学生 ラッセル ――二階 自室―― [ラッセルがこの期に及んで自分の母親の性癖に付き合ったのは、ハーヴェイに実母との関係をばらされたく無いが為の口止めだった] [あの日、ハーヴェイの部屋に掛かってきた電話の内容は、母親に遣われた警官が、ラッセルとハーヴェイの関係を知った上で、ラッセルが実母との変わった関係を築き上げている事を、ハーヴェイ自身に打ち明けるという脅しの内容だった。 それをハーヴェイに知られた苦が無い為に…。ラッセルは一度は逃げた筈の古巣へ戻るような行為を承諾した。女装をし、媚薬で解かされた体を複数の男に強姦される。実母の狂ったような趣味にずっと付き合ってきたなど、それが本心からではないにしろ、ラッセルはハーヴェイにだけは知られたくはなかった。] | |
(16)2006/08/28 23:01:35 |
書生 ハーヴェイ ……いや。お前が……いや、人間がいつも本当のことを言うのか、或いは嘘を言うかは分からん。 人間は、己や大切な者の保身のために、時に嘘をついたり、誇張、歪曲、過小評価……あらゆることをするからな。だから、きちんと見極めねばならない。 って…ああ、なんだか当たり前のことしか、言っていないなぁ……。 [自嘲気味に言うと、ハーヴェイは一人で広間から出ようとする。] ナサニエルの薬の効力は切れたし、歩けるとも思えぬ。むしろ私がシャーロットを呼びに行って来る方が良い気がした。 ニーナ、もし来られるなら、お前が一緒に来い。女の部屋に男が入るのはあまり良くないからな。 [ハーヴェイは、広間を後にした。] | |
(17)2006/08/28 23:05:09 |
書生 ハーヴェイ ―2階・シャーロットの部屋― [扉を、開ける―― 部屋の中は、月明かりが静かに支配し、ベッドに横たわるシャーロットの純白のドレスを、仄かで優しい蒼色に染めている。] ……シャーロット?起きて……い…… え……………!? [静かに眠るシャーロットの双の乳房の間には、銀色のナイフが突き刺さっている。まるで花を両手で抱くようにナイフを持つその姿は、凶暴な裏人格「エルシア」ではなく、儚げな「シャーロット」……清らかで、危うさを帯びた少女のものだった。] ………死んで、いる、のか………? [おそるおそる脈を取るが、何の動きも無い。] …………………っ! また、犠牲者が………っ! [ハーヴェイはシャーロットの部屋を出て、広間へと戻って行った。] | |
(22)2006/08/28 23:31:09 |
学生 ラッセル [羞恥を眠らせ、無理に着た服をハーヴェイ自身の手で剥ぎ取られた瞬間、ラッセルは安堵したように溜め息を吐いた。と、同時に静かに溢れ出す涙をそのままにシャワールームで温水を被ると、何もかも浄化されるような気がした。もちろん、ハーヴェイの施しがあるから、そのような事を思えるのだろうけど。] ハーヴェが…聞きたいって言うのなら言う。でも…俺の子の格好を見て…何処かで軽蔑してらり…、この先誰か他の人に興味を持ったり…好きになるかもしれないと言う予感が有るなら…俺は言わないよ? ――だって…ハーヴェに傷を作りたくないもん。俺の過去のお陰でラッセルを嫌いになっただなんて、そんな悲しい思いをハーヴェに味合わせたく無いから… [心地よい感触を背中で受けながら、ラッセルはハーヴェイの覚悟を窺うような問い掛けをした] | |
(42)2006/08/29 01:46:04 |
学生 ラッセル 後ろめたい事…ね。ハーヴェも持っているの? それは…いや、聞かないで置く。聞いた所で俺にはどうにも出来ないし。 ――でも…俺のこの姿については聞きたいだろう? 人って、全く知らなければ興味を示さないものでも、目の前でちらつかされれば、嫌でも気になって来るんだよね? 俺、近い将来ハーヴェが俺の手元から離れて行っちゃうこと、知ってる。だから、俺という人間と僅かだけでも交わった記憶を留めておく為にも…俺の話を聞いてよ?詰まらない話だけどね… [そう言って苦笑混じりに微笑むと、ラッセルはシャワーの水音に掻き消されそうな弱々しい声で、自分の過去を語り始めた。] | |
(44)2006/08/29 02:04:37 |
流れ者 ギルバート ──一階・広間── [リックを抱き締めたままで居て、どれくらい時間が経っただろうか。ハーヴェイと共にシャーロットを探しに行ったニーナが戻って来た。] …シャーロットが自殺? どうして。 [ニーナは問いに答える事はなく、祈りを捧げ始める。ナサニエルの反応は、クスリの所為かけだるげで。 ──それと同時に、警官達がざわざわと出入りを始め、周囲がにわかに騒がしくなる。アーヴァインやネリーの時と同じ様に、メタリックグレイのシートに包まれた、キャロルの遺体、マンジローの遺体が外へ運び出されて行く。] 片付けられた死体は何処に行くんだろうな? [これから、処刑になるであろうナサニエルの横でそんな言葉を呟き。] | |
(45)2006/08/29 03:30:25 |
流れ者 ギルバート ──二階・シャーロットの部屋── [部屋には既に警官が入り込み、撤収の為の作業をはじめようとしているところだった。 好奇の視線やざわめきを無視して、シャーロットの遺体にそっと近付く。ニーナがあれはきっと自殺だと言った理由は、雰囲気をみればすぐに分かった。] 貞操帯をはずしても、何の効果もなかったんだろうか? …シャーロット…それとも、エルシア。 どうしてそんなに安らかな顔をしているんだ。 自殺を選んで…幸せ…なのか。 俺には、わからない。 …俺は死ぬのが怖い。 嗚呼、自分で選んだ道だから、それで良いと言う事なんだろうか。 [溜め息を付く。 ギルバートの目の前で、シャーロットの遺体は無情に回収されて行く。] | |
(47)2006/08/29 03:59:18 |
流れ者 ギルバート ──二階・シャーロットの部屋→自室── [貞操帯の存在を確認した所でどうなるわけでもない。シャーロットが遺書を残した事を知っている訳でも無かったが、虫の予感の様なものがあったのかもしれない。ギルバートが戻ってみると、貞操帯は何処へ消えたのか、部屋の中にはなく。かわりにシャーロットの遺書と、純金の懐中時計が置かれていた。] 「"貞操帯を外してくれた代金に値するかはわかりませんが、 この懐中時計を渡します。私の家…Ecliss家の紋章が施された純金の物です。 何らかのお役に立てれば…とは言ってもお金に換えることしか出来ないでしょうが。 そしてエルシアが貴方に刃を向けた事、お詫び致します。 でも、これだけはわかって欲しい。 この中にいると言われている殺人淫楽症患者も、そうでない者も皆……寂しい独りの人間だという事を。 ……私が言っても説得力はないでしょうが。 他の皆さんにも宜しければ伝えて下さい。 ご迷惑をお掛けしてごめんなさいと。 そして、ありがとうと。 ──Charlotte Ecliss"」 | |
(49)2006/08/29 04:30:30 |
冒険家 ナサニエル [頭の中がぼぅっとする。薬の効力は切れているはずなのに背筋が少しずつ冷えていって、逆に体中が熱に少しずつ侵食されていく感覚…薬を打たれた、という衝撃に体が反応してノセボ効果のようになっているのかもしれない。だから薬は嫌いなんだ…と内心一人ごちる。 ニーナの言葉に起き上がろうとするが体が思うように動かず、昨日ハーヴェイが使っていたストローを持ってきてもらおうと思ったところで口移しで水を含まされる。] ……ん…… [口の中が一瞬冷える心地よい感覚に目を細めて、大人しく嚥下する。抱きしめてくるニーナを不思議そうに見ながら] …ニー、ナ… もう少し、飲みたい…。 | |
(55)2006/08/29 13:18:51 |
書生 ハーヴェイ ―2階・ラッセルの部屋― [ラッセルの髪を洗い終えた、シャンプーだらけの手を止めた。指から落ちそうになった3本のリングの位置を直しながら言葉を返す。] 「私に傷を作る」…「目の前でちらつかされれば興味を持つ」…か。はは…随分と酷い物言いだな、ラス。お前は…肝心なことを言う時はいつもそうだ。そうやって怯えてみせて、私を試す。 [あちこちが濡れたズボンで手を拭き、ポケットから財布とカードケースを部屋の中にそっと投げ入れた。] でも、それでもいいよ、ラス……話してごらん。 ……私も、もう怒鳴って逃げたりはしないから。 全てを、受け入れるためにね。 [シャワーの湯をラッセルの頭にかけ、シャンプーを全て洗い流すと、ラッセルの背後に座り彼の言葉に耳を傾け始めた。] | |
(56)2006/08/29 13:36:36 |
流れ者 ギルバート [両手で目を覆ったまま、涙を流し続けている。] …様々な事が混じりあって、苦しい。自分の行動がわからない。 嗚呼、俺は何がしたいんだ? [傷付き混乱したギルバートの脳裏に、随分前に見たようなリックの小さな笑顔が浮かぶ。あるいは、年相応の子どもらしい仕草…。] あの子を独占したいのは、俺のエゴだ。 …ナサニエルが人殺しの患者で良かった。これで、ナサニエルをリックから引き離す事が出来る。 そう思っている俺は、酷く醜い人間なんだろう…。 自白屋と言う汚れた仕事も、殺人犯よりはマシだと思っていたが、あまり大差なくなってきた。 俺はナサニエルを殺したい。 …嗚呼。 だが。 ナサニエルを俺が殺せば、リックをさらに傷付ける。リックの泣き顔が見たいわけじゃないのに。 | |
(58)2006/08/29 14:21:11 |
書生 ハーヴェイ [ハーヴェイはひとり自問する。] (……もし、ラスが居なかったら。殺人淫楽症患者に殺される恐怖に晒される日々が、ただ私の目の前に横たわっているのだとしたら、私はどうなっていたのだろう。私は冷静で居られたのだろうか?ひっそりと孤独に震える日々が続いたのだろうか?いつものように他の誰かの温もりを弄んでいるだけだったのだろうか?…ああ…或いは……) [部屋の中に目をやる。ハーヴェイのものと思われるIDカードが、投げ出されるように床に横たわっていた。] (私にはラスが居て。リックにはナサニエルとギルバートが居る。…ああ、そういえばギルバートはリックに睨まれていたか…。ギルバートは、一体今何を思うのだろう?自分が愛そうとする人間に睨まれる悲しさは、いかほどのものだろう?…そして、ニーナは?…ああ、そうだ。孤独で痛々しい日々が、我々の元にもたらされているのだ…) ……己の孤独を癒す者、か…… [ハーヴェイはぽつりと呟いた。] | |
(59)2006/08/29 14:40:48 |
流れ者 ギルバート [シャーロットの金時計と遺書を、ビジネス鞄の奥に丁寧に仕舞いこむ。自白屋の仕事にもオモチャ屋にも嫌気がさして、もし生きてここから出る奇跡があれば、足を洗う方が良いんじゃないかと思えたが、ギルバートの荷物と言えばその鞄しかなかったので。] 殺されかけた上に遺書を渡されたんだ。あんたの事は忘れないシャーロット=エルシア。 …それでいいか? ナサニエルの事はハーヴェイさんにでも相談するしかないな。あの人は殺人に反対していた。俺一人ではロクな結果にならないだろう。 ただ、ナサニエルとシャーロットが淫楽症患者なら、ナサニエルを始末すれば…殺人の宴は終る。 宴が終れば…、もう誰も死なずにすむ。…嗚呼。 | |
(62)2006/08/29 15:12:46 |
流れ者 ギルバート …いらない? 馬鹿な。 どうして…何がいらないって言うんだ。 リックがいなくなる理由なんてどこにも無い。 [暗闇の中では手首の傷がどの程度深いのかも分からない。 ただ、ギルバートは、手首を細身のナイフで切っただけで、人間は死なない事は分かっていた。切れているのはおそらく静脈だけ。深く刻んでいても手首の腱まで。ショックで今リックが気絶する可能性と、手当が遅れれば…醜い跡が残る可能性はあるが。 もし、手首を切って死ぬつもりなら、血が止まらない様に長時間水に浸ける必要があった。それは緩やかで強い意志の必要な残酷な自殺方法だ。一息に死ぬつもりなら、首を括るのが一番手っ取り早い。ギルバートは、リックがそう言った知識を持っていない事に内心安堵する。 けれど、リックの紡ぐ言葉は十分にギルバートの不安を煽るもので。華奢な両腕を握りしめたまま、リックを引き寄せ強く抱き締めた。] | |
(78)2006/08/29 18:15:58 |
学生 ラッセル 俺の両親はちょっと変わった性癖の持ち主でね、父はティーンの少年だけを愛し、母は…少年を少女に見立てて甚振る事に快感を覚える人なんだ…。 俺は、そんな彼らの性欲をいつでも簡単に満たすことが出来る愛玩具として、幼い頃から育てられたんだ。 彼らが俺を求める行為は、決して逸脱した愛情の裏返しではなく。ただ単に己の欲望を満たす為だけであって。 そこに家族愛とか人間愛なんて美しいものなんて欠片も無い場所で、俺は今まで生きてきた…。 何時だったか…、俺、一度だけ自分の存在理由って言うのかな?そんなニュアンスなものを母親に聞いたことがあったんだ。 『何で俺を生んだの?』 って。 その時は、今はこんな両親だけれども、少なくてもその当時は望まれて生まれてきたのだという淡い期待を抱いて居たよ。 でも…彼女の口から零れた理由は、余りにも理不尽なものだったよ。 [そう言うと、ラッセルはコックを捻る。と、同時に蛇口から水が零れ落ちる。その緩やかな流れを眺めながら大きく息を吸うと、まるで毒を吐き出すかのように溜め息交じりで次の言葉を紡いだ] | |
(84)2006/08/29 18:52:00 |
流れ者 ギルバート …お前は、おもちゃでも人形でもないだろう。 リックは、…意志も感情もある人間だと…、 自分で言ってたじゃないか。 どうして、そんな風に壊れたりしないといけないんだ…。 それにこんな飾りみたいなナイフでは、人は死なない。 父親の意図は分からないが、死ぬ理由になんてならない。 [言いながら、こう言った事を今のリックに言っても通じないのではないかと思えた。眉を顰める。リックを抱き締めていても、まったく抱き締められていない様な気がして。瞳を見つめても、自分の姿が映っているとは思えない。 リックの声が小さくなって行く。] …リック。 [途方に暮れた様に、名前を呟く。 ギルバートは首を振ってリックの手を離し、距離を詰めて包み込む様に抱き締める。正面から見つめて。そして、覚悟を決めた様に、] …リック。 お前を愛してる。 だから、どこにもいかないでくれ。 …お願いだ。 | |
(85)2006/08/29 18:52:19 |
学生 ラッセル 彼女は真っ赤な唇を綺麗に歪めながら、こう言ったよ。 【お前は私達の欲望を満たすだけ為に生まれてきた者なんだよ】って。 ねぇ、ハーヴェ…。俺は、喜びも悲しみも愛も全て…得ることを許されずに今まで生きて来たんだよ。誰からも愛される事無く。また愛すことも出来ずにね。 [水が張られた洗面器に手を入れ、水面を乱し苦笑を漏らしながら… ] ――13の時かな?自分の存在意義を確立する為に、初めて自分の意思で異性に抱かれたよ。それがキャロル姉さんだった。 姉さんとっても血は繋がっても居ない人だったけどね。姉さんは俺に人を愛しむ事を、側に居る事で得られる安らぎを俺に教えてくれた。 だけど同時に、裏切りも教えてくれた。 それからかな?人を愛する事を恐れるようになったのは…。体を許すことで自分の存在意義を確認し、愛を語る者を傷つけることで、自分を護っている。 だからハーヴェの愛も…裏切られる事が怖かったんだ…。 | |
(90)2006/08/29 19:23:28 |
学生 ラッセル でも…人って欲張りだね。 裏切られると解っていても、いつの間にか俺はハーヴェを求めていた。 側に居て、抱き締め、愛し、眠りたいと願った。 こんな気持ち、初めてだったよ。だから俺の過去を隠し通したかった。 だけど…、母親は何処までも強欲な人でね。監視カメラで俺達の行動を逐一チェックし、昨日ついに行動に移したんだ。 【お前の過去を知られたくなかったら…】ってね。 あとは、ハーヴェが見た通りさ。俺はラッセル・ロベールではなく、ただ母親の為に“エミリー”として振舞う事を強要される、言わば彼女の愛玩具なんだ。 だから、ハーヴェが愛したラッセルは…本当は何処にも居ないんだよ。 [解ってくれるかい?と、言うように自嘲を漏らした] | |
(91)2006/08/29 19:34:17 |
書生 ハーヴェイ [ハーヴェイは、目を伏せて静かに笑う。] ……ラス。 私もね、「家族」というものは分からないんだ。前にも言った通り……私は両親からの虐待を受けて育った。父からは暴力と性的虐待。母からは性的虐待を受けて……ね。 彼らは私を抱く時はいつも「愛している」と叫んでいたよ。16歳……父が死ぬまで、ずっと辛い日々が続いていた。 腰に刻まれたタトゥーは、父が死んだ日に入れたものだ。……父が忌み嫌っていた大蛇……それを身体に刻むことで、私は父の呪縛から、解放される気がしていたんだ。 ……だが、実際はそんなことは無かった。頭の中で、時々両親の声がでこだまする。呪いのように……「愛している」と。 | |
(101)2006/08/29 20:21:25 |
書生 ハーヴェイ [ハーヴェイはラッセルに近付き、後ろから抱き締めた。ラッセルの肌を伝う無数の水滴が、服にじわりと染みてゆく。] ……ラス。 愛玩具ではない自分が、恐ろしいか?自身を苦しめる者から解放されることは、苦しいか? 実はね、私も恐ろしいんだ。……虐待から逃れた日々だけではなく……今もなお……続いている。自分がどう生きるべきか、時折迷うことがあるんだ。 私はね、人の愛し方が時折分からなくなるんだ。他人が怖くて、触れられなくて。どうにもならないうちに、手に入れたはずの温もりを、いつの間にか逃していることだってあった。 「愛している」と、何度も言っていたはずなのに……おかしな話だろう? | |
(102)2006/08/29 20:31:42 |
書生 ハーヴェイ ああ……そうだな。 けれど大丈夫。めちゃくちゃな歩き方でも、途中で転んでも……まあ、2人ならなんとかなるだろう。 ……特に根拠は無いがな? [タオルで頭を拭きながら、冗談めかして笑う。床に落ちていたカードケースを拾い上げ、ハーヴェイはラッセルに振り向いた。] ……そして、その為に。 私にもお前に告げねばならないことがある。 [ケースの中に入ったIDカードをラッセルに見せた。] これが、私が隠していた秘密だ。 [そのカードには、とある大学の名前と、その大学の研究員という身分であることが記載されていた。彼の顔写真と、大学の所在地・電話番号。そして…… ――“Harvey Taylor”という名前。] | |
(112)2006/08/29 21:29:01 |
書生 ハーヴェイ [ハーヴェイは、少しだけ目を伏せ、息をゆっくりと吐き出すように唇を開く。そしてラッセルに近付き、彼にだけ聞こえる声で語り始めた。] 「ハーヴェイ・テイラー」……これが私の本名だ。「Maggot」は、この場所で名乗った偽名。ほんの遊びで名乗っただけの、私の仮の姿だ。 どうせただの色情狂が集まり、めちゃくちゃに交わり、殺し合うだけの集会ならば……本名など名乗る必要は無いと思っていたんだ。どうせ私は村の外の者だし、これから研究者として生きていく上で、こんなイカれた饗宴に身を置いたことが誰かに知られたら、何かと不便だと思ってね。 [ラッセルに手を伸ばし、IDカードを返して貰いたい様な仕草を見せた。] 「Maggot」の意味を知っているかい?ラス。「悪魔崇拝者」という意味だ。……そして、何故私がこの場所で「悪魔崇拝者」を名乗ったのか、分かるか……? | |
(115)2006/08/29 21:53:34 |
学生 ラッセル [耳元で囁かれる言葉に、ラッセルは初め、よく理解出来ないような表情を浮かべていたが、やがて血の気が失せる感覚に眩暈を起しながら] 偽名…?お遊び…?研究者としての保身の為に…偽ったの…? じゃぁ…さっきの言葉も…嘘? [床に崩れ落ちたラッセルに、ハーヴェイの言葉は降り注ぐ。手にしたIDを返せと差し出された手を一瞥し、カードを握り締めたまま吐き捨てるように言い放った。] 汚らわしい身で私の名前を呼ばないでよ!何故悪魔崇拝者という意味を名乗ったかって?知らないわ!知る必要なんて私には無い! そうよ、この世は悪意に満ちているわ…。だから貴方が悪魔の名を語ろうが何しようが、私には関係ないわ! | |
(116)2006/08/29 22:02:50 |
流れ者 ギルバート [悲鳴が飲み込まれて消えてしまうまで、随分長い時間口唇を貪っていた。ギルバート自身が息をつく為に口唇を漸くずらせば、嚥下しきれない2人の唾液がリックの喉元を濡らす。 暗闇に慣れてきた目でリックを見つめる。リックの琥珀色の瞳に映っているのはまぎれも無く恐怖の色で。その事にギルバートは傷付き、一層残酷な衝動に駆られる。] …どうして。 俺だけじゃあ駄目なんだ。 リックに、ナサニエルの何が分かる? 殺人淫楽症に殺されてやってもいいって言うつもりか? それとも優しければ誰でもいいのか? 1人にならなきゃ何でもいいのか? [リックの首筋に、喉元に、肩に噛み付く。 それは愛撫ですらなく。] ……答えてくれ、リック。 [枯れた声で、哀願する様に。] | |
(117)2006/08/29 22:03:02 |
書生 ハーヴェイ [ハーヴェイは、自分を拒絶するラッセルを見て、大きく溜息をついた。] ……そうだな。言われてしまえば、その通りだ。 だがな…私はお前の目の前で保身の仮面を脱ぎ捨て、初めて本当の姿を見せようと思ったんだよ。私がお前と共に在る為に。私が私で在る為に。……「本当の自分」を、知る為に。 ……ラス。少し経ったら、お前の元にまた来る。これから私は、広間に行かなくてはいけないんだ。 何故私が「Maggot」…「悪魔崇拝者」を名乗ったのか。何故私が「殺人淫楽症」の正体を探ろうとするのか。そして……何故お前と共に歩むことが、私にとっての「救い」となるのか。再びお前の元に戻ったら…全てをお前に話そうと思う。 もうお前の前では、保身の仮面は要らぬ。……それだけは、確かなことだ。 ……すぐには理解してもらえなくても、いずれ分かって貰えると、信じているよ。 [ハーヴェイはドアノブを握り、ラッセルに振り向いた。ふと微笑みを浮かべ「またあとで」と告げると、部屋を後にした……] ―1階・広間へ― | |
(119)2006/08/29 22:18:29 |
学生 ラッセル [ラッセルは自身の体を抱き締めながら、ハーヴェイの出て行った部屋で身を震わせていた。] 聞きたくない…聞くものか!嘘つきの言葉なんて…。 結局お前が漏らした情報は、私が打ち明けた情報への等価分でしかないのだろう? 優しい嘘で纏めた人物を作り上げる事によって、今後の研究材料への足しにしようとしたのだろう? 所詮塵のような情報でも、お前ら研究者は情報と名のつくものは欲しがるからな…。 恐ろしい、恐いわ…お父様、お母様。やはり私はあなた方の元で暮らすのが一番幸せなのかもしれないわ…。 [ラッセルは独り言を呟きながら、隠しておいた紙袋を取り出し、中身を広げ] お母様…助けて!エミリーは…恐ろしい男に誑かされているわ…。あぁお母様…お願い…。 [哀願するように母を呼びながら、ラッセルは先程身に着けていた服とはまた別のドレスとウィッグを身に着け、自室を後にした] | |
(121)2006/08/29 22:34:24 |
流れ者 ギルバート [リックがナイフを逆手に持ち替える。その手がリック自身の喉元に向けて動こうとするのを、上から掴み強引に軌跡を変えさせた。ナイフは枕元に突き刺さり、リックの金髪がはらりと舞う。 力を入れすぎた所為で、ギルバートの手のひらから血が滴り、リックの頬を汚した。 荒い呼吸でリックを見下ろす。 ギルバートの瞳には悲しみの色。それは拒絶に対する悲しみではなくて、リックの行動に対するやるせなさ。] …言えないなら、答えなくていい。 言わなくても、どうせナサニエルは俺が殺す。 お前にはなんの罪も無い。 俺だけが穢れて、お前は綺麗なままで居るといいよ。 全て、俺の所為にすればいい。 …まだ子どもなのに、可哀想に。 | |
(127)2006/08/29 23:09:36 |
学生 ラッセル ――地下室―― [ラッセルはハーヴェイに裏切られた衝動に身を任せ部屋を飛び出し、立ち入り禁止になっていた地下室への階段を滑り降りた。] あぁ…お父様…何故あなたは亡くなってしまったのです?あなたは生前言っていましたわよね?どんな些細な事でも私を悲しみから救ってやると…。 今、私の心はとても悲しい気持ちで満たされています…。なのに何故、あなたは私を救ってくださらないのですか? [ラッセルは、アーヴァインの遺体があったであろう場所に佇み、どす黒く変色した床を悲しそうに見つめながらそっと呟いた。 ラッセルに女装を強要したのは母親だったが、父親のアーヴァインがラッセルのその姿を嫌っていた訳ではなく。言わばラッセルの女装は二人のステータスを元に形成されていったものだった。] 私は今日、改めてお父様とお母様の元で愛される事がどんなに平穏で幸せな事だったかを思い知りました…。 この世の中は…とても怖い所…。だから私にはお父様とお母様のご加護が必要なのですね…。 | |
(138)2006/08/29 23:56:01 |
学生 ラッセル [一言一言漏らしながら、ラッセルはゆっくりと血痕の後をなぞるように歩く。足を踏み出すごとに揺れるペチコートとヘッドドレス。丸みを帯びた靴の音は、湿気の多い地下室の壁に反射する。] あぁ、お父様。私はあなたの死を恨みます…。 悲しいときに縋る場所をなくしてしまった私は、今後どうやってこの疼いた体の熱を解消すればいいのでしょう? あぁ、お父様。あなたの血液が染み込んだこの床は、あなたの味がするのでしょうか? [ラッセルは血痕の中心部まで来ると腰を下ろし、床に唇をあてた。] あぁ、お父様。久々に味わうあなたは…とても甘くて温かい…。今日はどうか、この私を優しく包み込んでくれませんか?人に裏切られた痛みも…悲しみも…あなたの手で拭い去って…お願い… [ラッセルは座り込んだままスカートをたくし上げ、ワンピースのファスナーを下ろして肌を露にすると、以前施されていたであろうアーヴァインの愛撫を思い出しながら、静かに指を滑らせ*自慰に没頭していった*] | |
(140)2006/08/30 00:08:05 |
流れ者 ギルバート [口唇を噛むリックにまた首を横に振る。 立ち上がり、洗面所から新しいタオルと薄手の布──新しいシーツを切り裂いたもの─を運んで来る。洗面器の水でリックの手首を洗い、鞄の中から切り傷用の薬を塗り込むと、丁寧に布を巻き付けた。傷口の上からギルバートが握った指の跡が痛々しい。 ギルバート自身の手のひらの手当はごくぞんざいに。] 俺は、リックに生きていて欲しい。 俺を見て笑顔を見せろとは今さら言えないが、本当は笑顔が見たかった。 俺は、ナサニエルを自白させたと言う理由で、もう1人の患者にもうすぐ殺されるだろう。抵抗はするし、恐ろしいが、まあ、お前には関係の無い事だな。 …お前を捨てた親の事は。 もう、愛するな。 親として振る舞わない人間を親として愛する必要など何処にも無い。 その程度のことしか言えない。 [リックの服を拾い集めようとするが、それらは着られる状態ではなくて。] …俺は広間へ行く。 リックはその恰好じゃあ無理だから、ここで部屋に鍵を掛けて大人しくしていてくれ。 | |
(141)2006/08/30 00:08:06 |
流れ者 ギルバート ──二階・リックの部屋→一階・廊下── …リックは、 俺は今から、ナサニエルを殺しに行くと言うのに。 結局、何も分かってなかったな。やっぱり、リックは子どもだ。 女が怖くて男を誘惑するのは、親父さんのロクでもない躾け…なんだろうな。…自分が穢れていて無価値だとでも思ってるんだろうか。それは違うと言ってもすぐに通じそうには無い。 そもそも、それに魅入られたのが、俺で。あれが只の子どもだったら、どうなる事も無かっただろう。子どもに欲情する趣味は…無いからな。 何時かリックが自分自身を分かる日が来る様に、あるいは親父さんから逃れる手助けを。…俺がしてやれるとは思えないが。 せめて、リックが生き延びて此処から出る方法は無いモンか…ね。 [ハーヴェイとナサニエルが机を挟んで、話し合っている様子が見える。] | |
(164)2006/08/30 01:26:13 |
冒険家 ナサニエル [目を閉じて脳裏に過るのは幸せだった頃ではなくて。 繰り返し見る光景。少しヤバい仕事に手を出した時の光景。 ちょっとしたミスで捕まって…薬を飲まされて… 仕事と人生の両方のパートナーだった… 愛するソフィーがマフィアの男に犯されながら死んでいく光景。 声を出すことも許されなかった。 悲鳴をあげて徐々に体温を失いながら絶命していく彼女を唯見ていることしかできなくて。 色を失くして透けていく肌が…とても美しくて…そこから何かが狂ったのかもしれない。 音が鳴るのと同時、一瞬だった。 衝撃に体を跳ねさせると目を閉じたまま崩れ落ちる。 煙が明けたら眉間から微かに血を流しながら絶命している姿が*映るだろう。*] | |
(184)2006/08/30 02:52:29 |
書生 ハーヴェイ ―1階・広間― [絶命したナサニエルを、静かにソファに座らせる。ほどなくしてやってきた警官に、彼の遺体を運ばせ、ギルバートにも部屋に帰るよう促した。] ニーナ……この騒動でも起きなかったのか。ある意味、図太いな……。まあ、あの瞬間を目の当たりにしなかっただけ、まだマシか。 [広間の片隅で眠るニーナに近付き、その身を持ち上げて部屋まで運ぶ。――女性特有の柔らかさや温度を、その腕で感じないように気を配りながら。] さて、と………。 アーヴァインに、ネリーを殺したのはナサニエル…か。ならば、マンジローを殺したのは誰なのだろうな?……ナサニエルの「理解者」は、一体誰だ? ニーナに、リック……か。 [テーブルに置いてあったメモボードを拾い上げ、溜息をついた。] | |
(186)2006/08/30 11:39:09 |
書生 ハーヴェイ ―地下室― [立ち入り禁止のテープを避け扉を開ける。マッチの火をかざし、中へと踏み込むと……そこには、長い髪をした人影があった。幾重にも重なった、いかにも高価そうな「布のかたまり」の上で、肌を晒して眠っている。] ……誰だ?お前は。警察がよこしたメイドか?……いや、それにしては服装が重すぎるし、何故こんな場所に居るのかも分からない……。 [すっかり固着し、腐りかけた血の臭いが充満する地下室の奥に足を踏み入れる。何処かで見た、不自然な金色の髪。たくさんのレースで包んでも誤魔化すことができない、「男の肌」の質感……静かに眠るその肩を掴み、振り返らせると……ハーヴェイは思わず息を飲んだ。] ……………ラス!? | |
(189)2006/08/30 12:21:48 |
書生 ハーヴェイ [金色の髪と、丁寧に施された化粧、幾重にも重なったレース――女性的な「ファンタジー」――の中で、人影は静かに眠る。] …ラ…いや、これは…「エミリー」……? そうだった……私に裏切られたと感じて、急に娘の言葉遣いになって……。そうか、お前は…その「ファンタジー」に、溺れて…… [静かに首を振り、メモボードを腰に挟む。ファスナーに手をかけ、目の前の人間に服を纏わせる。] ……女の服なぞ、着せたことがないから分からぬぞ!……まあ、こんな感じでいいか…… [適当に服を着せると、血の中で眠る「エミリー」を抱え上げ、地下室を後にする。] ……これが、お前の……そうか…… | |
(190)2006/08/30 12:34:43 |
書生 ハーヴェイ ―2階・ラッセルの部屋― [「エミリー」をベッドに寝かせると、ハーヴェイはその横に椅子を置き、座る。床の上に転がるカードケースには、強く握り締めた跡がある。それを見て、ハーヴェイは小さく笑った。] ……かくも麗しき姫君よ。 この憐れで罪深い男に「神」からの天罰が降り注ぐよう祈り給え。 そして…この憐れな男を近付けぬ、その高く堅固な城壁の内で、今はただ眠り給え。 ……姫君に、今は穏やかな安らぎの時を。 そして、いずれ時が満ち……この憐れな男に、懺悔の時をもたらすことを、赦し給え…… [ハーヴェイはメモボードを膝の上に置き、椅子の肘掛けにもたれ、「エミリー」が眠る姿をただじっと見つめている…*] | |
(191)2006/08/30 12:51:05 |
学生 ラッセル [ラッセルは夢を見ていた。夢は、幼い頃のラッセルとエミリーの姿を映し出していた。] あれ…?幼い俺が泣いてる…。そしてエミリーも…。 何で泣いてるんだろう? [ラッセルは夢の中で静かに泣き続ける幼い自分自身に近寄り、二人の体を抱き締めた。そしてそっと問いかける] ねぇ、君達は何故泣いているんだ? [ラッセルの問い掛けに、幼い少年が答える。] 『僕、お父様やお母様に嫌われているだ。お父様とお母様はエミリーだけを何時も可愛がるの…。僕は誰からも愛されないんだ。お父様からも、お母様からも。だから僕はエミリーが憎いんだ。でも…本当は僕はエミリーを愛したい。だけど愛し方が解らない。エミリーを憎めば憎むほど…、僕はとても悲しい気持ちになるんだ。 ねぇ、お兄ちゃん、お兄ちゃんは今まで…心から誰かを愛したこと、ある?』 | |
(194)2006/08/30 19:17:31 |
学生 ラッセル [ラッセルは少年の問い掛けに、悲しい色の微笑を浮かべ首を振る。] 心から…か。愛した事、あるよ。二度…いや、一度だけね。たった一度だけ、心から愛した人が。でも…心を許した瞬間、裏切られたけどね…。 [ぽつりとそう遠く無い過去を振り返ると、胸が軋むような思いに襲われる。数時間前彼自身の口から打ち明けられた真実。研究者としての保身に満ち溢れた嘘。その嘘に騙され、ラッセルは心も体も彼に許していた。しかしラッセルは知っている。自分がこれ程にまでショックを受けているのは、ハーヴェイの吐いた嘘ではなく、彼を信じきっていた自分の呆れるほど警戒心の無さだった。] ねぇ、自分以外の誰かから愛されるってどんな感じ? [ラッセルは、少年と自分のやり取りを無言で見続けている少女に質問を投げ掛けた。その言葉に少女は悲しげに微笑み、意外な答えを口にした。] | |
(195)2006/08/30 19:18:49 |
学生 ラッセル ――残酷よ。彼らが幾ら私を愛しもうと、私は…彼らの気持ちに答える手段を持ち合わせていないからね…。 私は…両親に愛される事を教わったけど、逆に誰かを愛する事は知らないわ。だから私は…ラッセルを愛せないの。彼の存在を受け入れる事も出来ないわ。それが良い事なのか、悲しいことなのかすら…。私には解らないの。私は両親に愛される為だけに居るの。可愛がられる為だけに居るの。だから私は愛する事は出来ない。そんな私が…あなた達は羨ましいと思う? [妖艶ににっこりと微笑むエミリーに、ラッセルは言葉を失い、ただエミリーの微笑を見ていた。そんなラッセルの姿を、表情を崩さず見つめていたエミリーは、再び口を開いた。] 人は、愛されないから新たな愛を求めて歩き出す生き物だわ。だから私は正直あなた達が羨ましい。私には…人から裏切られた悲しさも、愛されない寂しさも知らないの。だから…私の感情は薄れていく。生きながらただの愛玩具として生きていくしか術が無くなる…。 | |
(196)2006/08/30 19:20:32 |
学生 ラッセル ねぇ、お兄ちゃん。裏切られる事はそんなに怖い?裏切られた事によって…何処か体の一部が欠損した?今のお兄ちゃんは、楽な方に逃げているんじゃないかしら?お兄ちゃんが逃げた場所…そこは本当に安住の地なの?――お兄ちゃん、お願いだから現実から目を逸らさないで。真実の愛から逃げようとしないで…。今逃げたらお兄ちゃん…一生辛い思いをして暮らしていけなければならないわ。……そう、私のように。 それでも逃げたいと思うのなら、お母様の元へ戻ればいいわ。でも…僅かでも疑問に思ったのなら、お兄ちゃんを傷つけたその人と、もう一度向き合ってみるべきだわ…。 [エミリーは立ち尽くすラッセルを見上げ、にっこりと微笑むと少年の手を取り踵を返すと] お兄ちゃん、真実は時に辛く見え難いものだわ。でも…逃げないで。今度こそ幸せになってね。生まれてくる前に命を落とした、私達の分まで… [そう言うとエミリーと幼いラッセルの姿は、煙が立ち消えるかのように、すっとラッセルの目の前から消えていった。] | |
(197)2006/08/30 19:20:58 |