美術商 ヒューバート 昔は、と言ったら若き死神に笑われるのかも知れない。 だが「人」の死の意味合いも、そして数も変わりつつある。 とある人の政治家が「人の命は等しく尊ばれるべし」と言った。 だが… 暗黒大陸(アフリカ)の飢餓による死を無くせば 「人」は深刻な食糧危機に陥るだろう。 人は人を生かす為、人を見殺しにせねば立ち行かぬ。 では当の飢餓で死んで行く者達は「収穫期」なのか? 天命なのか?我らはそこにばかり目が行き、発達した国々から死が遠ざけられている。 我らは「人」に等しく「死」という節度を与える存在ではなかったのか。 この寺院の異変は我らの本質の変遷も関わっている。 そう思えて仕方がないのよ。 | |
(303)2006/01/18 19:09:37 |
書生 ハーヴェイ [ラッセルに向かって、] 恋人同士ではないのか。 それは、失礼……。 余りに仲が良さそうだったのでつい勘違いをした様だ。 [ハーヴェイが何気なく発した「恋人」という言葉で、一気に緊張感がなくなったラッセルとメイの今時の若者らしく捉えがたい態度に、苦笑しつつもノーマンが気になった。鞭を手元に収納しつつ言葉を続ける。] 通常、血の騎士が封印される時は、其の者の身体を表象して居た空間が歪み、透明になって行く。そして一欠片の水晶となり、やがてその水晶も消えてしまう。 そう、先刻ラッセルも見た……アーヴァインと同じ様に。 やはりノーマンは、姿をくらましただけの可能性の方が高いだろうか…ね。 | |
(345)2006/01/18 21:32:55 |
書生 ハーヴェイ [ヒューバートの言葉に、] 近年の人口増加と増加した分だけ死者が増えている現状は、20世紀以前の人間で有った私にも特殊な事態に見えます。私自身「神が不在になった」と言われた、近代以降のアイデンティティを所有している訳ですが……それでも。神が不在の様に思われるなら、死神の存在はなんでしょうか? ……そう、考え込みそうになりますね。 ノーマンの様に、三者が血の騎士の意味を知ったなら、其れを知りたいと思ってしまいそうだ。でも、今は私の万年筆は、戦う為の鞭なので……テキストを綴る事が残念ながら出来ない。 [革手袋の手で、漆黒の鞭を再び握りしめた。] | |
(349)2006/01/18 21:39:10 |