自警団長 アーヴァイン
あー、諸君、聞いてくれ。もう噂になっているようだが、まずいことになった。 この間の旅人が殺された件、やはり人狼の仕業のようだ。 当日、現場に出入り出来たのは今ここにいる者で全部だ。 とにかく十分に注意してくれ。 |
ちんぴら ノーマン 「死ぬぞ、早く逃げなければ死んでしまうぞ! 今ならまだ間に合うかもしれない!! 『奴ら』は誰も彼も皆殺しにしてやってくる! 俺達人間には『対抗できる力』はあっても その『力』を失ったら終わりだ! この場所にその力を持った奴がいるかは俺の知った事ではない。 だが、その力を持った人間と『奴』がココにいるからこそ あの鐘がなったんだ!!! 俺達は為す術もなく心の闇に巣食われて、 最後には・・・あぁ・・・あああああ!!! そうだ、そうだとも・・・逃げるなら今の内だ!! 来るぞ・・・夜が・・・恐怖が来る・・・!」 [アーヴァインは掴んでいる腕を振り解き、 叫び声を上げ闇の中へ走り去っていった。 その後を追いかけようとしたが、突然のあまり動けずにいる。 ふと教会の鐘撞き塔を見上げるが、月明かりでは人影すら確かめる事はできなかった。] | |
(2)2006/06/27 00:27:03 |
酒場の看板娘 ローズマリー [どれ程駆けただろう。闇に支配された廃村、なのに、導くように女の眼前に“光”が見えた。月の明かりが、キラキラと輝く金髪を照らしていた] ソ、フィ、よか、った、無事だ、っ……た―― [ぐちゃり。地面に伏せた金髪の女の傍に座り込んだ時、生温い液体が下半身に纏わりついた。理解出来ない。暗い、宵の中、ソフィーに手を伸ばす――ぐ、ちゃ] ソフィー? [触れたのは人間であらば体外に露出しない、臓器。体温は?ソフィーの声は?ソフィーの笑顔は?――“ソフィーだったモノ”は、何も語らなかった] ……ウソ。 ソフィー。 嘘。 嘘よ。 ウソ、うそ、嘘―― 、っぁ、いやぁぁぁぁぁぁぁッ!!! | |
(17)2006/06/27 00:47:23 |
踊り子 キャロル は…あんた、ここにいたのか……何してるのさ……。 [倒れた旅人に歩み寄り、身体を仰向かせる。月明かりに見えた顔には…何も、なかった。目も鼻も口も、耳まで何かでぐちゃぐちゃに潰されて、見る影もない] あ…あああ!! 何さ、何なのさこれは……!!! [人間の死体を見たのはこれが初めてではない。否、子供のときには沢山見た、毎日と言っていいほど見た。戦火の中で敵に蹂躙された死体も見たし、あまつさえそれを―― しかし、故郷から遠く離れた平和なはずの国で、こんなものを見るとは思わなかった] 何さ……何が、どうなってるって言うのかね。なんで……あんたが死んでるのさ。あんたがあたしをここに連れてきたのは……このおかしな場所を、転がってる死体を、見せびらかすとか大方そんなところじゃないのかね? そのあんたが死んでるのはおかしいじゃないか、冗談にしても笑えない、ほんと悪趣味さね、はは、あはは…! | |
(68)2006/06/27 01:40:28 |
のんだくれ ケネス [口元を押さえながら、ハァハァと肩で息をして呼吸を徐々に整える。 目の前にあるのは、紛れも無い「死」。 それも人間の力を超えた、理不尽な「死」の気配。] ってぇことは、まさか……坊主達も、こんなのを見たってのか……? 俺らの他に来た連中、いなくなったとか騒がれてた連中……みんな「こう」なのか? 冗談じゃねぇ!女子供をとっとと帰すしかねぇだろ!? [ふと、ハーヴェイの辛らつな言葉が耳に入り] あぁん?うるせぇだぁ? 死体が一つ増えた「だけ」だぁ? てめぇ、これの一体どこが「それだけ」なんだぁ?! [そう激昂して叫ぶと胸倉を掴み] これがなんでもねぇことだってのなら、テメェが率先してアイツらの仲間入りするか?ん!? | |
(115)2006/06/27 21:58:41 |
のんだくれ ケネス [血走った眼のまま、義足を付け直そうとするものの……] ……畜生、ぶっ壊れやがったか! ははっ、ひゃはははははっ!!!アレだ、これで逃げも隠れも出来なくなったってことか!? あんなのに襲われて逃げ切れるかどうかはわからんけどよぉ、これで確実に殺られるってわけだ!? ははっ、こいつぁ傑作だ! [壊れた義足を掴んでひとしきり高笑いすると、座り込んだままハーヴェイを睨みつけて] ―――てめぇ、坊主。 随分な落ち着きようじゃねぇか。 アレか、殺ったのはテメェなんじゃねぇだろうな!? 外のもテメェの指図で――― [そこまで言いかけたときに、リックとウェンディの姿が眼に入る] ―――坊主、おめぇも、見ちまったの、か? [気勢を削がれたように、絶句する] | |
(135)2006/06/27 22:18:42 |
酒場の看板娘 ローズマリー [レベッカがアーヴァインに問い返す声。「対抗する力」――其れを耳にして、騒動の中、口を挟むのが憚られるように躊躇するも、おずおずと、告げた] その男、きっと、全部自作自演なのよ…… でも、でも、その―― [狂言、其れは即ち狂った言葉、である筈なのに、アーヴァインの言葉の断片に一つだけ、心当たりがあった] ……「占い師」って、何処かで聞いたことがあるの。 何処で聞いたかはわからない――多分、私が小さい頃に、誰かが……占いの力、って…… でも、本当にそんな力、…… アーヴァインも何処かで拾った昔話、勝手に使って口走ってるだけなのかもしれないけれど…… | |
(157)2006/06/27 22:44:51 |