墓守 ユージーン ネリーさんの力…ですか?それは一体どういう…。 | |
2006/01/22 00:51:29 |
書生 ハーヴェイ ……感情的な女は苦手だ。 人間だった頃を思い出す……。 [ハーヴェイは先刻、ナサニエルに自分の願望を打ち明けてしまった所為か、過去に対して徐々に冷めて行き視点が変わって来ている事を自覚し始めて居た。] 私は姉を愛していた。 私は姉を憎んでいた。 ……憎しみの方が大きいのか? | |
2006/01/22 00:54:29 |
見習いメイド ネリー …… [見つめたまま] …私は、常葉の千年を渡る風。 永きに渡る護りの命を自らに課した騎士。 幾度となく繰り返される戦いの中で、 私は1つの護りの技を持つようになりました。 それは、深緑の盾。 幾重にも折り重なる葉のような強靭な盾。 ―――不完全な封印の力ならば、 跳ね返すことができる程の、です。 | |
2006/01/22 00:55:18 |
見習いメイド ネリー ―――元は一族の者を護るために編み出した力です。 常に傍に居なければならないため、 1人しか守れないのだけれど。 …… | |
2006/01/22 01:00:44 |
墓守 ユージーン ──千年もの間…ただ…護るだけに在るというなら、つらくはないのですか…? | |
2006/01/22 01:09:55 |
書生 ハーヴェイ [此れから、血の騎士全員に考えてもらわなくてはならない、見る者を名乗る者達とハーヴェイ自身がメイに告げられた事の話……その事を考えると胸が鉛の様に重く感じられた。 セシリアとトビーは潔白で……メイは不気味さを持っている物の素直で……。] | |
2006/01/22 01:10:57 |
見習いメイド ネリー ―――… [少しだけ寂しげに微笑んで] ……決めたことですから。 もう、ずっと昔から…ずっと。 | |
2006/01/22 01:12:21 |
墓守 ユージーン …ヤツらが…ネリーさんの力を知っていたとするなら…ネリーさんのことを良く知っていた者の中に三者が居る、という可能性が高いような気がするんですが。 | |
2006/01/22 01:13:20 |
見習いメイド ネリー ……… それは…。 [俯いて。 分かっていた。 敢えて、考えないようにしていたのかもしれない。] | |
2006/01/22 01:16:05 |
墓守 ユージーン ずっと昔… [『一体何があったのですか?』と問いかけて、寂しげなネリーの微笑に気づく。 知りたがりの子供ではないのだから、詮索はすべきではないのだろうと思い直した。] | |
2006/01/22 01:16:13 |
文学少女 セシリア [トビーの言葉が、頭の中で再度響く] あなたが、ネリーを殺した? あなたが、ネリーを殺した? あなたが、ネリーを殺した? [その残響は、心に突き刺さる。まさか、そんなと。] | |
2006/01/22 01:20:04 |
墓守 ユージーン [言ってはならないことを言ってしまったのかもしれない。俯くネリーの辛そうな顔を見ると、そうも思うが。 でも。] | |
2006/01/22 01:22:38 |
見習いメイド ネリー ―――誰かが、人づてに聞いたのかもしれません。 …近しい者が、そうだとは、限らない… [言い聞かせるように。 脳裏を過ぎるのは、メイがナサニエルを責めていた事。 どうすればいいのか、ずっと迷っていた。] ―――… | |
2006/01/22 01:25:39 |
書生 ハーヴェイ メイ……。 お茶会で見かけた時の貴方の印象の事を思うと……。 「死者の祭典」に現れた事も、ナサニエルをトリムルティだと告げた事も、そして遂に「私をトリムルティだ」と言い出した事も、驚きの連続でした。私の事に話が及ぶまでは、貴方が本当に【見える者】でナサニエルがトリムルティなのだろうかと迷った……。勿論、今もナサニエルの事は分からない訳ですが。 [メイの質問とその後の言葉に対して、] 其の主観的なストレートさがメイの魅力なのかもしれませんが、残念ながら私には意味を持たない言葉です。 メイは二重人格や虚言癖でもなれば、嘘はついていないと思います。私の眼から見ても。……しかし、貴方が何かを見ているのは事実かもしれませんが、其れを果たして真実だと断言する事は出来るでしょうか。 | |
(217)2006/01/22 01:32:28 |
見習いメイド ネリー 仰る通りかもしれません。 ―――それでも。 それでも、私は信じたいと…思ってしまう。 何を信じるべきか。 如何するべきか。 迷っていた。 そして、今も。 …愚かですね。 [自嘲して] | |
2006/01/22 01:43:05 |
学生 メイ ネリー、ネリー… 苦しかったんだよね。私も苦しい。助けて。 もう誰も死んで欲しくないのに。 | |
2006/01/22 01:46:26 |
牧師 ルーサー [周囲がざわめいているのに気付き、跪いた体勢からゆっくりと立ち上がり、周囲を見渡した] ……今度はハーヴェイさんがトリムルティだと仰いましたか? ……まあ、私はハーヴェイについては主にお伺いしていませんが……正直、こうもすんなりと反逆者を見つけたと言えてしまうのも、何となく違和感がございますね……。 メイさんはこのような血生臭い場所に来られるのは初めてのようです。恐慌のあまりに混乱してらっしゃるのでは?……正直、先程からあまりにおびえていらっしゃるので心配です。 ……少なくとも、気を強くお持ちなさい。貴方は何の為に此処にいらっしゃったか、そしてこれから何の為に行動するのか、それを考えれば……自ずから、答えを出せる方だと信じていますよ。 [と、ここまでメイに対して諭すように言うと、ナサニエルの異変を横目で見やった] | |
(231)2006/01/22 01:57:25 |
墓守 ユージーン 信じる…。 [疑心暗鬼と懼れの中で生きてきたユージーンには、ネリーの気持ちがしかとは理解し切れなかった。信じるということの重みも。 ただ、ネリーが苦しんでいることだけははっきりと分かった。] | |
2006/01/22 02:13:46 |
見習いメイド ネリー ――――ごめんなさい。 …こんな風では、いけないのですけれど。 [俯いてゆっくり首を振る。] | |
2006/01/22 02:18:53 |
牧師 ルーサー [ナサニエルがよろよろと立ち去っていくのを興味なさげに眺めた後、メイに向かって] ……私は怖くありません。 私が生きているべきならば、主は必ずや御守りくださいます。 信仰を貫いたまま命をまた落としたとしても、それは信仰の上の死……「殉教」です。 主はそのような者を神の国へと導いて下さいます。私はもうそれを経験しました。故に、死すらも怖くありません。そもそも封印が即ち死を意味するのかすら解りませんが……。 ですが、無為な闘争は主の御心に反します。故に、トリムルティの行為を主はお許しにならないでしょう。 貴女がそのように信じるのならば、自ら見た物を信じなさい。貴女が私と違う物を見ることがあるならば、その時にまた考えましょう。 その憐れみの心を忘れずに…… [そう言うと、笑顔でくしゃくしゃと頭をなでた] | |
(240)2006/01/22 02:24:14 |
墓守 ユージーン …ここにいる限り、もうあっちのことはボク達にはどうしようもないです。友達の人が、きっと三者を見つけてくれると信じましょう。 [それは気休めだと自分で思っていたが、殊更に何でもないことであるかのように軽く話した。] ボク達はどうやったらここから出られるのか、考えないと。 | |
2006/01/22 02:25:11 |
見習いメイド ネリー ……そうですね。 ありがとうございます、ユージーン様…。 [頷いて、いつものように微笑んだ。 それから、『墓』を見渡して] 力ずくでどうにかなる筈もない…。 …ノーマン様の言葉が何かの鍵なのでしょうか。 | |
2006/01/22 02:32:48 |
墓守 ユージーン [今まで状況の変化の目まぐるしさにどこか心が麻痺していたのだろうか。 それとも。ネリーと一緒にいるせいで舞い上がっていたのだろうか。 こうやって冷静になって考えてみると、改めて絶望感と虚しさをひしひしと感じるのだ。 ここにいることが。 何も出来ず終わったことが。 ] | |
2006/01/22 02:35:08 |
墓守 ユージーン [生まれてきたことも。 自分はやはり存在してはいけないもので。 それ故にここで朽ち果てるようにと…そのように定められたのかと。 そんな思いが広がるのを、必死で押さえ付けていた。 だが、それは決してネリーに知られてはいけない。他の誰にも。 絶対に。] | |
2006/01/22 02:40:10 |
見習いメイド ネリー [壁際で、水晶の球を撫でる。眠る死神の顔。 ―――ああ、覚えている。彼は私が封じたのだ。 …封じられることもなく、消えた騎士もいた。 ――そう。] ―――…ユージーン様。 …お聞きしたいことがあるのですが…よろしいでしょうか。 | |
2006/01/22 02:46:12 |
墓守 ユージーン ノーマンは確かに何かを知っていた。 今となってはもうこれ以上話は聞けないだろうけど…。 やはりボクも彼の残した言葉が鍵だと思う。 [ユージーンは内心の懊悩を隠すために、冷静な振りをした。ネリーにこれ以上余計な不安を与えないためにも。] | |
2006/01/22 02:46:33 |
墓守 ユージーン [ネリーの問いかけに首を傾げ] 何ですか? | |
2006/01/22 02:48:03 |
見習いメイド ネリー ”そは…生けるものの血によりてのみ…開く”… ”なんびとたりとも出ることあたわず”… ……開くとは、墓のことでしょうか…? 誰も、出られないと言うのに…謎かけのよう…。 [ノーマンの言葉を繰り返し] | |
2006/01/22 02:55:39 |
見習いメイド ネリー [ユージーンのほうを見て] …ロラン様のことです。 祭典の前に…私にお聞きになった。 | |
2006/01/22 03:00:36 |
墓守 ユージーン [ユージーンは、コートのポケットにあるアルバの腕輪を無意識に*握り締めていた。*] | |
2006/01/22 03:00:39 |
冒険家 ナサニエル 私は…ナサニエルだ。 ナサニエル…そう、私はナサニエルだ。 [奥深い所で呟き続けるように。「狂乱」に対抗するように微かに呟き続けられている] | |
2006/01/22 03:13:53 |
見習いメイド ネリー [ネリーは、真っ直ぐにユージーンを*見つめている。*] | |
2006/01/22 03:14:18 |
書生 ハーヴェイ [ナサニエルからは眼を逸らさずに、セシリアに向けて話す。] 何故彼が私の恩人かと言うと……、セシリアにもネリーにも見せなかった私の戦闘形態を偶然彼が知り、助けれくれた過去が有るからです。 [あの日の木漏れ日を思い返す様に瞬間的に眼を閉じる。ナサニエルが蹴りを放つのが気配で分かった。] 醜い姿です……。 ………貴方には、お見せしたくなかったのですが。 [そう言って微笑したハーヴェイの背中の肩甲骨のあたりから、暗赤色に濡れた腕が2本、唐突に生えた。1本は腹部の傷を庇う様に身体を抱き、もう1本は掌を広げナサニエルの蹴りを受け止める。 ハーヴェイはその隙に本来の右手を床に付き、蹴りを受け止めた反動で素早く回転する様にして、ナサニエルと距離を開けた。] | |
(264)2006/01/22 03:19:50 |
学生 メイ っ! なに、あれ… | |
2006/01/22 03:21:12 |
書生 ハーヴェイ [まるで理性を失ったかの様な姿で、ナサニエルの身体能力は極まっている様に見える。ハーヴェイの叫びはナサニエルに届く事は無く、投げ飛ばされたハーヴェイは、階段に背中を強かに打ち付け、ナサニエルに切り裂かれながらもなんとか傷口を庇っていた手がぐにゃりと嫌な角度に折れ曲がり、離れた。] [その時、セシリアが栞を放ち、ナサニエルの南京錠に阻まれるのが、昏倒し斜めになった視界に映った。] 駄目だ、セシリア!! 貴方が危ない……っ。 ……ナサニエル!! [ハーヴェイの感情は絶望のボルテージが上がり、軋み、頬には何時しか一筋の涙が流れている。ハーヴェイは体が次第に熱を帯び、或る変化を始めた事を自覚した。警鐘の様に心臓の音が聞こえた。] | |
(279)2006/01/22 05:10:05 |
墓守 ユージーン …………… あれは…アルバが……昔素晴らしい騎士だと言っていて…、ネリーさんとも親しかったと聞いたので……それで。 [真っ直ぐなネリーの視線から、目を逸らさずに話すのは、かなりの苦痛だった。 喉が酷く渇く。 自分は平静な表情を保てているだろうか。自信が無い。] | |
2006/01/22 11:41:36 |
墓守 ユージーン [二人の間に漂っていた、先程までの打ち解けた親密さが、まるで潮が引くように急速に冷えていく。 今のユージーンの顔からは、表情というものが消えていた。] | |
2006/01/22 11:47:40 |
見習いメイド ネリー ……… そう、なのですか。 [―――ユージーンの表情が消えていくのが分かる。 自分は、彼の禁域に踏み込もうとしているのではないか。 迷いながら。] | |
2006/01/22 13:13:28 |
見習いメイド ネリー ――― 不思議、だったのです。 ユージーン様を見ていると… 何処か、とても、――懐かしくて。 [ぽつり、ぽつりと。] | |
2006/01/22 13:17:09 |
見習いメイド ネリー [――何故か似ているのだ。ロランに。 思い出す。 ロランの穏やかな表情。 愛する人を見守っていると謂った。 幸せそうに。 満足そうに。] | |
2006/01/22 14:00:30 |
墓守 ユージーン ・・・・・・・・。 [打ち明けるべきなのか。 言ってしまってもよいのか。 だが、幼い頃からずっとそれを隠し続けるよう教えられ、誰にも明かしてはいけないと言われたそのことを、口に出すにはあまりにも禁忌の壁は高すぎた。] | |
2006/01/22 14:53:46 |
墓守 ユージーン 懐かしい…ですか。 [ネリーに…打ち明けたい、という気持ちが心の中に強く湧いてくる。 だが、「信じる」ということが分からない。 言ってしまうとどうなるのか、何が変わるのか。 それが恐ろしい。] | |
2006/01/22 14:58:28 |
墓守 ユージーン [それを知った時。 ネリーはどうするのだろう。 自分はどうなるのだろう。] | |
2006/01/22 15:02:07 |
見習いメイド ネリー [ユージーンの声に小さく頷いた。] …… [じっと見たまま――― あの日のロランの瞳と重なる。] | |
2006/01/22 15:23:38 |
墓守 ユージーン [ユージーンは寄る辺ない子供のような目でネリーを*見た*] | |
2006/01/22 15:30:15 |
見習いメイド ネリー [幼けない瞳。 さながら迷い子の様な。 ぎゅ、と胸が締め付けられるような感覚。 どうして。 何故、そんな眼を――] ―……… [そっと、ユージーンに向かい手を伸ばす。] | |
2006/01/22 16:56:15 |
墓守 ユージーン [瞳が揺れる。 その優しげな白い手を──受け入れたいと、 指に触れたいという渇望と。 近付くものを懼れ、触れられたくないという恐怖との狭間で。] | |
2006/01/22 18:44:08 |
墓守 ユージーン [──ユージーンは瞳を*閉じた。*] | |
2006/01/22 18:45:47 |
見習いメイド ネリー [揺れる瞳が閉じられる。 一瞬、伸ばしかけている手を止めて。] …… [それでも、その頬に触れようとまた近付く。 ――懐かしい感覚。 ――ロランの面影。 ――アルバ。 ――迷い子の眼。] | |
2006/01/22 19:42:50 |
牧童 トビー ―壁龕― [闇の中でささやく。] 「女神」よ。母の母なる方。 僕はあなたの不可視の大鎌の刃、あなたの月光の紅の一滴です。 どうか僕の裡にある悪夢を鎮め、死の平穏へと導いてください。 安らかな消滅を与える者であるに、相応しくあるようにと。 僕はまだ死ぬべき刻の至っていない者を殺しました。 彼の憎しみが許せなかった……。 人間はいつもずるい。 護るべきものがあれば、殺していいのだというなら……。 アルバが殺した死神たちはどうなるのですか。 その死に異議を唱える資格さえ、彼らにはないのですか……。 僕は……、彼らの記憶をあなたのもとへ還すことさえできなかった。 僕は……、僕は……彼らのために戦うべきじゃない。 そんなことは解っている……。 もしそれがあなたのご意思なら、僕らは皆ここで死ぬべきです。 そんなことは解っている……。 | |
(307)2006/01/22 20:58:07 |
墓守 ユージーン [近付くネリーの気配を感じる] | |
2006/01/22 21:18:17 |
見習いメイド ネリー [壊れそうな硝子を撫ぜるように、そっとユージーンの頬に触れる。] | |
2006/01/22 21:25:36 |
冒険家 ナサニエル 私はナサニエル…私はナサニエルだ。 [反転世界の女の子が延々と呟くように囁いている] | |
2006/01/22 21:30:18 |
墓守 ユージーン [ネリーの指が頬に触れた瞬間、ぴくり、とユージーンの身体が震える。] | |
2006/01/22 21:34:32 |
冒険家 ナサニエル [ナサニエルの内側… 赤い髪の女の子は願いを秘めてナサニエルを維持する。 願い…いや、それは… 自分がナサニエルで在りつづける為の 儀式のようなものでもあろうか。 うめきながら蹲るナサニエル] | |
2006/01/22 21:43:01 |
見習いメイド ネリー [触れた頬は温かい。 …やはり、どこか懐かしく感じられて。 ユージーンの体が小さく震えた。] ……こわい、ですか? | |
2006/01/22 21:44:05 |
冒険家 ナサニエル [耳にその囁き声が聞こえてきたのであろうか。 天地逆のまま、白い世界で向かい合う。 ナサニエルは上を向く。 上からは女の子の姿…エミリーが下を向いている。 「そう…私はナサニエル…」 「魂の木から…すくいあげる為に死神と再びなる事を希んだ」 2人の距離はどんどんと縮まる] | |
2006/01/22 21:46:43 |
墓守 ユージーン ・・・・・・・・ [口を開くが、声にならない。 涙が。 ] | |
2006/01/22 21:47:11 |
墓守 ユージーン [泣いてはいけない。 だが。 ] | |
2006/01/22 21:48:16 |
冒険家 ナサニエル [反転世界の2人は… 額をつけ、願いを再び心に刻む。 何度も刻み続け…いや、存在と同時に刻まれた願いを、 より深く より強く より痛烈に 心に留めるが為] | |
2006/01/22 21:49:05 |
墓守 ユージーン [ユージーンの閉じた目から涙が溢れ出してくる。 堪え切れぬ様に、低い嗚咽が*喉から漏れた。*] | |
2006/01/22 21:50:03 |
冒険家 ナサニエル [まるで自分を責めるかのように。 まるで怒りの矛先を自分へ向けるかのように。 心に深く刻み込む。 決して消えない、願いを。 私はこの時の為にだけ、 ナサニエルは その時の願いの為にだけ 死神として存在が生まれたのだ] | |
2006/01/22 21:52:19 |
書生 ハーヴェイ ─壁龕─ [ハーヴェイの生前の記憶が蘇る。 ……未だ、姉が生きていた頃の記憶。 ───油絵の具とシンナーの匂いのする部屋。 引き裂かれたキャンバスが何枚も転がる、其の隙間にフローリングの床が見える。 ハーヴェイは、愛する姉の悲痛な叫び声と、何度も何度もペインティングナイフを突き立てられる痛みに耐えている。 『姉さん……。』 ハーヴェイは呟きながらも、姉を見ない。 何故なら、ハーヴェイによく似た色の姉の瞳には、彼の姿が映らない事を知っていたから。……もう何年も、狂気に飲み込まれていた彼女の瞳には、彼女が愛し、裏切られ、傷つけられた一人の男しか映っていなかった。 | |
(312)2006/01/22 21:53:30 |
書生 ハーヴェイ 男は世紀に名を残す天才画家で、ハーヴェイの姉も其の男と関われなければ、その男を愛さなければ……、或いは女性で無ければ、男よりも才能を発揮する事が出来ただろう。 彼女を裏切っては、追い詰める男。 身を引こうとすれば、 雪の中何時間でも彼女の名を叫び続け。 彼女の芸術の魂に激しい炎を灯し、 そして其れを根刮ぎ奪う。 男の才能は確かに誰の目にも明らかだったが。 男と関わる事で、社会的な信用を失い、発表の場を失い、作品内容の同化…とも言える類似、裏切りと報復、悲鳴をあげ歪んで行く精神、発揮出来ない才能、入退院と自殺未遂、殺人未遂……。 『彼女が、私に何かを望めば』 また違っていたかもしれない。 だが、姉が求めていたのは、その男だけだった。 ハーヴェイは姉が追い詰められて行くのを、只、傍で見守り続けた……。] | |
(314)2006/01/22 21:56:29 |
書生 ハーヴェイ [嵐の様な毎日は唐突に幕を下ろした。 突然道に飛び出した姉は、ハーヴェイの目の前で事故死したのだ。 男が好んで着ていたのと似たコートを着た人影が見えた……。姉は男の幻影を追いかけて勝手に死んだ。 ハーヴェイに、唐突に空虚が訪れた。 等に両親を始め親類とは縁が切れていた。嘗て華やかだったサロンからも遠離っていた。ハーヴェイは姉と暮らした家で独り、酒に浸りながら小説を書いた。] [只一人ハーヴェイを支えてくれたのは、当時新米記者だったソフィ。執筆を静かな情熱で支えながら、立ち直る事を願ってくれて居た。] 私は彼女の好意を知っていた。 とても感謝していた。 今でも、私の最後の小説が出版されているのを見る事が出来るのは、 | |
(315)2006/01/22 21:57:39 |
見習いメイド ネリー [なみだが。 なみだが頬を濡らしていく。 頬を撫でるネリーの手も。 温かい雫。] ……ユージーンさま… [ふわ、と。 あやすように、抱き締めた。] | |
2006/01/22 22:04:43 |
墓守 ユージーン [ネリーの腕がふわりと回され……やわらかく抱きとめられたと感じた時。] ・・・・・・・・・・・・・・・・ うわああああああぁぁぁぁァ──────────── | |
2006/01/22 22:17:24 |
墓守 ユージーン [ネリーにすがり、がんぜない幼な児のように。 泣いた。] | |
2006/01/22 22:19:57 |
見習いメイド ネリー [泣きじゃくるユージーンを、ぎゅっと抱き締め…背中を撫でる。 優しく――優しく。] | |
2006/01/22 22:22:35 |
墓守 ユージーン [十数年前。 「女神の揺籃」の繭から開放され。 知らぬうちに与えられた大人の肉体と精神に、幼な児の魂は悲鳴を上げ。 養い親のアルバを捜し求めて冥界の森を彷徨い。 あの場所で、決して外さぬ筈のアルバの銀の腕輪を見つけた。] | |
2006/01/22 22:26:57 |
冒険家 ナサニエル [「…ナサニエル」 エミリーの声が聞こえる。 ヘンリエッタに似た赤い髪の女の子だ。 ナサニエルが血の騎士になった切欠… 思えばエミリーも救えなかった。 両手を赤く染めて、エミリーはあの時床に座り込んでいた。 それまでもナサニエルは、人が些細な理由で迫害を受け、理解の齟齬から争いが始まり、血は血を呼び死は死を呼ぶ事を見つめてきた。何故こうも、人は理解を容易く手放してしまうのだろうか。 その結果が弱き者が数多く死に強き者が跋扈する世界。…しかし、その強き者もまた苦しんでいる] [私はどんなに命を取り落としてきた事なのだろうか] [嘆きに満ち諦念に覆われた世界を見てきた。 私が出来る事は何なのだろうか。彼らに少しでも希望を与える事は出来るのだろうか。それとも何も出来ないまま、死神としての生を終えるのだろうか] | |
(332)2006/01/22 22:27:08 |
墓守 ユージーン [もう護ってくれる者も、 頼る者も居ないのだと。 独りで、一人きりで生きていかねばならないのだと。 これからは決して涙を流さないと。 泣いて泣いて泣いた後に。 そう、決意して。 自らに誓った。 ] | |
2006/01/22 22:29:35 |
墓守 ユージーン [それより後は。 常に何処からの襲撃に怯え。 何者が殺しに来るのかと疑心暗鬼となり。 正体を知られることを恐れて、死神には近寄らず。 独りで。 たった一人で。 ] | |
2006/01/22 22:33:23 |
墓守 ユージーン [血の騎士になったのは、無抵抗のまま理不尽に死にたくなかったからだ。 アルバの仇を憎んだのは、そうしていないとどうやって生きていけばいいのか分からなかったからだ。 怖かった。 泣きたかった。 いつもいつも。 ] | |
2006/01/22 22:36:31 |
見習いメイド ネリー [泣いている。 泣いている。 幼子の様に。 彼はどれほどの思いをして来たのだろう。 祭典で見た彼は、常に警戒を纏っていた。 ――そうしなければ、ならなかったのか。] | |
2006/01/22 22:38:49 |
墓守 ユージーン [やっとおのれを恐れず、何も言わずに受け入れてくれる友を得た時も。 それでも言えなかった。 おのれの秘密を。 それでも信じられなかった。 友を。 ] | |
2006/01/22 22:39:23 |
墓守 ユージーン [ネリー。 ネリー。 ネリーが自分を変えてしまった。 心の中、固く閉ざしていたものがほどけていくのを感じながら、ユージーンは泣き続けた。] | |
2006/01/22 22:41:57 |
牧師 ルーサー [ヒューバートを警戒しながらも、ステラの苦しむ姿を思い返して] ……主はこのように仰いました。 「見よ、処女が妊娠し、男の子を産むだろう。」 私は歓喜に震えました……主は私に奇跡をもたらして下さったのだと。そして、彼女にそのことを告げると、私は彼女に恩寵を与えました……。これは奇跡であり、肉の交わりではなく霊の交わりです。ですが、彼女は泣き叫び、何故か出血までしていました。……私はあまりに自らの魂が歓喜していたため、よく覚えていないのですが。 ……それからしばらくして、彼女の妊娠が発覚しました。ですが、彼女は処女ではなかった……。これはおかしい。主は「処女が妊娠する」と仰ったはず。つまり、彼女は私以外の誰かと姦通していた……なんとも嘆かわしい話です。主が嬰児を宿してくださったというのに。 | |
2006/01/22 22:45:34 |
墓守 ユージーン [─── ややあって。 溜まっていた想いを全てを涙にして流し尽くしたユージーンは、泣き止むとゆっくりと顔を上げた。 何かを決意した瞳でネリーを見据える。] | |
2006/01/22 22:49:07 |
墓守 ユージーン ──ネリーさん。 ボクは。 | |
2006/01/22 22:49:37 |
墓守 ユージーン [それでもまだ躊躇い、だがそれを振りほどくように] ・・・・・・・・ロランは… ボクの、父です。 | |
2006/01/22 22:51:01 |
見習いメイド ネリー [声に、頷き] ……はい。 | |
2006/01/22 22:51:26 |
見習いメイド ネリー ……そうなのですか…。 [微笑んで、ユージーンの顔を見る] ロラン様が…お父様…それで…。 ご立派になって…ロラン様も、誇りに思われていると思います。 | |
2006/01/22 22:55:56 |
墓守 ユージーン ロランが…掟を破って、愛する人を…母を甦らせようとしたのは、ボクのせいです。 ──母のお腹のなかに、ボク、が、居たから。 | |
2006/01/22 22:58:07 |
墓守 ユージーン [あまりにあっけないネリーの反応に、かえって自分の方が驚いてしまう。] 驚かない…のですか? | |
2006/01/22 22:58:59 |
見習いメイド ネリー [懐かしげに、眼を細めてユージーンを見た] | |
2006/01/22 22:59:11 |
墓守 ユージーン 決して生まれない筈の、死神の子供…… それが、ボクです。 | |
2006/01/22 23:00:11 |