ? あの、ラッセルお兄さんをね。 ラッセルさんが、気を失っている間に僕は調べたんだよ、 ラッセルお兄さんが、 正式にAWNの承認を受けてるのかどうかをね。 ラッセルお兄さんは、承認を受けて無かったよ? …こうなってくると、僕にはもう、 お姉さんと、ラッセルお兄さんの二人が 犯人って思えて仕方ないよ…? | |
(5)2006/09/22 00:49:05 |
見習いメイド ネリー ………っ。 [シャーロットがぽつりと漏らした呟きを聞いて、ネリーは思わず身震いした。本当に、ここにいた人たちは全員消えてしまったのだろうか。ラッセルも、まるで最初から存在していなかったかのように消えてしまったのだろうか―――そう考え、ぞっとする。が、その心配も杞憂だったことに胸を撫で下ろした。] うん、行こ! [こっくりとシャーロットの言葉に頷き、バベルへと向かった。] −中央広場→バベル− [一部屋だけ、明かりが灯っているホテルフロアに入ると、広場に集まっていた人々がいた。その中にラッセルの姿を見つけて、ネリーは安堵した。しかし、先程まではいたはずの鳶色の髪をした青年がいない。それに、この異様な雰囲気は何なのだろうか。] ……ぇと。あのね、ねりぃたち、今ここに着いたんだけど…… 何か、あったの? [恐る恐る、ネリーは尋ねてみた。] | |
(6)2006/09/22 01:23:56 |
学生 ラッセル [トビーの言葉に、激昂し] 違うっ。ハッカーとクラッカーを一緒にしないでっ。 確かに私は元ハッカーよ。でも、世界を壊して喜ぶような狂ったクラッカーとは違う。断じて違うっ。 ええ、今の私が本気を出せば、確かにAWNのセキュリティすら超えられる。事実、潜り込んだ事は何度かあるわ。でも、残念ながら私に出来るのはそこまで。あいにく改竄は、得意じゃないの。だから私には今回の事件は無理なのっ。 [クインジーとネリーに強引に引き剥がされ、肩で息をしながら、はっと哂い] ……信じられない? じゃあ、信じなくてもいいよ。だけど私は絶対あなたの嘘を暴いてやるっ。 [そう叫び、刺し貫くような視線でトビーを睨み付けた] | |
(23)2006/09/22 02:17:33 |
牧童 トビー [トビーは笑みを崩すことなく、ラッセルに告げた] …お兄さんこそ、ホントの事を言った方がいいよ? この世界から、みんなが助かるには、 …そうだねぇ、お兄さんをこのバベル最上階から、 突き落とせばいいんじゃないかなぁ? …いくらこの世界でも、それだけの事をすれば、 お兄さんの魂は、負荷がかかりすぎて耐えられないでしょ? [それだけ言うと、トビーは部屋の一角にあるソファーに座り、 ブーツに手を伸ばしかけ…やめた。 ブーツではなくポケットからお菓子を取り出す] …ポップロックキャンディ。 [トビーは取りだしたキャンディを自分の口の中に放り込むと、 目を閉じて舌の上でコロコロと舐め転がしている] …ポップロックキャンディ、美味しいよねぇ。 | |
(26)2006/09/22 02:31:42 |
お尋ね者 クインジー [...は、赤毛の青年の手を離した] とりあえずあれだ。俺たちはここに閉じ込められたってのが現実だ。 しかも、すぐにどうこうできるわけでもねぇ。 と言う事は……だ。とりあえず今は生きなきゃならねぇ。そうだな? なら、今は言い争うよりも、水と食料の確保が先じゃねぇか? 確か……ここの最上階は展望レストランになってたよな。 ちっと良心が痛むが……非常事態だ。食えるものと水を人数分、確保してくるぜ。 幸い電気は生きてるようだし、食えねぇもんはねぇだろうからな。 [...は、そう言って*エレベーターホールへ向かった*] −ホテルフロア → 展望レストラン− | |
(27)2006/09/22 02:31:53 |
酒場の看板娘 ローズマリー 私はニーナちゃんが犯人だって判ってしまったの。 残念ながら、それは事実よ。そしてラッセルさんが犯人じゃ無いこともわかるの。 そして、トビー君はラッセルさんが犯人だって言ってる。 つまり、どちらかが嘘をついてる、ってことね。 私に出来るのはデータへのアクセスなんて高級なことじゃ無いわ。すぐそばにいる人から出ているパケットの解析くらい。 一種の盗聴とも言えるわね。 無論 C ランクがそんなことをする権利なんて無いわ。 ここから全員無事に戻れたとしても、私の ID は抹消でしょうね。 でも犯人が判ってるのに黙っていれば危険だから指摘してしまったのよ。 | |
(37)2006/09/22 05:52:08 |
修道女 ステラ −展望レストラン・キッチン内部− [ 姉の病室でいつも聴いていた、クラシックの旋律を思い出す。 あの日……、彼女の死んだ5日前も、それは流れていたような気がする。当時の姉を上手く思い出せないのは、思い出したくないからなのか、現実に心奪われているからなのか。...には判断できない。] 『ラ・ロシュフーコー曰く、「希望と恐れとは切り離せない。希望のない恐れもなければ、恐れのない希望もない」……、思い知りたくありませんでした、姉さん』 [ それは以前、見舞いに訪れた際、姉と医師とが会話していた言葉だった。...は、ブレスレットに触れた。しかし、動悸は治まらない。...はかぶりを振った。] | |
(41)2006/09/22 13:19:10 |
牧童 トビー [トビーはソファーにもたれたまま、 ポケットからシュガーボンボンを取り出し、口に投げ込んだ。 そしてローズマリーを見た] …僕は嘘なんてついてないよ? むしろ、お姉さんが猫人形を犯人…って言っている事の方が、 僕からすれば怪しい事なんだよ? ラッセルお兄さんを犯人じゃないって言ってたんだから。 お姉さんがパケットを解析した…それが本当だとしても、 その情報が100%信用に値するかどうか、それは判らないよ。 …そういえばお姉さん、噴水広場にいたとき、 随分と焦って犯人を捜そうとしていたよね? …それってお姉さん、自分の身代わりに誰かを、 スケープゴードを作る必要があったのかなって…、 そんな風に思えてきたよ…? | |
(44)2006/09/22 20:47:15 |
お尋ね者 クインジー [...は、腹が膨れると、姿の見えないロッテの事を気にかけつつ] 『あの菓子売りに聞いてみるか……』 よぉ、菓子売り。さっきから気になってたんだけどよ……お前さん、AWNのバックアップに不正アクセスしてるって言ったよな?それは今も続いてるのか?話を聞いたところ、ここが隔離された後に、そこの赤髪のデータを覗いたって言うじゃねぇか。 おかしな話だな……例えバックアップであれ、内部からの不正アクセスが可能なら、メインがここのアクセスを回復させる事も可能なはずだ。道は空いてるんだからよ。なら、なぜ俺たちはここに放置されたままなんだ?なぜ、いつまで経っても復旧しねぇ? お前さんの言っている事が真実なら、今この現状が矛盾するぜ? お前さん、ほんとにそんな事が出来てんのか? | |
(50)2006/09/22 22:22:13 |
牧童 トビー [トビーはクインジーの方を見た] …うん、アクセス出来ているよ? 僕は、パパに組んで貰ったんだ…パパはメインを管理してる、 外部の人たちなんかより優秀なんだよ。 復旧しないのは、メインを管理してて、外からいま、 この状況をなんとかしようとしてる人たちの…AWN職員の、 腕がパパに劣っているってだけだよ。 メインの構造がどうなっているかなんて、僕には判らないな。 …僕はオートでサーバーを攻撃してリンク出来ただけだし。 それに、これは僕の感覚でしか判らない事だからねぇ。 信じる、信じないは任せるよ? …ただ、あそこにいるお兄さんを、このまま生かしておけば、 ここにいる人たちは確実に全員、溶けて消えるって話だよ…。 | |
(51)2006/09/22 22:41:24 |
お尋ね者 クインジー [...は、トビーの答えに、ニヤリと笑った] ほぉ〜ぅ?今もお前さんは、不正アクセスを続けている……なるほど? そいつは是非とも解析してぇもんだ。なぁに、ちっと首の後ろに線を差し込むだけだ。 寝てる間に終わっちまうよ。 何で俺がそんな事出来るんだって? あんまり言いたくはなかったんだがよ……表の顔はしがないIT企業の社員。 しかし裏の顔は……A.I.技師だ。お前さんの親父が、肉屋だか何だかしらねぇが……A.I.のギミックを解析するなんざ、俺にとっちゃ飯を作るより簡単な事だ。 で……だ。お前さんがバックアップにアクセスしてるソースを書き換える。メインに繋がるようにな。ここにゃ鍵屋もいるらしいじゃねぇか。二人でかかれば、わけのない事さ。 それができりゃ……全員、ここから脱出だ。 | |
(52)2006/09/22 22:51:32 |
牧童 トビー [トビーは暫くクインジーを見つめ、そして言った] …鍵屋? あのお兄さんの事? パケットを解析したお姉さんじゃないよね? 他に、こういう事に詳しそうな人はいないしねぇ。 [トビーはラッセルを見た] どちらにしても、あの二人と僕は意見が一致してないんだ… そんな事、させるわけないでしょう? それに、あの人達と一緒に僕を調べるなんて言いだした、 お兄さんも、相当怪しいような気がするなぁ。 …どうして裏の顔なんて必要なのかなぁ? …やましいことがあるからなんじゃないの? そんな、犯人である可能性のある人に、 僕を調べさせるなんて、ナンセンスだよ。 嘘をつかれちゃ、みんな溶けて消える事になるんだよ? | |
(53)2006/09/22 23:02:47 |
お尋ね者 クインジー [...は、更に笑みを深めた] これはおかしな事を言う人形だな…… 俺に裏の顔があるから信用ならねぇって? それじゃぁよ……お前さんを作った肉屋はどうだ? 仔羊堂からA.I.作成の注文を受ける顔。 仔羊堂を陥れるために、不正アクセスのギミックを組み込む顔。 どっちが表か、どっちが裏か……わからねぇがよ? それともあれか。お前さんを作った神様は、別格ってことかい? って、鍵屋ってあの赤髪だったのか。人は見かけによらねぇもんだ。 だがよ、そんな事は関係ないね。あいつが誰であろうが、全員生きてここから出る事が出来るんならな。おかしな事をやりやがったら、その場で首の骨、へし折る。邪魔する奴には容赦しねぇ。 それはそうと……お前さん、よっぽど自分の中身を見られたくねぇんだな?お前さんには感情プログラムは入ってないはずだ。なのにその拒否反応……元からそう組まれていたってことか。 | |
(55)2006/09/22 23:36:20 |
酒場の看板娘 ローズマリー トビー君はクラッキングしていること自体は認めているんだね。 君のいうパパさんにそうするように教えられているからだね。 確かにクインジーさんも凄い技術者に感じられる。 ひょっとして君のパパってクインジーさんじゃないのか、って思えるくらいだよ。 AI の技師だそうだけど、AWN とライバルな会社に勤めているんならここで事故を起こして AWN の評判を落として自分の会社で別サービスを始める気じゃないか、って考えられなくは無いしね。 君がどこかのお菓子屋さんの評判を落とすのに成功したようにね。 まあ、考え過ぎだとは思うんだが。 君が犯人だとはあまり思えないんだが、犯人の手伝いをしていそうには見える。 どうもね、クラッキングをやっていたことをまともに認めてしまう、ってのが気になるんだよ。 | |
(56)2006/09/22 23:45:54 |
見習いメイド ネリー [ネリーは、「凄く良く出来てる」とトビーに言われて微笑んだ。] うふふっ、ありがとう。ねりぃのご主人様はすごいでしょう? ねりぃがどうして作られたかなんて、そんなの知らないもん。 ……でもね、お菓子売りくんと一緒かもしれないよ。 ねりぃの体は、ご主人様の大切な人のものだから。 ご主人様は、その人のことを愛してたかもしれないけど…… だからと言って、ねりぃが愛されてなかったとは思わないよ。 ねりぃのこと、とても大切にしてくれたもん。 ねりぃの体に使われてる人の身代わりなんかじゃなくて、ねりぃのことはねりぃとして必要としてくれたし、愛してくれてたよ、きっと。 あなたのパパは違ったの? あなたのパパは、あなたを愛してくれなかったの? [真剣な表情で、トビーの目をじっと見つめながらそう尋ねた。] | |
(81)2006/09/23 01:37:41 |
見習いメイド ネリー ………? あの子、どこ行ったの? [先程までいたはずのニーナの姿が見当たらない。ネリーは不安げに部屋の中を見渡すが、どこにもニーナはいない――― ネリーは部屋を飛び出した。ドアが開け放たれたままの部屋があり、その部屋に入ってみるが、やはりそこにもニーナはいない。その代わりにレコーダーを見つけ、再生ボタンを押した。 流れてくるニーナの声。 その声は、ここから消えると、いなくなると、淡々と告げていた。 それが本当なら、もう手遅れだろう。ネリーの顔が青くなった。] ……いやだ!!もう誰かがいなくなるのなんて見たくないっ! 誰も行かないで! どこにも行かないで! [ネリーはその場に崩れ落ちた。もう、レコーダーから流れてくるニーナの声は止まっていた。レコーダーにぽたぽたと涙が落ちた。] どう、して……?どうして、ねりぃはいつも何もできないの? ……どうして、守ってあげることが、できないのぉっ……! | |
(94)2006/09/23 19:59:29 |