自警団長 アーヴァイン
ふむ……まだ集まっていないようだな。 今のうちに、もう一度見回りに行ってくるとしよう。
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墓守 ユージーン ───BLOOD TEMPLE─── 「BLOOD TEMPLE 」 http://calorie.axisz.jp/cgi/pukiwiki/index.php?BLOOD%20TEMPLE 『BLOOD TEMPLE』製作委員会 http://calorie.axisz.jp/cgi/pukiwiki/index.php?%A1%D8BLOOD%20TEMPLE%A1%D9%C0%BD%BA%EE%B0%D1%B0%F7%B2%F1#content_1_12 『BLOOD TEMPLE』設定資料集 http://calorie.axisz.jp/cgi/pukiwiki/index.php?%A1%D8BLOOD%20TEMPLE%A1%D9%C0%DF%C4%EA%BB%F1%CE%C1%BD%B8 | |
(0)2006/01/13 21:58:23 |
墓守 ユージーン ユージーンは荒涼とした冥界の大地に降り立つ。 ふと見上げれば空には瞬く星もなく、赫く巨きな月が血走った眼球のように見つめているだけ。 永遠の夜。 冥界には夜明けは来ない。夜の女神の統べる大地には陽光の訪れることはない。 眼前にあるのは女神のおわす「夜の宮殿」を取り囲む、広大な森。その中に開けた小さな空き地が今足を踏み入れた場所だ。 奇怪に捩じくれた樹木が疎らに生い茂る冥界の森に、時折蠢くのは名もなき小さな魔なのか。冥界に生くる鳥も蟲も──それ全てが魔、である故に。 何もかもが地上とは違っている。……いのちの色彩に溢れた地上とは。 彼は小さく溜息をついた。 | |
(1)2006/01/13 22:00:02 |
墓守 ユージーン 慎重に森を歩いていく。どうやら今日はここら辺一帯はグリゴリの哨戒ルートからは外れたようだ。 そのまま何事もなく、石を積んだ小さな石塔の前に辿り着いた。 コートのポケットから、銀の腕輪を取り出し眺める。 腕輪の内側には、文字が彫ってある。磨耗しかかった、今は殆ど使われない言語のそれは、人の名前だ。 『アルバ』 ここに、十数年前のあの時に、これが落ちていなければ、自分はアルバが滅し去ったことさえ知らずにいただろう。死神は骸を残さない。虚空に消滅する。 存在さえしなかったかのように。 脆い、夢のように。 果たして自分に「その時」が来た時……いったい何が残るのだろう? ユージーンは腕輪を握り締め、しばしその場に*立ち尽くした。* | |
(2)2006/01/13 22:05:42 |
お嬢様 ヘンリエッタ その少女の華奢な体は、人ならざるものであると思う事は出来ない。だがしかし、その少女の顔は、見る者へ幸せを感じさせ、この世の者ならざる美しい。――薔薇の蕾がふんわりと開いたような可愛らしい顔立ちをしている。 人形狂≪ビスクフリーク≫によって作られれば、このように人を越えた美しさと愛おしさを感じさせる顔を作る事が出来るだろうか。 纏う衣は、赤とバランスよく黒を差し色しているゴシックロリータ。地面をまるで踊るように舞うように運ぶ足先に先行して地より数cm浮く包帯が、華麗にふわ。 この赫く巨きい毛細血管が今にも破裂してしまいそうな危うさを時に感じさせる月の下、彼女は楽しげに歩いている。 それが、酷く現実味を欠いてアンバランス。 周りの色彩を欠いた世界は彼女の赤を引き立たせる。 | |
(5)2006/01/13 22:37:35 |
牧師 ルーサー 彼は、キリストに仕える者。 主と崇めるものの為に生き、 主と崇めるものの為に死す。 死してなお、その身は主の御為に。 しかし、彼の身は主の為にしか在ることはない。 彼もまた、「死神」と呼ばれる存在。 その中でも最強の力を持つ、血の騎士にまで上り詰めたばかりである。 しかし、彼にとってこの身は「天使」のそれであり、命を刈り取る働きは、主の下した命である。 彼は主と崇めるものの為に在る。 故に、彼の世界には夜の女神も闇の眷属も血の騎士も存在はしない。それは異端の信仰の産物であるから。 ……故に、彼の目には在りもしない楽園のみが広がるばかり。 自分の存在の為になら、世界への認識すら捻じ曲げる。 それが、彼の強さなのかもしれない。 今はただ、主の懐に抱かれる夢を見ている。 主の栄光の為の闘いが始まる。 彼は何よりも主の為の騎士なのだから。 *彼は満足気に瞳を閉じた* | |
(12)2006/01/13 23:13:32 |
牧童 トビー いつも身の回りの世話をしている妖魔が、瀟洒な銀造りの鞘に入った細身の長剣を運んできた。トビーにとってはただ一つ、時間の経過を理解することができる証を。 永遠の夜が続く冥界に生まれ、そこを離れたことがない者に、規則正しく太陽が日を刻み、月が満ち欠けし、季節が移ろい、人間が生まれて死ぬ地上のような時の流れを感じることは難しい。その祭典は十三年に一度開かれると言うが、トビーには本当に十三年が過ぎ去ったのかどうかも、定かには解らない。 トビーがその武器を実際に振るったことはない。ただ祭典には戦いの技を競うという建前があり、その約束に相応しくあるようにと、彼もそれを携えて祭典に向かう。翼の生えた小妖が燐光を発して、彼のたどる道を照らす。 森は暗く、他に歩く者の気配はない。真紅の月はその森の地表を照らすことはない。 ふいにトビーは顔をめぐらせて、森の奥を、揺籃を取りまく禁域を見つめる。 | |
(14)2006/01/13 23:24:15 |
美術商 ヒューバート ワシントンポストの飛行機事故のニュースを眺めていた長い黒髪を後ろで束ねたスーツ姿の男はメガネを外しながら言った。「全く以ってエレガントではない…」 ふう、と溜息を付きながら男は「それ故、我が業(わざ)に終いは無し、か。」 男はカフェを出て路地裏に入り、呟くように言った。「我が手にあれ、冥府鴉」 その瞬間、10センチ程の無数の黒い羽毛が男を包む。 やがて黒の奔流は解け、そこには黒塗りの長剣と古めかしい西洋鎧を着た男が立っていた。 「いい加減、神の試練とばかり災害を起こすのは芸がないという事を覚えてもらいたいものだな」 飛行機事故の真の原因たる者達を駆逐する為に傍らに立つ黒馬に男は跨り一人ごちた。「まあこれもパーティの身支度と言うわけか」 黒馬は彼らの上空を飛ぶ三対の白い翼のもとへ走り出した。 | |
(21)2006/01/13 23:55:31 |
流れ者 ギルバート ―人間界・孤児院― [ベッドに少女を寝かせてからギルバートは椅子に座って呟く] アンネ…お前はナタリーに似ているな。気高き魂も彼女の生き写し。 その魂が他の死神や天使といった下種を引き寄せてしまうのだが…。 いや、既に俺がヒトだった頃のナタリーそっくりだ。 [眠っているアンネの頭を撫でて、屋根裏部屋へと移動する] 彼女達に手を出しそうな、愚かな死神や天使どもには滅びを与えておいた。 これで心置きなく、祭典に備えられるというものだ。既に勇敢な死神たちが待ちくたびれている頃だろう。 この祭典をエスケープするわけには行かない。血の騎士であり続ける事がナタリーやアンネを守り抜く…唯一つの手段だろうから。 そろそろ冥界に出向くとしようか。月光ッ!! [彼が呼ぶと、左手に握られていた銃が冷たい光に包まれた鷹へと変化を遂げる] ……時間だ、門を開け。 久しぶりに冥界の空気を味あわせてやる。お前も一緒に来い。 [使い魔、月光が門を開くと一振りの刀と鷹を携え、ギルバートは冥界へ向かって旅立っていった] | |
(29)2006/01/14 00:18:12 |
吟遊詩人 コーネリアス 彼は目を閉じている。彼に睡眠は存在しない。 見ているのだ・・・体に染み付いた”思い出”を。 瞼の裏にはその光景がはっきりと焼きついている。 手には肉を断つあの柔らかな感触。 耳には美しい哀歌のような悲鳴。 鼻には業火が身を焦がす芳香。 彼の体を衝撃が駆け巡る。快楽という衝撃が。 自然と笑みが零れる。 最上の幸せを味わうかのようだが・・・ どこか屈折したものをうかがわせる笑みを。 「つまらぬ仕事は早く終えてしまわないと・・・。 ククッ・・・体は正直だなぁ・・・実に・・・」 彼の足取りは軽い。 何の臆面もなく邪気を曝け出しながら、彼は寺院へと足を進めた。 | |
(36)2006/01/14 00:34:48 |
学生 ラッセル [ゆったりと、緩慢な足取りで屋根の縁へと歩む。 こつ、こつ、と靴音が静まり返った夜の空に響く。 ふ、と視線を上げると暗い空を横切るものがあった。 こんな夜更けに鳥が飛ぶ訳は無い。 ラッセルはぼんやりとその白い影が天を渡るのを眺めている。] 軍の奴らも、サーが祭典に出てて居ないってのに随分派手にやってるのなあ………。取り漏らしてるけど。 ………で、アレかな。やっぱさ、そんな彼らの撃ち洩らしたアレを追っ駆けて来ちゃった僕が悪いって奴ですかね、この状況。 [天の白き影は答えない。ラッセルとその"天使"達が不仲なのはさて置くとして、この距離なのだから、ラッセルの呟きが聞こえる筈も無い。] | |
(131)2006/01/14 04:30:16 |