村長の娘 シャーロット ―2階 自室― [あれからどれ位経つのだろうか。いや、時間の流れはほんの少しだけで、随分と長く感じられるのかもしれない。 胸元から身に着けていた小さな首飾りを取り出す。 自らの血で濡れているそのロケットを開ける。 ――その中には、蒼髪の少女と蒼髪の青年の姿。 シャーロットと…ナサニエルに良く似た顔の青年。 二人がまだとても幸せだった頃の姿。] 愛していました……狂おしいほどに… それが例え偽りだったとしても、幻想だったとしても…貴方と一緒にいられて……幸せでした。 [涙が頬を伝う。 時計の針の音が規則的に、だんだんと小さくなっていく] エルシア……?……眠ってしまったの… 私も…… [ロケットを小さく握り締め、*少女は眠る*] | |
(226)2006/08/28 08:48:45 |
書生 ハーヴェイ ……参ったな…… ギルバートの意識は戻らぬし、ナサニエルの様子はこの通りだし……。下手したら、ギルバートの意識が戻る前に、薬の効力が切れてしまうではないか…… 仕方ない。手荒い真似をするが、しばし許せよ、ナサニエル。本来なら具合が悪いお前を放置するのは忍びないが、いかんせん自白剤の効力を切らすわけにもゆかぬからな……水を飲ませることも、吐かせることもできぬ。 [ナサニエルを拘束している荒縄を食卓テーブルの足にくくり付ける。] さてと。ニーナの具合も心配だが……ナサニエルを長時間放置するわけにはいかん。しばらくソファで寝ていてもらうかな…… [ニーナをソファに寝かせ、その上にそっと毛布を掛けた。] | |
(228)2006/08/28 13:30:15 |
書生 ハーヴェイ ……誰だッ!こんなことをして放置した輩は……!事が済んだ相手を棄てた大馬鹿者はどこの誰だ!?第一、私に頼まずとも、そいつに外してもらうがい…… [ピリピリとした緊張感を放って怒るハーヴェイの視界に、顔を真っ赤にしてひどく困った様子のニーナが居る。ふうと溜息をつき俯くと、再びそっと優しく毛布を剥がす。] ……仕方ない。私が…取ってやるよ。 だかなニーナ。こんな酷い真似をしたまま相手を捨て置く人間とは、二度と交わるんじゃないぞ。……無理やり犯されたのなら、ひどく不幸な話だがな……。 [おそるおそるニーナの柔肌にかかる縄に指を伸ばし、肌に触れないように彼女を苦しめる呪縛を解き始めた。] | |
(234)2006/08/28 15:43:48 |
書生 ハーヴェイ [固く縛られた縄を解き、ニーナの身体から離してやる。陰部に捩じ込まれ、腟を貫く張り型を見て「これか…」と低い声で呟いた。] ……ニーナ。すまんな。抜くぞ…… [生々しい男根の型をしたそれを引き抜くと、辺りには女性の身体特有の……ニーナの蜜の匂いが充満する。] う………っ………! [本来なら男を誘惑する筈の甘い匂いは、ハーヴェイにとってはこの上ない苦汁。胸を突き上げ、込み上げてくる嘔吐感を堪えながら、ハーヴェイはニーナからゆっくりと張り型を引き抜いた。] ……っ!はぁ……はぁ……っ……! [頭を振り、体勢を持ち直そうとする。ニーナから取り除いたそれが視界に入る――透明な液体と、白い蜜の塊。彼を包む匂い。ハーヴェイはひどい眩暈を覚えた。] | |
(235)2006/08/28 16:15:39 |
書生 ハーヴェイ [苦痛に堪える表情を見せつつも、ハーヴェイはニーナに毛布を掛け、呟いた。] ニーナ。もう……大丈夫だ。身体は平気か?とりあえず身体が怠いなら、すまないがここで寝て居てくれ。私はこれを洗ってくる。その間、ナサニエルを見張っていてくれないか?……彼は殺人淫楽症患者だ。万が一彼が逃げ出すようなそぶりを見せたら、大きな声で私を呼ぶこと。……いいね? それから、リック。お前もだ。ナサニエルが逃げない様、見張っていてくれ。私はすぐに戻るから。 [それだけ伝えると、キッチンに向かい、張り型を念入りに洗剤で洗う。匂いも蜜の質感も、全て洗い流すように……] | |
(237)2006/08/28 16:23:27 |
書生 ハーヴェイ [張り型を洗い終えたハーヴェイは、キッチンの流し台に倒れ込むように蹲った。] うっ……え……げぇぇ……っ…… ごほっ……がはっ……う……あ…… [咳込む口からは、唾液と吐瀉物がダラダラと流れ落ち、目からは生理的涙がポロポロと零れ落ちる。] ――ハーヴェイ。愛しているわ、ハーヴェイ。 [かつて自分を蹂躙し、彼の身体を弄んだ母親の声が、頭の中にこだまする。] (かあ……さん……、やめ…てくれ…よ、…母さん…!愛してるなら、僕を…放っておいてくれよ、……母さん……っ!) [絶え間なく襲い来る嘔吐感、胸の痛み。そして――胃の中に入っていた食物を全て身体の外に吐き出してしまった。] ……はあっ……はあ……っ…… [何度もうがいをし、息を整える。水を1杯飲むと、コップにもう1杯だけ水を注ぎ、嘔吐の処理をする。ほどなくしてハーヴェイは、再び広間へと戻った。] | |
(240)2006/08/28 16:37:55 |
流れ者 ギルバート [ギルバート自身もまだ少しぼんやりとしていて。今までの流れと意識が繋がらず、じわりと胸に広がる痛みと喪失感を感じながらも、怒りの色を湛えるリックの眼差しを正面から受け止める。] …そう言えば。 今は、人形みたいじゃないな。 その方が綺麗だ、リック。 ただ、俺を憎んでもナサニエルの正体は変わらない。 [ナサニエルの額に手を延ばし、髪を掻きあげて優しく撫でる。テーブルから水差しとコップを取り、震える手で水を注ぐと口に含み、ナサニエルの状態を試すように、微量だけ口唇から口唇に移した。] この状態になってしまったら、後は落ち着くのを待つしかない。酔いが酷くないなら、水かな…。連続で尋問する場合、専用の点滴があることはあるが、それは専門家が居る時以外は、あまり使わない方が良い。 後は場合によっては、身体をなぐさめてやるくらいか。 | |
(245)2006/08/28 17:25:59 |
流れ者 ギルバート [ナサニエルの髪を撫でる手はそのままに、リックを見つめて] …表情が少ない事が、感情を捨てている様に見えて、ずっと気になっていた。時々何かが透けて見えるとひどく可愛くて。 …ナサニエルが好きで、俺が嫌いか。 [リックに手を延ばし掛けて、止める。ただ、ナサニエルからも手を離し、目を伏せて表情を隠し、] ナサニエルもリックが好きなら、性欲処理にはならないだろう。 俺がすれば、単なる仕事だ…。ショック状態の人間を回復させる事に適性はある(それを冗談でギルバートは愛と呼ぶ。かつて死に掛けた自分を、類似行為の反復によって慰める事にも似た…、その様な愛。)が、それはそれだけの事で。 | |
(250)2006/08/28 18:35:06 |
学生 ラッセル ――二階 自室―― [ある警官から手渡された紙袋の中身を一つずつ丁寧に並べながら、ラッセルは諦念の溜め息を漏らす。] 結局…俺は運命から逃げられないということか…。 [袋の中身を全部出し切ると、先程の享楽の後を消すようにシャワーを浴び、並べた中から女性物の下着を手に取る。 ガータベルト、下着、ストッキングを身に着け、純白の真新しいドロワースを身に着けていきながら、ふと目に飛び込んできた自分の姿を見ながらそっと呟く。] こんな姿をハーヴェに見られる位なら…舌を噛んだ方がどれ程楽になれるだろうな…。 しかし、これは…全て俺が招いた事…。 [部屋の窓が明かりによって鏡代わりになる。映し出された滑稽な姿に、ラッセルは泣きたくなる気持ちになった。しかし、泣いて逃げられるほど、現実は生易しいものでもなく、またこれから行われる屈辱の行為を、ラッセル自身が何処か望んでいる部分が有るから、逃れられないのかもしれない。 そう自分に結果付けると、諦めたように白いペチコートを見につけ、最後に緋色のドレスへと腕を通した。] | |
(253)2006/08/28 19:12:10 |
学生 ラッセル [ベルベットのドレスを身に着け、ラッセルはドレッサーに腰掛け、金色のストレートロングのウィッグを身に着け、慣れた手つきで化粧を施す。 溜め息を付きながら、鏡に映る姿をまっすぐ見つめる姿は、既に別人であり…。これからもたらせる享楽のヒロインへと姿を変えていた。] [口紅を引き香水を吹きかけ、アトマイザーをドレッサーに置く頃、まるでタイミングを見計らったようにラッセルの部屋のドアがノックされる。 一呼吸置いて、ヒールの高い丸みを帯びた靴に足を入れたラッセルがドアを開けると、そこには二人の警官に護衛された中年の女性がふてぶてしい笑みを浮かべて立っていた。 彼女の姿を見るなり、ラッセルは右足を左足の後ろへ下げ、膝を軽く曲げスカートの裾を摘まみながら丁寧にお辞儀をして挨拶をした。 お久し振りですね、ミセス・アーヴァイン…。 いえ、――お母様。 | |
(255)2006/08/28 19:22:18 |
学生 ラッセル [ラッセルの言葉に、訪問者は満足そうに笑い声を上げる。その声は醜く肥えた体に似て、まるでヒキガエルの鳴き声のようだと、ラッセルは脳裏で冷笑を漏らした。] 『貴女も変わりなく美しいようね。ただ、私の手から逃れるようにこんな野蛮な館に足を踏み入れたことは、感心しませんわよ?――この言葉が何を意味するか…判るわね、“エミリー”』 [エミリーと呼ばれたラッセルはすっと顔を上げ、悲しそうな色を湛えた瞳で、女を見つめながら…] ごめんなさい、お母様…。わたしは…一瞬の気の迷いとは言え、お母様に逆らうような事をしてしまいましたわ…。えぇ、お母様を悲しませた罰は受けます…。 だからお母様、不束なエミリーをお許しになって? [ラッセルは縋るように女の足元に跪き、許しを請うた。] | |
(256)2006/08/28 19:30:53 |
学生 ラッセル [そんなラッセルの感情が一変したのは、この屋敷でハーヴェイに出会ってからだった。彼に出会ってラッセルは唇を、体を重ねる意味を知った。同時に欲望の捌け口だけで求められる自分の立場に疑問を抱きながら…] ……っお母様…?何をなさるの? [女の指が“エミリー”のスカートをたくし上げ、下着の中に忍び込んできた感触に、現実に戻されたラッセルは、身を捩りながら女から離れようとする。その行為は今まで従順な“エミリー”を演じてきたラッセルにとっては初めての反抗的な態度であり。 女は、一瞬驚いたような顔をして“エミリー”を見つめ、次の瞬間、その柔らかい頬を平手打ちした。] | |
(259)2006/08/28 20:01:06 |
学生 ラッセル 嫌っやめてっ…お母様!それは嫌なの!……それだけは勘弁して!…たっ…助けて…ハーヴェ! [組み敷かれながらも、抵抗するラッセルの口からは自然と愛しき者の言葉が零れた。 その名前を聞いた女は、次の瞬間狂ったような表情を浮かべ“エミリー”に馬乗りになり、持っていたナイフでエミリーの服を切り刻み、肌蹴た胸元に荒々しい愛撫を施して行く] 『愛しいエミリー。貴女が他の男の名を呼ぶなんて…。わたくし絶対に許しませんわよ。 そうねぇ、二度と馬鹿なことを考えないように、絶望的な快感を与えてあげるわ…』 [妖艶な笑みを浮かべた女に見下げられ、背筋に走る恐怖に震えながら、これから自分の身に落とされるであろう享楽に眩暈を覚えながら、ラッセルは左手に嵌めたままのリングにそっと口付けを落とすと、腸吸収によって体中に回った媚薬の効能に身を預け、理性を*失っていった*] | |
(263)2006/08/28 20:39:49 |