文学少女 セシリア ―秘密基地・ミーティングルーム― [セシリアは片膝を抱え椅子に座り、モニターを見ている。その唇から、吐息のように声が漏れる] 『長官がやられましたか。これでこの基地もいよいよ私のモノに……などと、考えている余裕も今はないですね。未来設計は少々後回しにして、エイリアン打倒に全力を尽くすべきかも知れません。 変身して敵容疑者を攻撃してしまった以上、もはや降伏が通じるとも思えません。ええ、私自身がやられては、この計画は無意味ですから。 私自身の安全と誇り、そして野望を守るため、彼らを殲滅しなければ』 [そっと鞄に手を入れる。再び出したとき、その手には一冊の本があった。 タイトルは「正しいエイリアンの見分け方 入門編」。 セシリアは本を読み始める] | |
(7)2006/05/15 21:30:52 |
医師 ヴィンセント − 回想 − [ヴィンセントは、幼少時に両親を失い、貧しい少年時代を過ごした。 そのため学業が優秀ながらも進学が叶わなかった彼に、ある悪の組織が声をかけ、科学者として育てた。 優秀な科学者となった彼は、時期幹部候補にまであがっていたが、彼を妬む者や、自分の地位を失うことを怖れる幹部たちによって、裏切り者として仕立て上げられ、処刑されそうになる。 しかし、硫酸のプールで重傷を負いながらも、ヴィンセントは、彼を慕う仲間の科学者の手引きで脱走した。 最初は、復讐のためだけに悪と戦うことを決意した彼であったが……戦いを続けるうちに、少しずつ人間の心を取り戻し、正義の心に目覚めていく。 そんな彼に、日本の地球防衛軍から声がかかる。 彼がこの街にやってきたのは、そんな理由だった。] | |
(63)2006/05/16 00:25:09 |