見習いメイド ネリー [ネリーは、外の状況を見て愕然とした。先程までの景色はどこに行ってしまったのか、空には0と1の数字が浮かんでいる。] なに、これ? きもちわるい…… [その空を見て、ネリーは思わずそう漏らした。揺れが収まったのはいいものの、異常な状況になっていることに変わりはなかった。きっと、何か大変なことが起きているに違いない――― 周りをきょろきょろと見渡すと、先程までいたはずの人々がいなくなってしまっており、奇妙なほどの静寂が辺り一面を包んでいた。] ……誰もいないの?みんな、いなくなっちゃったの? どうしてだろ? 空があんな風になっちゃったのと、何か関係が…… [そこまで言って、自分の体が震えていることに初めて気づいた。] | |
(216)2006/09/19 03:04:03 |
見習いメイド ネリー [ネリーは、自分の右腕を左手でぎゅっと掴んだ。そうして体が震えるのを止めようとしたが、震えはやまない。この世界にたった一人残されたのだとしたら、それ以上に恐ろしいことはないだろう。] ご主人様だけじゃなくて、他の人もみんないなくなってたら…… もしも、ねりぃしかここにいなかったら……どうすればいいの? [そんなことが頭に思い浮かんで、口について出てきた。ネリーはぞっとして、先程よりもますます体が震えるのを感じたが――― 首をぶんぶんと振ると、とりあえずは人の集まりそうな場所に向かおうと思い、前に向かって歩き出した。もしかしたら、自分のように取り残された人がいるかもしれない。] 「ちょ、ちょっと待ってください。」 [とそのとき、後ろから声をかけられて、ネリーはびくっとした。しかし、その声には聞き覚えがあった。後ろを振り向くと、噴水のそばで話したあの青年―――ラッセルがやってくるのが見えた。] | |
(217)2006/09/19 03:04:30 |
修道女 ステラ [ 無人のショッピングモールを、...は足を引きずりながら進んだ。沈黙が重い。陰湿な空間は、...に姉の最期を思い出させた。 接続中、心臓を悪化させ、そのまま息を引き取った姉。 彼女が愛した仮想の世界で眠りについたことは、幸運だったのだろうか。 ……幸運だったと、...は思う。仮想の世界で危機を感じて怯える自分よりは、よほどましだと思いたい。] 空が、今にも落ちてきそう。 [ 様々な文字に変化するが、空として表示されない、乱れたグラフィック。 顕微鏡で細胞を見た時の感覚を、...はイメージした。その単体を見ても、集合体である皮膚を想像できないでいるように――。] | |
(224)2006/09/19 03:35:10 |
お尋ね者 クインジー [...は、西地区の一番端で見た光景を思い出しながら、今の状況を考えた] 『あのマトリクスの壁……俺の投げた石が一瞬で消滅した。 多分、石だけでなく、全てのものを消滅させるだろう…… しかもあの壁は、切れ目なく続いているようだった。 実際に見たわけじゃねぇが、切れ目があってそこから出入りもしくは、出る事が できるのならば、何かしらの情報が届いても良いはずだ…… それがないと言う事は、あの壁は切れ目なく続き、俺たちはここから出る事ができないと言う事か。 ログアウトを試みてみたが、できなかった事から考えると……孤立したな。完全に。 この世界そのものが、隔離されたと考えても良い…… だが、ここに管理者がいると言う事は、何かしらの対策は打たれるはずだ。 ならば、それまで生き延びる事を考えなきゃならねぇ。まずは水と、食料だな…… 緊急事態だ。店から失敬しようが問題ないだろう。金がいるなら後から何とでもなる ……っと、そういえばネリーはどうなったんだろうな…… ここに取り残されてるのか、それとも外に弾かれたか…… 俺としては、弾かれていて欲しいんだが……』 | |
(261)2006/09/19 20:46:59 |
修道女 ステラ [ 少年が空を見上げて、「キレイだねぇ」とこぼす感想に、...は思わず空を見上げた。流星群かと見紛う電子の藻屑たちが、煌く。...は己もそうなってしまうのかと、思わずぞっとした。 確かに心奪われる光景であっただろう――、ここがプラネタリウムであれば。 少年もどうやらこちらに気付いたようで、微笑みながら近付いてきた。...も愛想を返すべく口元を緩めるが、見覚えのあるケープの裾が、右肩にはりつくように揺れるのを見て、思考が凍る。 しかし、...は笑顔を押し通した。] ありがとう、キャラメルはあるかしら? キャンディと一緒に頂けると嬉しいわ。 | |
(262)2006/09/19 20:54:55 |