異国人 マンジロー ―樹那町へ戻る電車内― [吊り革に掴まって、怪獣が立っていた。いや違う。着物姿に頭部だけゴジ●の被り物をつけた者。言うまでもなく十字郎だ。子供が泣き喚き、周囲の人が遠巻きに見守る。] [朝は急いでいたから、桜子をそのまま放っておいて出てきてしまった。それに気付いたが時既に遅く、師匠の耳長シャチホコ飛蝗に喝を入れられるのを恐れ、ちゃんと定時に出勤した。その甲斐あって、今日の出番10分もミスなく完璧な演技を披露した。] しゃぎゃーーーーーっ! ぺぎゃーーーーーーっ! [ゴジ●ってこんな鳴き声だったっけ?とか思いながらも、桜子がパニックで泣き叫んでるんではないかと思うと気が気でなかった。寝顔は可愛い。それは事実だ。だが寝てない時は可愛いのかと問われると回答に詰まるのが正直な所だった。案外十字郎は女性の好みに関しては普通かもしれない。寝顔に弱いというただ一点を除いては…] | |
(101)2006/05/09 22:35:26 |
異国人 マンジロー ―噴水― くらえ!ミッドナイトフォーチュン! 負けるか!リミテッドクールファイブ! いでよ!アンプリファイロードコミッティー! 仕留めるぜ!ベートーヴェンシューマッハーイブラヒモビッチジュージロー! ぜぇぜぇ。 [ただ叫んでいるだけなのに5分もすると呼吸が乱れた。必殺技も楽じゃない。これで悪人を退治出来るかとか問うてはいけない。十字郎はとても真剣なのだ。だが、時々通りかかる人は、ゴジ●の被り物の不気味さに加えて、意味不明な叫びを繰り返す十字郎を避けていく。さて、もうそろそろ通報されていてもおかしくない頃だ。だが問題は無い。その前に十字郎の体力が尽きる。10分ももたないのは正義の味方の仕様だから仕方がないのだ。] | |
(134)2006/05/09 23:03:46 |
学生 ラッセル ―自宅― は。 [ ラッセルは我に返ってびっくりした。もうとっくに夜ではないか。そう、昨晩に帰宅してすぐ怪人の現れやすい場面と状況の傾向を確認するため電撃隊を見始めて、そして熱中したまま今に至ったのだ。やはり馬○壮吉はいい。格好いいぞ行動隊長。君さえいれば世界の平和は安泰だ。他の四人なんかいらないって絶対。ビッ○ワンひとりいれば全て解決しちゃうって。それにつけても俺たちゃなんなの。昨日と打って変わってまるでなにもしていない自分にひどく後悔してしまうラッセルであった。] …クンフーが足りない。 [ 己の至らなさがどこにあるかを結論づけて、ラッセルは未熟な自分に活をいれるべくスクワット100回を100セット*行うことにした。*] | |
(139)2006/05/09 23:07:09 |